大白法

平成14年5月16日号


主な記事

<1〜4面>

<5〜8面>


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宗旨建立750年慶祝記念特別大法要に参詣して


○本行寺住職 高野日海御尊能化

松杉は新緑に萌え、藤やつつじが五色に彩られる総本山大石寺は、霊峰富岳を借景に七堂伽藍の偉容を整え、寂光浄土もかくやの佇(たたず)まい、身も心も自然に洗われて、宗旨建立750年慶祝記念特別大法要に出仕できた身の福運を、心より喜ばずにはいられませんでした。

27日の御逮夜は、かヾり火の燃える参道に、海外16力国の代表をはじめ、全国の檀信徒の合掌する中、御法主日顕上人猊下は、朱に映える台傘を翳(かざ)して粛々と御堂に進まれ、その後ろに随従の伴僧が続いて、古式豊かな一大絵巻きを繰り広げ、出仕太鼓、喚鐘が全山に谺(こだま)する時、日興上人已来(このかた)、御歴代上人がこの石畳を直に踏み締められて、700年の伝統をここに刻まれたとの感動が一気に去来して、かかる嫡々相承の清流にあやかれる境界の不思議さと、その責務の大なることを思って、いよいよの御奉公を決意しました。

御堂の登高座で御法主上人猊下は慇懃(おんごん)なる読経・唱題の後、『聖人御難事抄』を奉読して甚深の御説法を賜り、聴聞の大衆はことごとく法雨に潤って曇華浮木の感激に浸りました。「此の法門申しはじめて今に二十七年」(御書1396ページ)の「此の法門」とは、三種九部の法華経の中に、文底下種肝要深秘の大法、人法一箇、日蓮大聖人の御魂たる本門戒壇の大御本尊を、一閻浮提に広宣流布する折伏逆化、忍難弘教の信行であると御指南、身軽法重、死身弘法の精進を督励あそばされました。

翌28日は1,000余名の鼓笛隊パレード、幼気(いたいけ)な小中学生の純真な信心による演奏はこの上なく素晴らしく、聴衆の胸を打って未来に向かっての宗門発展を強く印象づけました。

10時からの大法要で、御法主上人猊下は慶讃文に篤く仏祖三宝尊の御威徳を御報恩申し上げ、今は増上慢の五千は起ち去って方に枝葉なく、純(もっぱ)ら貞実のみありとの御金言通り、創価学会等の駈遣をもってここに、純真なる僧俗のみの赤誠によって諸事業が完遂できたことを賞賛あそばされ、その上に30万総登山に向かっての信行を御教導あそばされました。

750年の法統の中に生きるということは、尊いお仏飯を戴いて育てられたということ、日蓮大聖人の御鴻恩はもとより、上野殿をはじめとする法華講衆の熱き外護の賜物、御法主上人猊下の驥尾に付しての知恩報恩をもって、30万総登山完遂をお誓いし、大法要出仕の感想といたします。



○恵妙寺住職 鈴木慈昭御尊師

4月28日、待ちこがれた750年目の当日である。昨夜の感動を増幅させるかのように、長い伝統に培われた品格、威厳と格式に満ちた特別大法要が如法に厳修されていく。御法主上人猊下は御宝前に進まれ、朗々とした慶讃文奉読の声が堂内に、大衆は息を殺して、堂内は次第に一心一体化していく。不思議な力に打たれ我に返った。

私はこの情景を思い浮かべながら、決意を新たにしている。記念日は宗門史を塗り替え、宗門を大きく動かす力となった。僧俗に広布推進の主体者意識が生まれ、和合同心して精進する機運が高まっていった。日々の中に、一歩一歩前進する自発的な信心が育ち、地涌の使命を表すようになってきた。

振り返れば、この激動の歴史が動き出したその時とは平成3年1月6日午前10時、総本山大書院での全国教師指導会である。御法主日顕上人猊下は、「これから、非常に厳しいこと、大変なこと、様々なことが起こってくると思います。大聖人様のこのようなお言葉があります。『結句は一人にな(成)て日本国に流浪すべきみ(身)にて侯』(御書730ページ)。私は、この御文を拝した時に涙が出たのであります。私もまた、その覚悟は持っております。あくまで正しく、私一人になっても法を護ってまいります」(大白法340号)と。

