大白法

平成13年5月16日号


主な記事

<1〜3面>

<4〜5面>


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〇 宗旨建立749年立宗会を奉修 − あと一年!

宗旨建立749年に当たる、去る4月28日、総本山の御影堂において、御法主日顕上人猊下御出仕のもと、立宗会が厳粛に奉修された。これには、塔中・山内の教師をはじめ、前日に新説の免許を受けたばかりの教師30名も出仕され、多数の檀信徒が参列した。法要は午前7時より、御法主上人猊下大導師のもと、献膳、読経、引き題目と如法に執り行われ、7時半過ぎに終了した。

明年の宗旨建立七百五十年まで、ついに残り1年となった。この時に当たり、我らは、その重大なる意義を再認識し、明年の法華講30万総登山と奉安堂建立の記念大事業を必ず達成し、もって広大な下種三宝の御恩を報ずるため、この最後の1年、連合会においては「誓願貫徴の年」の残り七カ月半を、命がけで唱題、折伏、育成に精進しよう。


日蓮大聖人は、生智の妙悟に加え、12歳より32歳に至るまでの京都・鎌倉研鑚により、後五百歳白法隠没の、まさしく経文に示される時であること、下種仏法の弘まる時であることを確信あそばされた。当時の仏教界の様相はと言えば、釈尊仏法の正統たるべき天台法華宗は既に誑惑され、他の諸宗もおしなべて教法流布の次第と、仏法には付嘱の大事のあることを知らず、権教に基づく勝手な迷見に執し、徒らに邪義邪説を喧(かまびす)しくしていた。

大聖人は、これら諸宗の輩による一国大謗法の姿こそが、世の中の一切の災いの根源であり、この災禍を鎮め安国ならしめる方途は、邪宗邪義を砕伏し、日本一同に釈尊本懐の教えたる法華経のもとに帰一させていく以外にはないことを、深くお考えあそばされたのである。その法華経とは、色相荘厳の方便を帯する脱益の法華経ではない。『神力品』において地涌の菩薩の上首・上行菩薩に結要付嘱された法華経文底下種の要法たる久遠元初の南無妙法蓮華経の五字・七字であり、この大法こそが、末法の一切衆生を成仏に導く唯一最高の御教えであることを悟られたのであった。

経文に照らし、一度この破邪顕正の法門を弘宣すれば、三類の強敵の難が競い起こることは必定であるが、四恩報謝の上に、いかなる大難が競い起ころうとも、大法を弘通せんとの不退転の決意を固められたのである。

建長5(1253)年4月28日早暁、清澄山上の嵩(かさ)が森に歩を運ばれた大聖人は、遥か太平洋の彼方の水平線上より一閃の光芒(こうぼう)が全身を照らし出したその時、「南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経」と、昇り来る太陽をはじめとする宇宙法界に向かって久遠元初の題目を唱え出だされたのである。御年32歳、南無妙法蓮華経の大法を宗旨とする立宗の大宣言であられた。

この立宗を期とする大聖人の御一生は、大難4カ度小難数知れずと仰せられる法華経の行者の厳しき御修行の日々であられた。大聖人は『諌暁八幡抄』に、「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月廿八日より、今弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし。只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむの計りなり。此即ち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり」(御書1539ページ)と御自身の生涯を振り返られ、立宗以来の一期の忍難弘通の御化導は、ただ一切衆生救済を目的とした大慈悲の御振る舞いの日々であられたことを述懐あそばされている。地涌の菩薩の眷属たる我ら法華講員は、この御指南を拝し奉り、重大な今後1年の闘いを、水の流れる如く一瞬時も心を休めず、火の如くに力強持続することが大切である。


大聖人が一期御化導の究寛として、弘安2(1279)年10月12日、末法一切衆生の謗法罪障消滅、即身成仏のために、三大秘法惣在本門戒壇の大御本尊を御建立あそばされ、一閻浮提広宣流布を御遺命あそばされてより七百有余年。熱原法華講衆以来、富士の清流を厳護し来たった日蓮正宗法華講は、平成2年の大石寺開創700年を期して、いよいよ広宣流布への大前進を開始した。

平成6年の日蓮正宗法華講地涌6万大総会、平成10年の客殿落慶10万名総登山と見事に達成し、そして迎えんとする明年、宗旨建立750年の佳節における30万総登山と奉安堂建立こそは、まさに御指南の末法広宣流布の礎としての重大なる意義をもつことを深く自覚し、その大佳節に巡り値えた果報に大歓喜をもって精進しなければならない。

