大白法

平成18年5月1日号


主な記事

<1〜6面>

<7〜8面>


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第4回海外信徒総会
28ヵ国から4100余名が結集


4月14日から17日の4日間にわたって総本山第68世日如上人御代替慶祝登山並びに第4回海外信徒総会が、海外28力国から4千100余名が総本山に結集し、盛大に奉修された。

海外信徒慶祝登山

国内信徒の御代替慶祝登山が終了した14日午後3時から15日未明にかけて着山した海外信徒は、午前6時半より各宿坊で勤行、朝食を済ませた後、午前8時半より、総本山滞在中の心得、行事予定などの説明会に参加した。午後1時半より今回の登山の一番の目的である御開扉・御生骨内拝に参列し、終了後、御生骨の行列を、照心庭、御影堂前の参道に整列して拝見した。

16日は、午前2時半の五寅勤行に参列した。明けて午前10時の御開扉に参列した後、昼食に慶祝弁当をいただいた。午後2時から広布坊において、第4回海外信徒総会が、御法主日如上人、御隠尊日顕上人の両猊下御臨席のもと開催された。これには、総監・八木日照御尊能化をはじめ各御尊能化、宗会議長、宗務院各部の部長・副部長、山内の御僧侶方、海外各国寺院住職、布教所・事務所責任者、海外担当教師など、有縁の御僧侶方が御出席。また、法華講総講頭・柳沢委員長をはじめ各大講頭、さらに寺族が出席し、総勢4300余名の僧俗が一堂に会した。

両猊下が会場にお出ましになると、大歓声と拍手が一斉に沸き上がり、さらに司会より参加各国が紹介されると、互いを讃え合う盛大な拍手が続いた。

総会は、海外部長・漆畑竹雄御尊師の挨拶の後、参加28力国から1名ずつ、来たる「『立正安国論』正義顕揚750年」に向けての決意表明があった。次いで青年部の体験発表として、シンガポール開妙布教所信徒のルー・プエイキョンさんと、サンフランシスコ妙信寺支部のヴィンセント・チャンさんの体験発表があった。八木総監、柳沢総講頭より祝辞があり、最後に御法主上人猊下より甚深の御言葉を賜り、式の部は終了した。小憩の後、パフォーマンスの部では、シンガポール、韓国、インドネシア、ブラジル、台湾、アフリカの代表信徒による演奏や舞踊などが披露され、最後にパフォーマンスの部の全出演者が壇上に集まり、会場の全参加者と共に「地涌讃徳」を日本語で歌い上げた。御退場された両猊下は、1階ロビーの参加者のもとを訪れ、ここでも御法主上人猊下より親しく御言葉を賜った。

総会終了後、帰国準備に入った海外信徒は、宿坊を清掃し、17日午前2時のマレーシア信徒の下山バス出発を皮切りに、順次帰国の途に着いた。


◎御法主上人猊下御言葉

本日は、世界28力国より4千余名の御信徒がここ総本山に集い、盛大に第4回海外信徒総会が開催され、まことにおめでとうございます。また、本日は御隠尊日顕上人の御臨席を仰ぎましたことを心から厚く御礼申し上げます。

海外信徒総会

さて、本年「決起の年」は、いよいよ3年後に迫った「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」の御命題、「地涌倍増」と「大結集」を目指して、日蓮正宗の僧俗が国の内外を問わず、決意を新たにして立ち上がり、異体同心・一致団結して行動を起こしていかなければならない、まことに大事な年であります。

大聖人は今を去る746年前、すなわち文応元年7月16日、時の最高権力者・北条時頼へ『立正安国論』を提出されました。その要旨は、近年、相次いで起こる天変地夭、飢饉、疫癘等、世の中の混乱の根本原因はひとえに法然等の謗法によるものであり、その謗法を絶ち、仏法の正義を明らめることが国家の平和と民衆の幸福を確立する大原理であると示されたのであります。

