大白法

平成20年7月1日号


主な記事

<1〜6面>

<7〜8面>


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立正安国論正義顕揚750年 地涌倍増大結集推進
東日本決起大会は3万4261名で完全大勝利


明年の御命題達成を期してプレ大会の意義を込めた地涌倍増大結集推進決起大会。その掉尾を飾る東日本大会が6月15日、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下をお迎えして、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催された。

これまでの3大会を大勝利で終え、この日を待ち望んだ東日本地域の15布教区・210力支部の僧俗3万4261名が一堂に会したこの決起大会には、立正安国論正義顕揚750年記念局委員長の総監・八木日照御尊能化、同副委員長の重役・藤本日潤御尊能化をはじめ、宗務院各部の部長・副部長、東日本決起大会運営委員長の鈴木譲信御尊師、同運営副委員長の土居崎慈成御尊師、運営委員である各布教区の支院長他をはじめとする当該布教区全寺院の御僧侶方、また記念局副委員長の法華講総講頭・柳沢委員長、同委員の石毛副委員長・永井藤蔵(東日本決起大会運営副委員長)・石渡秀男の各大講頭、東日本決起大会運営委員である当該地方部の地方部長、各支部信徒が参加した。

前日の6月14日、岩手県南部を震源地として起こった「2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震」。強烈な地震に見舞われ、高速道路や新幹線も一時ストップした。よって一部の地域の運営委員や要員・発表者は、到着が遅れたり新幹線から飛行機へと交通手段の変更を余儀なくされたが、無事前日のうちに会場へ入った。会場では、司会、第一部の出演者、第二部の発表者と、入念なリハーサルが夜まで続いた。

明けて迎えた当日、地震被害の一番大きい岩手・宮城両県からのバスも順調に到着し、早くから入り口に開場を待つ行列が出来、さらに各駅からも続々と集まって、定刻9時に入場開始となった。舞台上で最後の詰めの通しリハーサルが行われる中、さいたまスーパーアリーナの座席が次第に埋まっていった。


第一部

定刻の午後0時40分、来賓御僧侶・来賓信徒・指導教師の御僧侶方、参加者一同がお待ち申し上げ、鼓笛隊選抜隊の演奏の中、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下が御入場あそばされた。中央まで進まれた両上人猊下に、金銀の折り鶴が贈呈され、一層大きな拍手が起こった。ここで舞台に向かって左側スタンド席に人文字で「東日本決起大会」と描き出された。

続いて鼓笛隊の演奏が披露された。東京第一地方部A鼓笛隊が華麗な「スーパーマン・マーチ」の演奏で魅了すると、東日本地域11隊の鼓笛隊員471名が舞台上と舞台下に勢揃いし、全隊隊員で「唱えてゆこう妙法を」を渾身の演奏。鼓笛隊が退場すると、隊員を代表して法道院支部・滝沢智彰君が、決意を発表した。

次に登場したのはブラスバンド。副責任者を務める妙相寺支部・Mさんが決意を述べた後、法華講連合会ブラスバンドに法道院支部の8名を加えた特別編成で、「ワシントン・ポスト」「世界に一つだけの花」を演奏した。

続いての「南中ソーラン」には小学5年生から高校1年生までの総勢291名が、舞台の他、アリーナ席を縁取るように配置に付き、元気炸裂の踊りを披露した。ここで、南中ソーランを踊った大修寺支部のKさん、次の演目である婦人部コーラスに出演の蓮久寺支部のSさん、昭倫寺支部のTさんが決意や折伏成就の体験を語り、コーラスの930名の入場となった。コーラスでは「線路は続くよどこまでも」と「365歩のマーチ」の力強い歌声が広い場内に満々と響いた。

以上で第一部を終了し、御法主上人猊下、御隠尊上人猊下が、一且御退場あそばされた。


第二部

会場に僧俗一同がお待ち申し上げる中、両上人猊下が再び御入場あそばされると、午後2時、第二部の開会が宣言された。

「広布に生きる」を合唱した後、石毛大講頭が開会挨拶を行った。体験発表には法道院支部・Yさんが立ち、学生時代に真剣な信心を決意し、「一人が一人の折伏を」の御指南を果たそうとこれまで15年間にわたり毎年折伏を成就する中で、自身も折伏した人たちも人生を切り開くことができてきたと功徳を語った。この後、各部の代表より決意発表があり、少年部は法生寺支部・Oさん、青年部は宝浄寺支部・Sさん、婦人部は専妙寺支部・須藤さん(東北地方部婦人部長)、壮年部は応顕寺支部・高島さん(神奈川地方部庶務部長)が力強い発表を行った。

