大白法

平成20年10月16日号


主な記事

<1〜4面>

<5〜8面>


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大韓民国で地涌倍増大結集推進
ソウル大会に先立ち、プサン大会に2,170名が結集


10月3日午前11時から、大韓民国におけるプサン地域の地涌倍増決起大会が、プサン市内の信徒会館において盛大に開催された。これには海外部長・漆畑行雄御尊師、海外部主任・笠原建道御尊師が出席された。また釜山とその周辺各地より目標の2,000名を上回る2,170名余が結集した。

韓国では、明年「立正安国論正義顕揚750年記念50万総登山」における海外信徒総登山において4,250名の参加を目標に掲げており、このたびの決起大会は、韓国における地涌倍増と大結集の目標達成をめざして僧俗が一丸となって大前進するべく、本年行われるプサン地域とソウル地域の2ヵ所の決起大会のうち、1ヵ所目として開催されたものである。

大会は、初めにソウル布教所責任者・゙雄理御尊師の導師による読経・唱題の後、信徒代表・趙氏より挨拶があった。その後、笠原海外部主任より挨拶が述べられ、続く体験発表では具さんが唱題と折伏によって困難を乗り越え、円満な家庭を築いた体験を発表した。次いで壮年・婦人・青年・少年の各部からの代表6名が登壇し、韓国広布と明年の地涌倍増と大結集へ向けて、一人ひとりがさらなる信行に励み、主体者として一層の折伏に取り組むとの決意を披瀝すると、満堂の出席者より大きな拍手で賛同の意が表明された。

続いて漆畑海外部長が登壇され、「異体同心して地涌倍増と正法広布を誓い合ったこの決起大会を、大韓民国広布の歴史に深く刻みつけ、数力月後に迫った『立正安国論』正義顕揚750年における地涌倍増大結集の総登山を必ず成功させてほしい(趣意)」と指導をされた。最後に゙布教所責任者より、丁重な謝辞と明年に向けての力強い決意が披瀝された。

続く第二部では、婦人部60名が、自作の曲と「地涌讃徳」の2曲を合唱し、青年部20名がダンスと人文字を披露した。次いで同じく青年部が、民族音楽の演奏を行った。いずれも明年に向けての決起と躍進が表現されたもので、歓喜の中で大会は幕を閉じた。

韓国では平成17年のソウル布教所開設以来、今大会が国内において初めて、広範囲な地域を挙げての行事となった。この大会当日まで地元釜山地域の信徒一同は、異体同心で唱題と折伏に励み、迎えたものである。




御法主日如上人猊下御言葉



10月度広布唱題会の砌
平成20年10月5日 於総本山客殿


 本日は、総本山における10月度の広布唱題会に当たり、支部総登山の方々を含め多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。本年「躍進の年」もいよいよ10月に入り、残り3ヵ月となりましたが、皆様には日夜、誓願達成ヘ向けて御精進のことと存じます。

 前回、本年度「プレ大会」以降の全国各支部の折伏達成状況について少々、お話を申し上げましたが、その後も全国的に折伏の輪が広がり、既に誓願を蓮成した支部も増え、各支部ともに僧俗一致、異体同心の団結をもって折伏に真剣に取り組んでおられることは、まことに喜ばしいかぎりであります。

 さて、今月は御承知のとおり大聖人様が出世の御本懐である本門戒壇の大御本尊を御建立あそばされた月であります。すなわち、弘安2年10月1日の『聖人御難事』に、「此の法門申しはじめて今に二十七年、弘安二年なり。仏は四十余年、天台大師は三十余年、伝教大師は二十余年に、出世の本懐を遂げ給ふ。其の中の大難申す計りなし。先々に申すがごとし。余は二十七年なり」(御書1396ページ)と仰せられている如く、大聖人様は弘安2年10月に至りまして、四条金吾等の檀越に対し、今こそ出世の本懐である本門戒壇の大御本尊を建立あそばされる時であることを内示され、熱原法難のさなか、弘安2年10月12日に出世の御本懐として本門戒壇の大御本尊を御建立あそばされたのであります。