平成2年の雲仙普賢岳噴火以来「阪神大震災」をはじめとする様々な天変地災が日本を襲っている。『大悪大善御書』の、「大事には小瑞なし、大悪を(興)これば大善きたる。すでに大謗法国にあり、大正法必ずひろまるべし」(同796ページ)との御指南を拝せば、大聖人御在世と同様、謗法の罰としての様々な災難と世相の混迷は、明年の法華講30万総登山が礎となり、大正法が必ず世界に広宣流布する大善の大瑞相と確信いたすべきである。

我らは御法主日顕上人猊下の、本年の御霊宝虫払大法会における『顕立正意抄』の御説法を拝し、宗旨御建立以来750年にして訪れた、未法広宣流布のこの時を御本仏日蓮大聖人には如何なる御心で御照覧あそばしておられるかを拝する時、力なき己の信行を深くお詫びし奉り、血涙をもって立ち上がらねば、地涌の眷属とは言えない。「誓願達成の年」、全法華講員が御法主上人猊下の御指南のもと、指導教師と供に命がけで精進しよう。



〇 総本山新説免許・補任式

4月26・27の両日、総本山の客殿において、平成13年度の教師補任式が厳粛に執り行われた。教師補任式は、新説免許の儀式とも呼ばれ、御僧侶が出家得度以来、仏祖三宝等への御奉公と共に、たゆまぬ仏道修行と教学研鎖に精進されてきた成果を、御法主上人猊下の御慈悲のもとに披露するものである。また、新説者はこの日より正法正義に基づいた説法を行うことを許され、四恩に報うべく、僧侶としての新たな出発となる重要な儀式であり、古来「三世の大願」とされている。

新説者は22日に着山し、23日から25日までの間、山崎慈昭・秋元意道御尊師の両指導役のもとに厳格な所作の練習を重ね、宗務院教学部より説法の講本指導を受けた。26日午前10時、まず前座として山崎指導役が登高座して説法を行い、続いて第一説者より順次説法が始まる。

説者は、会行事の先導によって柄香炉を携え、唱題の中をゆっくりと内陣に歩を進める。中央内陣、三宝尊の御前に至り、五体を仰ぎ折ること三度、御本尊を拝して三礼し、向きを変えて高座へと進む。登高座すると説法の準備を整え、焼香・散華と所作を行った後に鈴三打。唱題が止み、厳かに法華経の要文を拝読し、説法が始められる。

こうして、新説者30師全員の高座説法が終了した午後3時、後座として御法主日顕上人猊下が登高座された。方便品・自我偈の読経唱題の後、御法主上人猊下は『法師品第十』の御文について甚深の御説法をなされた。このあと、御法主上人猊下より、高座説法を免許する旨の補任状が各説者に授与された。最後に大村教学部長より挨拶がなされた後、客殿前にて記念撮影が行われ、教師補任式は滞りなく終了した。また新説者一同は、翌28日、総本山での立宗会に参列された後、山梨県下部町杉山の有明寺へ参詣された




宗旨建立750年に向かって誓願を貫徹する信行


本年の全国の折伏誓願2万2077世帯に向かってスタートを切って4カ月半が過ぎた。前号で福岡地方部全体の達成率を38%とお伝えしたが、これは原稿の締切の関係もあり、実際には4月末で43%であったので、ここに訂正しておく。今、全国の各支部毎で40%に達している支部は、昨年のこの時期より多い。もし、「折伏が全体的に進んでいないのではないか」という感覚的な妄想にとらわれていたとしたら、本年の大事な時を誤ると思われる。

既に達成した島根県の大善寺支部、静岡県の妙泉寺支部、92%の総本山塔中・蓮成坊支部をはじめ、80%代、70%代、60%代と、まんぺんなく分布しているのが実情である。よい結果が出ている支部で必ず共通して聞くことは、「御本尊様に通じる真剣な祈りがあれば、必ず結果はいただける」ことである。そして結果が出ている支部は、決して数を追いかけずに、「折伏の中に育成あり、育成の中に折伏あり」を実践している。

世間は今、世界的にも様々なことで苦しんでいる。このことを認識し、末法は日蓮大聖人様の下種仏法でなければ救われないことを一人ひとりが確信し、御住職のもとに真剣な唱題をもって取り組んでいこう。


☆ 江戸川・大護寺支部

「平成13年に、126世帯の折伏がなければ、大護寺から30万惣登山に七百数十名の参詣という目標は達成できない。126の折伏誓願を掲げなかったら、闘う前から白旗を揚げるようなものじゃないか」

