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中華民国(台湾)では、南部の高雄市に昨年開院した「南台分院」が、去る3月27日、新たに「南台布教所」として昇格し、その翌28日には、中部の台中市に待望の「中台分院」が開院されました。これで、実に3つの法城が台湾に整備されたことになります。今年の台湾全土の折伏目標数は2600名です。昨年実績の約3倍の目標数となります。当然のことながら、この目標達成には以前とは比較にならない程の強力な推進が必要です。そのためにも綿密な計画と準備が不可欠ですが、この中台分院の開院によって、闘いの準備はほぼ整ったものと確信しております。以前から、台湾全土にわたる布教ということを考えたとき、その基礎として、最低限、3つの法城が必要であると感じておりました。3という数は仏法上重要であり、かつ不倒・安定のための最少整足数でもあります。それはあたかも、古代中国の宝器「鼎(かなえ)」が3足で安定しているように、台湾において本格的に折伏を推進するためには、何としても台湾北部・中部・南部のそれぞれに、本格的な拠点を整備したいと切に願っておりました。図らずも今日、宗史に永く語り継がれるであろう「出陣の年」の陣列に、かような磐石の体制をもって臨むことができましたのは、まさに仏祖三宝の冥応としか言いようがありません。3つ目の法城「中台分院」開院の3月28日は、台湾僧俗一同にとりまして、本当に待ちに待った記念すべき日でありました。まさにこの時こそ台湾の本当の「出陣式」であると、僧俗一致、異体同心の絆を再度確認した次第です。
さて、今年「出陣の年」にあたって、中華民国法華講のなすべきは、まず「真の法華講精神の確立」と考えております。年頭の総本山における「出陣式」には、中華民国法華講の代表者も参列させていただきましたが、この砌に御法主上人猊下より賜った、
大聖人様は南条時光殿に対し、『其の国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ』(同1242ページ)と仰せであります。御本仏より仏法の弘通を任せられる、これほどの光栄がありましょうか。しかし、この出陣式参加の皆様こそ大聖人様より、その生活の場において大法の折伏を任せられたと信ずべきであります。(大白法 517号)との御指南に、一同、心から歓喜し、参列できなかった講員共々、御法主日顕上人猊下の深い御慈悲にお応えすべく、地涌の眷属たる自覚を新たに、宗旨建立750年の大勝利を固く誓い合いました。
この「出陣式」の意義を徹底し、かつ法華講精神の確立を図るべく、その実践の第1歩として、日本より本行寺・法道院・妙光寺の各支部代表を講師として招き、1月30・31日の2日間にわたって「法華講本興院支部幹部研修会」を開催しました。
結成からまだ1年足らずの中華民国法華講は、まず法華講のあるべき姿について一から学ぶ必要がありました。僧侶と信徒という師弟の筋目を仮に縦のつながりとすると、信徒同士は横のつながりです。台湾に限らず、信徒各人はこの縦と横のつながりをもって、信心活動を行っていると言えましょう。血脈嗣法の御法主上人猊下に仕える僧侶からしか教えられないこともあれば、信徒同士からしか学べないこともあります。しかし台湾では、この横のつながりにおいて、長年法華講の信心を実践してきた信徒がおりません。縦の筋目はあっても、横のつながりが欠けていました。「真の法華講精神の確立」には、何としても日本で活躍している百戦錬磨の法華講の同士の手ほどきを仰ぐ必要がありました。
そこで、去る1月30日・31日の2日間にわたり、日本の法華講から講師を迎えて、「法華講本興院支部幹部研修会」を開催し、大成功裡に終えることができました。それ以降、それまで毎月100人強しかなかった新入信者の数を倍の200に増やすことができました。