 熱原の法難は、当時はいまだ身分的にも低く、しかも入信間もない神四郎等の富士熱原の農民が、身命に及ぶ大難に値いながらも「死身弘法」の御聖訓を奉戴し、命を賭して正法護持を貫き通された不屈の信心を大聖人様は御覧あそばされ、末法本因下種の妙法の究極の法体を御建立あそばされる時機がいよいよ到来したことを深く御感あそばされ、ここに本門戒壇の大御本尊を御建立あそばされるに至ったのであります。まさしく、この御本尊こそ、『観心本尊抄』に、「此の時地涌千界出現して、本門の釈尊を脇士と為す一閻浮提第一の本尊、此の国に立つべし」(同661ページ)と仰せられた一閻浮提総与の本尊にして、閻浮第一の御本尊であります。

 今、この御文を拝するに、この文中に「地涌千界」と仰せられ、また「本門の釈尊を脇士と為す」仏様とは、いかなる仏様であられるのかと申せば、「本門の釈尊を脇士と為す」とのお言葉から拝して、それは本果脱益の釈尊ではないことは明らかであります。まさしく、大聖人様がこの御文のなかで「地涌千界」と仰せられた仏様こそ、久遠元初の妙法を御所持あそばされる人即法・法即人の仏様、すなわち内証久遠元初の御本仏、末法御出現の宗祖日蓮大聖人様御自身のことなのであります。したがって、久遠元初の御本仏がこの末法に御出現あそばされて御建立あそばされる御本尊なるが故に、まさしく「一閻浮提第一の本尊」なのであります。

 総本山第26世日寛上人は『観心本尊抄文段』のなかで、「弘安二年の本門戒壇の御本尊は、究竟の中の究竟、本懐の中の本懐なり。既に是れ三大秘法の随一なり、況んや一閻浮提総体の本尊なる故なり」(日寛上人御書文段197ページ)と仰せられ、本門戒壇の大御本尊こそ究竟中の究竟、本懐中の本懐の御本尊であると仰せあそばされているのであります。

 また、この大御本尊の功徳について同抄には、「此の本尊の功徳、無量無辺にして広大深遠の妙用有り。故に暫くも此の本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、則ち祈りとして叶わざる無く、罪として滅せざる無く、福として来たらざる無く、理として顕われざる無きなり。妙楽の所謂『正境に縁すれば功徳猶多し』とは是れなり。此れ則ち蓮祖出世の本懐、本門三大秘法の随一、末法下種の正体、行人所修の明鏡なり」(同189ページ)と仰せであります。

 この日寛上人の御指南の如く、無疑曰信の信心に立ち、ひたすらこの本門戒壇の大御本尊様のもとに強盛に自行化他の信心に励むとき、必ずや我々は転迷開悟の大功徳を納受することができるのであります。

 一方、他に目を転ずれば、今日、日本乃至世界の状況は、悪世末法の世相そのままに、多くの人々は混乱と苦悩と不幸にあえぎ、先の見えない生活に不安を感じ、けっして安閑としていられる状態でないことは、皆様方も重々御承知のとおりであります。こうした混乱と苦悩と不幸を招いている最大の原因は何かと言えば、既に大聖人様が『立正安国論』にお示しの如く、実に謗法の害毒によるものであり、この謗法を捨てて大聖人の正法正義に帰するとき、初めて真の幸せを築くことができるのであります。