柳沢記念局副委員長の激励の後、八木記念局委員長が挨拶を述べられた。

御法主上人猊下は、『立正安国論』の正意について述べられ、一層の折伏行に立ち上がるよう甚深の御指南をあそばされた。

続いて鈴木運営委員長より決意が述べられ、司会より結集結果が3万4千名を超えた旨発表されると拍手が沸き起こり、さらに司会の「やるぞ7万5千大総会、さあ、皆さん出陣です。折伏をがんばりましょう」の声と共に「ヤルゾ75000大総会」の人文字が現れるや、拍手は一顔と高くなった。最後に、第一部の出演者も全員、アリーナ席の通路に姿を現し、「唱えてゆこう妙法を」を会場全員で大合唱し、感動の閉会となった。



■開会挨拶 法華講大講頭 石毛寅松

御法主日如上人猊下並びに御隠尊日顕上人猊下の御臨席を賜り、いよいよ明年に迫りました『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節における「地涌倍増」と「大結集」の達成を期して、ここに結集目標2万9千名を大きく上回る、3万数千名の大結集をもって盛大に開催されました地涌倍増大結集推進東日本決起大会、皆さん、誠におめでとうございます。

『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節を明年に控えた今日、国内では、昨日の岩手・宮城大地震が発生し、また、関東地域の大地震・東海地域の大地震も予想され、また先には、中国四川省の大地震、ミャンマーの巨大サイクロンでの行方不明者を含む犠牲者は、それぞれ中国で9万人、ミャンマーでは10万人以上に及ぶと報じられております。

更にまた、世界各地を異常気象が襲い、深刻な食糧危機、テロや内戦、新たな伝染病の恐怖など、世界の人々の苦しみはますます深まり、国内に目を転ずれば、保険や年金の問題に象徴される政治・行政の混迷、秋葉原における無差別殺傷事件をはじめとする数々の悲惨な事件、小中学校はおろか会社にまで拡がるいじめなど、まさに世は末法濁悪の様相を呈しております。

御法主上人猊下は、この世の中の一切の不幸の原因は謗法にあると御指南あそばされております。

我ら法華講が、この決起大会に向け、懸命に努力した結果、「やればできる」との信心の実証を見事に示し、ここの東日本決起大会を盛大に開催することの意義の重大さを、強く感ずるのであります。

我々は、一人ひとりがこの決起大会に参加できた因縁と使命を深く自覚して総決起し、決河の勢いで本年後半の大折伏戦を展開して、全支部が本年の折伏誓願目標を必ず完遂しようではございませんか。そして、明年の7万5千名大結集総会、全法華講員による記念総登山の結集の闘いを全力で展開し、「地涌倍増」と「大結集」の御命題を必ず達成し、もって大御本尊様に御報恩感謝申し上げようではありませんか。

以上をもって、地涌倍増大結集推進東日本決起大会の、開会の挨拶と致します。



□体験発表 法道院信徒 K.Y.

皆様、こんにちは。本日は、私の折伏の体験と、その体験を通して感じたことをお話させていただきます。

私は、祖父母の代から日蓮正宗の信徒であるN家の長女として生まれ、法道院第三代御主管・観妙院日慈上人に「K」という名前をつけていただきました。小さい頃から、両親に連れられてお寺への参詣やご登山をさせていただき、祖父母、両親が折伏する姿を見ながら育ったので、自然と友人たちに信心の話ができるようになっていきました。

その中で、真剣に折伏行に取り組み始めたのは、大学に入学して一年が経った19歳の時です。進路について悩み始めたことがきっかけでした。建築の勉強をしていたものの明確な目標が見つからず、適性検査を受けたり先輩の話を聞いたりと、思いつく限りのことをしてみました。しかし、いったい自分が何をしたいのか判らず、苦しみました。そこで、家族のことや様々な問題を信心修行を通して解決している母の姿を見て、一度、自分からこの信心を真剣に実践してみようと思ったのです。

