大白法

平成20年10月1日号


主な記事

<1〜6面>

<7〜8面>


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全支部折伏誓願完遂に向けて
布教区別地涌倍増大結集推進僧俗指導会より


○立正安国論正義顕揚750年記念局委員長 八木日照御尊能化

皆さん、こんばんは。一日の仕事を終えてたいへんお疲れのところを、本日は地涌倍増大結集推進僧俗指導会へのご参加、たいへんご苦労様に存じます。

ただ今もお話がございましたが、本年は「躍進の年」、年頭から御法主日如上人猊下は、我々に二つの大事をお示しくださいました。一つは、決起大会を成功させよう。そしてもう一つが、本年度それぞれの講中で今年はこれだけ折伏をやりますと決意した誓願を必ず成し遂げようと、この二つのことでございました。

ご承知のように決起大会は、西日本・九州・北海道・東日本と、全国4会場で代表が合計8万4千余名結集して、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下の御前において意気高らかに、明年の『立正安国論』正義顕揚750年地涌倍増大結集の御命題達成をめざし、大成功裡に開催されました。

次は、本年度の折伏誓願目標の完遂。御法主日如上人猊下は、決起大会のような結集の闘いは信心している人が対象ですから、言うなれば内向きの話であり、海に例えれば内海である。静かな、波のない穏やかな、そういう闘いである。しかし、次の地涌倍増への折伏の闘い、これは結集と違って、外海へ出て荒波と闘いながら、様々な障魔を打ち砕きながら進んでいく闘いだから、しっかりギア・チェンジをして、組織の態勢を整え、決意を固めて進んでいくことが大切であると御指南あそばされました。

大聖人様は、『諸法実相抄』に、「末法にして妙法蓮華経の五字を弘めん者は男女はきらふべからず、皆地滴の菩薩の出現に非ずんば唱へがたき題目なり(乃至)剰へ広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を的とするなるべし」(御書666ページ)と、このように仰せであります。

今末法において南無妙法蓮華経を唱える者は、老若男女を問わず皆それは、地涌の菩薩の使命を自覚して立ち上がった人である。乃至、広宣流布の時は、すべての人が一同に南無妙法蓮華経と唱えるようになる、必ずそういう時が来る。それはちょうど、大地を的とするようなものである、と仰せです。

金槌で小さな釘を打つときは、ひょっとすると打ち損ずることがあります。うまく真ん中に当たらないことがある。けれども、地面を的にして槌を振るならば必ず当たります。外れるということはない。このように、御本仏様の大慈大悲の確信として、我々にお示しくださっています。つまり、必ずこの末法下種の妙法は広宣流布していくのである。間違いないとの仰せであります。

しかしそれは、ただ手をこまねいて待っているとそういう時代が来るというわけではもちろんございません。大聖人様以来今日まで750年間、我々の先師先達の方々は、皆懸命な思いでこの御本尊様の功徳を多くの人に説いて弘教に励み、そしてまた、我々もその跡を継いで今日、広布へ向かっての歩みを進めております。

日興上人様は、大聖人様から一切をお受けになって、末法弘通の大導師としてお立ちになり、 「未だ広宣流布せざる間は身命を捨てゝ随力弘通を致すべき事」(同1884ページ)このように遺誡あそばされました。未だ広宣流布していない間は、門下一同身命を捨てて、自分の力に応じた精一杯の弘教をしていきなさい。生じっかな中途半端な気持ちではない、命がけでやりなさい。こういう厳しい御指南でございます。


本年この「躍進の年」を迎えるに当たりまして、宗門として実践三項目を定めています。全国の僧俗は、この三項目の実践を通して本年の目標を達成しようと、正月から前進してまいりました。

一つは、「総登山と大結集の推進」。これは明年のことであります。明年はご承知のように、大聖人様が『立正安国論』を提出して、第一回目の国諌をあそばされたその年から、ちょうど750年目に相当します。そこで明年は、記念総登山を行おう。全講中の講員が一人も漏れなく、総本山へ一年を通して御報恩の記念総登山をしようということになっております。今までも毎年支部総登山が行われてきましたけれども、講員一人も漏れなくの参加徹底というのは、なかなか難しいことであります。明年になってから慌てて啓蒙してもそれはできません。したがって、本年から手分けをして家庭訪問をしてその意義を伝え、来年は必ず全員で登山しようと啓蒙する。

また大結集ですが、これは明年7月26日に総本山において精鋭7万5千の大結集、大総会が行われます。これは代表登山となりますが、これには、ただ頭数を揃えるのではなく、慈悲の心と勇気をもって折伏に精進した精鋭が集まります。この二つを推進しようというのが第一項目。

