大白法

平成21年1月1日号


主な記事

<1〜3面>

<4〜8面>


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立宗757年の新春を寿ぎ奉る


総本山第68世御法主日如上人猊下 新年の辞


 全国法華講員御一同には、清々しく「立正安国論正義顕揚750年」の新春を迎え慶賀の至りに存じます。  いま宗門僧俗は、本年「立正安国論正義顕揚750年」の年を迎えて「地涌倍増」と「大結集」、「50万記念総登山」の御命題達成へ向けて、異体同心・一致団結して、力強く前進していることは誠に慶びに堪えません。

 平成14年、日顕上人より「地涌倍増」と「大結集」の御命題を賜ってから7年、本年はその御命題完結の年であり、講中一同全力を傾注して、必ず御命題を達成し、以て仏祖三宝尊と御命題を下された日顕上人にその成果を御報告申し上げ御照覧戴くよう努めなければなりません。

 就中、「7万5千名大結集総会」は、未だ曽て行われたことのない大結集であり、且つ法華講の精鋭が集う大総会であります。本門戒壇の御本尊在す総本山に集う7万5千名の精鋭は、その侭(まま)次の戦いの中核となるべき人材であり、大結集の目的もそこにあります。

 したがって、大結集に当たっては現勢力だけに止まらず、組織を掘り起こし、人材を発掘し、育成し、大総会に参加し、時を得て、次の戦いに備えていくことが肝要であります。法華講はこうした戦いの中で、自ずと組織の足腰を鍛え、活性化され、一騎当千の集団が構築されていくのであります。大結集の結果を終焉とするのではなく、更にその先を展望して広布の戦いをしていくところに大結集の大きな意義が存するのであります。

 同様に、これは50万総登山においても云えることであります。

 曽て日顕上人は、支部総登山の目的は、支部の足腰を鍛える事にあると御指南されています。7万5千名大結集総会と同様に、支部総登山を推進していく中で獲得するものは極めて大なるものがあります。それは組織においても個人においても、また信心においても生活においても顕著に表れてきます。この信心の鍛錬が今後の広布への戦いの大きな原動力となって、折伏逆化の場に発揮されることになるのであります。

 大聖人は『報恩抄』に、「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までも流るべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超ヘ、竜樹・迦葉にもすぐれたり。極楽百年の修行は穢土の一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか」(御書1036ページ)と仰せであります。

 「極楽百年の修行は穢土の一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか」との御金言をよくよく拝すべきであります。困難な戦いであればあるほど、勝利の喜びは大きいのであります。御命題達成の戦いは、困難であっても決して不可能な戦いではありません。「為せば成る」戦いであります。

 各位には、本年「正義顕揚の年」の御命題達成の戦いが、必ず未来広布への大きな力となり役立つことを自覚し、またその戦いを進めていく中で自らが一生成仏出来ることを確信し、各講中共に一層の精進を願うものであります。

 『御義口伝』には、「今日蓮が唱ふる処の南無妙法蓮華経は末法一万年の衆生まで成仏せしむるなり。豈、『今者已満足』に非ずや。已とは建長五年三月廿八日に始めて唱へ出だす処の題目を指して已と意得ベきなり。妙法の大良薬を以て一切衆生の無明の大病を治せん事疑ひ無きなり。此を思ひ遣る時は満足なり。満足とは成仏と云ふ事なり」(同1732ページ)と仰せであります。

 全国法華講員各位には、この御金言を心肝に染め、大御本尊へ絶対の確信を以て、『立正安国論』の御理想実現のため、愈々信心強盛に御精進下さることを心から念じ、新年の挨拶といたします。

 以上




御隠尊日顕上人猊下 新年の辞


 新年おめでとうございます。

 本年は宗旨建立757年並びに、立正安国論御撰述・進覧より第750年に当る意義深き年であります。

 立正安国論の主意は破邪顕正にあります。その邪義には、一つは世に充満する貪瞋癡の我欲による犯罪や背徳行為と、二つには信仰上の正義に反するものがあります。そして二つ目の民衆の精神育成の基本である宗教信仰上の邪義が元となってすべての誤りと混乱が起るのであり、特にこれが国家の上に最も著しく現れるのが釈尊の予言された末法の時代です。