この『立正安国論』にお示しあそばされた思想は、大聖人様の御一代の御化導のなかに流れる一貫した思想であります。故に、本宗においては古来「大聖人の御一生は『立正安国論』に始まって『立正安国論』に終わる」と言われているのであります。すなわち、立正安国とは文字どおり正を立てて国を安んずることでありますが、世間の人達はこの原理が解らず、政治、経済、教育、文化など、色々な分野の人達がそれなりに幸せと平和を求めて模索を繰り返しておりますが、いずれも限界を感じて行き詰まり、なんら真の解決策を出せずにいるのであります。結局、これは大聖人様の「国を安んずるには、まず正を立てること。正を立てれば、おのずと国を安んずることができる」という仏法の依正不二の大原理が解らないからなのであります。立正は因、安国は果であります。これを逆に考えているから、本当の幸せも平和も訪れないのであります。

大聖人様は『立正安国論』に、「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし」(御書250ページ)と仰せられております。すなわち「実乗の一善」の「実乗」とは権大乗に対しての実大乗、「一善」とは唯一最高の善という意味であり、法華経のことではありますが、ただし、大聖人の御正意は文上の法華経ではなく、法華経文底独一本門の妙法蓮華経にして三大秘法の随一、本門戒壇の大御本尊に帰命することが「実乗の一善に帰する」ことであります。

つまり、今、末法は釈尊の説かれた文上の法華経では既に一切衆生を救うことはできず、久遠元初の御本仏が御出現あそばされ、その御本仏がお説きあそばされる妙法蓮華経の教えによって、末法本未有善の衆生は初めて成仏得道がかなえられるのであります。さらに、その妙法信受の偉大なる功徳によって、自然の力はその国土に繁栄をもたらして仏国土と化し、衰微することなく栄えていくのであります。これが『立正安国論』の原理であります。

しかし、ここで最も大切なことは、口で妙法蓮華経と唱えたとしても、実体のない題目ではいくら唱えても、国を安んずることも、自らが幸せになることもできないということであります。つまり、正しい御本尊という実体がなければ、いくら題目を唱えても幸せにはなれないのであります。したがって、池田創価学会でもお題目を唱えておりますが、彼らは全く実体のない『ニセ本尊』を拝んでいるわけでありますから、いくら拝んでも功徳はないのであります。所詮、正中の正たる、御本仏大聖人御出世の御本懐である本門戒壇の大御本尊を離れ、本門戒壇の大御本尊に背いて題目を唱えても、幸せにはなれないのであります。

しかるに今、幸いにも、私どもは宿縁深厚にして本門戒壇の大御本尊様に巡り値うことができました。私どもはこの本門戒壇の大御本尊への絶対信のもとに、自行化他にわたって南無妙法蓮華経と唱える功徳により、煩悩・業・苦の身を法身・般若・解脱の三徳と開き、現当二世にわたり、真実の幸福境界を成就させていただくことができるのであります。この功徳はなにものにも代え難い最高の功徳であり、無上の喜びであります。よって、私どもはこの計り知れない広大無辺なる功徳と身の福徳をかみ締め、心から大御本尊様に御報恩謝徳申し上げていかなければならないのであります。

では、私どもはどのようにすれば、この広大無辺なる大御本尊様の御恩に報い奉ることができるのか。日寛上人は『報恩抄文段』に、「邪法を退治するは即ち是れ報恩・・・正法を弘通するは即ち是れ謝徳・・・謂わく、身命を惜しまず邪法を退治し、正法を弘通する、則ち一切の恩として報ぜざること莫きが故なり」(文段384ページ)と御指南あそばされております。すなわち、折伏こそが大御本尊様の御恩徳に報いるための最高の報恩行なのであります。よって、私達日蓮正宗僧俗は、御金言のままに破邪顕正の折伏を実践することが最高の報恩行であることを心肝に染め、いよいよ折伏に励んでいかなければならないのであります。

海外信徒総会

今、宗門は日顕上人より賜った、「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」の御命題、「地涌倍増」と「大結集」へ向けて、僧俗一致、異体同心して前進をしております。この「地涌倍増」「大結集」の具体的実現の方途とは何かと言えば、それは折伏であります。折伏なくして「地涌倍増」は実現しません。また折伏の伴わない「大結集」は実りのないものになってしまいます。したがって、今、我ら本宗僧俗は、真の世界平和の実現と世界中のすべての人々の幸せのために未来広布を目指しつつ、まずは当面の御命題である平成21年、「地涌倍増」と「大結集」を達成するため、総力を結集して大折伏を実施していくことが最も肝要であります。