御法主上人猊下のお心を、すべての者が正確に理解したとは思えない。しかし、多くは御法主上人猊下に信伏随従するという正統門家としての正宗魂、伝統と誇りと信心と気概とを一つに丸めたような正宗根性を呼び覚まされ、歩みだしたのではなかろうか。確かにその道は未経験なだけに、平坦ではなかった。正宗魂を発揮する道であることに目覚めさせられた。そうして、平成6年の地涌六万大総会の席で掲げられた8年後の目標が30万総登山であった。この目標こそ最重要であり、御本仏の御命であるとまで御指南され、未来広布の礎と位置づけられ取り組んできたのである。

30万総登山は日蓮正宗としての目標である。各支部は応分の目標を掲げているが、私自身にとっての記念目標を完遂しなくては意味を持たない。後の人から問われたとき、返答に窮するようでは情けない。御法主上人猊下に申し開きをするようなことはしてはならないと決意している。とにかく支部目標完遂のため、講員共々、心に仏勅を奉じ、胸に御指南を抱き、口に唱題を絶やさず、誠意をもって一軒一軒一人ひとりに意義を訴え、御本山へ足を運ばせることである。これが愛宗心の証であり、指導教師としての使命であり、私の記念目標である。



○正光寺住職 夏井育道御尊師

萌え出る若葉が匂い立ち、薫風爽やかに吹き渡る総本山において、4月27日・28日の両日、宗旨建立750年慶祝記念の特別大法要が、御法主日顕上人猊下大導師のもと厳粛且つ盛大に奉修せられました。

50年に一度の大佳節に巡り合い、本門戒壇の大御本尊在(ましま)す総本山に参詣して、宗旨建立の仏恩報謝の祈りを捧げることができたすべての僧俗にとって、宿縁深厚の身の誉(ほま)れを深く感じた2日間であったことと思います。

また同時に、御法主上人猊下の御書講および慶讃文の御奉読を拝聴し、身命に及ぶ数々の法難を覚悟の上で宗旨を御建立あそばされた大聖人の大慈大悲と、750年の間、いかなる時代にあっても仏法破壊の魔と闘いつつ、正法の護持弘通に身を挺された御歴代上人に対する真の御報恩とは、ただ一つ、本年宗旨建立750年における記念の諸事業を完全遂行する以外にないことを、深く肝に銘じた次第であります。

その諸事業のうち全僧俗の御命題である法華講30万総登山の実施、奉安堂建立について、御法主上人猊下は、「『30万総登山』といい『奉安堂建立』といい、共になかなか容易でないという意味は、たしかにあると思います。けれども、困難であればあるだけに、それに対して心を込め、また勇往邁進の気概をもってこれを完遂しきるところに仏法上の大きな功徳、また、それぞれの人々が受けるところの大きな御利益が必ず存すると思うのであります」(大白法569号)と仰せられ、たとえ大きな目漂であったとしても、「必ず達成する」との強い祈りと取り組みをもって臨めば、結果は自ずと顕れることを御指南せられています。

この御言葉どおり、奉安堂の建設御供養は、昨年目標額を超える浄財が寄せられたことにより見事に成就しました。これはまさに法華講30万総登山も、決して不可能ではないことを示された御仏意と拝すべきであります。

我が甲信布教区管内においては、支部登山目標の申し込みをすでに100%達成した支部が16支部中、9支部あり、4月度における布教区全体の平均達成率も93・5%となり、目標達成も目前に迫っております。それに伴い池田創価学会員による、総登山を阻止しようとの動きも次第に顕著となってきておりますが、我々は、「行解既に勤めぬれぱ三障四魔紛然として競ひ起こる」(御書986ページ等)との御教誡を心肝に染め、いかなる障魔をも打ち砕いて、法華講30万総登山を必ずや達成することを、ここに固くお誓いするものであります。



○正光寺住職 夏井育道御尊師

4月28日、私は宗旨建立750年慶祝記念特別大法要に参加し、参加できた喜びと、とどこおりなく奉修できた充足感と安堵感、そして、いよいよ30万総登山が始まるという緊張感とが入り交じった心境で、総本山大石寺を後にした。

それからおよそ10分ほど経ったであろうか、携帯電話に諦聴寺から連絡が入ったのである。「入信したい方が2組待っています。何時になっても構わないので、今日中に勧誡式をお願いしたい」という連絡であった。午後9時頃お寺に戻ると、すでに書類を整えて唱題をしながら待っていた。そして、その日のうちに無事勧誡式を終えることができた。またその翌日、2組の未入信者が講員に伴われて来寺し、その内1組の方が入信された。これらのことは、30万総登山の支部目標に対し、まだまだ厳しい状況にある我が支部にとって「決してあきらめず、元気を出してがんばれ」と、御本尊様が励ましてくださっているような出来事であった。

