大白法

平成21年1月16日号


主な記事

<1〜8面>


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正義顕揚750年出陣式を挙行
精鋭7万5千名の大結集に向けて


宗内僧俗待望の『立正安国論』正義顕揚750年の年頭、1月3日午前11時より、澄み切った青空のもと総本山客殿を主会場として「立正安国論正義顕揚750十年出陣式」が、記念局総裁・御法主日如上人猊下、御隠尊日顕上人猊下の御臨席のもと、盛大かつ厳粛に開催された。

この出陣式には、記念局委員長の総監・八木日照御尊能化、同副委員長の重役・藤本日潤御尊能化をはじめ、全御宗門の指導教師が御出席され、記念局副委員長の法華講総講頭・柳沢連合会委員長をはじめ法華講大講頭、総本山総代、法華講連合会幹事・地方部長、全国法華講各支部の1万9430余名、寺族、海外7カ国から50名の海外信徒代表も客殿はじめ大講堂・広布坊・常来坊ほかの各宿坊で参加した。

定刻に御法主日如上人猊下が客殿に御入場あそばされ、題目三唱、開式の辞で出陣式は始まった。地涌倍増大結集推進委員会主任委員の庶務部長・阿部信彰御尊師が開式挨拶で、家庭訪問による掘り起こしと折伏・育成の徹底で7万5千名大結集総会を達成し、さらに1年にわたる50万総登山を完遂し、全講員が主体者となり大折伏戦を展開しようと述べられた。

続く決意で、全国地方部長を代表し地涌倍増大結集推進委員会委員で茨城地方部長の永井大講頭が、僧俗一致・異体同心の団結をもってすべての障魔を乗り越えての、御命題完全達成を誓った。同じく決意で記念局副委員長の総講頭・柳沢委員長は、特別御供養の御礼と御法主上人猊下へ御奉呈申し上げたとの報告の後、世間が生活困難な段階に入った今折伏は急務で、すべての御命題を大成功するため支部内を総点検し、一人ひとりを励ましていくことが大事で、御法主上人猊下の御もと僧俗異体同心、力の限りがんばろうと話した。

続いて、全国宗務支院長を代表して地涌倍増大結集推進委員会委員で神奈川布教区支院長の土居崎慈成御尊師が決意に立たれ、三世に亘る大果報を得る千載一遇の時と心得、不惜身命の精進を誓い、大結集総会の大勝利と50万総登山の完全達成を、全僧俗一丸となり成就しようと話された。

挨拶に立たれた記念局委員長・八木総監は、出陣式の感動と勢いをもって大折伏戦を展開し、『立正安国論』の正義を力強く高らかに顕揚していこう、御法主上人猊下の御指南を正直に実践し、7万5千名大結集総会を大成功させ、一人も漏れなく記念総登山に参加して、50万総登山を達成しようと挨拶された。

ここで、御法主上人猊下より御言葉を賜った。御法主上人猊下は、本年は御命題達成をもって仏祖三宝尊と日顕上人にご報告申し上げるべき御命題完結の年であり、就中7万5千名大結集は次なる戦いへの大出陣式でもあると御指南。精鋭7万5千名大結集総会を完全勝利し、記念総登山を達成し、その勢いをもって大折伏戦を展開し、すべての講中が必ず折伏誓願の達成をと、僧俗一致団結しての精進を望まれた。 

最後に、昨年記念局において募集・決定された新曲のうち「広布の青嵐(かぜ)」が、大坊在勤の学衆の合唱で披露され、閉会の辞、題目三唱により終了した。




御法主日如上人猊下御指南

立正安国論正義顕揚750年出陣式の砌
平成21年1月3日 於総本山客殿


 本日は、立正安国論正義顕揚750年出陣式に当たり、御隠尊日顕上人猊下には親しく御臨席を賜り、まことに有り難く、謹んで厚く御礼を申し上げます。まことに有り難うございました。

 平成14年、日顕上人より「地涌倍増」と「大結集」の御命題をいただいてから7年、本年はその御命題完結の年であります。この大事な完結の年を迎え、本宗僧俗は全力を傾注して、なんとしてでも御命題を達成し、もって仏祖三宝尊と御命題をくだされた日顕上人に、晴れてその結果を御報告申し上げ、御指南にお応えしていかなければなりません。なかんずく「7万5千名大結集総会」は、いまだかつて行われたことがない大結集であり、法華講の精鋭が本門戒壇の大御本尊まします、ここ総本山に集う世紀の大総会であります。