すぐさま同じ悩みを抱えていた、中学時代からの友人であるWさんを折伏し、一緒に平成6年の地涌六万大総会に参加しました。その折、前御法主日顕上人猊下より「一年に一人が一人以上の折伏を」との御指南があり、これから必ず毎年、折伏を成就させていただこうと決意しました。御指南にある明確な目標をめざしていけば、幸せにたどり着けるのではないかと感じたのです。

信心修行をする中で、私の人生観を大きく変えてくださった言葉に出会いました。それは、「桜梅桃李」という言葉です。桜は桜、梅は梅と、それぞれの美しい花を咲かせていくことの大切さが説かれています。私は、中学校・高校と厳しい進学校に通っていたため、周りは皆ライバルで、他人と比較することで自分に自信を持てなくなっていました。しかし、「桜梅桃李」という言葉に出会って、他人との比較ではなく、自分らしい花を咲かせるために努力するという生き方を知ったのです。そのためには、自分の弱い心と闘って、一つずつ困難を乗り越えていくことが大切であることを学びました。実際に、折伏を続けていく中で困難を一つひとつ乗り越えることで、人生が開けていく体験をさせていただきました。


平成11年、父がガンと心臓病を同時に患い、長年にわたる闘病生活が始まりました。大黒柱の父が病気になったことで、私は勤めていた会社を辞めて父の会社を手伝うなど、環境が大きく変化していきました。妹も、看病と勉強との両立に苦しんでいました。妹はまだ学生で、研究者をめざして勉強を続けていたので、妹の目標を諦めさせたくない、家族を支えたいという思いで、私は必死に父の会社で仕事を続けました。

くじけそうになると、前御法主日顕上人猊下より戴いた、「かぎりなく/境涯ひらく/題目を/常にとなえつ/広布目指さん」の御歌を強く思いながら唱題を続けました。他人のせいや環境のせいではなく、ただ自分の境界を高めるしかないのだと思い起こしました。どんな辛いことが起きても、自分の頭で考えるのではなく、御法主上人猊下の御指南を実践していこう、それだけが自分の使命だと思って、これまでの15年間、毎年折伏を続けることができました。妹も、これまで13年間、連続で折伏を成就させていただいています。必ず御法主上人猊下とのお約束を守れるようにがんばろうと、毎年、互いに励ましながら折伏を続けてきました。

家族で助け合いながら、折伏・育成を続ける中で、それぞれが困難を克服して、人生を開いていくことができました。半年の命だと言われた父も、ガンと心臓病という病魔を克服し、日々信心修行に励みながら、今では元気に仕事をしています。私が悩んでいた進路についても、父の建築の仕事を手伝っていく中で明確となっていきました。27歳の時には、一級建築士の資格をとらせていただくこともできました。妹は、今年の3月に国際政治の分野で博士号を取得し、現在、海外で研究を続けながら、世界広布をめざしてがんばっています。

私の家族だけではなく、折伏させていただいた友人たち一人ひとりが、大きく人生を開いていく姿を目の当たりにし、改めて信心のすばらしさ、仏様の力を強く感じ、折伏しようという決意も固くなっていきました。また、因縁を変えて幸せになっていく友人の姿を見て、その周りの人がさらに入信するという、折伏・育成の輪が広がっていきました。


嫁ぎ先のY家も、今では一家和楽で信心修行に励んでいます。結婚してちょうど3年が経った頃、沼津市に住んでいる義母から、突然、夫と二人で沼津に呼び出され、「もし、この信心が本当に正しいなら、信心をしたい」と言われたのです。たいへん驚きましたが、私の両親や私たちの姿を見て入信を決意してくれたそうで、早速、平成14年12月に義母は御授戒を受けることができました。その義母は、入信してからの5年間で友人たちを次々と折伏し、義父や義兄弟も入信し、Y家やその周りに法華講員が増えていきました。御本尊様が、自然と一家和楽で共に信心修行に励める環境を整えてくださったのだと感じています。

