大白法

平成12年12月16日号


主な記事

<1〜5面>

<6〜8面>


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御法主日顕上人猊下御親修


☆ 法常寺・移転新築寺号公称・板本尊入仏式

諸天も寿ぐ晴天に恵まれた11月24日、千葉県銚子市の法常寺(旧法常院)において御法主日顕上人猊下の大導師のもと、移転新築・寺号公称板御本尊入仏式並びに御親教が厳粛かつ盛大に奉修された。この日より法常院は立正山法常寺と寺号公称されることになった。

同寺は昭和57年、法喜寺が不法占拠寺院となったことに伴い、同年8月5日、御法主上人猊下の大慈大悲により日蓮正宗の教会、法常院として建立された。そして、今回僧俗一致の結実として移転新築・寺号公称板御本尊御入仏の慶事を迎えるに至ったのである。

この法要には、随行の総監・藤本日潤御尊能化、大石寺理事・新井契道御尊師、さらには教学部長・大村日統御尊能化、庶務部長・早瀬日如御尊能化、布教区からは支院長の弾正寺住職・梶原慈文御尊師、同副支院長の清涼寺住職・野村慈尊御尊師をはじめ布教区内外の御尊師方が多数御出席。また法華講連合会からは総講頭の柳沢委員長、大講頭の石毛副委員長、浦上千葉地方部長をはじめ、法常寺支部法華講員、地方部内の各支部より講頭並びに代表信徒約600名が参列した。

御法主上人猊下は御言葉の中で、まず法常寺の前身である法常院の経緯を述べられ、今回の寺号公称は長年にわたる僧俗一致の信行の果報であると寿がれた。また、新装された寺院に参詣して、収支建立750年に向かい、自行化他に邁進して功徳を積み、多くの人に向かって折伏を行じていくことを念願された。午後の御親教の部では『四恩抄』の御文について甚深の御説法を賜った。



☆ 実説寺・移転新築落慶法要

12月5日、山形県新庄市の実説寺において御法主日顕上人猊下の大導師のもと、移転新築落慶法要並びに御親教が、厳粛かつ盛大に奉修された。同寺は昭和44年に創立されたが、創立30周年を迎える本年、新庄市の都市計画により、市当局より現在の地を提示されたことを受けて宗務院の指導のもと、寺院に建設委員会を設置し、今回、僧俗一致しての尽力が実を結び移転新築落慶法要の慶事を迎えるに至ったものである。

この法要には、随行の教学部長・大村日統御尊能化、大石寺理事補・小林道剛御尊師、さらには山形布教区からは支院長の正命寺住職・渡辺哲照御尊師、同副支院長の法輪寺住職・長谷川紳道御尊師をはじめ布教区内外の御尊師方が多数御出席。また法華講連合会からは島崎総務部長、重光東北第二地方部長をはじめ、実説寺支部法華講員、布教区内の各支部より講頭並びに代表信徒約350名が参列した。

御法主上人猊下は御言葉の中で、この随義山実説寺は深い意義のある山号・寺号であり、特に法華経の『如来神力品』の中で、「仏の所説の経の因縁及び次第を知って義に随って実の如く説かん」(法華経516)との、大人格の勝れた活動の一端を示された御文である。この地涌の菩薩の修行の姿を顕すところの意義ある山号・寺号に縁された御信徒の方々は、大聖人様の御教えをどこまでも正しく、御題目をしっかり唱えて、自行化他に亘っての真の成仏の道を頭していただきたいと念願された。午後の御親教の部では、御法主上人猊下より『三大秘法稟承事』の御文について御説法を賜った。



海外リポート


〇 日蓮正宗スリランカセンター開所式

古代より煙(きら)びやかな仏教文化が花開いたインド洋に浮かぶ島国スリランカ。この常夏の国において、11月11日に日蓮正宗スリランカセンターの開所式が、続いて12日に出張御授戒・指導会が行われた。これには宗務院海外部主任・中本代道御尊師、スリランカ担当教師である茨城県境町の慈法寺住職・田島寛応御尊師、宗務院書記・野村信導御尊師が出席された。

