<5〜8面>
初日の24日には午後1時からの御開扉に引き続き、午後3時から講頭会が行われた。また一泊の登山者は午後7時から、御法主日如上人猊下の御講義に参加した。25日は午前10時から法華講連合会第44回総会が、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下の御臨席のもとに開催され、これには八木日照総監・藤本日潤重役・大村日統富士学林長をはじめとする各御尊能化、宗務院の各部長・副部長をはじめとする御尊師方が御出席された。また、法華講総講頭の柳沢委員長、大講頭の石毛副委員長・永井藤蔵氏・渡辺定元氏・石渡秀男氏・河原昭太郎氏・大草一男氏並びに各地方部長と共に、すべての登山者が広布坊をはじめ各会場で参加した。
翌25日は、午前2時半から客殿での丑寅勤行に参加した。午前6時半から宿坊での勤行・朝食を済ませ、法華講連合会第44回総会に参加のため、会場へ向かった。また、早朝から日帰り登山者のバスが着山し始めた。
一方、11隊の鼓笛隊は、9時過ぎより総会大会場の客殿、大講堂、広布坊、常来坊の各玄関に数隊ずつ分散し、入場者を力強い演奏で出迎え、登山者から盛んな拍手を浴びた。主会場の広布坊では、ブラスバンドと大阪地方部鼓笛隊が演奏声を披露。総会は他にも総一坊・総二坊はじめ各宿坊も中継会場となり、広布坊の映像が同時中継で届けられた。
定刻の午前10時、御法主上人猊下がお出ましあそばされると、開会が宣せられた。はじめにブラスバンドの演奏で「大法流布の時来たる」を合唱した。福岡地方部・妙境寺支部のK・Hさん、大阪地方部・妙恵寺支部のE・Mさんの体験発表に続いて、三宅婦人部長、石毛副委員長が決意を述べた。
ここで解法主上人猊下より御言葉を賜った。御法主上人猊下は、7万5千の大総会は、地涌六万大総会から15年を経て再び大御本尊様の御前に僧俗が大結集を果たし、御命題をくだされた日顕上人猊下に御報告申し上げ、次の目標に向けての大出陣式、地涌の菩薩の晴れの儀式であると仰せられた。また、本年「行動の年」に当たり、行動を起こすことが本宗僧俗に課せられた使命であり、法華経序品に拝される大乗の菩薩方が自らら修行に励むと共に多くの人を教化し救う姿は、地涌の菩薩を自負する我々が見習うべき大事な姿であるとされ、一致団結して知恩報恩の折伏を行じ、平成21年に晴れて名実共に御命題を達成されるよう念ずる、と御指南あそばされた。この後、柳沢委員長が挨拶を述べた。最後に「広布に生きる」を大阪地方部鼓笛隊の演奏により全員で合唱し、終了した。
25日は総会をはさんで計6回にわたって御開扉が行われ、登山者は順次下山の途についた。
本日は、第44回法華講連合会総会が、総本山においてこのように盛大に開催され、まことにおめでとうございます。また、本日は御隠尊日顕上人猊下の御臨席を仰ぎ、まことに有り難く、謹んで厚く御礼を申し上げます。
さて、本年「行動の年」は、「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」の大佳節まで、いよいよ残すところあと2年、御命題の「地涌倍増」と「大結集」達成の成否を決する、まことに大事な年であります。既に御承知のとおり、御命題のうち大結集については、立正安国論正義顕揚750年記念局より発表いたしましたように、平成21年7月26日の日曜日、ここ本門戒壇の大御本尊まします総本山において、本宗僧俗代表7万5千名が結集して大総会を行うことを決定いたしました。
この大結集は、平成6年の「地涌六万大総会」から数えて、ちょうど15年目に当たり、15年を経て、今再び、大御本尊様の御前に本宗僧俗が大結集を果たし、これまでの成果を晴れて大御本尊様に御照覧給わるとともに、御命題をくだされた日顕上人猊下に御報告申し上げ、もって次の目標に向けて新たなる出発となる大事な儀式であり、いわば大出陣式でもあります。まさしく、一天四海本因妙広宣流布を誓う、地涌の菩薩の晴れの儀式であります。したがって、残り2年間、我ら本宗僧俗は異体同心・一致団結して、準備万端怠りなく万全の態勢を整え、これに臨まなければなりません。一人ひとりの断固たる決意と勇気ある行動が、7万5千の大結集の成否を決するものと心得、講中一同、一致協力して推進に取り組んでいただきたいと思います。