昨年の11月。今年の折伏誓願を決定した御住職・芳賀円道御尊師の決意に、三宅茂講頭は驚いた。目標値は今年の実績のせいぜい2倍かな、3倍はちょっと無理だと思っていたのに、御住職の出された126では平成12年年の実績の5倍である。「正直に言って、あのお言葉を伺ったときは息が詰まったような感じになりました」。

しかし、講頭は翌日から早朝勤行に参加し始め、それ以降、役員の参加がどんどん増えた。また毎日午後8時から9時までの唱題会を提唱した。参加者も、みるみる増えていった。毎日午後1時から婦人部の唱題行を行っているが、これも参加者が増えてきた。2月の第3週からは、役員会を毎週日曜日の朝8時から行い、班長・班坦会を毎週月曜日に持つことにして、どんどん意見が出るようになった。「これに出席しないと遅れちゃう」「一回休むと置いていかれるように感ずる」と、役職者が危機意識を持てるようになった。

3月、月間の折伏成果が5世帯になった。過去も5世帯が月問の最高である。「御住職の御一念で、あの時を境に確かに大護寺支部は変わりました。でも、依然として126という数字は大きい。御住職の御一念に甘えていて、果たしてどこまでいけるか」と三宅講頭。「今までの月間最高の成果をもってしても追い付かない、たかだか126なんですが、私たちには非常に重い数字です。毎月10世帯平均はできなければ、意気込みだけで終わってしまう」。

無策でいていいわけはない。講頭の出した結論は、新来者を大勢お寺にお連れしての「大護寺支部折伏座談会」だった。講員の立ち上がってくるのを待っていた御住職は、すぐに了承され、役員が早速、実現に向けての会議を持った席上、やる人だけがやるという個人の闘いから、組織の活動ができるように、いつも全体が動いている状態になれるように、との御指導があった。

各班から必ず新来者を一人以上出すことを目標にした。そのための案内状も作成した。新来者を増やすには、折伏に取り組もうとする人数を増やし、かつ、折伏対象者を増やす必要がある。座談会に向けての「折伏御祈念表」作成のため、下種先カードを全戸に配布、班長たちが家庭を訪問して意義を訴え、ぜひこの機会に共にがんぱって功徳を積んでいこう、すぱらしい平成14年を迎えられる信心に立ち上がろうと訴えた。このカードは4月8日の御講で回収し、在勤のお所化さんがすぐにパソコンに打ち込んでいった。

壮年部長・江戸川班班長を務める子吉鉄男さんは自宅で座談会を設けた。御住職御出席のもとに座談会を行い、2週間後の支部折伏座談会に大きくつなげていきたい。その思いは皆同じで、班を越えて、いつも本年の自身の誓願分、10枚の御下付用紙を携えている小松長吉さん、副講頭で葛西班班長の谷章さん、小松川班班担の保戸山敬子さんが、それぞれ新来者をお連れし、御住職に折伏していただいた。「真剣になれば新来者は呼べる」。参加者の笑顔は、その確信を得た証拠だった。

そしていよいよ折伏座談会の4月22日。早朝勤行の後、清々しく新来者が参詣できるよう、本堂、お寺の周囲を掃き清め、敷石に水も打って、心から迎える準備を調えた午後1時半、ふだんなかなかお寺に参詣できない講員の顔もあった。啓蒙が行き届いた証拠だった。約90名の講員、新来者6名を迎えて開始された。

講頭挨拶の後、御住職が御法話をされ、初めに「私の申し上げたいことは、日蓮本仏論ということです」と述べ、脱益の仏法を破折された。3人の体験発表の後、新来者を囲み輪になって折伏が行われた。この座談会出席の6名は当日の入信にはいたらなかったが、座談会前の午前中に、開催時間に都合がつかないので、と来寺した方1名が入信できた。これは佐藤智恵子さんが、前日になって予定していた方がだめだと判り、これは大変と5時間の唱題をしたところ、座談会当日、早朝勤行の後に佐藤光子さんと知人の学会員宅を訪問した結果だった。

講頭・副講頭、幹事、班長・班担といった役職者は、座談会開催までのひと月、めまぐるしい日々だった。しかし、90名の参詣者はうれしそうに集い、明るい顔になって帰っていった。手元にしっかりした折伏対象者リストも出来上がった。組織での活動の、土台はできつつある。

年頭に御住職からいただいた「我々にとって今は、俗に言う胸突き八丁。今は美句・美麗の言葉や議論より実践の時である。志が高ければ高いほど達成感はよりすばらしい。皆でそれを味わおう」の御指導を実現するため、さらに攻めの態勢で前進していく。