11日午前9時より、首都・コロンボ市の中心地に開設された同センター開所式が、中本海外部主任の導師のもと、国内各地からの代表メンバー約100名が参加して盛大に執り行われた。

初めに御本尊の御開扉、読経、唱題と執り行われた後、海外部長・尾林広徳御尊師からの御祝辞が披露された。この中で尾林海外部長は、これまで夫婦両輪でスリランカ広布に情熱を注がれてきた小松喜代子氏、ラクシュマン氏の尽力と、センターの物件提供に対し感謝の意を表し、同センターに御本尊が安置された意義と、センター護持の重要性について述べられた。

続いて、田島御尊師、中本海外部主任よりそれぞれ御祝辞が述べられた。最後に、ラクシュマン氏より謝辞があり、総本山より御下付いただいた御本尊安置の場所であるこのセンターを、この国の中で一番総本山に近い場所として、メンバー全員でお護りしていくことを誓った。

スリランカ

翌12日には、早速同センターにおいて、御授戒・御本尊下付が厳粛かつ盛大に執り行われた。この日、早朝6時より、スリランカ全土から集まった総勢350名を越えるメンバーによって、会場は埋め尽くされた。午前9時からの朝の勤行に引き続き、御授戒並びに御本尊下付が5回に分けて行われた。わずか半年前の本年5月に317名が御授戒、172体の御本尊下付という大きな成果を収めたばかりであったが、今回もまた313名の御授戒、206体の御本尊下付が行われた。

創価学会間題発生以後、海外部が初めて現地へ赴いた平成6年3月の時点では、数十名という小さなグループであったが、この6年間でその100倍の3,000名に達するという奇跡的な大躍進を遂げている。そもそも人口の7割が小乗教徒というスリランカで、日蓮正宗の布教がこのように進んでいくこと自体、驚嘆に値する。これは御本尊様の御加護、御威徳はもちろんのこと、リーダを中心とするメンバーの篤き信心と情熱によるものに他ならない。この度のセンターの開所を契機に、さらなる結束をもって、スリランカの広布が発展していくことを祈りたい。



〇 フィリピンで初の御会式と四カ国交流会

11月6日・7日の両日、フィリピンのマニラにおいて日本・中華民国(台湾)・シンガポール・フィリピンの4カ国交流会が行われた。同国では、昨年9月に日本・中華民国・フィリピン3カ国の交流会が行われたが、今年は新たにシンガポールを加えた4カ国の交流会となり、また同国では初の御会式も奉修された。

これには海外部主任・石橋頂道御尊師、宗務院書記・舟橋信清御尊師をはじめ、福岡市の妙流寺住職・宮沢親道御尊師、北九州市の常照寺住職・石川相道御尊師、福岡県水巻町の弘教寺住職・秋山堅広御尊師、シンガポール事務所責任者・滝川信雅御尊師、中華民国の中台布教所責任者・長沢正奏御尊師が出席し、また日本からは法霑寺支部、妙流寺支部、弘教寺支部、常照寺支部より合わせて26名、中華民国から16名、シンガポール事務所から10名、合計52名の法華講員が参加した。

フィリピン

6日は、6班に分かれてフィリピンのメンバー宅への家庭訪問が行われた。メンバーが厳しい生活環境にあっても目標に向かって信仰に励み、その生活の中で実証を示し、折伏を行う姿を目の当たりにし、参加者にとって信仰の原点に立ち返る貴重な体験となった。また昨年の交流会から続けての参加となった法華講員には、メンバーの新たな顔ぶれや、昨年よりもさらに功徳をいただき成長した姿に驚く一幕もあった。

翌7日は、午前10時より同国の活動拠点となっている中心者宅で、日本・中華民国・シンガポールからの同志と、現地メンバーが一堂に会し、4カ国の僧俗による御会式が盛大かつ厳粛に奉修された。はじめに読経、御僧侶による申状捧読の後、唱題と続き、次いで御授戒・御本尊下付が行われた。まだ御僧侶が常駐していない同国では、御会式は初めての経験である。この日のために日本・フィリピンの僧俗が協力し合って準備を整え、参加者一同歓喜に満ちた御会式となった。