自ら壁を作ってしまうということがあるが、我が支部においてもそのようなことがないとは言えない。何度話をしても30万総登山のよい返事がもらえないと、あの人はもう無理だろうとあきらめてしまうこともある。しかし、まだあきらめる段階ではなく、むしろこれからが正念場なのだが、そこに自ら壁を作ってしまうのである。

言うまでもなく、壁を破り、道を切り開いていくためには真剣な唱題以外にない。大聖人様は、「妙と申す事は開と云ふ事なり」(御書356ページ)と仰せである。僧侶と信徒が唱題に唱題を重ね、本当に一体となって精進していくならば、不思議な形で道は開かれていく。私は特別大法要に参加させていただき、この思いをさらに強くさせていただいた。

御法主上人猊下は特別大法要において、広宣流布の大前進を強く望まれた。その礎を築く時が本年であるならば、本年における信行こそ大切であることは、言うまでもない。止暇断眠・身軽法重と言葉で言うのは簡単であるが、その実践は難しい。なぜならば、一番厄介な己心の魔と闘わなければならないからである。だが宗旨建立750年に当たっての御報恩は、本年以外には叶わない。雪山の寒苦鳥の愚を誡め、己心の魔と闘いつつ、一日一日力の限り精進していきたい。



ワッペン参加券4月28日版

○北関東地方部長 永井藤藏

好天に恵まれて、総本山大石寺は全山美しい新緑に包まれて、燦々(さんさん)とふり注ぐ暖かな陽光に輝き、あの3月に奉修された開宣大法要と同様まさしく、諸天の御加護によって天地大自然の寿ぐ中、待ちに待った宗旨建立750年慶祝記念特別大法要は三宝尊御照覧のもと、明るい希望に満ちあふれる未来を築く出陣の時として、厳粛かつ盛大に奉修せられました。

今まで講中では50年に一度の大切な慶祝大法要の登山であるから、家族全員で参詣しましょうとくり返し推進してはまいりましたが、実際に大法要に参詣させていただいて御法主上人猊下から宗旨建立の甚深の御説法を聴聞することにより、改めて今年の慶祝事業の深い意義について、まだまだ浅薄であった自らの信心を反省させられたのであります。

御書講で『聖人御難事』の御説法を拝聴し、さらに勤行衆会では、初めての想像を絶するほど大勢の御尊師様方の中での勤行で、不思議な絶対的な信の境地を体験させていただきました。そしてまた身の引き締まる思いの大法要に参加させていただくことができ、私の今までの信心がいかに浅薄なものであったか、命の根底から揺さぶられ、戒め洗われるような大きな体験をさせていただけたのであります。

『聖人御難事』に、「余は二十七年なり。其の間の大難は各々かつしろしめせり」(御書1396ページ)と御指南あそばされ、「一心欲見仏 不自惜身命」の文により大聖人様御自身仏界を開かれたという宗旨建立の御説法を聴聞して、改めて目の開く思いでありました。

この忍難弘通のお振る舞いを拝し、さらに我らの自行化他の題目により、昨今の隠されてきた邪悪が次第に明らかにされてゆく世相を見るにつけ、御法主上人猊下が、「清気・清風を世に送り」(大白法414号)と御指南あそばされ、泥沼の中から力強く清らかな蓮を育て花咲かせようという宏大な御慈悲を拝して、我々は地涌の眷属として仏恩報謝のため、いかなる困難があろうとも、慶祝30万総登山を名実共に成功させなければならないと誓うものであります。



○妙源寺支部講頭 山本秀明

宗旨建立750年の大佳節を慶祝して執り行われました、記念の特別大法要に参加させていただきました。諸天も寿ぐこの特別大法要は、世界各国よりの参加であるとお聞きいたしました。

末法の御本仏日蓮大聖人様が常住あそばされる総本山の御霊地に詣でて、真実の仏法に直接この身を触れ、御法主日顕上人猊下様と共に生きているということのもったいなき有り難さを、私は全身で感じました。

4月29日から始まる法華講30万総登山は、法華講衆が親しく御本仏日蓮大聖人様にお会いできる生涯にまたとない有難い機会でありますから、法華講員全員一人も漏れることなく参加させてあげなければならないと、固く決意いたしました。