しかし、今年の折伏目標は前年比約3倍です。目標達成に向けては、さらに強力な推進が不可欠です。それには最先端の組長の強化・育成が大切であると考えています。すなわち「長の一念」の強化であります。現在、台湾の信徒数は約8000名です。まず講頭・副講頭を筆頭とし、台湾全土で7つの本部を設け、その各本部には2つから4つの支部を置きました。各支部の下に地区を設置し、各地区の下に組を設置し、末端に至るまで指導が確実に行き届くよう組織しております。
信心活動の中心は寺院参詣と僧侶による指導ですが、その中でも、僧侶がより末端の信徒の信心活動に接して細やかな指導を行う必要性を感じておりました。昨年は法華講結成第1年目でもあり、主に支部長・地区長の育成が指導の目標でありました。しかし、今年からは法華講組織の最先端にいて、最も重要な責務を果たす組長に対して、直接指導を行い、人材の育成に努めるべきと考えております。また現在、実際に各組長会に僧侶が出席し、直接指導を行う体制が出来あがっております。
その際、宗旨建立750年に向けての具体的な指導として、「強い信徒を一人作る」ということを推進しております。仮に、一人の組長が16人の信徒を強化しようと思えば、各人には16分の1の力しか注げません。これをまず力の全てを注いで、一人の強い信徒を作る。そして次に、その2人で4人を、4人で8人、8人で16人を作る。そうすれば、4人の強い信徒を作ることで16人全員を強化できることになります。これは昨年の総本山客殿新築慶祝記念大法要・10万総登山の際、教学部副部長・水島公正御尊師が布教講演の中で述べられていた指導方法です。「一人が一人の折伏のできる強い信心を持つ人材を育てる」ということが3年後の30万総登山を視野に入れた際、重要だと思うのであります。
また、各信徒に対しての家庭訪問も、昨年に比して3倍の数を行っております。家庭訪問の際は、僧侶が直接、信徒から質問を聞いて答えます。ここで知り得た最も新鮮な信徒の要望や疑問は、本興院における指導の際にも大いに役立っております。さらに“受”から“能”への転換。してもらう側から、させていただく側への転換。この指導を推進しております。
御法主日顕上人猊下の御来台を機として数年で急激な発展を遂げる中華民国法華講は、現在、他の海外信徒から大きな注目を集めているものと自覚しております。これまでは、手取り足取り、多くの方々の力添えを得てこのように成長してきたわけであります。しかし、これからは他の信徒から手本とされるような中華民国法華講でありたいと願っております。その転換が中華民国法華講の大きな課題であります。一見、中華民国法華講は諸事万端に順調な発展を遂げ、今日を迎えていると映るかもしれませんが、一方でまだ多くの問題を抱えております。これよりは、抱える問題を一つずつ着実に解決し、名実共に他の手本となり得る中華民国法華講へ、大きく転ずべき時であると思っております。同時にまた、宗旨建立750年の大佳節に向けての目標を絶対に成就すべく、唱題を根本に講中共々に全力を尽くして精進してまいる所存です。
御法主日顕上人猊下の2年前の御親修に始まる「妙法西漸」の妙相をさらに興起すべく、また意義深き「出陣の年」に巡り合う千載一遇の福運を仏祖三宝に深く感謝申し上げ、「今まで生きて有りつるは此の事にあわん為なりけり」(御書 1165ページ)との御金言を体し、身命を賭して御奉公を貫く覚悟です。そして宗旨建立750年・30万総登山に向けて、地涌の眷属としての使命と責任を、台湾信徒と共々に全うすることをここにお誓い申し上げます。(台北市・本興院主管 黒沢糾道御尊師)
この原稿は昭倫寺支部の若山さんのご協力で転載いたしました。
私は、3年程前から毎日のよつに、学会に対する疑問や不信で悩み苦しんでいました。そんな時、学会時代の昔の友人が来訪して、熱意をもって法華講の話をしてくれました。私は、待っていた人が来てくれたと感じ、本当に嬉しく、心より有り難く思いました。3回目の訪問を受けたとき入講を決意し、夫婦でお寺に行き、勧誡式を受けました。その後、私も友人を折伏し勧誡式を受けさせることができました。
