大白法

平成12年4月16日号


主な記事

<1〜3面>

<4〜6面>

<7〜8面>

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総本山大石寺御霊宝虫払大法会


4月6日、7日の両日、総本山大石寺において恒例の御霊宝虫払大法会が、御法主日顕上人猊下大導師のもと、盛大かつ厳粛に奉修されたこの大法会は秋の御大会と並ぶ宗門の二大法要の一つであり、宗祖日蓮大聖人、御開山日興上人以来、700年にわたって総本山に厳護されてきた重要な御宝物を末永く伝えていくため、お風入れをしてその破損を防ぐとともに、多くの参列者に披露する荘厳にして重要な儀式である。

この大法要には藤本日潤総監、吉田日勇重役、椎名日澄、高野日海、秋山日浄、大村日統、早瀬日如、八木日照の各御尊能化、土居崎慈成宗会議長、宗務院各部長・副部長をはじめとする御尊師方が多数御列席。また、法華講総講頭の柳沢委員長、大講頭の石毛副委員長、井出潔・渡辺定元総本山総代、連合会役員をはじめ寺族、海外信徒を含む4,000余名の代表が参列した。


三御尊師、能化に補任される

東京都大田区の宝浄寺住職・大村寿顕御尊師、東京都豊島区の法道院主管・早瀬義寛御尊師、総本山塔中の妙泉坊住職・八木信螢御尊師は、去る3月31日付をもって権僧正に昇級され、御法主日顕上人猊下より院号を御允許(いんきょ)賜り、大村御尊師は常秀院日統、早瀬御尊師は常聰院日如、八木御尊師は常要院日照となられた。

大村日統御尊能化は、昭和8年10月、静岡県富士宮市に御出生、同16年11月に大村寿道御尊師を師範として得度され、昭和33年8月に妙海寺住職となられ、同39年12月に宝浄寺に御赴任され、今日に至っている。その問、宗会議員、参議、東京第二布教区宗務支院長、富士学林教授、全国布教興宗祖日蓮大聖人第700遠忌局委員、教学部長等を歴任され、現在も教学部長をはじめとする、特に教学布教に関する要職を担われている。さらに、宗旨建立750年慶祝記念局営任委員並びに慶祝記念大法要奉修委員会・記念出版委員会の主任委員としての重職を担われている。

早瀬日如御尊能化は、昭和10年2月、東京都墨田区に御出生、同18年4月に観妙院日慈上人を師範として得度された。昭和38年12月に妙國寺住職として御赴任され、同47年3月に大願寺住職、平成4年11月に法道院主管代務者、同5年6月に法道院第4代主管となられ、常に多くの法華講員の教化育成に尽力されてきた。その間、宗会議員、富士学林教授、全国布教師参議、宗祖日蓮大聖人第700遠忌局委員、東京第二布教区宗務支院長、宗会副議長、庶務部長、富士学林理事等を歴任されている。現在堂宗務行政の中枢にあって、庶務部長をはじめとする要職にあり、さらに宗旨建立750年慶祝記念局常任委員並びに法華講30万総登山推進委員会の主任委員として、全国各地へ指導会等に赴かれるなど、30万総登山実現の総責任者として重職を担われている。

八木日照御尊能化は、昭和10年1月、札幌市に御出生、同27年5月に御法主日顕上人猊下を御師範として得度された。昭和38年3月に総本山塔中・遠信坊住職となられ、同52年7月に仏乗寺に御赴任、そして同56年8月に総本山塔中・妙泉坊住職となられ、今日に至っている。その間、富士学林教授、東京第二布教区副宗務支院長、全国布教師大石寺主任理事、宗祖日蓮大聖人第700遠忌局常任委員、御本番、富士学林長等を歴任され、現在も大石寺主任理事をはじめとする要職にあって総本山事務の総責任者であると共に、宗旨建立750年慶祝記念局常任委員並びに総本山奉安堂建設委員会の主任委員としての重職を担われている。




