大白法

平成17年1月1日号


主な記事

<1〜5面>

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第67世御法主日顕上人猊下 新年の辞


日顕上人  宗旨建立753年の新春おめでとうございます。全国の法華講員皆様には、大仏法信心修行の功徳を以て、元気溌刺(はつらつ)たる心豊かな正月をお迎えのことと存じます。

 宗祖大聖人様は新年について、清澄寺大衆中ヘ宛てられた御書に、「新春の慶賀自他幸甚(こうじん)幸甚」(御書945ページ)とお慶び遊ばされておられます。

 本仏の御境地は、法界無辺の時空の中に、広大にして本有常住であらせられますが、また衆生に応同して導き給う上から、その時々に於ける具体的な意義について、或いは喜び、或いは愍(あわれ)み、また悲しみつつ正道を示されます。悦ぶべき時は素直に悦び、愍み悲しむべき時は素直に愍み愁(うれ)えつつ、その身口意三業の振る舞いが人々を救い、種々の利益を与えることこそ、正直を旨とする法華経の行者の妙徳です。


 さて、大聖人様の正月について御悦びの御境地の一分を拝し奉るに、一切について「初め」を尊ぶベく、悦ぶベしという処にあるかと存じます。

 何事も初めこそ肝心であります。諺(ことわざ)にも「初心忘るべからず」と申しますが、この初心を亡失する処に多くの人が人生の意義を見失い、迷いの道を辿(たど)る姿を見受けるのであります。「今年こそ意義ある年を」と新年に当たって殆(ほとん)どの人が思うけれども、いつの間にかその心を忘れて、怠惰と無気力に流される人もいるようです。

 また一往、世間的な初心の意義を貫いて、充実した自己満足の生活を楽しむ人も多いことでしょう。しかし世法のあり方は、所詮有為転変(ういてんぺん)を免れません。


 この「初め」ということの根源の意義は、仏法にこそ存するのであります。

 その理由として、あらゆる人、あらゆる生命に共通するものが「生・老・病・死」の四苦です。その始めは生であり、終わりは死ですが、その死は次の生の初めを呼びます。このような過去・現在・未来の三世の生死の因縁による実相と、その意義を正しく極め説くのが仏法であります。

 仏教中にも小乗・大乗、権経・実経、迹門・本門と、浅きより深きに至る多くの教えがありますが、その一番の初めこそ一切の経々の根本であり、茲(ここ)に存するのが宇宙法界全体の因縁果報の法理を倶(つぶさ)に具える久遠元初の仏法・妙法蓮華経であります。そしてこれを悟り極められた方こそ久遠元初の本仏、即ち末法出現の日蓮大聖人様であります。

 従って、此の仏法を信じ修行する処に、法界一切の存在中、正しい軌道に乗ずる故に、いわゆる「初め」の意義が徹底し、最高のものとなります。法華講の皆様が本門の本尊を信じ、本門の題目を唱えて迎えるこの新年の初めこそ、天地法界の運行に合致する尊い意義が存するのであります。

 また初めとは一であり、一は二・三・四・五乃至十百・千・万・無量の数の最初であると共に、そのすべてを含み具えます。これと同じく仏法に於て妙法蓮華経は一仏乗の教えであります。その信心こそ最高の一行でありますから、法界の衆生の中に於て自行化他の大功徳を生ずるのであります。


 大聖人様は『千日尼御返事』に、「九界・六道の一切衆生、各々心々かわ(変)れり。・・・善をこのみ、悪をこのみ、しなじななり。かくのごとくいろいろに候へども、法華経に入りぬれば唯一人の身、一人の心なり」(同1475ページ)と仰せられました。

 正法の信心は、すべての人が内証成仏をする故に、その心境に於て一致団結の徳が表れるのであり、また、かく信じて妙法を唱えるべきであります。

 本年の「僧俗前進の年」の肝要は、僧俗また信徒各位が一致、すなわち大聖人の仰せの「一人の身、一人の心」となることであります。強い信心と自行化他唱題折伏を以て、堂々と前進いたしましょう。そこに正法広布による大功徳と法界浄化の大光明が存します。

 皆様の御健祥と御精進を心より祈り、新年の辞と致します。


■ 総監・藤本日潤御尊能化

平成17年度・宗旨建立753年の新春、明けましておめでとうございます。御法主日顕上人猊下おかせれましては、いよいよ御健勝にて宗門僧俗一同に御慈悲を垂れますことは、無上の喜びであり、心より慶賀し奉るものであります。また、法華講総講頭・柳沢喜惣次殿をはじめ、全国大講頭・講頭・講員御一同様にも、益々お元気にて新年をお迎えのこと心よりお慶び申し上げます。

本年は年間方針が「僧俗前進の年」と定められました。「僧俗前進」とは何かとなれば、一口に言うならば、「僧も俗も共々に前進すること」と言えると思います。日蓮正宗の僧俗は、常に時の御法主上人の御指南に信伏随従して前進する事が肝要であり、根本であります。故に、私ども僧俗一同は、本年年頭の御法主上人の御指南のままに実践すること、これがそのまま「僧俗前進の年」の年間方針に沿って前進することになると信じます。

さて、昨年は3月と9月に2回に亘る講頭会の審議の結果、御法主上人猊下に建議書が奉呈され、将来に亘っての正法の護持弘宣に質するため、全国法華講員御一同による、真心からの御供養が、毎年恒常的に行われることになりました。まことに尊くかつ有り難いことであり、宗門といたしまして、その熱誠の信心に対し衷心より篤く感謝申し上げる次第であります。まことにありがとうございます。これによって、未来に亘る宗門の恒常的な財政基盤の確立に向かって大きく道が開かれたことを確信するものであり、その意義の極めて重大なることと感ずる次第であります。どうか全国の法華講員各位におかれましては、この趣旨に充分の御理解と御賛同の上、永続的な宗門の護持弘宣に向かって絶大な御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

平成21年の御命題に向かって、残すところ4年となりました。この4年間の最初の年となる本年の実践が、御命題達成を左右する大きな鍵となることは申すまでもありません。どうか、全国各支部の皆様には、一歩二歩と言わず、大きく前進して、しっかりと基礎固めをせられますよう、心から念願してやみません。皆様方の御健勝と御精進をお祈りいたしまして、一言もって新年のお祝辞とさせていただきます。


■ 重役・吉田日勇御尊能化

「僧俗前進の年」の新春、明けましておめでとうございます。御法主上人猊下にはいよいよ御壮健にて、私ども宗内僧俗に対し、御慈悲あふれる御教導を賜りますことまことに有り難く、これに勝る慶びはございません。宗内の諸大徳、寺族の方々にも御健勝にて新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。また、柳沢委員長殿をはじめ全国法華講の皆様にも、正法護持、大法弘通の決意も新たに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

昨年は「破邪顕正の年」として、全宗門の僧俗は宗務院より刊行された『折伏教本』をまず自ら学び、しかる後にこの本をもって創価学会への破折を一斉に開始し、平成21年に向けて大きな成果をあげました。

そして、本年は年間方針を「僧俗前進の年」、年間実践テーマを、
(1)勤行・唱題の励行
(2)御報恩御講参詣・広布唱題会参加の徹底
(3)「一人が一人の折伏」を実践
と定められました。

この実践テーマはどれもみな信心の基本中の基本項目であります。宗門は今、「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」に向けて、「地涌の友の倍増乃至、それ以上の輩出と大結集」をとの御命題に向けて、全宗門の僧俗が精進している時でありますが、この困難とも思える大命題を達成するために大事なことは、一人ひとりが信心の基本を見つめ、地道な精進を積み重ねることに尽きると思うのであります。その意味から今年の実践テーマは、ただ今年のみならず、平成21年に向け、また更には、広宣流布に向けて常に私達が励むべき重要な修行であると思います。