 すなわち、今日、末法の一切衆生救済の秘法は、唯一、三大秘法の随一、本門戒壇の大御本尊のほかなく、一人でも多くの人がこの戒壇の大御本尊様に帰依し、妙法の広大無辺なる功徳に浴し、一人ひとりが煩悩・業・苦の三道を法身・般若・解脱の三徳と転じ、幸せになっていくことを心から願い、この願いを実践に移し、大聖人の御意のままに一天広布を目指して闘いきっていくのが、我ら本宗僧俗の大事な使命であり、責任であります。特に、末法の衆生は本未有善の衆生でありますから、自分から法を求めて尋ねてくるようなことはほとんどありません。折伏は当方から積極的に打って出るということがまことに肝要であります。

 大聖人様は『南部六郎殿御書』に、「眠れる師子に手を付けざれば瞋(いか)らず、流れに竿を立てざれば浪立たず、謗法を呵責せざれば留難なし。『若し善比丘あって法を壊る者を見て置いて呵責せずんば』の置の字を畏れずんば今は吉し、後を御らんぜよ。無間地獄は疑ひ無し」(御書463ページ)と仰せであります。この大事な御文の御意を拝するとき、我らはいかなる障魔も恐れることなく、敢然として折伏に打って出ることが、御命題達成の大事な要件であることを知るべきであります。

 たしかに、この御文にお示しのように、何もしなければ留難もなく平穏であるかも知れません。しかし、それでは尊い一生を空しく過ごすだけであり、大聖人様のお心に反することになってしまうのであります。御本仏大聖人様のお心に反しては、功徳を受けることはできません。

 『持妙法華問答抄』には、「されば持たるゝ法だに第一ならば、持つ人随って第一なるべし」(同298ページ)と仰せであります。一閻浮提第一の御本尊を持ち奉る者、必ず一閻浮提第一の幸せを勝ち取ることができるのであります。しかも、その広大無辺なる功徳を自分一人が独占するのではなく、謗法の害毒によって不幸にあえぐ人達にこの大御本尊の偉大なる功徳を伝え、共に信心に励み、幸せを築いていくことが大事なのであります。

 大聖人は、「生死の大海を渡らんことは、妙法蓮華経の船にあらずんばかなふべからず」(同1555ページ)と仰せであります。どうぞ、皆様にはこの御金言を拝信し、本年残り3ヵ月、「為せば成る」との確固たる信念を持って、誓願達成へ向けて御精進いただきたいことを心から願い、本日の挨拶といたします。




折伏誓願達成!わが支部の信行


○本説寺支部(吹田市)

本年6月、大阪布教区で先頭を切って、年間折伏誓願目標を達成した本説寺。

話は昨年に遡る―――昨年、7月に至るも30世帯の誓願に対し4世帯。半年で残る26世帯の成就は難しい。御住職・武安力道御尊師は「このまま折伏が出来なければ、御法主日如上人に対して申し開きできない。講員にも異体同心の信心を結実させた喜びを体験させてあげられない。生半可な決断では事態は変わらない。出来なければ責任を取り住職を辞する」と覚悟を決め、家族会議を開いて重い重い決断を伝えられた。

その後、御住職は決意を生田講頭、河原副講頭、尾崎副講頭に話された。講頭・副講頭にとっては青天の霹靂、「今年いっぱいそれを言うのは待ってください。私たらが必ず折伏してまいります」と。

すぐに講頭・副講頭がそれぞれ折伏成就したのを皮切りに、「何が何でも誓願を成就する」との並々ならぬ思いが講中に伝播し、7月に2世帯、8月に4世帯、9月に6世帯、10月に7世帯、11月に4世帯、12月に3世帯と、12月23日をもって誓願30世帯を無事に達成した。

そして迎えた本年。早めに達成しなければ、来年の50万総登山・7万5千名大結集総会に備えることが難しい。登山の目標人数という数に追われるようではだめだ、むしろ追うくらいの闘いを。そこで、御住職の出された指令は、「創立記念日の4月10日までに半分の15世帯達成」だった。

生田講頭は4地区が毎月1世帯成就という戦略を示したが、人手と時間と全力を傾注した決起大会の疲れからか、なかなか波に乗れない。1月に3世帯、2月に2世帯―――これではいけないと2月の役員会で話し合った。縁はたくさんある。みんなが出した下種先の表もある。しかし、芽が出ないのがもどかしい。折伏座談会をやろうか?