 「精鋭」とは、選り抜きの戦士のことであります。広布の使命に燃え、一天四海本因妙広宣流布の願業達成を目指して、一身を擲(なげう)って広布に尽くす死身弘法の法華講員のことであります。言わば広布の戦士であります。大結集総会に集う7万5千名の法華講の精鋭は、そのまま一人も漏れず、次の広布への戦いの中核となるべき人材であります。すなわち、7万5千名の大結集は、御命題にお応えして7年間の結果を示す大事な意義が存しますが、同時に、次なる戦いへの出発の儀式であり、広布の歴史を築く新たなる地涌の菩薩の大出陣式であります。

 そこで、大結集に当たっては、各講中は現在の可動勢力だけに止まらず、改めて組織を掘り起こし、埋もれている優れた人材を発掘し、育成し、精鋭として陣容を整え、大総会に臨むよう、徹底的に推進を計っていく必要があります。支部のなかには必ず、埋もれたすばらしい人材が多くいるはずであります。精鋭7万5千名の結集のために、講中が強力に推進運動を進めていけば、新しい人材が発掘され、かつ一人ひとりの信心が錬磨されるばかりではなく、組織全体が活性化し、周りに生き生きと作用する力を与え、異体同心の団結はより強固になり、あらゆる障害・困難にも微動だにしない、強靭な広布の組織が構築されてくるのであります。

 大聖人は『四条金吾殿御返事』に、「鍛えぬ金は、さかんなる火に入るれば疾くとけ候。氷をゆに入るゝがごとし。剣なんどは大火に入るれども暫くはとけず。是きたへる故なり」(御書1179ページ)と仰せであります。鍛え抜かれた日本刀のように、匠が心を込めて、何回も何回も焼きを入れて鍛えた刀は、少々の火にはびくともしませんが、鍛えていない、なまくらな刀は火に入ればたちまちに溶けてしまいます。これでは実戦に役立ちません。強盛な信心と広布に挺身する強固な組織を作り上げようと思うならば、信心の錬磨が必要であります。そのためには、それなりの手を打たなければなりません。

 その意味からして、精鋭7万5千名の大結集総会は、与えられた絶好の機会であります。次なる広布への戦いの中核を担う優れた人材発掘と育成のためには、またとない機会であります。そして、大総会に集った7万5千名の精鋭が一斉に立ち上がり、勇猛果敢に折伏に打って出れば、そこからさらに折伏の輪が日本乃至全世界に広がり、大きな波動となって、『立正安国論』の御理想実現へ向かって、大きく世の中を変えていくことができるのであります。そのためには、まず、精鋭7万5千名大結集総会を完全勝利することであります。各講中は全力を挙げて、この7万5千名大結集総会を達成していただきたいと思います。

 またこれは「記念総登山」においても同じことが言えます。御金言に、「須弥山に近づく鳥は金色(こんじき)となる」(同1054ページ)と仰せの如く、本門戒壇の大御本尊まします最勝の地、総本山に登山参詣する功徳は凡智をもってしては計り知れない大きなものがあり、過去遠々劫の罪障を消滅し、三業の悪を転じて法身・般若・解脱の三徳を成ずることは毛頭、疑いないのであります。したがって、講中の全員が老若男女を問わず、互いに声を掛け、互いに誘い合っていくことが肝要であります。

 かつて日顕上人は「支部総登山の目的は、支部の足腰を鍛えることにある」と御指南されています。7万5千名大結集総会と同様に、支部総登山を推進していくなかで獲得するものは、実に計り知れない大なるものがあります。それは個人においても、あるいはまた組織においても、また信心においても、また生活においても実に顕著に表れてきます。そこで培われたものが、今後の広布への戦いの大きな原動力となって、折伏逆化の場に発揮されることになるのであります。されば、我々本宗僧俗は、本年、まず7万5千名大結集総会をはじめ記念総登山を、全力を挙げて達成し、その功徳と歓喜と勝利の勢いをもって広布の大願を目指し、勇躍として大折伏戦を展開していくことが最も肝要であります。

 近年まれに見る世界的な混乱と不況、世界規模での戦争がいつ起きても不思議でない現在の混沌とした世相を見るとき、この窮状を救えるのは、ただ、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の三大秘法の仏法以外にはありません。