大聖人様は御書に、「妙法蓮華経を修行するに難来るを以て安楽と意得るべきなり」(御書1762ページ)と説かれています。まず、平成21年をめざし、更には遠く尽未来際をめざし、諸難に立ち向かい、正法広布、仏国土建設に向けて、共々に、精進してまいりましょう。皆様の御活躍と御健勝、また各講中の御発展を心よりお祈り申し上げ、新年の挨拶といたします。


■ 教学部長・大村日統御尊能化

平成17年「僧俗前進の年」明けましておめでとうございます。御法主上人猊下には、お健やかに新春をお迎えあそばされ、令法久住・広宣流布のために宗内の僧俗に御慈悲あふれる御教導を賜りますことは、まことに有り難い極みであります。また、法華講総講頭・柳沢喜惣次様をはじめ連合会の皆様にも、立宗753年の新春をご家族お揃いにて、元気にお迎えのこととお慶び申しあげます。

宗門は今、平成21年の「『立正安国論』正義顕揚750年」の佳節をめざし、「地涌倍増」の御命題にお応えするために、僧俗一丸となって折伏が推進されています。これひとえに、個々の幸せと平和な国家社会を建設するためであります。この願いとは裏腹に、世界の情勢はいよいよ混迷を極め、昨年の夏は、異常な気温上昇に加え、台風・地震による甚大な被害を被り、今なおたくさんの方が避難生活を余儀なくされています。こうした災難をなくし、平和な国家社会を建設する鍵は、法華講員一人ひとりの強盛な信心と、折伏の実践以外にはありません。

本年は、「僧俗前進の年」と銘打たれ、実践テーマは、
(1)勤行・唱題の励行
(2)御報恩御講参詣・広布唱題会参加の徹底
(3)「一人が一人の折伏」を実践
と、信心の基本となる自行化他の実践に絞られました。どの一つも蔑ろにできない最重要事です。

この年間実践テーマを踏まえて、宗務院教学部としては、本年1月23日に中級教学試験を実施し、さらには5月から7月にかけて、御法主日顕上人猊下より直々に御講義を承ることのできる恒例の法華講夏期講習会を開催いたします。行学を錬磨することによって、自らの信心はより強盛、障魔に紛動されることのない幸せな境界を築くことができるようになるのです。法華講の皆様には、万難を排し各種行事に参加して信行学を磨き、大きな功徳善根を積んでくださるようお願いいたします。

法華講の皆様の御健勝と連合会の充実発展を心よりお祈り申し上げ、謹んで新年のご挨拶とさせていただきます。


■ 庶務部長・早瀬日如御尊能化

平成17年「僧俗前進の年」の新春、明けましておめでとうございます。御法主上人猊下におかせられましては、いよいよ御壮健わたらせられ、宗内僧俗一同へ限りなき御慈悲をもって、親しく御教導賜りますことは、一同心から歓びとするところであり、これに勝るもはありません。また、全国法華講の皆様には、清々しく新年を迎えられ、決意も新たに御奉公をお誓いのことと存じます。

さて、本年「僧俗前進の年」の前進とは、文字通り、前へ進むことでありますが、併せて、よい方向へ進むという意味があります。本年は、全国のすべての法華講が御命題達成へ向けて、躍動感にあふれ、明るい見通しをもった力のある講中を構築していくことが大きな課題となります。

そのためには、本年度の三項目にわたる「年間実践テーマ」、すなわち「勤行・唱題行の励行」「御報恩御講参詣・広布唱題会参加の徹底」「『一人が一人の折伏』を実践」を確実に遂行していくことが肝要であります。就中、折伏は御命題達成の絶対条件であり、折伏なくして地涌倍増も広宣流布の達成もありません。しかして、その折伏を遂行するにあたり不可欠な要件こそ、僧俗一致・異体同心の団結であります。僧俗一致・異体同心の団結なくして所願達成はあり得ないからであります。

大聖人は『四条金吾殿御返事』に「だな(檀那)と師とをも(思)ひあわせぬいのりは、水の上に火をたくがごとし」(御書1118ページ)と仰せであります。各講中にあったてはこの御金言を拝承し、指導教師・講中を中心に僧俗一致の固い団結のもと、本年度の折伏誓願目標の達成と平成21二年へ向けての地涌倍増の必達を期して存分の御活躍をなされますよう心から願うものであります。

各支部のいよいよの御隆昌と御健勝を心よりお祈り申し上げ、甚だ粗略ながら新年の挨拶といたします。


■ 財務部長・長倉教明御尊師

立宗753年・平成17年「僧俗前進の年」の新年、明けましておめでとうございます。御法主日顕上人猊下におかせられましては御清祥にて新春をお迎えあそばされ、私たち僧俗一同に御慈悲あふれる御教導を賜りますことはまことに有り難く、心からお慶び申し上げます。また法華講連合会におきましては、総講頭・柳沢委員長殿をはじめ、全国講員一同様におかれましても元気に新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年の世相を視るに、人命軽視と自然界の異常現象が常に報じられております。これはすべて池田創価学会をはじめとする邪義謗法の跋扈(ばっこ)によるものであり、平成21年の御命題達成を4年後に控えた「僧俗前進の年」の今年、正宗僧俗の使命はまことに重大であると存じます。個人にあっては更なる信心の確信を深め、講中にあっては未来広布に向けての信仰基盤の確立が急務であります。

昨年、夏期講習の砌、御法主日顕上人猊下は、次の如き御指南をくださいました。「『自他彼此の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉るを処を、生死一大事の血脈とは云うなり』。この、御文のごとく、異体同心の唱題が永劫に変わらざる血脈として、皆さん方が即身成仏の功徳を得られるということの大慈悲の御指南であります。『然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり。若し然らば広宣流布の大願も叶ふべき者か』。しかればすなわち、そこにおいてこそ広宣流布の大願が叶うのであると仰せであります。」(大白法657号)

全国法華講の皆様には、大聖人様が仰せの、「祈りも又是くの如し。よき師とよき檀那とよき法と、此の三つ寄り合ひて祈りを成就し、国土の大難をも払ふべき者なり」(御書1314ページ)との御金言を肝に銘じ、僧俗異体同心して、御法主上人猊下の御もとに、破邪顕正・正法広布へ向かって、更なる前進を念願いたすものでございます。年頭に際し、皆様の御健勝と御多幸を心よりお祈り申し上げ、新年の御挨拶とさせていただきます。


■ 渉外部長・秋元広学御尊師

平成17年「僧俗前進の年」、明けましておめでとうございます。御法主日顕上人猊下におかせられましては、いよいよ御壮健にわたらせられ、宗内僧俗一同に御慈悲あふれる御教導を賜りますことは、まことに有り難きことでございます。また、法華講連合会委員長・柳沢喜惣次さまをはじめ全国法華講の皆様には、お元気にて新年をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。

今宗門は、来る「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年の佳節における大命題に向かって、御法主日顕上人の御もと、邁進をいたしております。『立正安国論』にお説きになられる様相のまま今日、私どもは大佳節を4年後に控える本年「僧俗前進の年」の重大なる意義を感ぜざるを得ません。すなわち、本門戒壇の大御本尊様に対し奉る絶対のの信心を、御法主上人猊下の御指南に信伏随従し、僧俗が一体となって捧げ、もって広布前進の実証を示す年であると拝するのであります。

「末法に入って今日蓮が唱ふる所の題目は前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり。」(御書1594ページ)は、大聖人様の御金言であります。この自行化他に亘る題目とは、本年「僧俗前進の年」の、(1)勤行・唱題の励行、(2)御報恩御講参詣・広布唱題会参加の徹底、(3)「一人が一人の折伏」を実践との3項目を確実に実践するところにあると拝せます。