これまで、折伏したことで非難されたり、入信した友人が親やご主人の強い反対に遭って信心を止めることもあり、くじけそうになることが何度もありました。しかし、「魔は仏に勝てない」という御法主日如上人猊下の御指南を強く信じ、どんなことがあってもくじけずに、下種・折伏を続けることができました。辛いことがあっても、折伏した友人が「信心を教えてくれてありがとう。幸せになれた」と言ってくれるときには、何よりの喜びを感じます。

気がつけば、これまでの15年間の毎年の折伏と育成を通して、物心ついてから、小学校・中学校・高校・大学・資格の学校・職場、そして夫の家族と、これまで自分の周りの縁のある人が入信し、同じ班にいる環境になりました。15年間で、25人の方を折伏することができ、折伏した方がさらに折伏を実践することで、現在62人の方と共に信仰させていただいています。法道院御主管・八木日照御尊能化が常に御指導してくださっている、「明るく楽しく温かい講中」をめざして、お寺で会う仲間や班員さんたちと、まるで同窓会のような明るい雰囲気で、楽しく修行させていただいています。

これまでを振り返ると、私は、その瞬間・瞬間において、御法主上人猊下の御指南を実践することを目標として、必死で闘ってきました。その結果、自然と自分の人生が、ちゃんとした線として正しい方向に向かい、開かれていくのだと確信しています。

明年の『立正安国論』正義顕揚750年の地涌倍増と大結集に向けて、この正しい日蓮正宗の信仰を一人でも多くの方に伝えられるよう、幸せの輪を限りなく広げていけるように、不自惜身命の精神で折伏に邁進することを決意し、本日の体験発表とさせていただきます。




■激励 記念局副委員長 柳沢喜惣次

『立正安国諭』正義顕揚750年を明年に控え、ここ、さいたまスーパーアリーナの大会場において、決起大会がこのように盛大に開かれ、皆さんおめでとうございます。

また本日は、御当代御法主日如上人猊下、御隠尊日顕上人猊下の御臨席を仰ぎ奉り、皆様方の感激はいかほどかと、先ほどから拝察いたしているものであります。この大会は明年7月26日総本山において開かれる地涌倍増大結集7万5千を大勝利させるための、東日本の法華講衆のプレ大会であります。私はこの大結集を見て、いよいよ広布に向かう時の到来と、今、大感激であります。会場の皆さん、いかがでございましょうか。


既にご存知のごとく、我が宗門は、宗祖日蓮大聖人様を御本仏様と仰ぎ奉る、唯一の大聖人門下の正嫡であります。大聖人様は、末法の我ら衆生のために、三大秘法随一の戒壇の大御本尊と御一代の御化導を、二祖日興上人様に御付嘱あそばされるのであります。爾来、宗門は法灯連綿として756年、「時を待つべきのみ」の御遺命を固く守り、丑寅の勤行怠慢なく、謗法厳誠、『立正安国論』の正義を少しも曲げることなく謗法を呵責(かしゃく)し、現68世日如上人猊下の今日まで、守り続けてきているものであります。今、時来たって、全世界に向かって日蓮大聖人様の立正安国の正義を高らかに顕揚していく、その時を迎えているものと、我らは固く信ずるものであります。

しこうして現今の世相を見るに、日本をはじめ世界の人々の苦しみは何かと問われたら、私は、先の見えないことではないかと申し上げたいのであります。この先の見えないことは、盲目のごとくであり、そこに、動けば結果は必ず悪くなる。今、そのことを知らず世界も日本も、近年の混乱は、すべて力で解決しようとする覇道からくるものと、我らには思えるものであります。あの7年前の、ニューヨークの世界貿易センタービルの大惨事、その後の世界を巻き込むテロとの闘い、さらに泥沼の様相を呈してきたイラクの問題、核の問題、また拉致の問題等、殊に地球温暖化、新型インフルエンザの恐怖は、急速に国際的な問題として浮上してきているのであります。

『安国論』には、このような三災七難の起こる原因を、大聖人様は経文を引かれ、一つひとつ御教導賜っているのであります。そもそも災難の起こる原因は謗法にあること、そこに、「世皆正に背き人悉く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相去り、聖人所を辞して還らず。定を以て魔来たり、鬼来たり、災起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」(御書234ページ)と折伏の大事なことを、僧俗一同に仰せあそばされているのであります。