いろいろな案が出たが、何はさておき唱題でこの状態を扱けると決めた。毎週日曜日は一日中お寺を開放していただき、みんなで御題目を唱えていこう。お寺を拠点として折伏や家庭訪問に歩こう。第一日曜日は広布唱題会の後も5時間唱題、第二日曜日は御講の前に1時間唱題、第三日曜日は朝8時から10時間唱題、第四日曜日は朝2時間唱題と、唱題会中心の活動に切り替え、早速、2月末の10時間唱題から開始した。

その後は、平日も婦人部員がお寺で5時間唱題をしたり、10時間唱題を増やしたり、「役員会終了後、このまま帰るのはもったいない。夕の勤行まで2時間ある、唱題しよう」などと唱題が増え、個々の唱題も盛んになった。

すると動き始めた。内得信仰の方から「御本尊様を戴きたい」という申し出があるなど、不思議と折伏成就に結びつき始め、4月に4世帯。創立記念日は15世帯には届かず、成果11世帯で迎えた。次に御住職が打ち出されたのは、「『立正安国論』提出の7月16日までに30世帯全部達成」だった。

最初は講頭、副講頭、それぞれの身内くらいのわずかな参加者だった唱題会に、30人、50人と増えて活気が出ると、折伏誓願目標達成には今年いっぱいかかるという雰囲気が、「御住職のおっしゃるように7月までに」と、競うように折伏に出かけるようになっていった。その中には、「やいのやいの言わなくたっていずれする」と言っていた長男世帯に、「それならば7月までに御本尊を持たせよう」と誓って決行したTさんや、40年ぶりに電話してきた従姉妹を折伏したIさんもいる。

5月は7世帯の成果だった。この頃から勢いが止まらなくなり、あちらこちらから縁が出てきた。

生田講頭の、「折角なら、御住職が司会をされる7月4日の広布推進会までに」との発言に、「御住職、講頭さんに達成の発表をさせるんだ」と、目標が前倒しになった。不思議なもので、「そのためには6月中に」と、みんなの心が目標日をどんどん前倒しにしていった。

6月22日の10時間唱題の最中に、「私はあそこに行ってくる」「私も行ってくる」「私も」とみんなが出かけ、折伏に結びつく話が出てきた。

そして迎えた翌週の29日は、支部始まって以来の1日に6世帯の成就。中でもAさんは、昨年は仕事や年子の孫の世話等に忙しく、主立った行事に顔を出すくらいだったのが、2月の御講で御住職の昨年のご決意を伺って驚いた。“本説寺は安泰”と安心して休眠状態にあったことを恥じ、「私も檀家の端くれ、今年はやる」と3月9日に娘の姑を折伏。更に、6月8日には職場の同僚を折伏。講頭の「7月4日までに達成したい」との発言に、何としてもあと1世帯をとの執念で、自分と入れ替わりに職場を辞めていったUさんを29日に折伏。

こうして6月30日、最後の1世帯が決まり、ついに目標30世帯が完遂した。振り返ってみると、当初にみんなが挙げた下種先百数十件からの成就はわずか。ほとんどが今年になってからの新たな縁だった。唱題の大功徳に改めて驚いた。折伏の喜びを知った人々が、今や後戻りすることはない。前へ前へと打って出る信心あるのみ。

本説寺の本堂後方の壁には大きな模造紙が貼られ、明年の大結集登山、記念総登山申込者の氏名がびっしり書かれている。クループ長24名が出席し、講頭のもと行われた10月5日のグループ長会でも、さらにきめ細かな啓蒙に向けて打ち出しがあり、明年の御命題達成へ本格的に動き出している。



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