お寺の掃除のときに夏期講習会の話を聞き、何のためらいもなく行くと返事したものの、帰宅してから、病院でも治らない、持病である心の病のことが心配になりました。このことをその友人に相談すると、「心配しなくていいよ。皆悩みを持ちながら登山会に参加するのだから。それに謗法による病は信心で治すしかない」とアドバイスしてくれました。その言葉に少しは安心したものの、内心は、この10年間病気のために九州から一歩も出られなかったのですから不安でした。しかしながら、「参加すると決めた以上、行ける所まで行こう、広島までかな、大阪までかな」と思いつつ、いよいよ当日を迎えました。
出発して「福岡まで来られた、広島まで来た」と確認するうち、これなら本山まで行けると少々自信がつきました。そして早朝、大阪の町を見たときは感激でいっぱいになり、もう病のことなど一切忘れて、本山に行ける喜びに変わっていました。本当に参加させてもらって良かったと感動し、有り難さと喜びが交じっての本山到着でした。行事の一つひとつに、薬を持参しつつ一生懸命参加させていただきました。特に感じたことは、学会時代とは全く違った行事内容・日程です。それは、信心の基本となることばかりで、身も心も晴れ晴れと、この3年問のもやもやがふっ切れた感じがしました。
本山から帰ってからはお寺の御講・地区の唱題会はもちろんのこと、どの会合にも参加することが喜びになっています。勤行へ唱題に取り組む姿勢も変わり、信行学の生活を自然に実践できるようになりました。今、私と同じ病を持つ学会員を夫婦で折伏しています。また、よく喧嘩していた息子も最近では、朝は自分から御本尊様の前に座り題目三唱をして出かけるようになりました。最後に今回の登山会、また私を折伏してくれた友人に心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
私は、昭和33年8月、両親のもとで入信し、昭和34年4月、結婚を機に御本尊様を御下付戴きました。創価学会の戸田会長時代で、女子部班長として頑張っておりました。池田大作が会長になってから、少しずつ不審を抱き、特にここ数年は会合に出ても、勲章を百数十個とかマントをもらったとか、信心と何の関係があるのかと判断に苦しみました。また一般紙やテレビには一切記事として取り上げられないのは何故だろうか、最近の学会は変だと思うようになっていたところ、今年4月上旬に、知人の青木さんより、学会の誤りの話を聞き、「一度総本山の見学をしてから、心を決めては」と言われ、御登山しました。
整備された総本山は夢のようでした。広布坊よりこの足で歩いて清貫洞を通り、三門の前に立ったときは、身の引き締まる思いでした。新しい客殿も、日蓮正宗に相応しいたたずまいで、重みのある姿に感動いたしました。内事部の御僧侶は、私の疑問に対して一つひとつ判りやすくお話してくださり、心の整理がついて下山しました。学会で聞かされていたことと、現実にこの目で確めたこととの余りの違いに驚きました。
啓信寺に着いて、本堂の御本尊様に合掌したとき、何年かぶりにお会いできた喜びが胸一杯になり、涙しました今までの信心が誤っていたと気が付き、去る4月28日に勧誡を受け、無事脱会しました。お陰様で今度の夏期講習会の第2期に参加することができました。御開扉のとき御法主上人猊下のお姿を拝し、学会で聞かされていた、「猊下は病気で人前にも出られず、声も出ない」等、全部嘘で間違っていることがはっきり判りました。また、御開扉御説法の中の「全国法華講衆一同の願いにより……」で、「私は法華講衆の一人なのだ」と改めて自覚しました。二日目の御法主上人猊下の御講義は、厳しい中にも楽しく、平成14年・30万総登山を目指し、唱題・折伏をしていくようにとの御指南がありました。
私の息子も5月1日に脱会し、勧誡を受け、毎週木曜日の青年部の唱題行に参加しています。また第6期の講習会に参加できました。結婚して埼玉県に住んでいる娘夫婦が、まだ脱会しておりませんので、折にふれて折伏しております。法華講員であるとの自覚のできたこの度の夏期講習会を機に、平成14年・30万総登山を目指して、唱題行・折伏にと精進してまいります。
○ 深遠寺支部 中村勇
○ 啓信寺支部 近藤洋子