総本山・海外のニュース


☆ 得度式・大坊在勤式

少年得度第41期生の得度式が、3月28日午前10時より、総本山大石寺の六壼において、御法主日顕上人猊下大導師のもと厳粛に執り行われた。これには、総監・藤本日潤御尊能化、本行寺住職・高野日海御尊能化、宗会議長・土居崎慈成御尊師、宗務院各部の部長・副部長、大石寺執事・佐野瑩道御尊師をはじめ、塔中山内及び得度者有縁の御僧侶、両親、親族など多数参列した。

式は、方便品、寿量品と読経が進められ、「而説偈言」で馨(けい)が入り、剃髪(ていはつ)の儀に移った。小林道剛御仲居(おなかい)より出身地と名前を読み上げられた得度者が、一人ずつ御宝前中央の御法主上人猊下の御前に進み出て端座すると、御法主上人は髪になぞらえた樒(しきみ)の三ツ葉を剃(かみそり)で剃り落とされた。

続いて御法主上人猊下は、これまでの名前を改めて出家者としての、「道号」を読み上げられ、24名の新発意(しんぼっち)が出家したことを御宝前に奉告され、『出家功徳御書』を奉読された後、馨が打たれ、自我偶の読経・唱題と進められた。

このあと御法主上人猊下は、得度者の一人ひとりに対して念珠と経本を授与され、「僧道を全うするよう勤めなさい」と御言葉をかけられた。さらに念珠のかけ方、合掌の姿勢、正座の正しい在り方、御本尊の拝し方などの御指南をされ、11時過ぎに終了した。

引き続き、大書院に移動し御法主上人猊下御臨席のもと、平成12年度大坊在勤式が執り行われた。この在勤式は、富士学林大学科を卒業し、非教師としての最後の修行のために、一年間の大坊在勤が許された所化さんと、先に得度式を挙げた新発意が正式に大坊に在勤を許される儀式である。

はじめに御法主上人猊下より御言葉を賜り、藤本総監と塔中代表の佐野執事から祝辞が述べられた。さらに小林御仲居の挨拶のあと、新在勤者を代表し一年在勤の近山信是さんより御法主上人猊下の御指南を身に体して進む旨の宣誓がなされ、続いて中学二年生の磯村成威さんから新得度者を迎えての歓迎の言葉が述べられた。最後に全員で奉安殿を遥拝し、正午に終了した。


☆活動報告 サンフランシスコ妙信寺支部

法華講妙信寺支部は、寺院のあるサンフランシスコ近郊の地域をはじめ、アメリカ北西部の各州およびカナダが活動の範囲です。寺院では、毎月第一日曜日に御経日、第二日曜日に御報恩御講を奉修し、第三・第四日曜日の午前中と、毎週木曜日の夜には一時間半の唱題会を行っています。これには講員が新来者をお連れして、終了後には新来者を囲んで折伏の輪が広がっています。

当支部ではまだ壮年・婦人・青年・少年の各部が発足していませんが、子供たちには、法統相続と正しい勤行を身に付けるために、法要・行事のある日には勤行を教えています。また青年有志の要望で、毎月1回、基礎教学を中心に勉強会を開き、人材育成に力を入れています。これらの活動を青年部・少年部の発足につなげたいと考えています。

遠隔の地方では寺院の日程に合わせて地域の中心者宅等で各幹事を中心に御講・唱題会などの行事を実施しています。各地方へは、2〜3カ月に1回、住職が出張して家庭訪問をしています。移動に時間がかかるため、一日に4〜5カ所しか訪問できませんが、激励と個人指導を目的に実施しています。家庭訪問の翌日は、講員宅で勤行・法話を行っています。毎回、必ず新入信者がおり、離れた地域にあっても折伏が着実に進んでいます。

現在、宗旨建立750年慶祝登山の参詣決意者表を作成して掲示しています。当初の目標は300名でしたが、すでに400名以上が署名しており、さらなる啓蒙に励んでいます。講員は総本山に登山できることを最高の喜びとしています。大御本尊様への御内拝、御法主上人猊下へ御目通りをいただける身の福運を感謝しています。