「南無妙法蓮華経の大音声(おんじょう)を出だして諸経諸宗を対治すべし」(同1855ページ)、「唯(ただ)我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡(いまし)めんのみ」(同250ページ)の御金言を胸中に深く刻み、邪宗邪義に向かって、就中、現今の「一凶」たる池田創価学会の徹底破折こそが大事であります。

御法主上人猊下のもと異体同心して、僧俗共々の大いなる前進の年としてまいろうではございませんか。皆様のいよいよの御健勝と、法華講連合会の充実発展を心よりお祈り申し上げ、新年の御挨拶とさせていただきます。


□ 法華講総講頭・柳沢喜惣次

本年は「『「立正安国論』正義顕揚750年」に向かう第3年目「僧俗前進の年」、全国の皆さん、明けましておめでとうございます。御法主上人猊下におかせられましては、いよいよの御壮健に御宗門、僧俗、寺族一同に親しく御教導垂れ賜り、昨年は、また中華民国・台湾への御親修と、ここに御宗門の弥栄と晴れ晴れと迎える立宗753年の新年を、謹んで寿ぎ奉ります。総監・藤本日潤御尊能化、重役・吉田日勇御尊能化をはじめ、各御尊能化、御尊師方々、寺族の皆様にも謹んで新年のお祝いを申し上げます。

顧みますれば、昨年は法華講には本部の体制が整備され、本来の機能を発揮し、そこに法華講の信行増進と大法広布を図るために、本部に指導教師3名、大講頭5名の増員と本部幹事が1名新しく任命されました。さらにその後の講頭会において、全国の講頭総意による、正法の護持弘宣に質するための、恒常的な御供養が建議されました。この実施は本年4月1日からであります。また、本年は年頭から中級教学試験が、教学部を中心に全国の支院長様はじめ担当御僧侶の責任のもとに行われます。行学二道は我ら法華講には、大事な祖訓であり、また所行であります。

翻って3年目を迎える本年、我らの信心は、御法主上人猊下の御指南を心肝に染め「行」を主体とした、信行に徹することが大事と存じます。朝夕の勤行、殊に御祈念の上に朝の勤行は時間を定着させて、自らの決めた時刻に、早起きして精進していくことであります。御本尊様への御祈念の叶うことはそれぞれに知っているでしょうが、この願いの叶うことは、行に徹して実行する中で、初めて会得できるものであります。

励めない迷いの一つに、仏力・法力・信力・行力の4つは一つひとつが同等と考えている誤りに気付かないのであります。仏力・法力は御仏の御本尊様の御力、信力・行力は凡夫の御仏を信じ奉る信心、その違いは天地の違いであります。故に大事なことは、朝早く起きて、御本尊様の功力を信じ勤行・唱題を持続してくことであります。その祈りには、御本尊の功徳により顕著に顕れてくることを、私は確信いたすものであります。

新年に当たり、皆様方の御健勝と各支部の御活躍を心から御祈念し、御挨拶とさせていただきます。


□ 法華講大講頭・石毛寅松

平成17年、「僧俗前進の年」の新年、明けましておめでとうございます。御法主日顕上人猊下におかせられましては、益々御健勝にわたらせられて、新年をお迎えあそばされましたことを、謹んでお祝い申し上げます。また、日蓮正宗総監・藤本日潤御尊能化、日蓮正宗・重役吉田日勇御尊能化をはじめ、宗務院・内事部並びに御宗内の各御尊能化・御尊師方にも、益々御健勝にて、新年を迎えられましたことを、衷心よりお祝い申し上げます。

昨年は、猛暑が続き、さらに10回もの台風の日本列島襲来、新潟中越地震など、まことに悲惨と苦惱の連続の年でした。日蓮大聖人様は『立正安国論』に、「世皆(みな)正に背(そむ)き人悉(ことごと)く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相(あい)去り、聖人所を辞して還らず。是(ここ)を以て魔来たり鬼(き)来たり、災(さい)起こり難(なん)起こる」(御書234ページ)と仰せられておりますように、大謗法が充満しているからであります。

御法主日顕上人猊下は、現代における一凶とは、邪教創価学会であると御指南を賜れておりますように、まさに、今日の不安な世相やあ台風や地震など天変地夭は、邪教創価学会の大謗法が充満しているからであります。しかし大聖人様は、『大悪大善御書』をもって、「大悪をこれば大善きたる。すでに大謗法国にあり、大正法必ずひろまるべし」(同796ページ)と仰せられております。我々法華講は、この御金言を確信し、「僧俗前進の年」の本年こそ、僧俗一体となって、この大謗法集団・邪教創価学会への折伏に大前進をしていかなければなりません。

本年の年間実践テーマに「『一人が一人の折伏』を実践」があります。真剣な唱題をもって学会員の折伏を実践して行きましょう。『土篭御書』にも、「法華経を余人のよ(読)み候は、口ばかりことば(言)ばかりはよ(読)めども心はよ(読)まず、心はよ(読)めども身によ(読)まず、色心二法共にあそばされたるこそ貴く候へ」(同483ページ)と仰せられております。

「勤行・唱題の励行」「御報恩御講参詣・広布唱題会参加の徹底」をもって、「僧俗前進の年」の地涌倍増、広宣流布へ大前進していこうではありませんか。皆様の益々の御健康をお祈りし、新年の挨拶とさせていただきます。


※この原稿は大護寺支部・菊地孝一さんの御協力で掲載しました。



海外より新年の御挨拶


■ 宗務院海外部長・尾林日至御尊能化

平成17年の新春、明けましておめでとうございます。益々御壮健にて閻浮の衆生に対して、尊い御教導を賜ります御法主日顕上人猊下に随従申し上げて、「僧俗前進の年」の精進をさせていただける幸せを、我が法華講中の皆様、並びに世界の御信徒と共に分かち合いたいと存じます。

近年の世界広布の進展は、昨年11月の中華民国・台湾における台中市の本因山妙行院、宜蘭市の本教山妙照院の山院号公称と板御本尊の入仏法要として結実し、御法主日顕上人猊下の3度目の御訪台を賜り、親しく、御法主上人猊下の大導師のもと、盛大な入仏法要が奉修されました。

本年もまたアジアの各地で新寺の建立が予定され、「僧俗前進の年」にふさわしい世界広布の躍進が計られるものと確信をいたしております。

日蓮大聖人は『顕仏未来記』に、「本門の本尊、妙法蓮華経の五字を以て閻浮提に広宣流布せしめんか」(御書676ページ)と仰せあそばされていますが、この御金言の通りの広布の展開となってきていることを深く確信するものであります。全国の法華講各支部の御発展と講中の皆様の御多幸をお祈り申し上げ、新年の辞とさせていただきます。



■ パナマ布教所責任者・佐々木信華御尊師

平成17年・宗旨建立753年の新春、明けましておめでとうございます。本年は「僧俗前進の年」と銘打たれ、御法主日顕上人猊下の御指南のもと全世界の僧俗が一致・和合して、いよいよ折伏弘教に邁進すべき年であると確信いたします。

この年頭に当たり、パナマを中心とした中米工リアの僧俗は、正しい勤行、そして少しでも多くの唱題をもって自身の信心を磨き、御報恩御講はもちろんのこと、広布唱題会をはじめ諸行事・諸会合には、声を掛け合い手を取り合って、少しでも多くのメンバーが、そして新来者が参加できるよう努めてまいります。

パナマ布教所

そして来たる「『立正安国論』正義顕揚750年」の佳節に向かって、悲願たる寺院建立と御法主上人猊下の御親修の実現を目下の目標として、「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶ふ事なし」(御書1389ページ)との御金言を身に体して、「一年に一人が一人の折伏」を合い言葉に、さらなる精進を誓い、決意とさせていただきます



