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藤本御尊能化は、これまで日蓮正宗総監をはじめ、法華講本部指導教師、寺院等級審査委員会委員長、法規改正委員会委員長、教学護法財団理事、寺院建設委員会委員長、日蓮正宗護法局局長、宗旨建立750年慶祝記念局委員長等々の宗門の要職を歴任され、五十余年もの間、宗門の行政に携わってこられた。
夏期講習会は各期とも、第1日目から午後1時からの御開扉で始まった。その後、客殿をはじめ各会場に移動し、1時限目は『四条金御殿御返事』(比経難持書)、2時限目は「佐渡の法華講衆とその信仰」、そして3時限目は「信心の歓喜(よろこび)」について、各担当講師の御僧侶より講義いただいた。宿坊に戻って勤行・夕食の後、午後7時半から、宿坊の御住職の導師のもと1時間の唱題行に参加して1日目を終了。(第2期と第6期は翌日が第1日曜日に当たるため、客殿・大講堂で、御法主日顕上人猊下大導師のもと広布唱題行会に参加した。
翌2日目は、丑寅勤行に参加し、朝の勤行・朝食・清掃の後・午前9時から客殿・各会場で、御法主上人猊下より御講義を戴いた。御法主上人猊下の御講義は、第1期・第3期が「信行学ー信について」、第2期・第4期が「信行学ー行について」、第5期・第6期は「日蓮正宗の修行(正行・助行と方便品・寿量品読誦)」、第8期は「信・行・学」を総括的に御講義賜り、第9期・第10期において「現代の一凶・創価学会」について御講義を賜った。また7月、御法主上人猊下はブラジルに御親教あそばされ、その時期と重なった第7期は、教学部長・大村日統御尊能化が御法主上人猊下の御代理として「法華講員の信心」について御講義された。御講義の後は毎朝、講習会終了に当たり早瀬総監をはじめとする宗務院代表の御尊能化・御尊師よりの御挨拶と、法華講総講頭・法華講連合会柳沢委員長の挨拶があり、これをもって行事のすべてが終了した。
なお、平成15年度の第1回法華講夏期講習会は『立正安国論』について、昨年の第2回は三大秘法等の根本義について、そして本年は、日蓮正宗信徒としての具体的信行・生活の在り方について、甚深の御講義を賜ったのである。殊に本年第9期・第10期において私たちは、正しい仏法を誹謗する現代の一凶たる創価学会の悪について、大事な御指南を戴いた。御法主上人猊下は、現代の一凶と断ずる所以を、創価学会の考え方が日本乃至世界の人類のなかに邪義・魔義・悪義を露(あらわ)にし、社会を紊乱(びんらん)させていくと故に決せられた。
また、「仏法上のことは、勿論、国家社会の在り方においても非常に世道人心を悪化せしむるような姿が創価学会の本質に存する。ただ単に日蓮正宗を誹謗している故に、それに対し切り返しているということでは絶対にない。こういう在り方が、これからの日本乃至全世界の思想等の中において、陰に陽に様々な因縁関係の上から、多くの者に悪影響を与えていく(趣意)」とも仰せあそばされ、道理・文証・現証の上から破折あそばされた。この甚深の御指南を、私たちはしっかりと拝したい。
「誤った思想」という毒を知らず知らず飲むことで社会はますます荒廃し、天はこれを瞋り、天譴(てんけん)による災禍を受ける。故に「清気清風を世に送る」という日蓮大聖人の門下の使命は、自らの振る舞いを正した法華講が折伏によって創価学会員を救い、社会全体に魔義の魔義たるを知らしめしていくことで拡散、増幅する邪義・魔義・悪義をくい止めることである。これにより大聖人様が「諸王は国を扶け万民は難をのがれん」と仰せのごとく、自ずから申すに及ばず、全体を救っていくことが叶うのである。「日蓮が一門となり通す」か否か、今が正念場である。
5月24日の第163臨時宗会において、重役・吉田日勇御尊能化の任期が本年7月22日付をもって満了することに伴い、宗制第6条第2項により次期重役の選出がなされ、このたび7月23日付をもって、新たに藤本日潤御尊能化が重役に就任なされた。
10期わたって行われた平成17年度、第3回法華講夏期講習会が7月26日(火)・27日(水)の両日をもって終了した。最終日の27日、台風一過の晴朗な天気に壮大なる富士山が姿を現したことは、僧俗一致して邪義謗法の嵐の中を、確固として正法弘通に進む日蓮正宗の前途を示しているかごとくであった。