 大聖人は『撰時抄』に、「一滴あつまりて大海となる。微塵つもりて須弥山となれり。日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一滴一微塵のごとし。法華経を二人・三人・十人・百千万億人唱え伝うるほどならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるべし。仏になる道は比よりほかに又もとむる事なかれ」(同868ページ)と仰せであります。幸せを築くためには、まず「千里の道も一歩から」であります。

 日顕上人は「一年に一人が一人の折伏を」と御指南せられています。折伏は理屈ではなく、まず行動を起こすことであります。法華講員一人ひとりが広布の使命に燃えて、時を断つことなく、真剣に折伏に励み、二人、三人、十人、百千万億人と次第に唱え伝えていくならば、御金言の如く、広布の大願もけっして夢ではないのであります。全世界の人々を幸せに導く最善の方途こそ折伏であり、折伏を行じていくことは、世のため人のためにはもちろん、自他の成仏のみに止まらず、依正不二の原理が示すように国土世間もまた安穏となるのであります。折伏によって、個人はもとより、全人類の幸せと真の世界平和を実現できるのであります。したがって、謗法の害毒によって世の中が極度に混乱している今この時、我々がなすべき最も大事なことは折伏であります。『立正安国論』の御理想実現の具体的実践方途とは、すなわち折伏であるからであります。

 本年、私どもは、7万5千名大結集総会を完全勝利し、記念総登山を勇躍達成し、その勢いをもって、打って一丸となって大折伏戦を展開し、もって全国すべての講中が必ず折伏誓願を達成するよう、心から願うものであります。幸い、昨年は皆様方の師子奮迅力によって折伏誓顕を達成した支部が多く輩出しました。本年も、その勢いを衰微させることなく、全支部が僧俗一致・異体同心・一致団結して、必ず誓願を達成するよう心から願い、本日の挨拶といたします。



◇決意 記念局副委員長 柳沢喜惣次

皆さん、明けましておめでとうございます。昨年は、前半はプレ大会、後半は支部の折伏誓願達成と、さらに特別御供養も事故なく無事、終わりました。皆様にはまことにご苦労様でございました。就中、御供養は、不況の中を一人ひとりが立派に、世間とは関係ないよと証明してくれた観を、私は深く感謝申し上げるものであります。

先ほど御目通りの砌に、皆様の尊い御供養金39億6069万3813円を、御法主日如上人猊下に謹んで御供養奉りました。まことにありがとうございました。御礼かたがた、ご報告申し上げます。


さて、本年は『立正安国論』正義顕揚750年大佳節の年であります。御法主上人猊下は御登座以来、日顕上人猊下より戴く御命題、地涌倍増と大結集について、法華講はその方途を親しく御指南賜るものであります。以来、ひたすら「蒼蝿驥尾に附して万里を渡る」の『立正安国論』の御文のごとく、法華講は御法主上人猊下に導かれて、輝かしき本年を迎えるものであります。<

御法主上人猊下、御隠尊上人猊下、ありがとうございました。謹んで御礼申し上げ奉ります。

今こうして、総本山大石寺の客殿に、全国から集まった法華講の幹部の出陣式を壇上から見ておりますと、皆様方全員が、末法に出現する地涌の流類が彷彿と瞼(まぶた)に浮かぶものであり、大感激であります。


『開目抄』には、釈尊と地涌の菩薩六万恒河沙の眷属、そして弥勒菩薩をはじめ述化の大菩薩方々が、この地涌の方々の因縁について釈尊の御言葉を待っている場面が、私の脳裏に浮かぶものであります。私は若い時から法華経には文上と文底のあることは聞いてきましたが、今日の境界ではありませんから、掴み方は大雑把でありました。御相伝のない他門の日蓮宗では、今でもこの姿・形の立派な地涌の菩薩が出てくると思い込んでいるようですが、まことに不憫(ふびん)なことであります。それは日蓮大聖人様の凡夫の御姿を、釈尊の色相荘厳と比べ、軽視しているからだと思います。

末法に入って日蓮大聖人様が御出現あそばされ、その大聖人様が法華経の予証のごとくに振る舞われ、中でも『勧持品』の二十行の偈そのままに、竜の口の法難、三類の強敵を伏して、佐渡において『開目抄』は著されるのであります。そこに我らは、大聖人様の弟子檀那の一人であり、地涌の流類であります。我らはこの「地涌の流類」ということを、深く考えていくことであります。