☆ 島根県・大善寺支部

5月5日、11時間唱題の3日目、ついに折伏は12世帯目となった。「やりきって、泣ける程の信心をしなさい」と指導してこられた御住職・竹内雄寧御尊師が、2度目の涙を見せた「よくぞこの若輩、未熟の住職についてきてくださった」と。本年の折伏誓願目標は10世帯で、これは11時間唱題の初日、5月3日に完遂。この日、3世帯5人が勧誡、御授戒を受け正法に連なったそして目標を200%に設定し直した。

昨年は、大善寺の僧俗が唱題の大功徳を確信できた大事な一年だった総本山の衛坊から12時間半、途中ほとんど休憩を取らずに車を運転して赴任してこられたのが6月15日。翌16日から唱題行を開始された。100日間唱題行の50日目だった。

講員を前に御住職は、開口一番、「本年の折伏目標15世帯の残り14世帯、前御住職に引き継いで必ず達成します、必ずできます」と宣言され、翌日から唱題行を開始された。午前9時からの1時間、午後7時半からの1時間、その他時間があれば唱題し、参詣者がいれば唱題の導師を務められた。

唱題行の参加者は次第に増えていき、いつしか2人が3人になり、ちょうど1カ月たったとき、17人になっていた。御住職、講頭の鈴木ヤエ子さん、御住職の奥様の3人が、感激で手を取り合って泣いた。そして目標の15世帯は、昨年12月13日、ついに達成した。


本年「誓願貫徹の年」は、真剣に祈れば折伏は成就するとの、昨年得た確信で明るくスタートした。唱題の力を実感した一人、桐谷幸子さん。「お寺に来る度に、御住職は、唱題唱題、折伏折伏と言われたんですが、私は絶対に折伏できませんと断言していましたでも、その度に御住職は、絶対にできますと言い切られた」。

真剣に題目を唱えなさいと指導され、唱題の結果、折伏しては嫌がられていた姪ごさんから、今年一月、脱会するとの電話を受け、はっと驚いた。唱題の功徳だ、私はこれまで頭だけで考えて愚痴を言っていたんだと。

能美倶久さんにとって今年の元旦は特別な日となった。昨年、御住職に折伏されていた息子さんが、「御住職と約束したから」と自らお寺に来て、勧誡式を受けた。3月に折伏を成し遂げた三浦弘子さんの、「御住職は朝の唱題行の後に御法主上人猊下のお話をされる。そして、夕方もまた御法主上人猊下のお話をされるんで、まるで御法主上人猊下がすぐそばにおられるように感じるようになった」との言葉が物語るように、御住職は、御法主日顕上人猊下の御指南をまっすぐに伝えた。

何度も「折伏しなさい」と指導され、自身でも法統相続を願いながら、ずっと「無理です」と答えていた津田由紀枝さんは、「御住職がぐいぐいみんなを引っ張ってくださって、私も今年に入つてから、毎日の唱題会に出るようにしたんです。そのうち、ひょっとして長男は脱会できるかも知れないと思うようになり、あらかじめ長男に、お寺について信心してほしい旨電話で話しておき、5月3日に帰省したところをお寺に参詣させました」と語る。めでたく長男が脱会、お嫁さんが御授戒を受け入信できた。

「御住職と奥様は、去年ここへいらしてから、荷物を片づける暇もなくて、コーヒーカップで食事を召し上がっていらしたんです」。「御住職、少しは休んでくださいとお願い申し上げたほどでした」。5月3日に姪の福原三希子さんを折伏された総代の岡崎富美恵さんや講中世話役の佐藤美佐子さんが、口々に御住職の生活ぶりを教えてくださった。

徹底して私心を捨てた姿勢、真剣な唱題で御仏智を戴く「信心とは工夫なり」の姿勢に、鈴木講頭は、「本当に御本尊を信じる“信心”とはどういうことかを教えてくださいました。でも、最初は、御住職が折伏の実践ばかりを毎回厳しく指導されるんで、私はつい、『ここは東京じゃありません』と口答えしたこともありました。それは間違いでした」と笑う。

御住職が衣類の入った段ボールを開けたのは、今年の5月2日の夜。それまで庫裡のことは一切差し置いて、毎晩就寝は午前2時・3時。まさに「私心を捨てて」こられた1年だった。本年の12月までに、折伏誓願200%(20世帯)の貫徹をとの御住職の呼びかけに「御会式までにやります」と、法華講員。

明年の宗旨建立750年慶祝記念法華講30万総登山大法要に100名以上の参詣をめざして、御住職より「これからは魔と難を見破る信心を身につけなさい」との指導が加わった。


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