今、世界に目を転ずると、地球規模での異常気象、戦争や動乱、テロや暴動、飢饉や災害、ますます凶悪化する犯罪など、不幸な出来事が頻発し、まさに混沌とした世相を映し出しております。こうした濁悪の世相を救いきっていくためにも、我々は折伏を行じていかなければなりません。折伏は我らに与えられた尊い使命であり、一切衆生救済の偉大なる慈悲行であります。皆様方には、一人ひとりの幸せと世界平和のため、いよいよ信心強盛に「地涌倍増」と「大結集」を目指して折伏を行じ、もって来たるべき「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」の御命題を必ずや達成されますよう心から念じ、挨拶といたします。


☆体験発表 サンフランシスコ妙信寺信徒・ヴィンセント=チャン

私は1981(昭和56)年生まれで、カリフォルニア州のピノールという小さな街で育ちました。母と私は妙信寺から数分のところに住んでいました。両親の離婚以来、週末はサンフランシスコ市内にいる父の所を訪れていました。離婚しても、両親はどちらも信心を続け、私を励まして一緒に御題目を唱えてくれました。

創価学会が破門になったことにより、母は法華講に入りました。それ以降、母と私は種々の苦難に耐えてきました。車が何者かによって壊されたり、何度も盗まれたりしました。数珠は取り上げられ、郵便受けに汚れたおむつが入れられたこともありました。そのため、私たちは電話を取るのも恐ろしくなっていきました。そんな中で、母は片親ゆえの経済的問題や対人関係等、数え切れない苦労に耐えていました。

一方、父は創価学会に留まって地区長として活動していました。父はサンフランシスコ空港やアメリカ国内のたくさんのビルディングの設計をしていましたので、豊かな生活で、再婚もしました。私は子供の頃、父から勤行を教わり、週末には多くの学会行事に連れていかれましたが、父はその当時からの厳しい信心生活を続けているようでした。

両親の生活を比較すると、私が創価学会に在籍するほうが論理的にも見えますが、私は父に連れられて行った座談会で、いつも何かがひどく間違っていると感じていました。一方で、母がなぜこんなにも生活が苦しいのか、理解できませんでした。

「私は本当にこの仏教を信じているのか。それとも両親が信仰していたから、自分もしているのか」と長い間疑問に思っていました。この信心には何かがあると思いつつも、この信心について自分自身で納得し、本当に理解できる日が来るように願っていました。


2002(平成14)年春、私はすべてを手にしていました。私はバークレー大学の大きな生徒組織の会長で、キャンパスでは有名人でした。米国航空宇宙局(NASA)とのインターネット接続立ち上げプロジェクトの成功も納め、贅沢な車も持ち、アメリカでもトップクラスのビジネススクールを卒業するところでした。

同年夏、私はすべてを失いました。付き合っていた女性を失い、仕事を失い、大学での人気もなくなりました。卒業のわずか1ヶ月前、もう少しで卒業できなくなるところでした。不眠症でほとんど眠れない日が続き、胸が痛み出したり記憶を失うこともありました。さらに肌が変色し、ドクターに、それらはすべてストレスから来る症状だと言われました。また、膝が悪く、手術が必要かもしれないと言われました。

何も判らないまま時は過ぎ、私は"Gosho"を見つけて読み始めました。すると、不思議と唱題したいという気持ちになりました。私は古い自分のお数珠を大学に持って行きたいと母に言いました。母は、自分の折伏している人に御僧侶が話してくれたことを、教えてくれました。そして、本当に生活に違いが出ることを見たいのであれば、90日間、1日も欠かさず信心修行をすることだと言いました。