しかしながら、考えろと言われても、そんな簡単なものではありません。なれども一生を通じての信仰でありますから、大御本尊様を信じ奉り、血脈嗣法の御法主上人猊下の御もとにいれば、必ず判ります。全国の末寺には、御住職様が指導教師としておられ、御法主上人猊下の御意は、この指導教師の信心を通じて信徒は導かれるのでありますから、自分の信心が常に指導教師と一体となっているところに、血脈の上の利生を観じ、正しく育成されていくものと私は信じておるものであります。

このことは、折伏をし、その人々の信心を育成し、またすぐ折伏をさせていく信心も同様であります。そこには大御本尊様の利益が現然と存在するからであります。それ故に、自分が先に立って信行に励む。それは唱題であり折伏であり、またその信心が、育成であります。そこに、同心の方々と一体となって、支部は指導教師のもと、強固な団結が出来上がっていくのであります。このように前進していきますと、下種仏法には必ず怨嫉という障魔が出てきます。大聖人様は池上兄弟に対しても、また四条金吾さんにも、この怨嫉からくる魔への信行の上の用心を、細かく御指南あそばされております。


今、世間を見ておりますと、生活は非常な困難な段階に入ってきた様相であります。この災いの原因は謗法から来ることを、我々は知っていなければなりません。そこに折伏は大事であり、また急がなければなりません。

折伏していく中に、「謗らないが、やらない」という人がいます。この人は貪瞋癡の煩悩の強盛な人ですから、顔・形を憶えておくと、またどこかで似たような人に出会った時に、こういう人たちの性欲が判っていますから、悔いのない折伏ができます。折伏は、大勢の人々に下種していく中で、「次の時には必ず入信させていくぞ」との慈念を忘れなければ、その因縁で、自分の信心は格段と成長していくものであります。

今年は、記念大法要・精鋭7万5千名の大結集絵会、そして記念絵登山があります。これら50万総登山を大成功させていくため、支部の中を総点検して一人ひとりを激励していく上に、今のことは大事となるのであります。そこに、困難に遭ったらふだんの数倍、題目を唱える。こういう題目は自(おのずか)ら命が違います。我らは、本年は僧俗異体同心、御法主上人猊下の御もとに、力の限りがんばってまいる決意でおります。皆さん、がんばってまいりましょう!




日蓮正宗三重(サンチョン)布教所開所式
台湾に9番名の法城(台北県)


昨年12月21日、台湾台北県三重市で、台湾第9番目の法域となる日蓮正宗三重布教所の開所法要が、御法主日如上人猊下の御名代として海外部長・漆畑行雄御尊師が赴かれ、厳粛かつ盛大に奉修された。

これには、日本より平安寺住職・高野法雄御尊師、興福寺住職・原山元征御尊師、大妙寺住職・高野顕昇御尊師、覚仁寺住職・早川勤道御尊師、唯成寺住職・長谷顕光御尊師をはじめ有縁の御尊師方が来賓として出席され、また台湾全土から本興院主管・石橋頂道御尊師をはじめ台湾全寺院の御尊師方が御出席。さらに地元信徒を中心に約1,400名の信徒が参詣し、共々に新布教所の誕生を慶祝した。

法要は、2回に分けて行われた。第1回目は午前10時から、主に地元三重地域に住む信徒と本興院信徒が参列して、漆畑海外部長の御導師のもと、御本尊御開扉・献膳・読経・唱題と如法に奉修された。式の部に移り、石橋本興院主管の経過報告に続いて、漆畑海外部長より祝辞並びに布教所責任者・長谷玄雄御尊師の紹介があった。その中で海外部長は「長谷布教所責任者の指導のもと僧俗一致して、まずは明年の折伏誓願目標を達成し、さらに総登山を無事故で成功させていただきたい。その上で、三重地域、また台湾広布、さらには世界広布のため大いに精進され、一層堅固な広布の牙城をこの台湾の地に築き上げていただきたい(趣意)」と述べられ、進展する台湾広布の未来に期待を寄せられた。

続いて、布教所設立に際し浄財を御供養された中西昭・陳翠蘭夫妻に対し、感謝状と記念品が贈呈された。次いで高野法雄御尊師、高野顕昇御尊師、林徳晃講頭から、それぞれ祝辞が述べられた。最後に初代布教所責任者に就任された長谷御尊師から丁重な謝辞があり、本堂で代表者による記念撮影が行われ、法要はとどこおりなく終了した。

