大白法

平成14年1月16日号


主な記事

<1〜3面>

<4〜5面>

<6〜8面>


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奉安堂のある風景

奉安堂1月16日(29kb)


第3回奉安堂建設御供養を奉呈

平成14法華講連合会初登山会第1日目の1月2日、午前8時45分より、大書院において行われた各講中講頭御目通りの御、昨年12月にとりまとめられた全国の奉安堂建設御供養第3回(最終回)の目録が奉呈された。ここでは、法華講総講頭・柳沢委員長から、新春の御挨拶並びに登山会の御報告を申し上げた後、奉安御供養目録を読み上げ、御法主日顕上人猊下に全国からの尊い御供養を奉った。

昨年12月、取りまとめた奉安堂建設御供養は、総額88億5209万9708円であった。また、平成11年より3回にわたる御供養総額は、168億0597万1687円となった。御供養目録を受け取られた御法主上人猊下は、続いて御言葉を述べられた。はじめに、88億という数字に顕れた真心の御供養に関する不思議を感ずると仰せられ、3年間にわたる御供養で「宗旨建立750年のあらゆる報恩記念事業を滞りなく悠々と一切の付帯事業をも合めて完遂できる見通しが立ち、仏祖三宝尊への御報恩とともに、全国の信徒の方々の尊い御供養に心から有り難く存ずる次第であります」(趣意)と話され、最後に、30万総登山という重大行事を控え、その完遂に向かって最後の精進をと望まれた。今回の御供養に対して、総本山より後日、各人宛の受書が授与されることになっている。


御法主上人猊下御言葉

〇法華講30万総登山総決起大会の砌

立宗750年の新春、あけましておめでとうございます。全国の日蓮正宗法華講員代表の皆様、ここに宗祖日蓮大聖人宗旨建立750年の大佳節における本年年頭に当たり、地涌の友の大結集という重大な意義を篭めて決起大会が、このように盛大に開催いたされますことは、まことに喜ばしく存ずるものであります。

戒壇に対する創価学会の謗法と奉安堂建立の意義

本年における二大眼目の一つである奉安堂の建立を含む全慶祝記念事業に対し、昨年12月に行われた法華講員皆様方の真心の御供養は実に莫大であり、以前よりの御供養と合わせて、この大事業をすべて悠々と完成できることが明らかとなりました。皆様、まことに有り難うございました。この正法を護る皆様の篤い志について、下種本仏宗祖日蓮大聖人、二祖日興上人乃至、御歴代上人が御高覧あそばされ、莞爾(かんじ)としてお喜ぴのことと拝察いたします。この正法に対する御供養の功徳は皆様の現当二世にわたり、無量の福運となって深く深く積まれることを、御書のあらゆる御指南より確信するものであります。

そもそも下種本仏日蓮大聖人の仏法は下種本因妙であります。『日向記』に、「日蓮が弟子檀那の肝要は本果より本因を宗(むね)とするなり」(御書1820ページ)と御指南の如く、我ら仏子の広布の志は本因の功徳が成就しきったところに、おのずから御仏意により本果の実相がその運びによって現れるのであって、いやしくも結果を急ぐあまり、執着の心をもっていまだ達成していないにもかかわらず達成を決めようとすることは、大聖人の広大な仏法に背くことであります。

しかるに創価学会池田大作は、いまだできてもいないにもかかわらず、広布の達成を自分がしたという妄想から、本仏大聖人を超える法華経の行者であるとの大慢心に囚われて仏法の正義を踏みにじり、次にあの正本堂について広布の達成などの失言に対する咎(とが)を追及されるや、せめて、あの正本堂は広布達成時の本門戒壇の建物であり、これを前もって建てるのだという如き、およそ現実から離れた邪見の言葉をかつて宗門に押しつけてまいりました。これについても宗門は本因、すなわち結果に囚われない意(こころ)より広布達成における本門戒壇の建物の意味ではなく、広布の願望の意をもって建立されたものと解釈をいたしました。

しかるに池田ら創価一派は、あくまで本門戒壇における建物であるとしての結果論に執われたのであります。そのところより池田らは、正義を持つ私ども宗門に瞋りと怨嫉を生じ、次第に罵詈誹謗の色を濃く現したのであります。すなわち根本の三大秘法に対し奉る邪見・迷見が元となって、そののちの宗門に背反する様々な悪意による暴言となったのであります。