昨年の海外信徒夏期研修会の折、参加した講員の一人に「疲れていませんか」と聞いたところ、「大御本尊様、猊下様に御目通りが叶ったのですから疲れるはずがありません」と満面の笑顔で応えていました。そして「たった一つ残念なことがある。それは御法主上人猊下の御言葉を通訳を通してしか拝聴することができないことです」と語っていました。

距離・時間・経済・言語など多くの問題を「信」の一字で乗り越えている講員の姿には、頭の下がる思いです。この純真な講員と共に力を合わせ、御法主上人猊下の御慈悲にお応えすべく、さらに異体同心の団結を固め、唱題根本に広布に邁進していくことをお誓いし、法華講妙信寺支部の活動報告といたします。



裁判関連情報


▼ 創価学会の金にあかせた宗門破壊工作を認定

去る3月27日、東京地裁は、創価学会八尋頼雄副会長、正木正明青年部長(現副会長)らが、5,000万円の経済的給付を提示し、宗門僧侶へ離脱工作をしている事実を認定する判決を下した。

この裁判は、当時、彦根市・本地寺住職だった福田毅道御尊師が、八尋らより、平成4年10月3日より5日(2泊3日)にかけて離脱勧誘を受けた経過を、宗門および一部創価学会内に文書で配布するとともに、同年11月に総本山で開催された全国教師指導会において発表した。その中で、八尋らが「創価学会は、支度金として5,000万円を出す用意がある」との条件を提示した事実を明らかにしたことが、「虚偽の事実を捏造」したものであるとして、八尋ら3名が福田師ならびに御法主日顕上人猊下を名誉段損で訴えていたものである。

この判決のなかで、岩田裁判長は、福田師を宗門から離脱させることができれば、「日蓮正宗ないし被告阿部に対し大きな打撃を与えることができると考えたからこそ、創価学会の幹部である原告らは3人がかりで被告福田の説得工作に当たった」ものであり、八尋らが「創価学会本部としては、まず5,000万円まで出す用意がある」と「経済的補償」を提示したことは「真実」であると、池田学会の金権体質の実態を明らかにして、八尋らの訴えを悉く斥けた。

日蓮正宗僧侶としての信仰と使命を忘失した離脱僧には、金につられた者や「スキャンダル暴露」の脅しに屈した者などがいると巷間いわれていた。今回の岩田判決で池田学会の金にあかせた離脱工作の事実が証明されたことになる。


▼ 離脱僧・濱口寛正に東漸寺明渡し命令

去る3月28日、青森地方裁判所は、東漸寺(青森県五所川原市)元住職・濱口寛正に対して、寺院建物明け渡しを命ずる判決を下した。

濱口は、平成4年11月10日、不在だった東漸寺総代(責任役員)3名を不正な手続きで勝手に選任したとして、これらの創価学会員と共に、違法な宗派離脱手続きに着手した。そして、宗務院が違法行為を重々訓戒したにもかかわらず、これに全く従わなかった。そこで、濱口は住職罷免の懲戒処分に付されたが、その後も後任住職への事務引き継ぎを拒み、東漸寺を不法に占拠していたので、平成5年10月20日、建物明け渡し請求訴訟を青森地裁に提訴した。その後、濱口は擯斥処分となった。

この判決で、山崎裁判長は、「日蓮正宗にとって、濱口の行為は、末寺住職による専横と評すべきものであって、日蓮正宗、ひいては東漸寺の信教の自由を損なうものとして容易に看過し難い」旨を示して濱口の違法行為を厳しく指摘。その上で、懲戒処分の理由も実質的な合理性と必要性に基づいたものと正しく評価し、離脱僧・濱口寛正に東漸寺明け渡しを命ずる判決を下した。

すでに、濱口寛正と同様の違法行為を行った西田誠道や、大塚順妙、能勢宝道らに対しても、その違法行為を断罪し、各寺院の明け渡しを命ずる判決が続々と下されている。平成14年の大佳節を前に、これら離脱僧が各寺院から退去する日も、いよいよ刻一刻と近付いているものと確信する。




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