第2回目の法要は午後3時より行われた。これには台湾全寺院の代表信徒が多数参列した。法要は午前の部と同じく如法に奉修され、式の部では、経過報告、海外部長の祝辞並びに新布教所責任者の紹介に続き、早川勤道御尊師、長谷顕光御尊師、許童栄副講頭からそれぞれ祝辞が述べられ、長谷布教所責任者の謝辞をもって終了した。

夕刻には、市内のホテルに会場を移し、約550名の僧俗が一堂に会して記念祝賀会が行われ、待望久しかった新布教所開設の喜びを分かち合った。

三重布教所は、地域の幹線道路沿いの新築の商業ビルの2階に位置し、数年後に開通予定の地下鉄の駅から徒歩5分の交通至便の地にある。総面積は公共スペースを含めて約400坪で、その中に約700名収容可能な本堂をはじめ、ロビー・受付・事務所・会議室・庫裡等を備えている。当布教所には、台北首都圏西部地域の約2,700名の信徒が所属することになる。このたびの三重布教所の開所により、台北圏に3カ所の法域が開かれたことになり、信徒の喜びは計り知れない。台湾広布にますます弾みがつくことが期待される。




百貫坊落慶法要より


◎祝辞 記念局委員長 八木日照御尊能化

穏やかな法要日和に恵まれました本日、御法主日如上人猊下の大導師を仰ぎ奉り、また、御隠尊日顕上人猊下のお出ましを賜りまして、当百貫坊の落慶法要がこのように大きな喜びの中、晴れやかに厳かに行われましたことを、記念局といたしまして心からお祝いを申し上げます。たいへんおめでとうございます。

『立正安国論』正義顕揚750年の記念事業のうち、総本山総合整備事業として18ヵ坊建替え新築という大事業の、掉尾(とうび)を飾る法要が本日めでたく行われましたが、振り返りますと一昨年秋に最初の坊の起工式を行ってから、わずか2年余りというまことに短い期間に驚異的なスピードでこの大事業がなされたということは、本当に感激に絶えません。これはひとえに仏祖三宝様の御加護であり、また御当代日如上人猊下の御威徳であり、同時にまた宗内の法華講員をはじめ寺院・御僧侶・寺族など多くの方々の並々ならぬ尊い護法の志によるところでございます。

また、さらに思いますと、今日このように全国の法華講員が活き活きと折伏弘通に邁進し、総本山や末寺の外護にと活動されている隆々たる宗門の基礎を築かれたのは、永年にわたる御歴代上人の御教導によるところであり、就中、前御法主日顕上人猊下は事ある毎に法華講員の信心の倍増、折伏や育成、そして組織の拡充強化等について心を砕かれました。また、画期的な支部総登山を御提唱あそばされて、全国の法華講員が住職と共に毎年お山へ参詣するということが今日定着してきた。そしてその路線を継承あそばされた御当代日如上人猊下の積極的な推進と展開への適確な御指南等、これら様々なことの積み重ねによると、このように深く感謝を申し上げる次第でございます。


当百貫坊の歴史は、遠く1290(正応3)年、日興上人の身延御離山、そして大石寺開創の際にお供をされた摂津公日仙師の建立にかかわるところでございます。この日仙師は、日興上人の一周忌の機会に、かつては上蓮坊と言われておりましたここ百貫坊において、重須の、今の北山本門寺の伊与公日代師と方便品読誦の是非につきまして、いわゆる「仙代問答」が行われたことで有名でございます。その後、日仙師は最初の師匠であります寂日坊日華師が四国のほうに布教されたその跡を継いでそちらへ渡られて、最終的には讃岐の本門寺建立の基礎を築かれたという布教の面で立派な活躍をされた方であります。また日仙師と言いますと、大聖人様から御本尊様を授かっており、現在では東京の常泉寺に格護されております。そういったことも思い起こされることであります。

当坊は近年におきましては、昭和47年、日達上人の時代に一度建て替えられて今日まで推移してまいりました。なお、この百貫坊の「百貫」という名前の由来につきましては、総本山第17世の日精上人がお書き達しになっていらっしゃいます。それによりますと、あると大聖人様が甲斐の鰍沢へお出ましのときに、近くの早川が増水して川越えが難しかった。このときに水の達人であった日仙師が、大聖人様をはじめお供の方々をみんな背中に背負って川を渡られた。そこで、大聖人様から、この大水に百貫の銭を出して買う馬にも負けない働きであったとお褒めの言葉があった、そこから日仙師は百貫公・百貫房と言われるような異称がついたということが伝えられております。

