<7〜8面>
皆さん、こんばんは。一日の仕事を終えてたいへんお疲れのところを、本日は地涌倍増大結集推進僧俗指導会へのご参加、たいへんご苦労様に存じます。
ただ今もお話がございましたが、本年は「躍進の年」、年頭から御法主日如上人猊下は、我々に二つの大事をお示しくださいました。一つは、決起大会を成功させよう。そしてもう一つが、本年度それぞれの講中で今年はこれだけ折伏をやりますと決意した誓願を必ず成し遂げようと、この二つのことでございました。
ご承知のように決起大会は、西日本・九州・北海道・東日本と、全国4会場で代表が合計8万4千余名結集して、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下の御前において意気高らかに、明年の『立正安国論』正義顕揚750年地涌倍増大結集の御命題達成をめざし、大成功裡に開催されました。
次は、本年度の折伏誓願目標の完遂。御法主日如上人猊下は、決起大会のような結集の闘いは信心している人が対象ですから、言うなれば内向きの話であり、海に例えれば内海である。静かな、波のない穏やかな、そういう闘いである。しかし、次の地涌倍増への折伏の闘い、これは結集と違って、外海へ出て荒波と闘いながら、様々な障魔を打ち砕きながら進んでいく闘いだから、しっかりギア・チェンジをして、組織の態勢を整え、決意を固めて進んでいくことが大切であると御指南あそばされました。
大聖人様は、『諸法実相抄』に、「末法にして妙法蓮華経の五字を弘めん者は男女はきらふべからず、皆地滴の菩薩の出現に非ずんば唱へがたき題目なり(乃至)剰へ広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を的とするなるべし」(御書666ページ)と、このように仰せであります。
今末法において南無妙法蓮華経を唱える者は、老若男女を問わず皆それは、地涌の菩薩の使命を自覚して立ち上がった人である。乃至、広宣流布の時は、すべての人が一同に南無妙法蓮華経と唱えるようになる、必ずそういう時が来る。それはちょうど、大地を的とするようなものである、と仰せです。
金槌で小さな釘を打つときは、ひょっとすると打ち損ずることがあります。うまく真ん中に当たらないことがある。けれども、地面を的にして槌を振るならば必ず当たります。外れるということはない。このように、御本仏様の大慈大悲の確信として、我々にお示しくださっています。つまり、必ずこの末法下種の妙法は広宣流布していくのである。間違いないとの仰せであります。
しかしそれは、ただ手をこまねいて待っているとそういう時代が来るというわけではもちろんございません。大聖人様以来今日まで750年間、我々の先師先達の方々は、皆懸命な思いでこの御本尊様の功徳を多くの人に説いて弘教に励み、そしてまた、我々もその跡を継いで今日、広布へ向かっての歩みを進めております。
日興上人様は、大聖人様から一切をお受けになって、末法弘通の大導師としてお立ちになり、 「未だ広宣流布せざる間は身命を捨てゝ随力弘通を致すべき事」(同1884ページ)このように遺誡あそばされました。未だ広宣流布していない間は、門下一同身命を捨てて、自分の力に応じた精一杯の弘教をしていきなさい。生じっかな中途半端な気持ちではない、命がけでやりなさい。こういう厳しい御指南でございます。
一つは、「総登山と大結集の推進」。これは明年のことであります。明年はご承知のように、大聖人様が『立正安国論』を提出して、第一回目の国諌をあそばされたその年から、ちょうど750年目に相当します。そこで明年は、記念総登山を行おう。全講中の講員が一人も漏れなく、総本山へ一年を通して御報恩の記念総登山をしようということになっております。今までも毎年支部総登山が行われてきましたけれども、講員一人も漏れなくの参加徹底というのは、なかなか難しいことであります。明年になってから慌てて啓蒙してもそれはできません。したがって、本年から手分けをして家庭訪問をしてその意義を伝え、来年は必ず全員で登山しようと啓蒙する。
また大結集ですが、これは明年7月26日に総本山において精鋭7万5千の大結集、大総会が行われます。これは代表登山となりますが、これには、ただ頭数を揃えるのではなく、慈悲の心と勇気をもって折伏に精進した精鋭が集まります。この二つを推進しようというのが第一項目。
二項日目は「真剣な勤行と唱題」。勤行・唱題は皆さんいかがでしょうか。朝五座、夕三座の勤行と唱題行、これが我々の仏道修行の基本であります。皆さん一人も漏れなく、朝夕御本尊様の前に座って方便品、寿量品を読み御題目を唱えるという勤行、これは基本中の基本であります。これを怠らず、365日どんなことがあろうと続けていくことが大事です。