その後9カ年を経ての、『安国諭奥書』には、「既に勘文之に叶(かな)ふ。之に準じて之を思ふに未来も亦然るべきか。比の書は徴(しるし)有る文なり。是偏(ひとえ)に日蓮の力に非ず、法華経の真文の感応の致す所か」(同420ページ)と仰せあそばされております。我らはこの御文を拝し奉り、こういうことは、未来にも起こることを知っていなければなりません。それ故に、真剣に謗法を破折し御祈念し唱題していくことであります。

法華講は、この正とは戒壇の大御本尊様の御事と、大聖人様からの「血脈の次第 日蓮日興」と御付嘱あそばされる、日興上人様より御相承を戴く御歴代の御法主上人猊下、即ち、現・日如上人猊下の御尊体の御事であります。この血脈の次第を正しく守ってきたところに、他門の日蓮宗とは違い、大聖人様の御化導が今日まで色も形も変わることなく存続してきているのであります。

信心の上に最も大事なことは、この随順と報恩ということであります。信心の浅いときには、謗法の習気、慢心と怒り、名聞名利や衣食のために、大事な人生をしくじっていくのであります。信心が強盛であれば、勤行・唱題も生活も、希望に燃えて一日一日が楽しくなっていくのであります。それは、我が身が不思議な妙法の当体であるからであります。このことは、現代社会の謗法の人々には、難信難解であります。

自分の心でありながら、自分の心が判らない。他人の心はなお判らない。ましてや国際社会の今日、その国の民族感情や、その国土に展開されてきた生活・文化・歴史等もよく判らない。そこに現今、世界の潮流となって未だに実現しない、自由と平等、格差等も、『安国論』には明解に説き明かされております。即ち、「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。比の詞比の言信ずべく崇むべし」(同250ページ)と厳しく諭されるのであります。

我らはこの大聖人様の御意を深く戴し奉り、戒壇の大御本尊様を信受し、自らの法華誹謗の罪業を懺悔して謗法を破折し、世界の恒久平和実現に向かって、本日を機に、さらに東日本法華講は僧俗一体となって、御指南の、各支部の本年折伏誓願を完遂し、明年の大佳節に向かって大躍進してまいろうではありませんか。

御法主上人猊下、御隠尊上人猊下のいよいよの御健勝と、御宗門の御隆昌、皆様方の大活躍を念願し、ご挨拶に代えさせていただきます。本日はまことにおめでとうございます。



◎挨拶 記念局委員長 八木日照御尊能化

陽光燦々たる好天に恵まれ、全国4会場におけるプレ大会の掉尾を飾るにふさわしい大結集を達成して迎えた本日の東日本決起大会、まことにおめでとうございます。先ほどの第一部におきましては、いろいろと困難な条件を乗り越え、信心を基として練習を重ねた小さなお子さんから青年、大人と、多くの方々の見事な演技にたいへん感動いたしました。心から賞賛の拍手を送りたいと存じます。

さて、末法下種の御本仏宗祖日蓮大聖人御照覧のもと、総本山第68世御法主日如上人猊下、並びに第67世前御法主日顕上人猊下の御臨席を仰ぎ奉り、その御前にこの堂々の結集を成し遂げられた皆さんの信心の息吹に、心から敬意を表するものであります。

顧みれば去る平成14年、前御法主目顕上人猊下から我々僧俗に、「地涌倍増」と「大結集」の御命題を賜りました。その後、御当代日如上人猊下が継承されて新たに記念局を設置し、挙宗一致の体制で、諸記念事業の推進を図り、着々と実績をあげてまいりました。

御法主日如上人猊下は、「『地涌倍増』とは何かと言えば『折伏』である。広宣流布の達成は折伏なくしてはできない。だから本当に一年に一人が一人以上の折伏をしてご覧なさいと、日顕上人はおっしゃっている。皆さんが心を新たに一年に一人が一人以上を折伏するという闘いを展開していくならば、私はそういったところから世の中が変わってくると思う。立正というのは、破邪顕正の闘いであり、そこに、この地涌倍増の大事な意義が存する(趣意)」と、このように、折伏こそが「地涌倍増」を達成する唯一の方法であり、具体的には「一年に一人が一人以上の折伏を成就することである」と御指南あそばされております。