今日をもちまして、先はども御法主日如上人猊下から御言葉がございましたように、今回の計画18ヵ坊はすべて何の蹉跌(さてつ)もなく期日までに出来上がりました。記念局といたしましても関係者各位に満腔の謝意を表する次第でございます。ありがとうございました。

しかしながら、まだまだ為すべきことはたくさんございます。殊に、我々は一天四海皆帰妙法・広宣流布をめざして進む宗団でございますが、そういう意味におきましていよいよ心を引き締めて地涌倍増、広布へ向かっての大折伏戦を展開して、大聖人様、そしてまた御法主上人猊下への御報恩の道を尽くしていくことが大事だと思います。

当坊の佐藤住職は内事部の主任理事として、御法主上人猊下を補佐申し上げる大事な役目を務めていらっしゃいます。明年はご承知のように『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節に当たって、記念大法要をはじめ、精鋭7万5千名の大結集総会、そしてまた年間を通じての50万総登山という大事業を控えておりますが、これらにつきましても、総本山の受け入れの総責任者として、御法主上人猊下の御意志を体して、さらにまた内事部理事の皆さん方を統率しながら十分な働きをしていただけるものと、このように期待をいたすものでございます。

前任地の大阪・豊中市の本教寺におきまして長年ご奉公されておりましたが、先年、転任してお山へお見えになりました。この前任地の本教寺につきましては、長年丹精をして、お寺を建て替えるための費用を蓄え、様々な準備をして、さあこれからというときにお山へ上がられましたが、その意志を継ぎまして後任の方が、立派に本教寺の新築建替えを行われまして、先般、御法主上人猊下の御下向によって落慶法要がめでたく奉修をされました。さらにまた佐藤師は、この百貫坊におきまして、法華講支部の指導教師としての務めを十分に果たし、本年度の折伏誓願目標を早々と100%達成して、余力を持ってさらに前に進んでいくと、このように布教の面におきましても、十分なご活躍をされております。

今後共、御法主上人猊下の御意を体して、この広大な境域を持ちます総本山厳護発展の要として、存分のご活躍を心からご期待をいたしまして、本日のお祝いの言葉といたしたいと思います。たいへんおめでとうございました。



○経過報告 総合整備事業副主任委員 小川只道御尊師

諸天も寿ぐ晴天の今日、総本山第68世御法主日如上人猊下大導師のもと、御隠尊日顕上人猊下の御臨席を戴き、百貫坊新築落慶法要が盛大かつ厳粛に奉修され、まことにおめでとうございます。役目柄、今日の盛儀に至るまでの経過をご報告いたします。

平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年を迎えるに当たって、平成18年4月に記念局が設置され、総本山総合整備事業として御影堂の大改修工事並びに塔中坊建替え工事を行うことが決定されました。これは東海大地震が予想される今日、登山参詣者の安全を第一として検討されたものであります。塔中坊の新築については、佐藤主任委員のもと、建物の基本の案を立案し、実行委員会で作成し、常任委員会で種々検討を加えていただき、全体委員会の承認を得たものであります。

依頼する業者は、かつて奉安堂を建設した株式会社奥村組、また地元川俣組、さらに菊池建設株式会社に決定し、仏具一切は有限会社天晴に依頼をいたしました。当初は古い坊から10ヵ坊の建設より始まり、この百貫坊は計画に入っていませんでしたが、建替え工事が地震対策のためであれば対象となる坊をすべて建て替えるべきという御法主日如上人猊下の強い御意志と、また新たに株式会社金剛組等が工事に参入することにより、この百貫坊を含め追加8ヵ坊の新築が可能になったのであります。

百貫坊の建物の概要を言いますと、構造は木造一部鉄骨造り、瓦葺(かわらぶき)で、本堂広間は平屋建て、庫裡が2階建てであります。本望は129 m(39坪)、高さ10.59 m、六間四面で内部は畳45畳、板の間15畳の大きさです。広間は115畳敷きで三間に仕切られるようになっています。庫裡は1階には来客用に10畳三間とダイニングキッチンとなっております。2階は住職と家族の住まいとなっております。全体で971 m(約294坪)で出来上がっております。