1月3日に行われました法華講30万総登山完遂決起大会に始まり、3月28日の開宣大法要、そして今回の慶祝記念待別大法要の意義を拝するとき、4月29日より始まりました法華講30万総登山は、来るべき10月12日における本門戒壇の大御本尊様の御遷座あそばされるまでの一連の行事として、御宗門における未曽有の未来広布への重大な礎(いしずえ)であることを思い、大きな責務と使命を感じ身の震える思いがいたしました。

未曽有の法難を我が身にお受けあそばされることを何ら省みることなく、末法の一切衆生の心根深く妙法を下種なされました。御本仏日蓮大聖人様の大慈大悲に思い致すとき、法華講30万総登山の完遂こそが、広大無辺の御仏徳を讃仰し奉る唯一の道であることを、痛感いたしております。法華講30万総登山の完遂に全力を挙げ、無始以来の謗法罪障を消滅して、即身成仏の大道を邁進することを、固くお誓い申し上げるものでございます。



○総本山任務者 野中宏敬

5月晴れの宗旨建立750年慶祝記念特別大法要に、二百数十名の任務者の一人として着任させていただきました。ついにこの時を迎えたという期待と不安の中、お山に向かう新幹線の中で、研修会でのレジュメを読み返し、頭の中で何度もシミュレーションしました。

本番を迎えるに当たり、職場には絶対に迷惑をかけないと決めていました。しかし、2月から一気に仕事の量が増え、お寺の会合が終わればまた職場に戻るような状況で、休日返上、いつ寝たかも判らないような日が続きました。一緒に登山した輸送班の続木君も、この2週間休みなしで働き、任務後も2週間休みなしであると聞き、今年は、そんな中でみんなで力を合わせていく時なのだと感じました。また、輸送班の伊藤主任から毎晩のように入るメールはほとんど午前2時過ぎで、登山者一人ひとりのことを思われ、寝る間も惜しんで最後まで調整される姿に、ただただ頭の下がる思いで、自分も少しでもお役に立ちたいと心底思いました。

班員さんに恵まれ、無事に3日間、御奉公させていただくことができました。想定外の任務が急遽飛び込んできたり、最後まで気が張りつめましたが、この時に法華講の青年として御奉公させていただけることに、身の福運を感じずにはいられませんでした。

また、今回は、慶祝記念局委員長・藤本総監様から、任務者1,700名全員に辞令を頂戴しました。「辞令宗旨建立750年慶祝記念大法要の任務を命じます。平成14年4月28日 宗旨建立750年慶祝記念局 委員長 藤本日潤」との辞令を賜ったことは、30万総登山の任務は今までの延長線上のことと考えてはだめなんだと痛感しました。

振り返れば、平成2年、あの学会問題が起こったとき、御法主上人猊下は、粥をすすってでも、一人になっても大聖人様の仏法をお守りすると、壮絶な御覚悟の上に御指南あそばされました。その御一念のもとに、地涌六万大総会、十万総登山が見事に成し遂げられ、今、宗旨建立750年の時を迎えられたのです。

私はこの間、どこまでも御法主上人猊下にお供される御住職のお姿をもって、師弟相対の信心の大切さを教わってまいりました。私たち本山任務者は、日蓮正宗の修行の原点である師弟相対の信心に立ち返り、今こそ身命を賭して御奉公すべき時であることを自覚し、全国1,700名の任務者と力を合わせ、30万総登山をなんとしても成し遂げ、「法礎建立の年」を全うすることをここにお誓いし、決意とさせていただきます。



○大韓民国信徒 金恩芝(キム・ウンジ)

今まで幾度にわたって法要に参詣させていただいてきましたが、宗旨建立750年を寿ぐ、今回の4月28日の特別大法要は、自分の生涯において、かけがえのない登山であったと思います。

今までの自分は、登山する度に数多の困難が相次いで起こり、煩悩に悩まされ、登山の歓喜と有り難さを存分に感じることができませんでした。しかし今回は、登山準備の過程でも、登山している間も、心身が安定し、ちょうど空中に浮かぴ上がって雲上に座っているような気持ちになるほど、安らかでありました。今までの自分の性格から見ると、私には、このような状態を得られたことが何よりも大きな功徳であります。