人生で初めて、心から唱題したいと思いましたが、御本尊様がありませんでした。私はビールの染みがついた薄汚れた壁に向かって御題目を唱えました。大学の友達に何と思われようが、それを無視して"Gosho"を勉強し、お寺の法要に参加し、お寺のトイレ掃除もしました。誓い通り90日間の修行をこなしたのは、この信仰が自分自身にとって何なのかを絶対に見つけようと決意したからです。


数日後、予期しない父からの電話がありました。父は母と法華講に対してひどく怒っていたにもかかわらず、私が大学を卒業するまでサポートすると言ってきました。また、何週間も新しいアパートを見つけられずにいましたが、今のアパートの契約が切れる2,3日前に、落ち着いて唱題できる良い物件が見つかりました。

私が信仰に目覚めて以来、母も信仰心をさらに強めていきました。翌週、「宗旨建立750年慶祝記念海外信徒総登山大法要」が総本山大石寺で開催されることを耳にした母は、「私たちは絶対にこの登山に行かせていただかなくてはいけない」と言いました。厳しい経済状況だったので、「明日、仕事が見つかればね」と、私は笑いながら言いました。ところが、何週間も仕事が見つからなかったにもかかわらず、2日後、一度も問い合わせたこともないところから仕事が舞い込んできました。私を不採用とした会社の1つが、他の会社を紹介してくれ、そこに就職できたのです。これで私は初めての登山に、母と共に参加できることになりました。

私が10代の頃は創価学会員の友達がたくさんいましたが、お寺には同年代のメンバーはほとんどいないため、親しくできる人が誰もいないように感じていました。しかしその夏、とても親しみの持てる2人の女性に出会いました。彼女たちは私が赤ん坊だった頃に世話をしてくれたことがあるそうです。長い間離れていた姉と会ったような感じで、不思議にも私たちは、まるで宗旨建立750年慶祝記念の大法要のために呼ばれて集まったかのように、共に青年部を築くことができました。

90日間、ともかく必死で信心しようとの誓願を開始して88日目、私は登山するため飛行機に乗る列の最後の1人としてサンフランシスコ空港にいました。しかし、ゲートに着いた時、空港の係員は私を飛行機に乗せてくれませんでした。私のパスポートの期限が切れていたのです。母は先に搭乗していました。その時、妙信寺の御僧侶が戻ってきて、私に言いました。「心配はいらない。日本で会いましょう!」

私は新規にパスポートを取らなくてはなりませんでした。9月11日のテロ以来、発行には3週間程かかるとのことです。登山の第2グループが出発する明日の朝までに取得できなければ、古いパスポートは没収されてしまいます。航空会社の係員は全員、明日までの取得は無理だと言いました。「もしこの仏法が正しく、私がこの登山に参加する意義があるのなら、なぜ私はこの登山に行けないのか」と心の中で訴えていました。

それから、「よし、自分は90日間の信心の100%を正法に捧げると約束したのだ。新たなパスポート取得を試みよう。私には失うものはもう何もない」と思いました。友達は私を狂ってしまったと思っていたでしょうが、私は父の家まで運転してくれるように頼みました。ずっと登山参加に反対していた父の家まで、こそこそ隠れて身分証明カードを取りにいかなくてはならなかったのです。それからパスポート用の写真を撮りました。写真屋の女性は私を笑っていましたが、気にせず、ずっと御題目を唱えていました。

パスポート申請事務所では、予約していないという理由で、屈強な警備員が中に入れてくれませんでしたが、静かに御題目を唱えて待ちました。すると1人の警備員が突然、マネージャーと話すようにと連れて行ってくれ、マネージャーに「なぜ、パスポートが必要なのですか」と尋ねられました。私が「明日、日本の寺院に行かねばなりません」と、ためらうこともなく訴えると、「私にできることをしましょう」と言って申請書を受け取ってくれ、席を立ちました。

私が申請事務所が閉まる数時間前に戻った時、そこには大勢の人たちがパスポートを取りにきており、イライラしていました。目の前にいた消防士は3週間前も前に申し込んであって、今日貰えなければ、明日の飛行機に乗れないという状況にもかかわらずパスポートの用意ができてないと、とても怒っておりました。