二項日目は「真剣な勤行と唱題」。勤行・唱題は皆さんいかがでしょうか。朝五座、夕三座の勤行と唱題行、これが我々の仏道修行の基本であります。皆さん一人も漏れなく、朝夕御本尊様の前に座って方便品、寿量品を読み御題目を唱えるという勤行、これは基本中の基本であります。これを怠らず、365日どんなことがあろうと続けていくことが大事です。

かつて、こういう話を聞いたことがありました。明治の中頃に、本州から開拓で北海道に入植した本宗のご信者の方々が、昼間は原始林の伐採をはじめ重労働に従事をして、夜、家へ帰ってくる。そうすると体はもう綿のように疲れているけれども、しかし勤行はしっかりとやるんだという気持ちで座って始める。だけどもう、体のほうが言うことをきかないで、途中で居眠りになる。ついには後ろへひっくり返ってしまう。そのような状態の中でもやはり勤行の大事さを知っていらっしゃるので、一生懸命やるわけです。そういう姿をお子さん、お孫さんたちが見て育つ。ああ、この勤行がそれほど大事なことなんだと、親の背中を見て育った。そういう人たちの話を聞いたことがあると、北海道の御住職から聞きました。

今日ここへおいでになっている方々はそれぞれ、各講中の中心的な活動をしていく、広布を推進していく、本年度の折伏誓願目標の達成のために力を尽くしていく皆さん方であります。その基本には、やはり朝夕の勤行をしっかり行じることが最も肝要です。そしてまた、「一切を開く鍵は唱題行にある」(大日蓮635号)と前御法主日顕上人猊下は仰せになりました。常に怠りなく唱題を重ねながら、目標達成に向かって進んでいっていただきたいと思います。

第三番目は、「不断の折伏と育成」です。不断とは絶えることなくです。年中、2年、3年、5年、10年経とうが、折伏と育成ということは、たいへん大事で、折伏をしていく上にまた育成をしていく。既に信心をしている人の中にも、やはり家庭訪問をしながら、いろいろ指導激励を必要とする人がいらっしゃいます。そういう所へは月に一度以上訪問して育成をしよう。また新入信者に対しては半年間、一週間に一度以上の家庭訪問をして一緒に勤行をしよう。あるいは御本尊様へのお給仕の仕方を教え、いかに御本尊様が尊いかという話をする。あるいは御報恩御講の参詣、広布唱題会への参加。さらに折伏に一緒に連れ立って行く、その他の信心の活動にも参加をさせる。

特に新入信者に対しての育成は大事なことです。いくら一生懸命折伏をして講員数が増えていっても、そういう一人ひとりへのきめ細かな育成の手が届かないと、また元の木阿弥(もくあみ)で脱落してしまいます。これは紹介者一人だけではなかなか手が届きません。したがって住職をはじめ、支部の幹部の方、また活動家の皆さん方が手分けをして、この新入信者の所には今週は私が行く、来週は誰それが行くといった、きめの細かい育成をやっていくことが大事です。

どうかこの点、紹介者はもちろん責任を持たなければなりませんけれども、その人だけに任せることではとてもできませんので、組織を挙げて着実に行っていただきたい。いくら折伏をしても、その方がきちっと一人前の信徒になっていかないようでは、地涌倍増は叶いません。どうか、育成が大事であるということを肝に銘じていただきたい。これが本年度の実践項目の三つでございます。

本年残りはあと4カ月ございます。先般、全国の住職方が総本山へ集まって、全国教師講習会が行われました。その中で指導会が開かれ、5人の指導教師が自坊の活動報告をしました。その中の一人に、本年の年頭から4カ月間で折伏誓願目標を達成したという支部がありました。その後さらに4カ月でまた倍の成果をあげた。200%の達成です。そこで御法主上人猊下より、「今聞いた通り、4カ月で目標を達成したと。今は8月、残り4カ月あれば必ず達成できる。勇気を持って、指導教師のもと僧俗一体となって全支部がんばっていきなさい(趣意)」との御指南がございました。

どうか皆さん方、残りの4カ月において、末だ達成していない支部におきましては、火の玉となり一丸となって、本年度の折伏誓願目標を必ず達成すると、堅く決意して進んでいっていただきたい。

御法主日如上人猊下は、8月の広布唱題会においてこのように御指南くださいました。

今日、宗門は僧俗一致の態勢のもとに、明年の大佳節へ向けて前進をしております。この時に当たり、我らはいかなる大難、いかなる降魔が襲い起きようが、妙法信受の絶対的信念においてこれらをことごとく粉砕し、もって御命題達成に向けて勇猛将進していくことが大事であります。特に、今日の混沌とした世相を見るとき、立正安国の御理想実現のため、我々は今この時こそ、謗法によって貪瞋癡の三毒に害せられた多くの人々に妙法を下種し、折伏を行じていかなければならないと強く感ずるのであります。皆様には、是非とも本年後半の、全支部折伏誓願達成へ向けて、僧俗一致、異体同心の団結をもっていよいよ御精進くださるよう心から念じ、本日の挨拶といたします。(大白法747号)