そして、短い時間でありながら、本門戒壇の大御本尊様に御内拝を賜ったときの、胸が詰まる気持ちは、いちいち言い表すことができないほどの感激でありました。御法主上人猊下の大導師のもと、御影堂において奉修された御書講では、たとえ言語としては判らなくとも、その感動だけは忘れられません。また、特別大法要を奉祝するために準備した鼓笛隊パレードは、各々の鼓笛隊が、演奏の上手下手にかかわらず、皆が一心になって演奏を披露したことが記憶に残っています。さらに御法主上人猊下の大導師で、すべての僧俗が一つになって「自我偈」を訓読する御経行の姿を拝した際には、これまさに異体同心にあらずして何ぞやとの想いが胸を打ちました。

私には、いつまたこのような機会が与えられるかは判りませんが、今のこの大歓喜と大功徳は生涯忘れることはありません。これからは何よりも、来たる10月から11月にかけて開催される海外信徒慶祝総登山に、大韓民国の信徒が一つになって参詣できることをお祈りしながら、日々の勤行・唱題をきちんと実践して、充実した毎日を送れるよう努力をしてまいります。



○北海道地方部鼓笛隊 松木千尋

宗旨建立750年慶祝記念特別大法要おめでとうございます。私の中での今回の御登山の目標は、今までの練習の成果を本番で十分に発揮し、そして何よりも鼓笛隊員全員が一人も漏れることなく演奏に参加するということでした。

本山に着いてから魔が入り、具合が悪くなったという子も何人かいましたが、28日の演奏には、全員が無事に参加することができました。パレードでは、私たち北海道地方部がすべての隊の先頭だったので、とても緊張していましたが、見てくれている方々が温かい拍手で迎えてくれ、「がんぱって」と声をかけてくれた人もいました。私はその言葉を聞いたとき、今までつらかったこともたくさんあったけれど、鼓笛隊をやっていて本当によかったと思い、涙があふれ、感激しました。

また、合同演奏のときにはお忙しい中、御法主上人猊下様が最後まで演奏を聞いてくださり、演奏終了後には激励の御言葉もいただいて、歓喜の気持ちでいっぱいでした。また、日正寺の長倉御住職様、御尊師様方にも応援していただき、とてもうれしかったです。

本山から帰ってくると、まず家の御本尊様に、本山での出来事を報告し、家族にもパレードのことなどを聞いてもらいました。そしてこの歓喜の気持ちを聞いてもらいたいと思い、折伏している幼なじみにも、本山での出来事やパレードの話などを聞いてもらいました。友達は、私の話を聞くと、「私も鼓笛隊の演奏を聞いてみたい」と言ってくれて、お寺に行く約束もできました。今までも何度かお寺に誘ったことはありましたが、友達が自分からお寺に行きたいと言ったのは初めてのことだったので、うれしかったです。

この3年間、鼓笛隊でメジャーという使命を与えていただいて、いろいろなことを学びました。練習でうまくできなくて、本当につらかったとき、激励の言葉をかけてくれたスタッフの方や、一緒に唱題してくれた同志に支えられて、すごく成長させていただけたと思っています。今では鼓笛隊員であったことのすべてが、私の中で大きな宝となりました。今までの練習やコンクール、今回のパレードと合同演奏で得た体験と歓喜の気持ちを忘れず、これからのお寺での行事や活動に参加し、広宣流布のお役にたてる人材になれるよう、信心活動をがんばっていきます。




海外リポート


☆ インドネシアで宗旨建立750年慶祝記念法要

4月6日、インドネシア宗旨建立750年慶祝記念法要が、ジャカルタ市郊外の妙願寺布教所において、インドネシア全土から代表信徒1,500余名の結集をもって盛大に開催された。また、このたび同布教所の新責任者となられた阪部正誠御尊師の着任法要もあわせて行われた。これには、海外部長・尾林広徳御尊師、宗務院書記・野村信導御尊師をはじめ、インドネシア担当教師の志岐長道御尊師、楠牟礼慈宝御尊師、西岡雄信御尊師、さらには日本から多くの有縁の御僧侶並びに信徒が来賓として参列した。

広大な国土と多くの信徒を抱えるインドネシアにおいては、本年3月より順次、地方単位での慶祝記念行事が執り行われてきており、地方の全リーダーを迎えて行われた妙願寺布教所での記念法要終了後も、それぞれの地方において、引き続き慶祝記念行事が行われる予定となっている。