 日本国に未曽有の三災七難起るところ、不思議にも符節を合し日蓮大聖人が御出現あそばされ、明確にこの原因を顕示されました。これまさしく末法万年の人類救済の大因縁であり、大光明であります。

 また立正の正の意義は、一往法然『選択集』の仏法違背の邪義を破折して顕された実乗の一善にありますが、その元意はより広い邪義に対する正義であり、これには五重の深い意味があります。即ち正しい因果の道理を説く仏教が他の宗教哲学に対し人々をより確実に救済する法であり、また小乗より大乗、大乗中にも権大乗より実大乗、そして永遠の生命の上に現在を開悟し荘厳する法華本門が教への優劣の段階として存します。

 更にこれら諸教を擣きふるい、練りあげられた根元の一法が本門下種の妙法蓮華経、また宗旨の三大秘法であり、此の処に一切の因果と善悪の根本を顕し開導する人類救済の究極の法理が存するのであります。故に本仏大聖人の大慈悲の立正安国論は日本乃至万国に通ずる大正理、大道理であります。

 今や日如上人の御指南の下に宗門はその正義顕揚を果すべく、本宗僧俗が一丸となって自行化他、折伏弘通に邁進する姿こそまさにその実践であり、御仏意に契う所以であると思う者であります。本年度正義顕揚行事の一切の成就の為、皆様の一層の御精進を偏へにお祈り致します。

 已上



○ 総監・八木日照御尊能化

平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年の新春、明けましておめでとうございます。

ますます御壮健にて一宗を総理・御嚮導あそばされる御法主日如上人猊下、並びに御隠尊日顕上人猊下の御許に、柳沢委員長をはじめ法華講連合会の全国支部講員各位には意気盛んに輝ける大佳節の年を迎えられ、御同慶の至りであります。

昨年は決起大会を成功裡に成し遂げた上で折伏誓願目標完遂を目指して真剣な活動を展開し、続々とその成果を挙げることができました。年末には宗内の多くの方々が、記念局の第3回特別御供養において真心からの護法の志を捧げられました。その浄業に心からお礼を申し上げます。

いよいよこの正月3日の大出陣式をスタートとし、御報恩の50万総登山が開始されます。引きも切らず国の内外から登詣する光景は、想像するだに感動を覚えます。受入れの総本山塔中坊の建替え新築工事も、昨年暮れまでに予定通り18カ坊全てが見事に落成しました。このように順調に無事故で事が運べたのも、一重にこの事業の一切を総べられる記念局総裁猊下の御一念と御高徳の然らしむるところと有り難く拝するものであります。

記念展も充実した企画で間もなく開幕いたします。御影堂の大改修工事も着々と進められています。先般解体中に確認された屋根葺き材料の変遷が、創建当初(1632年)は茅(かや)、次に江戸末期が桧皮(ひわだ)、そして明治の日応上人代以降が銅板であったと実物を見せていただきました。一つひとつ手にした時、これを第17世日精上人が御覧あそばされていた、これは第52世日霑上人がと想いを巡らした時、これまで御歴代上人が護持承継あそばされてきた大法の重みと同時に、今日我々に課せられている責務の大きさを併せ知り、思わず襟を正しました。殊に第56世日応上人は明治24(1901)年の夏、2カ月余にわたり中部・関西・九州の各地を御巡教し御影堂第営繕の勧募に当たられました。今回の大改修はその時以来百年ぶりとなります。

さて本年は『立正安国論』の正義を世間に高らかに顕揚して大出陣する年であります。正義とは、末法の御本仏宗祖大聖人御建立の大御本尊を宗旨の本体と仰ぐ吾が日蓮正宗の正法正義以外にはありません。7月の記念大法要、そして精鋭7万5千名の壮大な大結集総会を完遂して、人生の歴史に、そして宗門史上に輝く金字塔を打ち建てて、さらなる未来広布へ向け前進を開始いたしましょう。


○ 重役・藤本日潤御尊能化

平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年の新春、明けましておめでとうございます。

御法主日如上人猊下、御隠尊日顕上人猊下におかせられましては、お健やかに新年をお迎えあそばされ、衷心よりお慶び申し上げます。法華講総講頭・柳沢喜惣次氏はじめ大講頭各位、そして全国法華講員の皆様にもお元気にて新年をお迎えのことと、心よりお喜び申し上げます。