と、このような御指南を賜っております。さあ皆さん、がんばって本年度の折伏誓願目標を必ず達成いたしましょう。



○立正安国論正義顕揚750年記念局常任委員 水島公正御尊師

指導会開催の意義

今般、記念局として、折伏誓願目標達成のための布教区別僧俗指導会を開催することとなり、不肖、御命により当地に参上いたしました。

5つの課程

およそ物事を成し遂げるには、5つの過程が必要と言われます。それは、@に理念(理論)、Aに目的、Bに計画、Cに実行、そしてDが結果です。

折伏戦でいえば、「一天四海の広布二切衆生の救済」という仏法の「理念」のもとに「三大秘法の下種仏法を自行化他に受持信行して即身成仏する」とする教義や御指南は本宗根幹の「理論」です。この御教示を実現するため時宜に応じた目的が設定されます。これが第二。さらにそれを達成するための方策が第三の計画であり、計画にしたがって第四実行があり、それによって第五の結果が生ずるのです。

計画の大事

この中で@の理念は教義として確定しており、Aの目的も今や「全支部誓願目標の完遂」と決まっております。またDの結果は前の4つの過程に付随するものですから、今我らが心すべきはB計画とC実行の二つです。

今年四月の支院長会議で、御法主日如上人猊下は「いくら精神論を言ってもだめなのでありまして、(中略)作戦会議などを開いて、そして『こうやろう』と指示をしていくことが大切ではないかと思うのであります」(大日蓮747号)と仰せられました。即ち観念論や精神論をいくら言っても、具体性のある「計画」がなければ実行は空転して終わります。

折伏の作戦

折伏の計画とは何か。折伏には相手がいることですから、まず相手の生活状況や職業などを知り、その上で、誰が、いつ、どのような形で訪問するかを決めて、はっきりと指示することです。それが組織戦での責任者の務めです。責任者とは、支部で言えば指導教師・講頭・副講頭ですが、支部内でのそれぞれの単位のグループのリーダーも責任者です。

個人的な折伏も同様です。いつ、誰と(または一人で)、どのような形で訪ね、どんな話から切り出すか、という具体的な計画を立てることが大事です。

城造りの話

例えば一国の主が家来に「城は大事だ」、「みんなで城を造れ」と、何十回言って聞かせても城は出来ません。それよりも、図面を引くのは誰、誰それが人足集め、材木を切るのは誰と決めて、それを実行すれば自然に城は完成するのです。

リーダーの心得

支部やそれぞれの組織の責任者が講員に対して「折伏誓願目標を達成しよう」と力説しても、「城を造れ」の命令と同じで、1世帯の成果にもなりません。このような観念論や目的を口にするよりも、講員個々の状態をしっかり掌握し、誰に、いつ、どのように具体的な指示を与えるか。そして自分がどのように率先垂範すべきかを決定して、実行するのがリーダーなのです。

これは講員個人においても同じです。「支部の誓願が成就しますように」という御祈念ではだめです。一人ひとりが「友人の誰々さん、親戚の誰それを折伏させてください。力を貸してください」と一人の人に照準を合わせて唱題・祈念すること、そして勇気を持って行動することです。「一人の相手に照準を合わせて唱題し、祈念する。そして折伏を決行する」このことをお帰りになりましたら、皆さんの支部講員のすべてに周知徹底してください。支部講員がみんなで一人突破の祈念をすれば、誓願目標など簡単に成就できると思います。

折伏作戦会議を開け

御法主上人猊下はさらに、「『具体的にどのように折伏していったらよいか』ということを役員会等で、あるいは折伏推進会などというものを作って、僧俗一体のなかで(中略)具体的に『これをしよう』『これをやろう』というように行っていくことが必要ではないかと思うのです」(同)とも御指南されました。

通常、支部の役員会は組織の運営に欠かせないものです。支部行事の連絡・報告なぜで時間が一杯になっているでしょう。したがって、折伏実践の作戦会議は役員会とは別に設けるべきであります。議題はもちろん、折伏成果をいかにあげるかという一点です。まず講員から提出された下種先名簿を元に検討し、明確な方針を打ち出すこと。下種先拡大を図ること。新入講者の家庭訪問も下種先の拡大に繋がります。この会議を月1回と言わず、成果が表れるまで頻繁に開くことです。