■ パリ信行寺住職・毛利博道御尊師

明けましておめでとうございます。フランス信徒一同と共に、謹んで新年の慶事を申し上げます。

エゴイズムという恐るべきマイナスエネルギーは、個人・家庭・国家・地球の破壊につながり、宇宙の汚染にまで進んでいます。私たち凡夫は、幸福・安穏を追求しますが、それは「今だけ」「此処だけ」「自分だけ」という浅薄なものです。これを「いつでも」「どこでも」「共々に」という、常・楽・我・浄の真正なる境界の確立に転換することは、三大秘法の信受と、自行化他の信行の実践しかなし得ないことです。世界中の僧俗の前進・共進によって、世界広布への着実なる一歩を築いてまいりましょう。

ヨーロッパ

寒さ厳しきパリの一角から皆様の御多幸を祈り、かつその上で私並びにフランス信徒一同への厳しき御指導と、力強い激励を心からお願い申し上げます。



■ パナマ布教所責任者・上野道武御尊師

平成17年・宗旨建立753年の新春、明けましておめでとうございます。

昨年は、12月に当布教所5周年法要を奉修させていただきました。この法要において折伏誓願目標を達成して御本尊様に喜びの御報告をしようとの合い言葉に、僧俗が励まし合いながら折伏に励み、なんとか昨年の誓願目標650人を達成することができました。

本年は、「僧俗前進の年」と銘打たれ、御法主日顕上人猊下の御指南のもと宗門全体が「『立正安国論』正義顕揚750年」に向けて確実な前進を遂げるべき年であると拝信いたします。私たちマレーシアの僧俗も御指南にお応え申し上げるべく、一層の精進を誓うものであります。

マレーシア布教所

具体的には、布教所としては毎年達成をしている、折伏誓願目標を本年も達成するという良き伝統を、本年も堅持します。さらに御講や諸会合の参加者の倍増をめざし、活動者の比率を上げて育成に力を注ぐことを決意します。そして、「『立正安国論』正義顕揚750年」には名実共に倍増するように精進することをお誓い申し上げ、年頭の決意とさせていただきます。



■ サンフランシスコ妙信寺住職・木村正弘御尊師

平成17年「僧俗前進の年」の新春、明けましておめでとうございます。御法主上人猊下におかせられましては御壮健にて新年をお迎えあそばされ、我々僧俗一同に対し御慈悲と御教導を賜りますことを、心よりお慶び申し上げる次第でございます。

昨年12月には妙信寺創立20周年法要を奉修し、日本より参加された僧俗と共に世界広布への大前進を確信し、それぞれが堅い決意のもと新たなる発心と一大精進を誓い合いました。

サンフランシスコ妙信寺

『四条金吾殿御返事』には、「設(たと)ひ正法を持てる智者ありとも、檀那なくんば争(いか)でか弘まるべき」(御書1041ページ)とあり、また『御義口伝』には、「法華の行者は如来の使ひに来たれり」(同1749ページ)とあります。大聖人の仏法は僧侶の力だけで弘通することはできませんし、また信徒の力だけで弘まることもあり得ません。いつの時代も僧俗が一丸となって御法主上人の御指南のもとに御本尊を受持し、信行に励むところに、真の広布の前進があるのです。

日蓮正宗の僧俗は、いかなる状況にあっても師子王のごとく障魔に打ち勝ち、大聖人が仰せの「如来の使い」のごとく、揺らぐことのない御本尊への大確信をもって、異体同心の信心のもと共に前進していかなくてはなりません。遠くアメリカの地より世界広布のさらなる前進をお祈り申し上げ、新年の決意とさせていただきます。



■ シンガポール開妙布教所法華講幹事・クエ=キア=キー

「僧俗前進の年」の新年、明けましておめでとうございます。私たち、開妙布教所の信徒は、御法主上人猊下の御指南を根本に、御住職・滝川信雅御尊師の御指導のもと、異体同心・僧俗和合の精神を堅持しつつ、シンガポール広布に前進してまいります。

具体的には、宗務院海外部より示された本年の三大目標である、(1)勤行・唱題の励行(2)御報恩御講への参詣・広布唱題会への参加、(3)「一年に一人が一人の折伏」の実践、を周知徹底していくことです。

(1)については、布教所での週5回の唱題会の継続、勤行参詣、新入信者の育成に重点を置いた「練経」と「ゆっくり勤行会」を充実させていきます。(2)番については、現在、月例の御報恩御講を土日の2日間で計3回奉修し、平均約1300人が参加していますが、今後もさらなる啓蒙に努めてまいります。(3)については、本年度は450人の折伏誓願を掲げました。地涌倍増の御指南に基づき、「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」の佳節を5000人の陣容で迎えるためにも、必ず達成してまいります。

シンガポール開妙布教所

現在、シンガポールでは新布教所の建設の槌音が響いています。落慶の大目標に向かって、信行の基本をゆるがせにすることなく、足元を固めつつ着実に前進していくことを決意いたします。



■ タイ国信徒・スクマン=トキアティサク

私たちタイの日蓮正宗信徒は、「僧俗前進の年」に、以下の決意を持って臨みます。

タイ国

  1. 御本尊様への信心を清く深め、大聖人様の御書、御法主日顕上人猊下の御指南のみならず、担当教師の御指導を正直に信奉します。

  2. 私たちは最大限の努力で習ったことを行動に移し、短所を直し、御本尊様の真の功徳を実証できるすばらしい人格に成長します。

  3. 私たちは、僧俗和合のもと、下種仏法の三宝へ御報恩謝徳するために、「一年に一人が一人の折伏」の目標を果たすために折伏の努力を強め、広宣流布に適進します。

  4. 私たちは心から祈り、どのような困難や障害が起きようとも、それを乗り越える強い決意を持ってタイで全信徒の真の異体同心のもとに、初めての日蓮正宗布教所建立の1日も早い成功に向けて励みます。



■ アルゼンチン布教所信徒・ミゲール=プラット

新年、明けましておめでとうございます。

昨年を振り返りますと、折伏誓願目標を達成できず、大いに反省すべき点となりましたが、御報恩御講や唱題会等の各行事への参加者は、着実に増えております。それは、布教所責任者の井尻執道御尊師のもと綿密に企画会を行い、昨年中頃に信徒組織体制を新たに構築し直したことが発展につながったと思います。

また、『日興上人遺誡置文』・『方便品・寿量品の解説』・『御観念文の解説』・『日蓮正宗入門−序編』等が各行事の教材としてスペイン語に翻訳され、信徒が教学を深めるため、たいへんに役立っております。また、初の教学試験が行われてから教学推進部が開設され、教学研鐙への熱意も盛り上がってきております。

さらに、御住職による信徒一人ひとりの勤行面接が数年前より継続して行われ、このたび「勤行インストラクター(指導員)」が任命され、正しい勤行習得が容易となりました。

折伏弘教に関しては、アルゼンチンはじめ管轄6カ国の各所に信徒有志の家庭が「広布弘教の拠点」として開かれ、弘教のための配布用に様々な資料も整えられ、さらに大学や公共施設等でも仏教講演会が開かれました。本年も継続することによって、成果を結実させていきたいと思います。

アルゼンチン国

さらに本年は、折伏誓願目標を是非とも達成できるよう、お互いに励まし合いながら、より多くの信徒が各役割を担うべく参加を呼びかけ、広布前進に努力を尽くしてまいりたいと思います。

2006年の総本山における「海外信徒総登山」への、より多くの南米信徒の参加推進と、2007年にペルー国首都リマ市で開催予定の「南米スペイン語圏総会」成功をめざして、さらなる唱題による御祈念と異体同心による諸活動の実践をもって、仏道精進していくことを決意いたします。




論苑 『講中一丸の色読を』
常在寺住職・細井珪道御尊師


 御法主日顕上人は、御登座以来「祖道の恢復(かいふく)」・「広布への前進」・「異体同心の確立」の三原則を掲げられ、その実践のためには「正直な信心」と「弛(たゆ)まぬ唱題」を基調とすべきことを常々御指南あそばされている。そして、「一年に一人が一人の折伏を」と、明確な目標をお示しである。