次に地涌倍増について申し上げれば、「平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年」の大佳節を名実共に迎えるためには、我らはなんとしても地涌倍増を達成しなければなりません。いつも申し上げていることではありますが、地涌倍増の達成なくして平成21年の大佳節は名実共に迎えたことにはなりません。地涌倍増を達成するためには、特に本年「行動の年」は、すべての講中が老若男女、役職を問わず一斉に起ち上がり、折伏に動くことであります。行動なくして、いかなる結果も生まれません。そもそも、信心とは実践であります。机上の空論では我々は成仏をいたしません。行動を起こすこと、これが本年「行動の年」に当たって、本宗のすべての僧俗に課せられた使命であり、我らが今なすべき最重要事であります。
法華経の序品を拝しますると、「菩薩摩詞薩八万人あり。皆阿耨多羅三藐三菩提に於て退転せず・・・慈を以て身を修め、善く仏慧に入り、大智に通達し、彼岸に到り、名称普(あまね)く無量の世界に聞えて、能く無数百千の衆生を度す」(法華経56ページ)とあります。これは、法華経の序品が説かれた時、霊鷲山には仏を中心に1万2千の大比丘衆、学無学2千人、8万の菩薩、帝釈天とその眷属である2万の天子、四天王とその眷属等々、多数の四衆が集まりましたが、この時集まった8万の菩薩について述べられている一文であります。
すなわち「その八万の菩薩方は、皆それぞれ阿耨多羅三藐三菩提を得て退転することなく、皆よく仏の教えを深く心に記憶して忘れず、悪法をさえぎる力を得て、弁舌さわやかに、相手の願いを知って法を説き、不退転の法輪を転じ、無量百千の諸仏を供養し、多くの善根を培い、諸仏に称歎され、自らは慈をもって身を修め、善く仏の智慧に入り、大智に通達して彼岸に到り、その名は普く無量の世界に聞こえ、能く無量百千の衆生を救われている」と仰せられているのであります。もう少し要約して申し上げますと、「この菩薩方は仏の御許において、自らが修行に励むとともに多くの人々を教化し、数えきれないほどの衆生を救われている」と仰せられているのであります。
この大乗の菩薩の姿こそ、今日、地涌の菩薩を自負する我ら本宗僧俗が見習うべき大事なことが示されているものと思います。特に、このなかで銘記すべきは、大乗の菩薩は「以慈修身」、すなわち「慈を以て身を修め」、修行に励んでおられるということであります。「慈を以て身を修める」とは、慈とは慈悲の慈、この慈には「楽を与える」という意味があります。また「身を修める」とは「自らの修行とする」ということであります。すなわち、大乗の菩薩方は小乗の利己的な成仏観を排除し、常に慈悲の心をもって世の中の多くの人々を苦しみから救っていくこと、すなわち化他行を自らの修行と捉えて励んでいるということであります。この精神こそ大乗の精神そのものであり、我々の信心に約して言えば、折伏することが自らの仏道修行であると知って日夜、精進していくことであります。
今日、我々は御命題達成を目指して僧俗一致して前進をしておりますが、苦悩と混乱に満ちた国内外の様々な惨状を見るとき、一人ひとりがこの大乗の菩薩の精神に立ち返って、世のため、人のため、一切衆生救済のため、広布のため、地涌倍増の闘いに臨んでいかなければなりません。その地涌倍増の闘いとは、すなわち折伏であります。
先程の体験発表のなかにもありましたが、もし、家族のなかにまだ信心をしていない人がいたら、直ちに行動を起こして折伏すべきであります。親戚・友人・知人のなかに、またお世話になっている方、大恩ある人のなかに、いまだ折伏をしていない人がいたら、心を込めて折伏すべきであります。折伏をしないのは不知恩であります。折伏をもって恩に報いることが真の報恩であります。
大聖人様は『曽谷殿御返事』に、「涅槃経に云はく、『若し善比丘あって法を壊る者を見て、置いて呵責し駈遣し挙処せずんば、当に知るべし、是の人は仏法の中の怨(あだ)なり。若し能く駈遣し呵責し挙処せば、是我が弟子、真の声聞なり』云云。此の文の中に見壊法者の見と、置不呵責の置とを、能く能く心腑に染むべきなり。法華経の敵を見ながら置いてせめずんば、師檀ともに無間地獄は疑ひなかるべし。南岳大師の云はく『諸の悪人と倶に地獄に墜ちん』云云。謗法を責めずして成仏を願はヾ、火の中に水を求め、水の中に火を尋ぬるが如くなるべし。はかなしはかなし」(御書1039ページ)と仰せであります。まことに厳しい御教示ではありますが、しかし、今日の不幸と混乱と苦悩の原因がすべて謗法の害毒にあることを知り、幸せになるためにはその謗法を破折し、破邪顕正の折伏を実践することが最も大事であることを知らなければなりません。