しかるに、このたびの宗旨建立750年御報恩記念のため、皆様の志によって建立される奉安堂は、あの池田創価学会のような名誉欲によって、なにがなんでも達成にこぎ着けようと結果のみに囚われた我見では絶対にありません。あくまで我らの弘法の誠意をもって、御本仏の御意に基づき大法広布の誓願を、この大佳節の御報恩として建立する一大浄業であり、そこには名誉欲も執われも一切ありません。ただひたすら本因妙仏法の本旨に基づき、広布の達成を念じつつ、その結果の達成の語に全く囚われず、ひたすら本因を行じて未来の御仏意による一天広布戒壇建立を目指して進むための奉安堂建立であります。

すなわち広大なる大聖人の一切衆生救済の大仏法を、我見・我意によって歪曲し、大聖人様の御正意に背いた池田らの正本堂に対する意義づけと全く異なり、清浄にして純粋なる皆様地涌の友の正法広布の誓願による奉安堂の建立こそ、大聖人様の御仏意に叶うものと確信する次第であります。したがって閣浮総与の本門戒垣の大御本尊御安置にふさわしき御威光発揚のための堂宇建立は、宗旨建立750年を迎える時節において、未来に対する大いなる法礎建立の意義を持ち、そして僧俗一致自行化他の広布大前進を表示するものと存じますが、皆さん、いかがでありましょうか。


法華講の使命と三十万総登山完遂の重大性を自覚し今こそ総決起を

さて次に、この意義を篭めた大佳節における広布大前進の実証は、未来への世界広布の重大な起点となる30万総登山の完遂にあると思うものであります。

しかるに、今や日本乃至全世界の様相は、表面的な物質文明の発達とは裏腹に、精神面の堕落は甚だしく、まさに混迷の一途をたどっております。貧欲、愚痴、瞑りによる経済界の混乱、社会の道義・道徳の退廃は著しく、これに加えて本仏大聖人様の御金言の如く法に背く法師、一閻浮提に充満し、大疫病、大飢饉、大兵乱等の無量の大災難が世界各所に並び起こっております。

これらを仏法の鏡をもって照らすとき、因果の道理を知らず、迷いの根本たる元品の無明煩悩の存在を忘れている思想宗教のところ、おのずから白法隠没闘諍堅固の今日の大動乱ありと観ずるものであります。故に、あらゆる宗教が無力となった現代は、本仏日蓮大聖人の下種仏法こそ自己を救い、他を導く唯一の宗教であると信じます。

すなわち世界覆う、元品の無明の煩悩たる自我の衝突によって汚れた法界を浄化し、一大法性の大光明を顕す道は、この法性の当体たる久遠元初本仏大聖人の三大秘法の南無妙法蓮華経を受持し、真剣に唱題し、折伏を行ずる人が一人より一人と増加するところに存するのであります。

もし一人の力は小さいと初めから思い込む人があれば、それは自らの尊い妙法の命を誤解している人であります。大聖人様は『総勘文抄』に、「一切の法は皆是仏法なり」(同1412ページ)と仰せられ、また、「円頓の行者は自行と化他と一法をも漏らさず一念に具足して、横に十方法界に遍するが故に弘なり。竪(たて)には三世に亘って法性の淵底を極むるが故に深なり」(同1422ページ)と御指南であります。

皆様一人ひとりの妙法の信心修行は所詮、限りがあり、小さいように見えますが、そうではありません。実に妙法の自行化他の生命とその功徳は信心の大確信の上において無限であり、周囲や縁故の人々のみならず広く法界に遍満し、世界を浄化する不思議な力が具わるのであります。その功徳の結晶により、自我による対立を浄化しきっていく唱題と折伏行に、日本乃至世界の恒久平和の源が築かれることを信ずるものであります。

けだし、今日のあらゆる人々の真実の幸福は、その総体的見地より論ずるとき、妙法の生命の自覚とその発揚にあります。人々のあらゆる職業、あらゆる立場は様々でありますが、「妙法蓮華因果倶時の一法」の信心修行をもって、正しく揺るぎない道において必ず豊かな稔(みの)りと幸福を生ずるのであります。