 しかして本年は「僧俗前進の年」と銘打たれたが、これは「一人が一人の折伏」の自覚と実践を、さらに講中の隅々まで徹底して浸透するようにとの御意と拝する。

 孟子の言葉に、「道は邇(ちか)きに在(あ)り、而(しか)るにこれを遠きに求む」とある。これは、ものの道理は身近にあるのに、どこか高遠なところに求める愚かさを教えたものである。

 我々は、ともすると「折伏をしなければ」という責任感が重圧になり、その意欲を停滞させてしまうことが往々にしてある。そのような時、信心の原点は身近なところにあるのだと思い直して、真剣な勤行・唱題を行うことが道の第一歩であると思う。

 大聖人は『衆生身心御書』に、「つゆ(露)つもりて河となる、河つもりて大海となる、塵つもりて山となる、山かさ(重)なりて須弥山となれり。小事つもりて大事となる」(御書1216ページ)と、大事を成就するには、小事の積み重ねが大切なることを御教示あそばされている。故に、地道ではあっても、身近な活動を継続していくという、そうした堅実さが躍進につながることを再認識しよう。

 また、講中の人間関係においても、たとえどのような些細(ささい)なことであっても疎(おろそ)かにせず、寄り合って充分話し合い、問題が小さなうちにその芽を摘み取ることも大事だ。

 しかし、なによりも重要なことは、講員一人ひとりがその使命を自覚し、今なすべきことをよく心得た上で、唱題を重ねることである。いくら議論しようと、真剣な唱題で得た御仏意に依(よ)らなければ真の解決にはならない。

 御法主日顕上人は、唱題は「不思議の妙法の実践」と仰せられた。凡夫の狭量な心とわずかな智恵であれこれ考えるより、仏法僧の三宝を尊信し、御本仏の広大無辺の慈悲と智慧を頂戴する唱題の実践が肝要である。

 昨年の夏期講習会において、御法主上人は三宝に具わる徳を御指南あそばされた。その要点を示せば、「まず一は『稀有(けう)の義』で、人間界に生まれ、最高の仏法に巡り値(あ)うことが稀(まれ)なこと。二には『離垢(りく)の義』で、宝には清浄な意味があり、不浄な垢を離れていること。三には『勢力(せいりき)の義』で、宝そのものに不思議な力があること。四には『荘厳(しょうごん)の義』で、宝によってあらゆるものが荘厳される。五には『最勝(さいしょう)の義』で、宝はあらゆる事物に勝れていること。六には『不改(ふかい)の義』で、始終その形に変化がないこと(趣意)」(大白法 650号)の六義である。

 そして、「この宝のように仏・法・僧の三宝は稀有であり、清浄であり、力を持っており、そしてあらゆるものの功徳をもってそれを飾り荘厳しておる。さらにはあらゆる宗教、哲学等に対して最勝であり、そしてその意義において絶対に変わることがない」(同)と御指南されている。三宝には、衆生を仏道に導く力が厳然と具(そな)わっているのである。

 ところが、現在、創価学会をはじめ多くの邪義・邪宗は、愚かにもこの尊い三宝を蔑(ないがし)ろにし、世の無知なる人々を誑惑(おうわく)せしめている。そして、その報いは『瑞相御書』に、「人の悪心盛んなれば、天に凶変、地に凶夭出来す。瞋恚(しんに)の大小に従ひて天変の大小あり。地夭も又かくのごとし」(御書 920ページ)とお示しのとおり、昨年の新潟県中越地震、あるいは過去最多の台風上陸による大災害等に歴然と現れている。

 我々正法受持の僧俗は、邪義邪法の充満するところには、天変地夭が絶えないことを知り、いよいよ破邪顕正の行を果敢に実践していくことが肝要である。各講中の皆様には、指導教師共々一丸となっての色読、すなわち勇気ある折伏行に邁進されんことを心より念願するものである。


霊鷲山常在寺開創400周年慶祝法要より

常在寺400周年

おごそかに 古刹の祝い 秋深し(越洋)


※この原稿は昭倫寺支部の若山さんのご協力で転載致しました。



座談会 僧俗前進の年


司会 立宗753年の新春、あけましておめでとうございます。

一同 おめでとうございます。

司会 本年は「平成21年・『「立正安国論』正義顕揚750年」の大佳節に向けての第3年目で年間方針の
  「僧俗前進の年」と銘打たれております。

藤本日潤御尊能化
      この「僧俗前進の年」といこうことについてはいろいろな見方があると思うのですけれども、要するに
   僧と俗が共に一体となって平成21年乃至広布に向かって前進するという事であります。また、その前
   進は個人、組織として、一歩でも二歩でも折伏弘通に向かって進むことです。要は、停滞することなく、
   実情に即した広布への前進をこの一年間として、宗門全体が足並みを揃えて活動していく年であると思
   います。

早瀬日如御尊能化
      そうですね。院達で通知されておりますように、「真の僧俗和合・異体同心を基盤として、正法護持・
   大法弘通の願業を共に実践し共に前進すること」がその主旨であります。申すまでもなく広宣流布は僧
   侶だけでも信徒だけでも達成できません。僧俗が一体となり、異体同心して初めて達成されることは、
   火を見るより明らかで、平成21年の御命題の達成もまったく同じ事が言えます。御命題達成の絶対的
   条件は地涌倍増ですが、その実現は折伏による以外ありません。平成21年の佳節までに折伏によって
   世帯数の倍増、つまり2倍乃至それ以上にすることであります。この地涌倍増があって初めて、大結集
   も名実共に実現することになるのであります。したがって法華講の今後4年間の闘いは、地涌倍増をめ
   ざした大折伏戦にあり、この折伏戦を敢行するためには僧俗一致・異体同心の団結こそ不可欠です。

   本年「僧俗前進の年」は、各人が一人も漏れず「異体同心なれば万事を成(じょう)じ、同体異心なれ
   ば諸事叶ふ事なし」(御書 1389ページ  )との御金言を心に決め、大折伏戦に立ち上がることだ
   と思います。

柳澤委員長
      はい。それとこれからますます、世の中が変化していと思われますね。これまで経済の変化の中で、殊
   に金融業界では合併などがありましたが、他に市町村合併等の行政問題、それから中高一貫等いろいろ
   出ております教育の問題と、あらゆることで大きく変化していきますと、利益と損の面が顕著に現れる
   ようになるものと強く感じます。いよいよ『安国論』のごとく様相も現れてきますし、一生懸命がんばっ
   ていかないと考えております。


◇基本の信行に励む実践の中に実証◇

藤本 そこで、年間方針のもとに平成17年の年間実践テーマは、
      一、勤行・唱題の励行
      二、御報恩御講参詣、広布唱題会参加の徹底
      三、「一人が一人の折伏」を実践
   とういう三つに絞られています。いずれも基本的な信行実践の在り方を示されたもので、これを日蓮正
   宗信徒として最低必要な実践項目であると心得て、御精進いただきたいと願っております。

大村日統御尊能化
   実践テーマの一つ目の勤行は『月水御書』に、「常の御所作には、方便品の長行と寿量品の長行とを習
   ひ読ませ給ひ候へ」(御書 303ページ)と仰せのように、御本尊の前で方便品と寿量品と御題目を
   唱えることで、日蓮正宗信徒の信心修行の根本です。朝の五座の勤行では、まず諸天に法味を捧げ、下
   種三宝尊に御報恩申し上げ、さらに広宣流布の御祈念をします。夜の三座勤行の勤行では、下種三宝尊
   に御報恩申し上げ、一日を無事に過ごさせていただいたことを感謝します。この朝夕の勤行によって、
   信心の目的である成仏という最高の境界が築かれるのです。