法要は、6日午前10時より本堂において、冒頭、地方の名産品を御宝前にお供えする同国の伝統の儀式(プロセシ)に続き、献膳の儀、読経、唱題と如法に進められた。次いで式の部に移り、少年部による決意発表、新責任者紹介、尾林海外部長からの祝辞、祝電披露、新責任者の阪部御尊師の挨拶と続き、最後に現地法人の代表者であるアイコ・セノスノト女史より感謝の言葉があった。

終了後、本堂正面において記念撮影が行われた。午後からは、来賓御僧侶は野外広場に設置された12の地方別テントを巡回し、インドネシア各地の食べ物や踊りを見学した。引き続き、屋外ステージにおいて、青少年を中心として演劇やダンスなどが披露され、慶祝ムードに花を添えた。

翌7日には、午前10時よりジャカルタ地区の慶祝記念勤行が、尾林海外部長の御導師のもとジャカルタ本部会館にて執り行われた。終了後、婦人部による竹細工の伝統楽器アンクロンの演奏が披露され、参加者は美しい音色に聞き入った。さらに少年部によるダンスも披露され、コミカルで愛嬌あふれる子供たちのダンスに会場は大いに盛り上がった。

引き続き、現地法人の宗旨建立750年記念事業として、故セノスノト会長を偲ぶメモリアルホールの起工式が、尾林海外部長の御導師により行われた。終了後、出席御僧侶ならぴに参加信徒全員が、自らが持参した石を据える定礎式が行われた。一連の慶祝記念行事では、少年部の目覚ましい活躍が、特に目を引いた。そうした姿に、インドネシア広布の明るい未来を見ることができた。今回の責任者の交替を契機に、新しい僧俗和合・異体同心しての一層の広布の躍進が期待される。


☆ フィリピン日蓮正宗事務所開所式

4月21日、太平洋上に浮かぶ7,000以上の島々からなる常夏の国、フィリピンのメトロ・マニラにおいて、日蓮正宗フィリピン事務所の開所式が奉修され、待ちに待った正法広布の拠点の開設に、現地信徒は大きな喜ぴに包まれた。これには、御法主日顕上人猊下の御名代として海外部長・尾林広徳御尊師をはじめ、海外部主任・石橋頂道御尊師、宗務院書記・舟橋信清御尊師、同野村信導御尊師、さらには涌徳寺住職・高野法尊御尊師、実法寺住職・高橋慈豊御尊師、弘教寺住職・秋山堅広御尊師、諦聴寺住職・近藤恒道御尊師、善覚寺住職・田崎信澄御尊師、そして台湾から本興院主管・黒沢糾道御尊師が出席された。

開所式は午後2時より始められ、尾林海外部長の御導師のもと、御本尊御開扉、献膳の儀、読経、唱題と如法に進められた。

続いて式の部に移り、はじめに石橋海外部主任より、事務所開設に至るまでの経過が報告された。次に、尾林海外部長が祝辞に立たれ、「この法城に詣でて、日蓮大聖人の真実の弟子信徒として正しい信仰を全うし、勤行・唱題と破邪顕正の折伏を貫くとき、すべての人々が即身成仏の大果を得、また一家一族の幸福と繁栄を成就することができるのである」と述べられた後、担当教師の山澄信玉御尊師の紹介がなされた。続いて、来賓僧侶を代表して高野法尊御尊師、また信徒を代表して現地信徒の中心者である辻律子さんより、それぞれ祝辞が述べられ、式の部が終了した。

そして代表者による記念撮影の後、フィリピン信徒の青少年を中心としたパフォーマンスが行われ、開所式に花を添えた最後に地涌讃徳を合唱し、全員で記念撮影を行い、午後5時過ぎ、開所式はとどこおりなく終了した。

事務所は、メトロ・マニラ南部のモンテンルパ市内にあり、マニラ中心部から約20キロメートル南西に位置する。同国では、1991年のSGI破門以来、信徒宅を中心拠点として活動に励んできた。また1997年、政府より非営利法人「日蓮正宗フィリピン仏教会」が認可されたのを受け、法人事務所の早期開設をめざしてきた。それ以来、宗務院海外部と協力しての様々な努力が結実し、宗旨建立750年の大佳節に当たる本年の4月を期して、待望久しい事務所の開所と常住御本尊の御入仏を、大歓喜を持って迎えることができたのである。フィリピン信徒一同は、「法礎建立の年」に相応しいこの慶事を大きな転換点として、フィリピン広布に向け、ますます自行化他に精進することを誓い合った。



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