先ほどの各部代表の力強い決意発表にもございましたように、今や大謗法に堕して、社会・国家に害毒を撒き散らし、現代の一凶と指弾される、あの池田創価学会をはじめ、世に蔓延(はびこ)る邪宗邪義を打ち破って不幸の元となっている根を断ち切らなくてはなりません。末法適時の我が日蓮正宗の三大秘法の正法を広く世間に流布していく、その破邪顕正の仏道修行の中にこそ、一人ひとり個人の成仏と、さらに社会・国家・世界の福祉安寧実現の要諦が存すると確信して前進いたしましょう。

本日ここに勝ち取った見事な結集に大いなる誇りと自信を持ち、大歓喜の心で一段と気運を高め、後半戦において、まず本日ご参集の全支部講中が、必ず本年度の折伏誓願目標を達成いたしましょう。そしてその勢いで、明、平成21年・『立正安国諭』正義顕揚750年の佳節に、「地涌倍増」と「精鋭7万5千の大結集」を成し遂げ、さらに、全国講中、一支部も漏れなく全講員一人残らず、御報恩の記念総登山を完遂するという未曾有の壮挙を完全勝利で飾りましょう。

皆様方のご健闘をお祈りいたしましてご挨拶といたします。




御法主日如上人猊下御言葉

東日本決起大会の砌
平成20年6月15日 於 さいたま市中央区


 本日は、地涌倍増大結集推進東日本決起大会が、ここ、さいたまスーパーアリーナにおいて、御隠尊日顕上人猊下の御臨席を仰ぎ奉り、関係僧俗各位多数の出席を得て、このように盛大に開催され、まことにおめでとうございます。特に、東北方面の方々には、昨日の岩手・宮城内陸地震による被害の影響を受けながら、万難を排して参加され、心から有り難く存じます。まことに御苦労さまでございます。

 さて、この大会は、いよいよ明年に迫った『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節における御命題、すなわち「地涌倍増」と「大結集」、そして「記念総登山」の達成を期して執り行われるものであります。このうち地涌倍増と大結集の御命題は、平成14年に日顕上人猊下より賜った御命題であり、一天広布の途上において、我らが必ず達成しなければならない、極めて重大なる目標であります。されば、我らはこの決起大会を機に、改めて『立正安国論』正義顕揚の意義と、今なすべきことを確認し、御命題達成へ向けて、なお一層の精進をしていかなければならないと存じます。

 御承知のとおり、『立正安国論』は今を去る748年前、文応元(1260)年7月16日、宗祖日蓮大聖人御年39歳の時、宿屋左衛門入道を介して、時の最高権力者・北条時頼に提出された国家諌暁書であり、国家の興亡治乱を透視し、兼知し給う明鏡にして、過去・現在・未来の三世を照らして曇りなく、まさしく、「白楽天が楽府(がふ)にも越へ、仏の未来記にも劣ら」(御書1055ページ)ざる書であります。

 今、その概要を申せば、大聖人は正嘉元(1257)年8月23日の大地震をはじめ、近年より近日に至るまで、頻発する天変地夭・飢饉・疫病等の惨状を見て、その原因は世の中の人々が皆、正法に背き、悪法を信じていることにより、国土万民を守護すべきところの諸天善神が所を去り、悪鬼・魔神が便りを得て住みついているためであるとし、正法を信ぜず、悪法を信ずることによって、三災七難等の災難が起こると、仁王経・大集経・薬師経等を挙げてその理由を述べられ、これら不幸と混乱と苦悩を招いている原因はすべて謗法にあり、この謗法を対治して正善の妙法を立つるとき、国中に並び起きるところの三災七難等の災難は消え失せ、積み重なる国家の危機も消滅して、安寧にして盤石なる仏国土が出現すると仰せられ、しかし、もし正法に帰依しなければ七難のうち、まだ起きていない「自界叛逆難」と「他国侵逼難」の二難が必ず競い起こると予言され、こうした災難を防ぎ、仏国土を建設するためには、一刻も早く謗法の念慮を絶ち、「実乗の一善」に帰するよう、諌められているのであります。