私の番になりました。パスポートの用意ができたのか恐る恐る聞きました。彼らが何と言ったと思われますか。答えは「ノー」です。ショックでしたが、その時、御僧侶の「心配はいらない。日本で会いましょう!」という言葉を思い出し、私はもう一度引き返し、「何かの間違いではないか。どこかに僕のパスポートができているはずだ」と言いました。再度、係員が探してくれて私のパスポートは見つかりました。

ちょうど私がパスポートを手に入れた時、同時に私の携帯電話が鳴りました。電話の内容は、給料が今までの2倍以上の一流の仕事に、何百人もの中から私が選ばれたとのことでした。もし、飛行機に乗れていたら、この電話を受け取れなかったでしょう。


発心してちょうど90日目、私は総本山大石寺で朝の勤行をしていました。私は人生で初めて本当の幸せと感謝の気持ちで涙が溢れ出てきたことを、これからも決して忘れません。この信仰のもとに生まれてきたことがどれだけ幸せなことなのかが判りました。私は御本尊様に、「もし私がこれからの人生で、この90日間の信心の功徳の他に功徳を受けることがないとしても、絶対に信心を止めることはしません。もし止めてしまったら、私は御本尊様に恩返しができなくなってしまいますから」と誓いました。

帰国後、私は体調が良くなっていることに気づきました。もう膝の手術をする必要もなくなりました。ある日、新しいアパートのドアを開けたとき、不思議ないい香りがしました。祖父がくれた古くて形の悪い木に花が咲き、その香りがただよっていたのです。一度も水をやったことがなかった木です。その乾いていた木は、まるで昔の自分のようでした。私は心の底からその意味を理解できました。

それから4年が経ちました。前回の登山以来、人生が完璧になったと言いたいのですが、それはありません。その後も多くの障害に遭遇し、何度も仕事を変え、何度も引っ越し、様々な間違いも犯しました。しかし、私は常に御題目を唱え続け、他の人たちにも唱えることを勧めてきました。また、決してこの信心をやめてはいけないということが判ってきました。大学時代の名声、そして子供時代の創価学会による洗脳などに束縛されなかったことは、本当に幸せなことでした。たぶん、私自身がここにたどり着くのに、これらの年月が必要だったのでしょう。

私は自分自身で体験するまでは、他の人たちの体験や自分の両親の信仰が本当の意味で理解できませんでした。まず、心の底から御本尊様に帰依すべきだったのです。今振り返ってみると、この経験は、仕事やパスポートや物質的に恵まれたことではなく、心の奥では知っていたのに気づかずにずっと探していた、自分の人生にとって信心と家族は宝物だという証明を見つけるための経験だったと気がついたのです。私が母に何かをしたとか、母との関係がよくなったとかだけではなく、家族として一緒に信心に励んでいける正しい土台の上に、強くて深い絆を築くことができたのです。母が折伏した方は、私の90日の経験をそばで見ており、今とても活動的に信仰に励んでいます。

今もなお、父はお寺に参詣することはありませんが、父は私がとても変化したことと、私と母との関係が信じられないほどよくなったことに気づいています。

今日、私は成長したと自信をもって言うことができます。私は自分の生活に起こったすべての障害を功徳だと考え、深く感謝していますし、どんな障害が起ころうとも、いつもお寺を身近なものにしてくれた母にも感謝しています。同様に、父にも感謝しております。父は未だに創価学会に所属していますが、あきらめずに折伏し、親孝行していくことを決意しています。

大聖人様は『撰時抄』に、 「されば我が弟子等心みに法華経のごとく身命もをしまず修行して、此の度仏法を心みよ」(御書871ページ)と仰せです。

このような発表をさせていただける機会を与えてくださった、総本山第68世御法主日如上人猊下に心より感謝いたします。私は決起し、生涯、他の人々のためにこの仏法の正しさを伝えていくことを決意して、体験発表を終わらせていただきます。