   総本山第26世日寛上人は『観心本尊抄分段』に勤行の功徳を、「本尊の功徳、無量無辺にして広大深
   遠の妙用有り。更に暫くも此の本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、則ち祈りとして叶わざる無く、
   罪として滅せざる無く、福として来たらず無く、理として顕われざる無きなり)(御書文段189ペー
   ジ)と仰せなされています。御本尊と境智冥合する勤行を励行することによって生命に内在する仏界を
   現し、魔境に紛動されることのない功徳に満ちた境界を築けるようになるのです。生活の根本である勤
   行がいい加減であると力強い生命力を発揮させることができませんから、現実の生活に行き詰まりが生
   ずるのは当然です。

石毛副委員長
     そうならないように、毎日欠かさず勤行を行うことが大切ですね。それにしても昨年、創価学会は勤行
   を改変しましたね。

大村  日蓮正宗では現在、勤行は朝夕の二回行うことになっていますが、昔は三時の勤行と言って、1日3回
   行われたようです。それが総本山第26世日寛上人の頃、五座三座の形式になったようで、日寛上人が
   加賀の信徒、福原式治氏へ与えられた書状に「十如自我偈題目なりとも五座三座の格式相守るべし」と
   仰せられていることによって明かです。

   今おっしゃたように、創価学会では勤行の形式を方便品と自我偈を読誦することにしたようです。彼ら
   はこれを「大聖人の時代に帰った」とか「(五座三座の勤行で)近所迷惑になったら、かえって法を下
   げることになる」などと理由をつけていますが、要は「勤行0分」と言われる池田に追従して怠慢に切
   り替えたといこうことで、これでは功徳が具わるはずがありません。法華講員は、御法主上人猊下の御
   指南に従い、五座三座の勤行をしっかり励行して、功徳充満の毎日を築いてもらいたいと思います。

尾林日至御尊能化
     唱題の意義に尽きまして、かつて日顕上人が平成11年の新春の御言葉の中に「一切を開く鍵は唱題行
   にある」という御指南をなさいました。そのように、唱題行の一行には様々な意義が込められています。
   たとえば一つには、自らの身心を磨く唱題行。また我が信心を磨く唱題行の意義がございます。大聖人
   は『一生成仏抄』に「深く信心を発して、日夜朝暮に又懈らず磨くべし」(御書46ページ)と御指南
   くださっています。

   第二の意義は、広大無辺の福徳を積む唱題行という意義であります。これも『聖愚問答抄』「此の妙法
   蓮華経を信仰し奉る一行に、功徳として来たらざる事なく、善根として動かざる事なし」(同406ペー
   ジ)と御教示くださっております。また、当然のごとく、『三大秘法抄』に、「今日蓮が唱ふる所の題
   目は前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり」(同1594ページ)と仰せのように、自
   行化他に亘っての唱題行は即、折伏を成就する唱題行、広宣流布を成し遂げる唱題行の意義が具わって
   います。そのほか、四恩報謝の唱題行、一人ひとりの即身成仏のための唱題行、何事も、決意し発心す
   るには唱題から始まるという意義をしっかり心に置かれまして、互いにしっかり唱題の一行を貫いてま
   いりたいと思います。

柳沢 実践テーマ二つめの「御講参詣」は、子供のときから躾けていくように、入信当初から御報恩御講には
   判っても判らなくても参詣していく、という気構えでないと信心は持続しないと思います。かつて私は
   自分の子供を躾て行くときに「この次の日曜日は御講だよ、友達と約束してきちゃだめだぞ」と言い聞
   かせたことを思い起こします。また講中の方々にも、朝夕の勤行をしていけば利益で守られていくが、
   その恩は、御報恩御講に参詣することでさらに意義がよく判ってくる。躾けていく上で抵抗となるのは
  「何も得をしていないじゃないか」という考えですが、そんな考えではだめだぞと。それが私の申し上げ
   る躾という意味です。

石毛 広布唱題会は、本年も全国で一斉に行われますが、昨年の参加状況を見ますと、まだ少ないように感じ
   ます。広布唱題会は広宣流布への前進のためであり、また平成21年へ向かっての地涌の友の倍増乃至
   それ以上の輩出のためですから、この意義を十分に徹底してまいりたいですね。

大村 そうですね。また、三つ目の「『一人が一人の折伏』を実践」ですけれども、仏道修行には自行と化他
   行があり、自行の根本は先ほどの勤行・唱題をはじめ、寺院へ参詣することで、化他行は折伏行うこと
   です。どれが欠けても成仏が叶わないことは、大聖人の、「いかなる大善をつくり、法華経を千万部書
   写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかたきをだにせめざれば得道ありがたし」(同3
   22ページ)との仰せに明らかです。

   日蓮大聖人の御生涯は、『立正安国論』にはじまり『立正安国論』に終わると言われるように、正法を
   立てて平和な国家社会を建設する広宣流布を目的とされるのです。その大聖人が『寂日房御書』に、「
   かゝる者の弟子檀那とならん人々は宿縁ふかしと思ひて、日蓮と同じく法華経を弘むべきなり」(同1
   394ページ)と仰せなされいるのですから、折伏を怠る者は、日蓮正宗の信徒とは申せません。

石毛 折伏は、相手に成仏という最高の目的を持たせてあげることですからね。

大村 それだけに折伏を実践する功徳は大きいのです。その功徳を大聖人には、「抑(そもそも)一人の盲目
   をあけて候はん功徳すら申すばかりなし。況んや日本国の一切衆生の眼をあけて候はん功徳をや。何(
   いか)に況んや一閻浮提四天下の人の眼のしゐ(盲)たるをあけて候はんをや」(同898ページ)と
   仰せなされています。「僧俗前進の年」と名づけられた今年は、僧俗異体同心して、個々の成仏と共に
   平和な国家社会を建設するためにも、真剣に取り組まなくてはならないと思います。

早瀬 本当にそうなんです。そこで、具体的な実践でありますが、まず折伏は理屈や頭や口先だけでは絶対に
   できません。また、これといった特効薬もない。あればとっくに広宣流布をしているはずです。しかし
   敢えて言えば、私は一つだけあると思います。それは、動くということです。御法主日顕上人猊下は、
  「動けば必ず智慧が涌く」(趣意)と仰せです。また、『土篭御書』には、「法華経を余人のよ(読)み
   候は、口ばかりことば(言)ばかりはよ(読)めども心はよ(読)まず、心はよ(読)めども身によ(
   読)まず、色心二法共にあそばされたるこそ貴く候へ」(同483ページ)と仰せです。したがってま
   ず折伏は、体を使い、動くことが絶対の条件となるわけです。この動きかが個から集団へ変化をしてゆ
   きますと、組織は大きく変化し、活性化していきます。つまりこれは組織戦をしていくことです。

   組織戦と言いましても別に難しいことではなく、俗に「二人集まれば組織である」と言われているよう
   に、2人乃至3人が組んで闘うことです。「一人が一人の折伏を」言っても、それは一人で折伏せよと
   いう意味ではありません。一人が一人の責任おいて、一年に一人のを折伏せよというのがその趣旨であ
   ります。事実、2人が声をかけ合い、励まし合いながら折伏に行けば、お互いにとっても有効であると
   同時に、折伏する相手にとっても、極めて効果的であります。こうした組織戦を各講中が、たとえば事
   前の打ち合わせなどを行った上で計画的に行えば、より効果的なものになってくると思います。


◇広布推進会 地域の力を結集◇

司会 それでは、次に、本年も各布教区において開催される広布推進会についてお話ください。

藤本 広布推進会は布教区内寺院の僧侶が年数回、一堂に会して各代表の決意や体験発表などを通してお互い
   に切磋琢磨し合い、布教区内の全寺院、全支部の向上発展を期して開催され、これまでも地域担当者各
   位などの協力をいただきながら多大な成果をあげてきたと思っております。本年度から、さらに開催回
   数、内容の充実等を期して全体のレベルアップを図ってまいりたいと考えております。