 実乗の一善とは、文上の法華経を指すのではなく、法華経本門寿量品文底独一本門の妙法蓮華経にして、三大秘法の随一、本門の本尊のことであります。すなわち「実乗の一善に帰せよ」とは「立正」と同意であり、万民一同が謗法の念慮を断ち、三大秘法の大御本尊に帰依することが、国土を安んずる絶対不可欠な要件であると仰せられているのであります。

 しかるに今、国内の状況を見ると、人心は極度に荒廃し、為に先日の秋葉原や茨城での無差別殺人事件をはじめ、残酷で悲惨な事件や事故が多発し、政治・経済・教育・医療等、いずれも混乱・不況・腐敗・不信等、混迷の度合いを深め、また昨日の岩手・宮城内陸地震をはじめ、大地震の前兆とも思われる群発地震は各地で頻発しております。

 一方、国外では、死者7万7千余人、行方不明者5万5千余人と言われるミャンマーでのサイクロン。死者6万9千余人、行方不明者1万7千余人と言われる中国四川省での大地震。そのほか内戦、テロ・暴動・飢餓・地球温暖化問題をはじめ地球規模での環境破壊、抗体のない新型インフルエンザの脅威、時節はずれの洪水や干ばつなど、まさに『立正安国論』に示された悪世末法の世相そのままの姿を顕しているのが現状であります。

 しかしながら、世間の多くの人達はこうした混乱が何によって起きるのか、その原因が解らず、いたずらに喧噪を極めるばかりであります。もちろん、各分野においてそれぞれが原因を究明し、解決のための方策が講じられていることは認めますが、しかし残念ながら、根本的な解決には至っていないのであります。

 大聖人は『諸経と法華経と難易の事』に、「仏法ようやく顛倒しければ、世間も又濁乱(じょくらん)せり。仏法は体のごとし、世間は影のごとし。体曲がれば影なゝめなり」(同1469ページ)と仰せであります。

 悲惨な事件や事故、戦争や飢餓、天変地夭などをはじめ、世の中が混乱する原因は、一にかかって仏法の乱れ、すなわち正法を信ぜず、悪法を信じているが故であります。故に『頼基陳状』には、「悪法世に弘まりて、人悪道に堕ち、国土滅すべしと見へ候」(同1129ページ)と仰せであります。すなわち、悪法を信ずれば人心が乱れ、人心が乱れれば国土世間にまで大きな影響を及ぼすことになるのであります。この仏法の原理が解らなければ、真の解決は図れないのであります。

 大聖人は『瑞相御書』に、「夫(それ)十方は依報なり、衆生は正報なり。依報は影のごとし、正報は体のごとし」(同918ページ)と仰せであります。すなわち、仏法においては依正不二の原理が説かれ、主体たる正報とその依りどころとなる依報とが一体不二の関係にあることを明かされているのであります。よって、正報たる我ら衆生の六根のあらゆる用きが、そのまま依報たる国王世間へ大きく影響を与えているのであります。

 例えば『瑞相御書』には、「人の眼耳等驚躁すれば天変あり。人の心を動かせば地動す」(同919ページ)と仰せられ、また、「人の悦び多々なれば、天に吉瑞を表し、地に帝釈の動きあり。人の悪心盛んなれば、天に凶変、地に凶夭出来す」(同920ページ)と仰せられているのであります。

 この依正不二の原理は、凡夫の智慧をもっては到底、計り知ることのできない仏の透徹された智慧であり、三世十方、すなわち無限の時間と空間を通覧せられて、宇宙法界の真理を悟られた仏が明かされた知見であります。したがって、宇宙法界の根源の法たる妙法に照らして示されたこの依正不二の大原則を無視して、今日の如き混迷を極める惨状を救い、真の解決を図ることはできないのであります。

 すなわち『立正安国論』の正意に照らせば、正報たる我ら衆生が一切の謗法を捨てて、実乗の一善たる三大秘法の随一、本門の本尊に帰依すれば、その不可思議広大無辺なる妙法の力用によって、我ら衆生一人ひとりの生命が浄化され、それが個から全体へ、衆生世間に及び、社会を浄化し、やがて依報たる国土世間をも変革し、仏国士と化していくのであります。反対に、我ら衆生の生命が悪法によって濁れば、その濁りが国中に充満し、依報たる国土の上に様々な変化を現じ、様々な天変地夭となって現れるのであります。