智慧を出せ

また、作戦会議の内容について御法主上人猊下は、かつて総監であられたときに、「智慧を絞り、可能性のある手を打つことであります。智慧が涌いてこなければ題目をあげることであります」(大白法677号)と明解に御指導されていました。

総力の結集を計れ

皆さんの支部には、お喋り好きの人や、誰とでもすぐ友達になれる人がいるでしょう。こういう人は下種先作りの人材です。また、すばらしい体験を持っている人、会話が上手な人、悩み事の聞き上手もいるでしょう。こういう才能を総結集すべきです。

指導者は講員の短所を乱すより、個々の長所を引き出し、その力を結集して折伏戦に臨むべきです。もし怨嫉などで活動が鈍っているならば、今は個人的な諍(いさか)いをしている場合ではない、一致団結して折伏しようと指導してください。

折伏実践の形態

次は、第三の実行即ち折伏の実践です。皆さんの中に「自分は折伏をしたいが、どのようにしたらよいのか判らない」、あるいは「折伏する相手はいるのだが、どのように切り出してよいのか判らない」という人がいるのではないでしょうか。

もちろん折伏する方の機根も様々ならば、相手の命もまちまちですから、折伏に決まった方法などはありません。しかし、折伏の第一歩は互いに語り合える関係にならなければなりませんから、初めは気軽な「こんにちは」「お暑いですね」という挨拶から始まります。友達になるためには、相手に安心感を与える心配りや節度ある言動も大事です。信頼関係が成り立たないと、正しい仏法の話も聞き入れません。

では信心の話の切り出しはどうするか。これも人により、相手によって様々です。一例を挙げれば、自分の身の周りの出来事を話す、これは誰でもできます。それが自分の体験やお寺参詣のこと・同志のことなどになれば立派な折伏です。また、「最近は殺傷事件が頻繁に起きますね」から始まれば、人心の乱れ、社会の荒廃、宗教の必要性についての話になるでしょう。「この頃は大きな自然災害が起きていますが、何か災害対策をしてますか」から始まれば、自然災害の実態や体験、被災時の運不運の実例、災害の原因についての話になるでしょう。これが既に折伏になっているのです。

折伏の実例

私が住職をしている支部の講員の中に、今年で既に11世帯の折伏をした方がいます。その方は70歳を超え、会社を経営しています。ほぼ毎日、寺院の夕勤行に参加して、その後、同じサークルの講員と折伏に出かけます。折伏の切り出しは、経済不況を話題にして、相手が「経営が困難だ、資金繰りが苦しい」などの悩みを言うと、「仕事がうまくいかないのは、あなたの福運が切れたからですよ」とはっきり言う。そして自分がどん底生活から信心によって立ち上がった体験を話して、最後に「あなたが本当に幸福になるためには、正しい仏法を信仰しなければだめですよ。この仏法は絶対です。必ず生活に実証されます。お寺に行ってみませんか」と言うのです。

話を素直に聞く人もいれば、そうでない人も当然いる。どんなに嫌な顔をされた相手でも、日にちをおいてまた、瓢々と訪ねて行くのです。その方の口癖は「折伏は唱題である。そこに決意が生まれ智慧が涌く。折伏は誰でも簡単にできる」です。

文書の利用

また御法主上人猊下は、「文書を用いた折伏も非常に有効である(趣意)」(大日蓮747号)と仰せです。特に創価学会員に対しては文書を証拠として破折する必要があります。その他、一般の人に対しても、何らかの文書を見せると説得力が増します。

折伏実行後の対処

なお、折伏を実行した後が大事です。責任者は実行後の報告を必ず貰うこと。「ご苦労様でした。お願いした折伏はどんな具合ですか」と尋ねることです。入信の決意をしたかどうか。詳しい報告を受けたら、直ちにその後の対応を決めることが大切です。絶対に放置しない。この責任者の真剣な姿勢が講中の士気を高めるのです。

誓願達成のために

御法主上人猊下は、「講中の全員が心を一つにして御本尊に真剣に祈り、確たる信念を持って行動を起こせば、必ず誓願は達成できます」(大白法733号)と仰せです。

即ち、講中が一丸となること、勤行・唱題して祈念すること、しっかりした信念を持って行動すること、この三つの条件を守れば、誓願目標は達成するとの御指南です。残る時間はあと120日です。

富山のある支部は、今年正月に「今年は4月28日の立宗会までに誓願を完遂しよう」と住職と講頭はじめ支部役員が結束して誓いを立て、死に物狂いで闘って見事に誓いを果たしたそうです。皆さんも勇気を持ち、固い決意を持って立ち上がればできないことはありません。

4カ月間を生まれ変わった信心、死に物狂いの一念でがんばりましょう。皆さんのご活躍とご健勝を祈って、私の話といたします。



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