早瀬 そしてまた本年度から大きく変わることは、従来の地域担当員制度は昨年をもって終了となりました。
   今後は式次第、内容、結集人数、開催形式(大会形式・協議形式)など、一切が地方協議会で検討され
   ることになったわけです。つまり、各布教区それぞれの地域性、自主性を重んじて、その特長を活かし
   て行うことになります。

石毛 活発な意見、提案を土台に僧俗双方で検討して式次第など仕上げていけばよりよいものになり、そして
   何よりも、協議会、広布推進会を通して真の僧俗一致の強力な体制が構築されいくと思われますね。

早瀬 特に四者対象の広布推進会は年間8回開催され、いわば広布推進会の中核を為すもです。具体的内容に
   ついては、まず地方協議会において、あらゆる角度から十分に検討をしていただきたい。宗務院といた
   しましては、広布推進会がこうした在り方で開催されれば、それにしたがって各支部も大いに活性化し
   ていくものと思っております。

司会 各部対象の広布推進会はどのようになるのですか。

早瀬 従来も壮年部・婦人部・青年部対象の広布推進会は行われておりましたが、本年からは少年部について
   は、昨年までのような少年部担当者会ではなく、少年部広布推進会として、少年部員を対象として開催
   してもよいことにいたしました。もちろん、従来のような少年部担当者会でもよく、どちらを開催する
   かは、地方協議会で決定していただくことになります。また、少年部部員対象で開催する場合、ヤング
   ミセスのお母さんたちと合同の開催もよいことにいたしました。少年部の集まりには必然的にお母さん
   たちが付き添ってくるわけですか。いずれにいたしましても、各部それぞれの特徴が現れるよう、壮年
   は壮年らしく、婦人は婦人らしく、青年は青年らしく、特に青年部は若き情熱と勇気を奮い起こし、気
   概をもって広布のために挺身できる人材の育成めざした企画を立てていただいて、すばらしい広布推進
   会にしていただきたいと思います。

司会 参加者の心構えも大切になりますね。

早瀬 「僧俗前進の年」の本年は、御命題達成に向けて僧俗一致して、よりよい方向に進むべき大事な年であ
   り、その役割を担うのが広布推進会です。したがって効果的な推進会を開催するためには、主催者側の
   多角的な企画運営も大事ではありますが、参加する側の意識も大事です。自分が参加して納得するだけ
   でなく、貴重な体験談や決意、すばらしい指導や激励を伝えて、喜びを分かち合うところに異体同心の
   絆もより強固になっていくのです。

   次に大事なことは、固定化した人だけの集まりであってはならないということです。参加者が固定化す
   るとマンネリ化していきます。マンネリ化から歓喜は生まれてきません。それを防ぐために、常に新し
   い人を積極的に参加させることが大事です。講中でもまだ1回も推進会に参加していない人がいるよう
   では、なかなか折伏も進まないと思います。それぞれの講中が広布推進会を活動の主軸としてとらえ真
   剣に取り組んでいけば、成果は必ずあがると思います。そしてそれがまた、新鮮さあふれた躍動感ある
   広布推進会となり相乗効果をもたらせていくものと思います。


◇教学試験・夏期講習会で信行学の錬磨◇

司会 はい、ありがとうございます。次に、今月23日に行われます中級教学試験の実施概要についてお願
   いいたします。

大村 昨年の初級教学試験に続いて、今年は中級試験が行われます。教学試験は、教学研鑚の一環として、日
   蓮正宗信徒として基本的な教学力を身につけ、各々の信行の倍増と法華講各支部組織の充実・発展を期
   して行われるのですから、受験資格をお持ちの方は、ぜひ参加していただきたいですね。

柳沢 昨年のうちから、お寺で勉強会を設けてくださっています。出題範囲は今回も、配布された『中級教学
   試験テキスト』の中からですね。

大村 そうです。それから試験会場も昨年と同様、原則として各支部とも寺院を使用することになっています。
   試験は1月23日午後1時、全国一斉に実施し、試験時間は60分ですので午後2時には終了します。
   試験終了後は速やかに答案を回収し、それを密封して採点会場に持参してもらいます。採点は、1月2
   9日の午前10時より全国一斉に行い、その日のうちに終了する予定です。また後日、合格者に対して
   は合格証が配布されます。

石毛 有り難いことですね。大聖人様は、『十八円満抄』に「智者・学匠の身と為りても地獄に堕ちて何の詮
   かあるべき」(御書 1519ページ)と仰せられておりますが、教学は、単に物知りになるためでな
   く、実践していく力をつけていくことが大事です。一人ひとりが信心を磨いて、教学部長様がおっしゃっ
   たように、広布の人材として支部の充実発展に尽くしていくためであるという心構えで臨んでいただき
   たいですね。「もう年だから」「今さら勉強しても仕方ない」とか「勉強する暇がなかったから、今回
   はやめておこう」というような考えをやめ、合否にとらわれずに受験していただきたいと思います。

司会 夏の法華講夏期講習会はいかがでしょう。

大村 はい、法華講夏期講習会は、日蓮正宗信徒として信心の基本を身につけると共に、自行化他の亘る信心
   修行の精進できるよう信・行・学を磨くことを目的として行われます。日寛上人は『文底秘沈抄』に、
    「信有って行無きは即ち信堅からず、行を去るの信は縁に遇っては便ち退す」(六巻抄71ページ)と、
   行の伴わない信心はもろく、悪縁に左右されて簡単に退転すると言われています。ですから、この行学
   を錬磨する夏期講習会において不退転の信心を身につけることが大事です。

石毛 日程については、第1日目が3時限で、1時限目が「御書要文講義」、2時限目が「教学」、3時限目
   が「信仰実践演習」。また第2日目は、4時限目として、御法主上人猊下より甚深の御講義を賜る予定
   と承っています。

大村 1日目の「教学」は、本年度は宗史です。夏期講習の参加資格者は中学1年生以上となっていますが、
   ぜひ多くの方々が参加され、大聖人の本因下種の仏法に関連する種々の法義を学び信行学を磨く、実り
   ある講習会にしていただきたいと思います。

石毛 参加者の心構えについては、昨年の『大白法』(645号)に掲載してありますが、この1泊2日の登
   山を通して、丑寅勤行への参加をはじめ、御法主上人猊下並びに各担当講師の御講義をいただき、また
   宿坊の清掃など、文字通り行学の錬磨をもって広宣流布への人材育成を目的として行われているもので
   すから、青年や壮年・婦人の若い方にもっと参加していただきたい。これからの講中の人材を育成する
   立場で、力を入れ取り組んでいただきたいものです。

柳沢 それから、本年の春頃を予定として、平成15年度の夏期講習会で御法主上人猊下より賜った『立正安
   国論』の御講義を一冊の本として発刊するため、今、準備を進めています。御法主上人猊下が、時間を
   かけて私たちに何とか判らせてくださろうと御講義くださったのですから、その場で拝聴していたとき
   も感激したとの声を多く聞きましたが、やがて発刊されれば、「僧俗前進の年」の力になっていくと思
   います。


◇御報恩の生活は折伏徳行の因 日本で世界で折伏行に精進◇

司会 『立正安国論』の御講義は、本にしてほしいとの要望が多かったと聞いております。さて次に、海外布
   教に話題を移したいと思います。昨年も大躍進の姿が見られました。