引き続き、御会式の感激さめやらぬ同会場は、4カ国交流の舞台となった。午後1時、開会の辞に続いて出席者紹介が行われ、しエディ・セラノ氏が歓迎の辞を述べた。続いて日本の参加者とフイリピンのメンバーによる体験発表、各国代表宗旨建立750年慶祝記念総登山に向けた決意発表が行われた。次いで出席御僧侶による挨拶の後、「地涌讃徳」を全員で合唱し、第一部は終了した。

小憩の後、第二部に移り、各種パフォーマンスが順次披露された。次いで記念品交換の後、全員で「広布に生きる」を合唱し、4カ国の参加者は一体感に包まれ、交流の雰囲気は最高潮に達した。その後、石橋海外部主任の挨拶、フィリピン責任者・辻律子さんより一日も早い御僧侶常駐を目指してさらに邁進していく旨の決意を込めた謝辞をもって締め括られ、4カ国交流会は成功裡に幕を閉じた。

言葉や民族の違いを越えて参加者が互いに友好を深め合う意義ある交流会となった。参加者は宗旨建立750年への決意を新たにし、さらなる互いの成長と2002(平成14)年に総本山での再会を誓い、11月9日、それぞれ帰国の途についた。




写真偽造事件で名誉毀損を認めながら宗門の請求を棄却する不当判決


12月5日、いわゆる「写真偽造事件」の控訴審判決が言い渡され、東京高等裁判所第十六民事部(鬼頭季郎裁判長)は、被出池田大作および創価学会が原告宗門(日蓮正宗・大石寺)に対して400万円の損害賠償金を支払うように命じた一審判決を取り消し、宗門の請求を棄却した。

この事件は、創価学会が、機関紙「創価新報」に、宗門2名の古希記念祝賀会に夫人同伴で招かれた際の、御法主日顕上人猊下のスナップ写真および記念写真を加工して、他の出席僧侶やその夫人らをすべて抹消し、部屋の背景も塗りつぶして、あたかも狭い和室で、一人で複数の芸者と酒宴をされているがごとく偽造した。

その上、激越な表現をもって大見出しや記事と共に掲載し、御法主上人猊下が女性関係で堕落している人物であり、このような人物を最高指導者と仰ぐ日蓮正宗および大石寺も堕落宗であるとの虚偽報道のキャンペーンを行ったものである。また池田大作は、偽造写真報道が出ることを知りながら制止しなかったばかりか、大勢の創価学会員の前で同記事が掲載されることを予告し、御法主上人猊下を揶揄嘲笑した。

昨年12月6日の第一審、東京地裁判決では、虚偽の報道を繰り返した創価学会およびその指導者池田大作の行為は、御法主上人猊下個人にとどまらず、日蓮正宗・大石寺に対しての名誉段損であることが明確に認定されていた。

このたびの東京高裁判決は、地裁同様「写真を見た者に対し、阿部日顕一人が酒席で芸者遊びをしているとの実際の状況とは異なった印象を抱かせるのに十分であり、これをもって客観的な報道ということはできず、修正の限度を超えている」と認定し、さらに、創価新報の記事は、「正当な言論や評論の域を超え、単に阿部日顕を揶揄し、誹謗、中傷するものとして、違法性を有するものというべきである」と、名誉毀損報道であることを認めている。

しかし、この報道は、日顕上人個人に対する誹謗・中傷記事ではあるが、宗教法人日蓮正宗・大石寺に対する名誉毀損には当たらないなどとして、あれほど宗門をも同時に誹謗、中傷している明白な事実には目をつぶり、日蓮正宗・大石寺の請求を棄却するという、常軌を逸した不当判決を下したのである。宗門は、このような肩すかし判決を不服として、直ちに上告し、最高裁判所でその不当性を徹底的に追及していく所存である。

しかし、この判決の結果的な不当性のみに目を奪われてはならない。肩すかし判決とはいえ、第一審に引き続き池田創価学会が御法主上人猊下個人に対する違法な名誉毀損行為を犯したことを明確に断罪していることこそ、私たちにとっては最も重要な点である。池田創価学会の違法不当な行為は、すでに動かしがたいものとして確定されているといえよう。



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