第1回『立正安国論』正義顕揚750年記念局委員会


4月20日午後1時半から、宗務院大会議室において、御法主日如上人猊下御臨席のもと、第1回立正安国論正義顕揚750年記念局委員会が開催された。この委員会に先立ち制定・施行された「立正安国論正義顕揚750年記念局規約」に基づいて、4月1日付をもって記念局委員長以下各役員の任命があった。そして20日、記念局を発足し、業務を開始するに当たって全役員が招集され、記念局委員会が開催の運びとなったものである。

記念局委員会


○記念大法要並びに大結集総登山委員会、記念出版委員会 主任委員・水島公正御尊師

一言、御挨拶並びに説明をさせていただきます。私、このたび大変不肖の身ながら、役目柄、立正安国論正義顕揚750年記念局の「記念大法要並びに大結集総登山委員会」、並びに「記念出版委員会」の主任委員を拝命いたしました。まことに力のない者でありますが、精一杯、努めさせていただきますので、委員各位にはよろしくお願い申し上げる次第であります。

初めに「記念大法要並びに大結集総登山委員会」には、表題のとおり二つの意味がございます。一つは、平成21年の7月16日、『立正安国論』奏呈の日を期して、総本山において「記念大法要」を奉修する予定であります。しかし、具体的な内容や形式に関しては、現在、宗務院教学部及び内事部において検討し、煮詰めている最中でございまして、具体的なかたちで発表できるのは、平成19年度中ということになります。

また、もう一つの平成21年における地涌倍増の「大結集総登山」ということについては、現在、どのような内容・形式で行っていくかということについて、いろいろな案が出ており、具体的な面についても鋭意検討中でありまして、こちらも正式な発表は平成19年度中ということでお許しいただきたいと思います。

次に、「記念出版委員会」についてご説明させていただきます。この記念出版事業は、「『立正安国論』正義顕揚750年」を記念して『御書教学辞典』を編纂し、出版いたします。この辞典は、本宗僧侶並びに御信徒が日常における教学研鐙に活用できる便利なものにしたいと考えております。内容は、『平成新編御書』に収録された大聖人御書、並びに未収録ではありますけれども大聖人の御真蹟御書、相伝書、さらには『化儀抄』『六巻抄』『御書文段』を対象とした項目を、約2万項目ほど選定し、それに解説を加えた辞典ということにしていきたいと思っております。ちなみに、かつての『御書辞典』(創価学会刊)は1万6千項目でありますので、それより語彙の数も多く、ボリュームも大きくなると思います。

この作製には現在、教学部、富士学林、さらには学事に関係する方々、精鋭245名の僧侶が編纂事務に当たってまいります。作製においては、実に膨大な資料が必要とされることからも、大変困難な作業になることが予想されますが、平成21年の発刊を目指して鋭意精進してまいります。いかんせん、辞典というものは、間違いが許されない書物でありますので、充分に心して慎重に検討を加え、御法主上人猊下の御指南を賜りながら進めてまいりたいと思っております。

なお、それ以外に海外関係の出版物といたしまして、一つは英語訳の『立正安国論』で、これはA5判の約150ぺージの書物になります。また二つ目は、中国語訳の『立正安国論』で、これはA五判の約100ぺージの書籍であります。さらに3つ目は、『御書用語解説集』で、これは辞典というほどではありませんが、御書に用いられる135の仏教用語を英語に翻訳したもので、A5判の約150ぺージの書物として発行する予定であります。

以上、この二つの事業に対して、御法主上人猊下の御指南を拝し、総監殿の指揮のもと心して精進していきたいと思います。


○地涌倍増大結集推進委員会 主任委員・阿部信彰御尊師

このたび、立正安国論正義顕揚750年記念局、「地涌倍増大結集推進委員会」の主任委員を拝命いたしました阿部信彰でございます。一言、御挨拶を申し上げます。

「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」の大佳節における「地涌倍増」と「大結集」の御命題につき、御法主日如上人猊下は、去る4月6日の御代替奉告法要における『敬白文』に、「此の御命題の達成こそ、混迷を極める惨憺たる今日の現状を救済し、以て佛国土実現を計るため我等本宗僧俗が万難を排して果すべき最大事なり。茲(ここ)に、日如力は及ばずと雖も日顕上人の御意を拝し未来広布を目指しつつ、先ず3年後に迫った御命題達成へ向けて全力を傾注して之れを果さんと決意するなり」(大白法691号)と、敬白あそばされました。