大聖人様は『新池殿御消息』に、「諸経は仏説なれども、是を信ずれば衆生の心にて永く仏にならず。法華経は仏説なり、仏智なり。一字一点も深く信ずれば我が身即ち仏となる。譬へば白紙を墨に染むれば黒くなり、黒漆に白き物を入るれば白くなるが如し。毒薬変じて薬となり、衆生変じて仏となる、故に妙法と申す」(同1365ページ)と仰せであります。大聖人様の仏法は、今、現に苦悩に喘ぎ、不幸から抜け出せずにいる人はもちろん、それ以外の、今は特別の悩みや苦しみがない人に対しても、将来にわたって揺るぎない真実の幸せを得る至高・最善の道を説いているのであります。されば、大乗の菩薩がそうであったように、謗法によって苦悩に喘ぐ人々に対し、我らもまた「以慈修身」、すなわち慈悲の心をもって折伏を行ずることが、我らにとっての仏道修行そのものであることをしっかりと肝に銘じて、これからの闘いに臨んでいただきたいと思います。
「歳月は人を待たず」と言いますが、2年という歳月は長いようでも瞬く間に過ぎてしまいます。どうぞ、皆様方には1日1日を無駄なく、倦(う)まず、弛(たゆ)まず、あきらめず、一致団結して、平成21年には、晴れて名実共に日顕上人よりいただいた御命題を達成されますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。
婦人部代表として決意発表させていただきます。私が婦人部員となって今年で35年経ちました。青年部時代は限りがありますが、婦人部は一生涯変わりません。長い一生を、水の流れるような信心を常にしていきたいと願っています。
さて、平成21年の御命題まであと2年と迫った本年「行動の年」、今我々は、全国一斉に各支部が確実に歩みを進めております。別けても平成21年7月26日、総本山で行われる精鋭7万5千名の大総会の成就は、今年の信行が鍵を握っています。この大事な時に巡り合う因縁を自覚して、今こそ全国の婦人部が立ち上がる時と私は確信いたしますが、皆さん、いかがでしょうか。
今、婦人部としてやるべき事に、家族の再折伏、縁の方の再折伏、さらに新たな折伏です。折伏はまず足元から、家族の未入信者、その他の親戚、未だ学会に籍を置き、謗法の垢に染まったこれらの人々を救い出すことが急務であり、それには確固たる折伏が大事です。
家族の再折伏に際しては、まず自分自身が襟を正し、一家の幸せを願って真剣に唱題することであり、生活を改めていくことです。家族の中でも、入信はしているものの勤行もしない、お寺へも行かない若者がいると思いますが、たとえ自分が世話になっている子供であっても、毅然とした態度で臨み、親の責任、次代を担う子供の責任を話して聞かせ、御報恩の御供養に取り組む姿を以て伝えていく、そこに家庭は明るく蘇ってまいります。縁の方も同様です。何度も足を運んで、御報恩御講をはじめ各行事に共に参詣することによって、本人も見違えるほど変わってきます。
皆さん、7万5千名の総会を想像してみてください。この2年間、力の限り折伏・再折伏に励み、当日は家族や縁の人たちと共に参加する喜びはひとしおです。御法主日如上人猊下の御指南を身に体し、全国の婦人部が立ち上がったとき大きな渦となり波動を起こしてまいります。
しかしながらそこに魔が来ないわけがありません。信心を妨げる様々な現象に一喜一憂せず、真剣な唱題をもとに前進していくところに、境界が大きく開けてくることを確信いたします。本日の総会を契機に、私は、婦人部の先頭に立ち命がけで実践することを、ここにお誓い申し上げて、決意とさせていただきます。
各会場の、そして全国の婦人部の皆さん、がんばってまいりましょうね!
全国から2万8700余名が結集
春季総登山会第1日目の3月24日、午前8時頃より1泊翌山者が、開き始めた桜花に迎えられて着山した。午後1時から、最初の行事である奉安堂での御開扉に臨み、御法主日如上人猊下の大導師のもと、本門戒壇の大御本尊様の御内拝をさせていただいた。また、午後3時からは大書院において、御法主上人猊下御臨席のもと、法華講講頭会が行われた。夕食のあと、御法主上人猊下の御講義の受講のため客殿に移動した。今回は『経王殿御返事』(御書685ページ1行目〜686ページ6行目)の御文について、約1時間にわたり御講義を賜った。
◎御法主日如上人猊下御言葉
◇決意 法華講連合会婦人部長 三宅順子