塔中坊はすべて、日本古来の木造建築のよさを考慮しつつ建築基準の1.5倍の強度を保ち、登山参詣信徒の便を考えて、明るく使い勝手のよい仕上がりになっています。この百貫坊の完成により、今年度までの予定18ヵ坊がすべて完成をいたしました。

また、新築工事に関連して東西に共同溝を埋設し、配管・配線等を施し、インフラ関係の安全も整備いたしました。その他、140基のシャワーブースを配した浣衣堂(かんねどう)の新築、外部トイレ2ヵ所の新築、倉庫の新築等も完了しております。残る工事は常来坊と法華講事務所の建替え工事でありますが、これは後日を期して行う予定であります。

さらに、大石寺独自の工事として、大坊内外装の工事、客殿の内装工事、宝物殿の内外装工事と見学通路の整備、駐車場の拡張整備、大石橋の歩道橋の設置工事等、行いました。すべて平成21年の50万総登山、7月の7万5千名大結集に備え、万全を期したものであります。


このたびの塔中坊18ヵ所の建替え工事は、同一敷地内で2年9カ月という短期間、それも無事故で完了したことは、日本の寺院建設史上においても類例のない画期的な大工事であったと言えます。

思えば、先に御隠尊日顕上人猊下の時代には、当山の主要伽藍である六壷、客殿、奉安堂並びに広布坊の新築が行われ、今回、日如上人猊下の御代に塔中坊の新築がなされて、総本山の景観が優美で厳かな姿に一新いたしました。私共総本山在住の者にとって、これほどの喜びはありません。これはひとえに仏祖三宝の御加護と御法主上人猊下の御威徳であり、また、宗内僧俗の赤誠の御志によるものと拝察するものであります。

この上は、百貫坊様をはじめ全塔中の僧俗が「正義顕揚の年」を完全勝利することをお誓い申し上げ、経過の報告といたします。本日はまことにおめでとうございました。



◇祝辞 富士宮市長 小室直義(殿)

一言、お祝いの言葉を申し上げたいと思います。今日は、このお祝いにふさわしい天気でございまして、富士山も今年はたくさんの雪が降って、裾野まで白い雪がたなびいて、本当にすばらしい日と感じております。

こうしたすばらしい日に、日蓮正宗総本山大石寺、立正安国論正義顕揚750年記念総本山総合整備事業の塔中18ヵ坊新築の掉尾として百貫坊新築落慶法要並びに祝賀会が盛大に挙行されましたことに、心からお祝いを申し上げるところでございます。また、このような慶事にお招きをいただいたこと、たいへん光栄に存じております。僭越でございますが、富士宮市を代表いたしまして、改めて一言、ご挨拶を申し上げたいと思います。

御法主日如上人猊下におかれましては、まずもって御健勝のことと、心からお喜び申し上げますと共に、塔中18ヵ坊の新築落慶法要が、このように盛大に執り行われますことに対しまして、衷心よりお祝いを申し上げる次第でございます。まことにおめでとうございます。


さて、来年、平成21年7月には、日蓮正宗総本山大石寺『立正安国論』正義顕揚750年の記念大法要、7万5千名の大結集総会等、多くのお祝いと事業が控えているともお伺いしております。御法主日如上人猊下の御指導のもとに、ここにお集まりの皆様方が一丸となって、この事業が完遂されるものと存じます。事業のご盛会をお祈り申し上げるところでございます。

また私共、富士宮市に対しましては、猊下の深い御理解のもと、この地にあります上野小学校を地震に耐え得る校舎として新しく建替え工事を行っておりますが、これに対する多大な御協力を戴いておりますこと、改めてこの場をお借りして御礼を申し上げるところでございます。

また先日は、お寺の大きな第一駐車場を、災害が発生した場合、市外から駆けつけていただくボランティアの皆さんの活動の場所として使用できるよう、「災害時協定締結調印式」をさせていただいたところでございます。起きて欲しくない災害でありますが、統括指示を出す場所として有り難く活用させていただく所存であり、特段の御抱懐を賜りましたことに、市民を代表して心から、深甚なる感謝の意を表する次第でございます。

御法主日如上人猊下におかれましては、今後共くれぐれも御健康に留意され、これから始まろうとする750年記念事業が盛大に挙行できますことを心からお祈り申し上げまして、簡単ではございますが、お祝いの言葉といたしたいと思います。本日はまことにおめでとうございました。



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