故に確信をもって自己のため、家族のため、国家社会のため、否、全世界のための妙法広布に決起し、すなわち一人から一人への折伏を行ずることが肝要であります。さらにまた、御金言には、「わたう(和党)ども二陣三陣つゞきて、迦葉・阿難にも勝れ、天台・伝教にもこへよかし」(同1057ページ)と仰せであります。

これ、まさに我々正系門家の僧俗に対する大聖人様の大激励であると拝さねばなりません。かつては正しい法流を受け継ぐ我が日蓮正宗のなかの信徒団体として応分の奉公をした創価学会も、池田らの慢心と我欲の所行によって当初の正法護持と弘通の精神を忘れ果て、宗門に背反する異流の徒に堕落しました。そして今こそ、皆様法華講員が二陣、三陣と続いて大法を弘通すべき時であり、それがこの本年の30万登山の完遂と信ずるものであります。

およそ法華講衆とは、あの熱原の法難を縁由として、本門戒壇の大御本尊様にお示しあそばされた名称であります。故に、その後裔を承る法華講衆として、まさにその信心の実証を顕すべき意義を持っております。

「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは 人の為さぬなりけり」。妙法の功徳をしっかり信じて、老人の方も若い方も、男の方も女の方も、すべての大聖人の仏子たる方々が、共に励まし、共に助け合い、固い団結のもとに総決起して自行化他の信行に邁進し、また自らの尊い生命を磨きつつ、30万総登山を完遂して広大なる仏恩に応え奉ろうではありませんか。皆様方のいよいよの御健康と、総決起による御活躍を心より祈り、本日の言葉といたします。


〇各支部講頭御目通りの砌

ただいまは、昨年度分の全法華講員の真心の御供養につきまして、代表として法華講総講頭、同連合会委員長・柳沢喜惣次氏より目録をお受けいたしました。皆様方講頭の各位には御尽力をいただきまして心から御礼を申し上げます。御苦労さまでこざいました。

ただいま御供養の金額を88億5千数百万円と承りましたが、物事の実相ということのなかに数字の上からの表れというものがあり、それが仏法の意義に通じておることを常々感じておるものであります。つまり8億の八という字は、御承知のとおり「ひらく」という意義があります。

大聖人様は、「妙と申す事は開と云ふ事なり」(御書356ページ)すなわち開く義であるということを仰せになっております。また、八が2つ重なっておるということは、足すと16になりまして、これは大聖人様の御誕生の日が2月16日でありますが、この16に通ずる意義があります。このように皆様方の真心の御供養に関しても不思議を感ずる次第であります。

年頭にも申したのでありますが、本年は壬午(みずのえうま)の年に当たるのであります。大聖人様は貞応元年2月16日に御誕生になりましたが、この年がやはり壬午であります。そして弘安 5年10月13日、武州池上において御入滅なされますが、この年もやはり壬午であります。この壬午は60年に一度しか訪れてまいりません。そして大聖人様の仏法を、本当に正しい宗団によって広宣流布をするための法礎を建立する本年が、やはり壬午に当たっておるということに仏法の不思議の意義を感ずる次第であります。

そういうところからも、皆様方の3年間の御供養を通算いたしますと非常に莫大な金額となり、奉安堂の建立を含めまして、宗旨建立750年のあらゆる報恩記念事業が滞りなく、悠々と、一切の付帯事業をも含めて完遂することができる見通しが立ちまして、私は仏祖三宝尊への御報恩とともに、全国の信徒の方々の尊い御供養につきまして心から有り難く存ずる次第であります。

本年はいよいよ法礎建立の意義を持つところの奉安堂の建立、そしてまた30万総登山という重大な行事を控えておるのであります。これにつきましては数年前より、各講中において種々の真剣な信行が重ねられておることと思います。しかしながら、4月から始まる30万総登山を控えて、それぞれの講中がこの30万総登山を完遂できるように、1月から3月までの間、最後の御精進を切にお願いする次第であります。

一番上に立つ講頭という立場の方の真剣な一念が、必ず講中に通じていくのであります。したがって自己の自覚、講頭たる自覚をしっかりお持ちになって唱題すれば、その唱題の功徳が必ず皆様方一人ひとりの、また講中のそれぞれに顕れてくることと確信する次第であります。本日の決起大会をはじめとして、本年度の仏恩報謝の信行を心からお祈りいたしまして、ひとこと御挨拶に代える次第であります。本日はまことに御苦労さまでした。

※中見出しは妙音で付けたものです


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