 これが『立正安国論』に示された原理であり、この『立正安国論』に示された大聖人の御正意を体して、異の世界平和と仏国土実現を目指して一切衆生救済の慈悲行たる折伏を行じていくのが、我ら本宗僧俗の大事な使命であります。

 大聖人は『安国諭奥書』において、「之に準じて之を思ふに、未来も亦然るべきか」(同420ページ)と仰せであります。すなわち、大聖人が『立正安国論』において予証せられた自界叛逆難と他国侵逼難の二難は、のちに「蒙古来襲」と「北条時輔の乱」となって的中したように、御本仏日蓮大聖人の予証は必ず的申し、現実となって顕れるのであります。同様に、大聖人が『立正安国諭』において示された仏国土実現も、必ず現実となって顕れることは間違いないのであります。

 ただし、我々の努力なしでは仏国土は実現しません。ここに、今日、我々が日顕上人猊下から賜った地涌倍増と大結集の御命題、なかんずく地涌倍増の達成へ向けて、全力を傾注していかなければならない大事な意義が存しているのであります。

 『立正安国論』の末文には、「唯我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡めんのみ」(同250ページ)と仰せであります。『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節まで、いよいよあと一年。今こそ、この御金言を胸に、私ども一人ひとりが立ち上がり、「立正安国」の御理想実現のため、折伏を行じていくことが、今なすべき最も大切なことであることを心肝に染め、今月ただいまより、御命題達成へ向けてさらなる大前進を開始されますよう、心から願うものであります。

 特に東日本の皆様は、本日の大結集の成果とこの感動をもって、広布の先陣に立ち、必ずや御命題を達成し、もって仏祖三宝尊と、御命題をくだされた日顕上人猊下の御前において、晴れて御報告できますよう心から願うとともに、皆様方のいよいよの御健闘をお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。(題目三唱)



○決意 運営委員長 鈴木譲信御尊師

本日、地涌倍増大結集推進東日本決起大会を開催いたしましたところ、総本山第68世御法主日如上人猊下におかせられましては、御下向の上、甚深なる御指南を賜りましたこと、まことに有り難く、ここに衷心より厚く御礼申し上げます。御法主上人猊下、まことにありがとうございました。また御隠尊日顕上人猊下におかせられましては、親しく今大会を御高覧戴きましたこと、まことに有り難く、衷心より厚く御礼申し上げます。御隠尊上人猊下、まことにありがとうございました。

このたびの決起大会は、明年の「地涌倍増」と「大結集」達成のために、日如上人猊下の御指南により開催の運びとなり、2月3日の西日本決起大会、同じく2月24日の九州決起大会、そして4月29日の北海道決起大会と、いずれも無事盛大に、かつ大成功裡に終えてまいりました。そして本日の東日本決起大会は、その掉尾を飾るもので、僧俗の参加者、運営に携わっていただいた関係者全員の絶大なるご支援とご協力のもと、結集目標数を大幅に越えることができ、見事、完全勝利を果たすことができました。皆様、たいへんおめでとうございます。運営委員長として、ご参集の皆様に衷心より厚く御礼を申し上げます。

大聖人様は『撰時抄』に、「一滴あつまりて大海となる。微塵つもりて須弥山となれり(乃至)法華経を二人・三人・十人・百千万億人唱え伝うるほどならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるべし」(御書868ページ)と仰せであります。人一人の力はまことに微弱なものでありますが、その一人ひとりが集まれば思ってもみない大きな力を生み出すのであります。本日は、地涌の使命をもつ3万人を越える多くの同志が集いました。この力の結集は、まさに須弥山や大海のごとき広布達成の因となるものと信じます。私たちは、この力をもって、大折伏を敢行いたそうではありませんか。

本日、御下向くださった御法主上人猊下、御隠尊上人猊下の御慈悲にお応えする道はただ一つ、本大会参加のすべての方が決起し、明年に向かって大折伏戦を展開することであります。平成21年まであと半年と迫りました。この半年を、唱題に次ぐ唱題、折伏に次ぐ折伏をもって大躍進を重ね、誓願を完遂することを皆様と共にお誓い申し上げ、大会運営委員長としての決意とさせていただきます。さあ皆さん、共にがんばりましょう!




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