かつて、こういう話を聞いたことがありました。明治の中頃に、本州から開拓で北海道に入植した本宗のご信者の方々が、昼間は原始林の伐採をはじめ重労働に従事をして、夜、家へ帰ってくる。そうすると体はもう綿のように疲れているけれども、しかし勤行はしっかりとやるんだという気持ちで座って始める。だけどもう、体のほうが言うことをきかないで、途中で居眠りになる。ついには後ろへひっくり返ってしまう。そのような状態の中でもやはり勤行の大事さを知っていらっしゃるので、一生懸命やるわけです。そういう姿をお子さん、お孫さんたちが見て育つ。ああ、この勤行がそれほど大事なことなんだと、親の背中を見て育った。そういう人たちの話を聞いたことがあると、北海道の御住職から聞きました。
今日ここへおいでになっている方々はそれぞれ、各講中の中心的な活動をしていく、広布を推進していく、本年度の折伏誓願目標の達成のために力を尽くしていく皆さん方であります。その基本には、やはり朝夕の勤行をしっかり行じることが最も肝要です。そしてまた、「一切を開く鍵は唱題行にある」(大日蓮635号)と前御法主日顕上人猊下は仰せになりました。常に怠りなく唱題を重ねながら、目標達成に向かって進んでいっていただきたいと思います。
第三番目は、「不断の折伏と育成」です。不断とは絶えることなくです。年中、2年、3年、5年、10年経とうが、折伏と育成ということは、たいへん大事で、折伏をしていく上にまた育成をしていく。既に信心をしている人の中にも、やはり家庭訪問をしながら、いろいろ指導激励を必要とする人がいらっしゃいます。そういう所へは月に一度以上訪問して育成をしよう。また新入信者に対しては半年間、一週間に一度以上の家庭訪問をして一緒に勤行をしよう。あるいは御本尊様へのお給仕の仕方を教え、いかに御本尊様が尊いかという話をする。あるいは御報恩御講の参詣、広布唱題会への参加。さらに折伏に一緒に連れ立って行く、その他の信心の活動にも参加をさせる。
特に新入信者に対しての育成は大事なことです。いくら一生懸命折伏をして講員数が増えていっても、そういう一人ひとりへのきめ細かな育成の手が届かないと、また元の木阿弥(もくあみ)で脱落してしまいます。これは紹介者一人だけではなかなか手が届きません。したがって住職をはじめ、支部の幹部の方、また活動家の皆さん方が手分けをして、この新入信者の所には今週は私が行く、来週は誰それが行くといった、きめの細かい育成をやっていくことが大事です。
どうかこの点、紹介者はもちろん責任を持たなければなりませんけれども、その人だけに任せることではとてもできませんので、組織を挙げて着実に行っていただきたい。いくら折伏をしても、その方がきちっと一人前の信徒になっていかないようでは、地涌倍増は叶いません。どうか、育成が大事であるということを肝に銘じていただきたい。これが本年度の実践項目の三つでございます。
本年残りはあと4カ月ございます。先般、全国の住職方が総本山へ集まって、全国教師講習会が行われました。その中で指導会が開かれ、5人の指導教師が自坊の活動報告をしました。その中の一人に、本年の年頭から4カ月間で折伏誓願目標を達成したという支部がありました。その後さらに4カ月でまた倍の成果をあげた。200%の達成です。そこで御法主上人猊下より、「今聞いた通り、4カ月で目標を達成したと。今は8月、残り4カ月あれば必ず達成できる。勇気を持って、指導教師のもと僧俗一体となって全支部がんばっていきなさい(趣意)」との御指南がございました。
どうか皆さん方、残りの4カ月において、末だ達成していない支部におきましては、火の玉となり一丸となって、本年度の折伏誓願目標を必ず達成すると、堅く決意して進んでいっていただきたい。
御法主日如上人猊下は、8月の広布唱題会においてこのように御指南くださいました。
布教区別地涌倍増大結集推進僧俗指導会より
本年この「躍進の年」を迎えるに当たりまして、宗門として実践三項目を定めています。全国の僧俗は、この三項目の実践を通して本年の目標を達成しようと、正月から前進してまいりました。
今日、宗門は僧俗一致の態勢のもとに、明年の大佳節へ向けて前進をしております。この時に当たり、我らはいかなる大難、いかなる降魔が襲い起きようが、妙法信受の絶対的信念においてこれらをことごとく粉砕し、もって御命題達成に向けて勇猛将進していくことが大事であります。特に、今日の混沌とした世相を見るとき、立正安国の御理想実現のため、我々は今この時こそ、謗法によって貪瞋癡の三毒に害せられた多くの人々に妙法を下種し、折伏を行じていかなければならないと強く感ずるのであります。皆様には、是非とも本年後半の、全支部折伏誓願達成へ向けて、僧俗一致、異体同心の団結をもっていよいよ御精進くださるよう心から念じ、本日の挨拶といたします。(大白法747号)
と、このような御指南を賜っております。さあ皆さん、がんばって本年度の折伏誓願目標を必ず達成いたしましょう。