尾林 それぞれの国によって躍進の度合いには違いがありますが、特筆すべき国はスリランカと中華民国・台
   湾です。スリランカは、平成4年に日本人の一人の女性リーダーの発心からスタートしまして、12年
   経った今日、6千人のメンバーが信心修行に邁進しています。海外部といたしましては毎年、年2回の
   出張御授戒において300体から350体の御本尊の御下附、400人から500人の御授戒者が集まっ
   てくれました。昨年は2月に大聖人様の御誕生会を記念して出張授戒を実施し、6月に広布10周年の
   記念と銘打って出張御授戒をいたしました。たくさんの立派な人材も育っており、中にはこの両3年間
   の間に100人以上の人を折伏したという女性弁護士さんもおられます。この方は、法律的な問題で解
   決するには法律を、法律では解決できないことについては日蓮正宗の仏法をもって解決する、そうした
   思いで依頼者に温かい折伏と教導をしています。

   もう一つはの中華民国・台湾の場合、平成4年にスタートしたときは、「信徒弘法会」という信徒団体
   を基として出発しました。その後、僧侶主導の法人として「日蓮正宗基金会」が結成され、政府の許可
   をいただきました。その当時3千名の登録者でありましたが、昨年11月末現在、5カ寺の所属信徒が
   2万1千人の陣容となることができました。

柳沢 8年間で7倍ですか。その躍進の上に昨年11月末、御法主上人猊下御親修を賜ったわけですね。

尾林 御法主上人猊下を渇仰し、御法主上人猊下の御指南を一言一句とも聞き逃さないよう、歓喜の心をもっ
   て猊下に随従し、感動していた姿が印象的でしたね。

石毛 今のお話、また海外のご信徒の姿を『大白法』等で見ますと、とにかく純信に御本尊様を渇仰恋慕して
   います。それから、指導教師をしっかり守っていくんだという姿が見られます。それに、講頭さんや幹
   部の方々が、御講や会合に来た一人ひとりを大事にしているんですね。日本の法華講は慣れや甘えがあ
   るのではないかと、反省いたします。

尾林 今回の台湾御親修は、平成11年に開設されました台中市の中台布教所が寺院に昇格いたしまして、「
   本因寺妙行院」という山院号の公称と板御本尊の入仏法要が御法主日顕上人猊下の御親教のもとに盛大
   に奉修されたのです。昨年3月に、先に台中市の目抜き通りのビルの9階に立派に移転し開設されてお
   りまたが、今回2千200名の地元信者が歓喜の中に参列して、盛大に奉修されました。

   もう一つは台湾の東海岸、宣蘭市と羅東市の境に平成14年6月に東台布教所が開設され、これも「本
   教山妙照山」という山院号を戴き、板本尊の入仏法要が御法主上人猊下の大導師のもとに盛大に奉修さ
   れました。こちらも880名の信徒が参列し、とても盛況で喜びが満堂に溢れていました。台湾はこの
   2カ寺を加えて全部で5カ寺体制になりましたが、台湾全土で年間折伏目標2千500人を何としても
   御親修までに成し遂げたいと折伏に邁進しまして、11月末日をもって見事に2千500名の折伏目標
   を達成して、入仏式の喜びの日を迎えました。

柳沢 隨行で行われた方から台湾のお話を伺い、たいへん感銘いたしました。それは、インドの仏法が日本に
   東漸した形から、3千年を過ぎて再びインドに帰るこの「時」というものは、凡夫にはなかなか判らな
   いけれども、現在の相を見て強く感じます。最初は、仏法はシルクロードを通ってきますので、陸路を
   通じて西へ弘まると思っていましたが、そうでなく、海路からも空路からも行くようになっているんで
   すね。アジア全体に大聖人様の仏法がどんどん弘まっていくのを感じます。かつてSGIが盛んに宣伝
   していた時分は、アメリカから世界広布するかのように言っていましたが、やはり大聖人様の仰せられ
   る通りアジアから拡がっていくという印象を強く持ちました。

尾林 本年、海外信徒にあっても日本の法華講の皆さんと同様、「僧俗前進の年」の同じ年間実践テーマのも
   とに前進を図ってまいります。総本山の御大会のときに全世界の海外信徒に発表いたしました。誠実な
   心の籠もった折伏の実践を通して年間の各国の誓願目標の達成を何としても成し遂げたいと、各国リー
   ダーはそれぞれ使命に燃えています。


◇護持弘宣の御供養と御報恩の生活◇

司会 昨年、正法護持弘宣に質する恒常的な御供養を行うことが決まりましたが、このことについてお話しく
   ださい。

柳沢 我々自身の生活から今日はっきりと言いきれるのは、迷いの生活と悟りの生活があり、その迷いの生活
   にとっぷり浸かってしまっていることは、本人は判っていないということです。これは、そこから抜け
   て初めて判ることです。そこに、大聖人様が仰せられるとおりの行を、一生を通じて一日も休むことな
   く行じることで、人間の本当の幸せは一生を単位とすることがはっきりしてきます。また、一生を通じ
   ての安心した生活がどこからくるかは凡夫には判りませんが、そこに三大秘法を固く信じて拝んでいく
   ことです。

   このことを知っている親は子供にきちんと躾けます。若いときと違う晩年の環境・境遇の変化等は、先
   を行く人から教わらなければけっして判るものではありません。また、同じく御報恩ということも、躾
   てもらう以外に教わることができません。ですから、判っている人がしつけてくれなければ、いつまで
   経っても判らないのですが、恒常的な御供養をしていくことによって功徳を戴き、だんだんと判ってき
   ます。ですから毎日毎日を、御供養を念頭において生活していくことです。

   今までのように、1年とか3年と期間を区切って全力で御供養していくのと違い、例えば、毎月の御報
   恩御講において御供養していく、その延長線上のようになっていくと思います。これをどう教えていく
   かということが私共に課せられた課題であると思っています。しかし、一生を通じてやっていきますと、
   その親の後を継いで法統相続がきちっとしてくる。それも5人いれば5人、3人いれば3人きちんとで
   き、法統相続した子供もまた自分の子供にちゃんと相続します。

司会 功徳は一生を通じての単位ということと、3代続いて100年ということを、委員長さんはかねがねおっ
   しゃていますね。

柳沢 100年を突破すると4代ですが、4代目の信心を見たときに初代の信心と同じようだということ、こ
   れが「利益」だよと申し上げたいわけです。その間、信心をやめたくなったり、いろいろなことをくぐ
   ります。一番大事となるのは、養子縁組で、これを失敗すると信心がだめになってしまいますが、その
   原因は、世間の価値観が少しでもありますと、この縁が執拗に迫ってきて、破られるんです。それが御
   供養をしていくことで、法華の生活に変わるんだと解釈しています。

藤本 今回の恒常的な御供養に対しまして、宗門として心から有り難く思っております。この御供養は4月1
   日から実施されますが、具体的な方法につきましては、各寺院に用意された納入方法等、細かく記した
   書類がありますので、よく読んでいただきたいと思います。その骨子は、個々の講員から専用の振り込
   み用紙をもって直接宗務院の口座へ振り込んでいただくという方法でありまして、金額や期限などの制
   限は一切ありません。御供養の意義を対して多くの方々の、積極的かつ恒常的な参加によって、現当二
   世に亘っての大きな功徳を積んでいっていただきたいと願って降ります。

司会 最後に、「『立正安国論』正義顕揚750年」へ向けての展望について、お願いいたします。

藤本「『立正安国論』正義顕揚750年」の御命題達成といことは、決して生やさしいものではありませんが、
   しかし絶対できないことではありません。要は、住職・指導教師と講員1人ひとりの自覚と実践にかかっ
   ているいると言うべきであります。本年「僧俗前進の年」は、まさにそれを象徴してると言えます。4
   年後の御命題達成は、本年の「僧俗前進の年」をいかに闘うか、これ1つにかかっていると覚悟して、
   御法主上人猊下御指南のもと、僧俗和合して懸命に精進することこそ肝要であると思っております。

司会 御命題達成をめざし、いよいよ僧俗異体同心して邁進してまいりたいと思います。本日はまことにあり
   がとうございました。


※この原稿は大護寺支部・菊地孝一さんの御協力で掲載しました。



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