この御法主上人猊下の御言葉を拝し奉るとき、私ども本宗僧俗は御命題達成へ向けて命懸けで御奉公いたし、もって必ず使命を果たしてまいるべきであると存じます。

申すまでもなく「地涌倍増」とは、平成14年末の全国各支部世帯数を平成21年までに折伏により倍増することであります。また「大結集」とは、その勢いをもって平成21年の大佳節に、地涌の友が総本山に大結集の総登山を行うべく推進をすることであります。その上から「地涌倍増大結集推進委員会」といたしましては、総裁・御法主上人猊下の御指南を賜り、委員長・八木総監殿の指揮のもと、今後三年間にわたり、@布教区別広布推進会、A広布推進僧俗指導会、B各種指導会、C地方部別広布推進激励会等の各活動を強力に展開いたしてまいります。

「地涌倍増」と「大結集」達成とは、未来広布の試金石とも申すべき、重大なる意義の御命題であると存じます。もちろん末法における折伏弘通は難事であります。まして、残り3年に地涌倍増を果たしてまいりますことは、まさに難事中の難事であると存じます。しかし、かつて私どもは、「折伏は困難ではあっても、困難は不可能とは違う(趣意)」との御法主上人猊下の御指南を拝するものであります。私どもは、御法主上人猊下の御指南を真剣に拝し奉って、いかなる困難にも臆することなく、必ずや地涌倍増を果たしていくと決意をいたし、実践してまいるべきであると存じます。まことに微力の身ではありますが、懸命に御奉公申し上げる覚悟でございます。何卒、各委員皆様のご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げ、一言、御挨拶とさせていただきます。


○総本山総合整備事業実行委員会 主任委員・佐藤慈暢御尊師

ただ今、ご紹介に預かりました佐藤です。高いところから恐縮ではありますが、一言、御挨拶申し上げます。今般、平成21年の大佳節に向け、慶祝準備のための記念局の発足に伴い、「総本山総合整備事業実行委員会」の主任委員の大役を拝命いたし、心引き締まる思いであります。委員の協力を得、微力ではありますが精一杯、努めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

整備の第一は、江戸期の建物であり、総本山の重要な法要の場である、歴史を誇示するところの「御影堂」の大改修であります。ご承知のとおり文化財であることから、関係省庁と連絡を取りながら工事を進めていくことになりますので、期間は長く見て10年ぐらいはかかるのではないかと予想しております。

第二は、塔中10カ坊の改築及び耐震補強工事であります。昭和40年以前の建物である遠信坊・本種坊・浄蓮坊・久成坊・蓮東坊・本境坊・観行坊・蓮成坊・南之坊・妙遠坊の10カ坊は建て替えであります。これには、フードセンター跡地に仮設住宅を建てまして、そこに移転しながら2〜3カ坊ずつ工事を進めていくようになると思います。しかも、塔中での工事となりますので、参詣御信徒の皆様方には、何かとご迷惑をかけることもあろうかと思いますので、このへんもよろしくご協力のほどをお願いする次第であります。

また、耐震の関係から、コンクリート造りの常灯坊・常来坊・雪山坊が、今、耐震工事の検査を受けて判断を仰ぐという状況にあります。その他に、塔中の木造の建物として妙泉坊・妙住坊・百貫坊・本住坊・東之坊・理境坊(本堂のみ)が、やはり耐震基準に沿うように補強工事をする手順になっております。

以上のように、大石寺の建物を御信徒の方々に安全に気持ちよく使用していただけるよう、総合整備をしてまいりたいと思います。今まで培った種々の事柄を考慮し、設計には充分、配慮をいたしまして建築する所存であります。この上は、各実行委員と共に力を合わせ、御信徒の便を図りながら、荘厳に向けて事故なく事業を完成させ、慶祝に備えると共に、仏恩報謝申し上げる所存でありますので、よろしくお願いをいたします。




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