待望の『立正安国論』正義顕揚750年の本年は、年間方針が「正義顕揚の年」と定められました。この「正義顕揚」とは即ち地涌倍増の御命題達成を意味するものと存じます。そして、この御命題の達成を目指す本年の年間実践テーマは、
(1)50万総登山の達成、
(2)7万5千名大結集総会で広布ヘ出陣、
(3)全講員が勤行唱題と折伏の実践、と示されております。

このうち(2)の7万5千名大結集総会は、各支部の全力を尽くしての一極集中によって完全達成が可能と確信いたします。(1)の50万総登山は、一年間にわたる長丁場であるだけに相当の努力を要することは確かでありますが、これも懸命の尽力で成就すると確信いたします。ただし、いずれも(3)の全講員が勤行唱題と折伏の実践が前提となって初めて可能となるのであり、まさに全支部が僧俗和合して、その実践に全力を挙げることが肝要となるのであります。講員各位の懸命の御活躍を期待してやみません。

『立正安国論』は、大聖人様の時の権力者に対する折伏であり、国主諌暁であります。当時は封建政治の時代で、このためあらゆる迫害・大難を被られたのでありますが、大聖人様はむしろこれを喜びとせられました。今は信教の自由の時代であり、いつどこで誰を折伏しようと、誰からも拘束されないのが原則であります。このような時代に、今我々が『立正安国論』正義顕揚750年という大佳節に巡り遭うことができたということは、長い歴史の上で不思議な因縁というべきであり、まことに有り難いことであります。このことを思えば、この大佳節の本年こそ僧俗が一丸となって御法主上人猊下御指南のもと、新たな広布に向かって大出陣をなすべきまことに重要な年と認識し、「一人が一人の折伏」を実践することこそ肝要と存じます。

全国法華講員の皆様の奮起をお祈りいたしまして、一言以て新年のご挨拶といたします。



□ 法華講連合会委員長・柳沢喜惣次総講頭

清々しく迎える『立正安国論』正義顕揚750年の新年、全国の皆さん、おめでとうございます。

御法主日如上人猊下には、いよいよの御健勝にて新年をお迎えあそばされ、ここに御宗門の御隆畠と立宗757年の新春を謹んで寿ぎ奉ります。また、御隠尊日顕上人猊下におかせられましても御壮健にて、限りなく発展していく御宗門の新年を謹んで寿ぎ奉ります。総監・八木日照御尊能化、重役・藤本日潤御尊能化をはじめ、各御尊能化・御尊師方・寺族の皆様にも謹んで新年のお祝いを申し上げます。おめでとうございます。

さて、本年は待望の『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節の年であります。御法主日如上人猊下よりは、7年前からの御隠尊日顕上人猊下の御命題達成は従来からの信心を厳しく見つめ、折伏によって前進していくことを御指南賜ってきたものであります。

皆様方もご承知のごとく、本年の信行は地涌倍増と大結集、50万総登山、就中、7万5千の結集は未曾有のことであり、法華講の精鋭の大総会であります。この大総会実現は、組織の中を掘り起こし、人材を発掘し育成していかなければできません。このことは、我らは深く考えていかなければなりません。

その一つは、信心ということであります。現代社会で生活しているほとんどの人は、この信を観念でとらえているようであります。これは、判っている人に巡り合って教わらない限り、一生かかっても判らないと思います。それは元品の無明が災いしているのですから。この元品の無明が判らない。そこに現代社会の不幸は一人ひとりの心の中に強く根を張っているのであります。

私は若いときに、この無明の体は教わっていたのですが、実生活の中では判りませんでした。この歳になって何となく観ずるようになり、その後は化導ということの難信難解を考えるようになり、身の振る舞いも折伏も変わってきました。信心の評価は短年月ではなく、それぞれの人々の一生が大事な評価となるのであります。

法華経の悉皆成仏はすばらしい教えであります。このたびの大慶事に巡り合える因緑、この立正安国の教えが全世界の民衆を蘇生させること、今日の世界的金融恐慌や経済不況の行き詰まりは皆、餓鬼道の報いであることを認識して、猊下の驥尾に附して本年の信行を全うしてまいろうではありませんか。



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