大白法

平成21年2月16日号


主な記事

<1〜5面>

<6〜8面>



back      index      next



布教区別地涌倍増大結集推進僧俗指導会より
全国38布教区で開催、実践三項目の徹底で僧俗一丸の完全勝利を


○立正安国論正義顕揚750年を迎えて 記念局委員長・八木日照御尊能化

今日は、布教区別地涌倍増大結集推進僧俗指導会に当たりまして、大勢の方々が参加されましてたいへんご苦労様に存じ上げます。

御命題完結の年を迎えて

ご承知のように平成14年、奉安堂落慶・30万総登山の終わりに、前御法主日顕上人猊下から、来たる7年後の平成21年は、宗祖日蓮大聖人が宿屋左衛門入道を介して時の最高権力者・北条時頼に『立正安国論』をもって第一回目の国諌をあそばされた年から数えて750年目の佳節に当たる、それまでに「地涌倍増」と「大結集」を目標として大前進しよう、という御命題を賜りました。以来、「広布大願の年」、「破邪顕正の年」、「僧俗前進の年」、「決起の年」、「行動の年」、そして「躍進の年」を経て、いよいよ今年は「正義顕揚の年」、即ち『立正安国論』の正義を高々と顕揚する大事な御命題完結の年を迎えたのであります。

皆さん方は昨年、御法主日如上人猊下から、今年を迎えるために前半はプレ大会の結集に大成功し、勢いを付けて本年を迎えようと御指南を賜り、それぞれの支部から様々な困難をものともせず乗り切って参加され、全国4会場において決起しました。4回を終わってみますと、7万8千名の結集目標に対し8万4千名以上の方々がお集まりになり、さらなる大前進をお誓いしたわけであります。そして後半は、各支部において折伏誓願目標の完遂をという御指南を賜り、僧俗一体となって折伏弘通の闘いを進められました。

御法主上人猊下よりは「指導会において、去年の折伏誓願目標を達成した支部には、おめでとう、よかったね、と言ってあげてください」と言われております。見事達成した支部の皆さん、たいへんおめでとうございました。また残念ながら達成できなかったところは、それぞれみんな悔しい思いをしたかも知れません。でもそれをバネにして、今年は必ず達成しようと元気を出して進むことが大事だと思います。

今年の1月3日には、総本山で出陣式が行われました。参加した方は、折伏に打って出る出陣式で感じたものを、どうか講中の人々みんなに伝えていただきたい。既にいろいろな会合を通じてお話をされたことと思いますけれども、さらにすみずみまであの息吹を伝えて共々に立ち上がって、立派に「正義顕揚の年」を飾れるような活動をしていっていただきたいと思います。


実践三項目を身に体する

今年も実践三項目が打ち出されております。一言一句をそのまま覚えなくてもよいですが、今年はこれとこれとこれだと、3つをきちんと承知していますか。身に体していますか。

一つ目は「50万総登山の達成」です。ずいぶん大きい数字ですから、自分たちとはあまり関係ないと思ってしまうかもしれませんが、自分の講中における本年の記念総登山の目標をしっかりと頭に入れていただきたい。また「我が講中では何回、何月何日」と、年に5回とか10回と、回数を決めていますね。

先般、四国のほうへお伺いしましたときに、女子部の方が決意発表されて、今年は11回の記念登山をい企画しているということで、「自分は11回全部に参加したい。そのつもりで準備をしている」と話していました。そのためには、仕事を休まなければなりませんし、経済的なこともあります。体調もしっかりと調えなければ、11回全部に登山することはできないということで、決意を述べていらっしゃいました。

それぞれ自分の講中の目標を達成するためには、今日ここに参加している皆さん方だけが登山すれば達成できるというわけにはいきません。多くの眷属、同志の人たちを誘い合わせ、全講員を連れ立っていこうという闘いがあるわけです。そのためには一軒一軒を訪ねて、その家の方にお会いして声をかけていくという活動をしなければならないと思います。平成18年に「折伏と育成の心得」という文書が作成・配布されております。せっかく折伏し入信しても育成がしっかりできていないとだめなんですね。支部の皆さんで手分けをして、定期的に家庭訪問をしていくようにということも入っております。

家庭訪問というと、「また嫌な顔をされるかな」という所へは、つい足が遠のきます。「よく来てくれました」という所は気持ちよく行けますが、そういう所は、どちらかというと行かなくても大丈夫なんですよ。そうではないような所へ勇気を奮り起こして行く。御法主上人猊下が「掘り起こし」と仰せられております。これは寝ている人の目を醒(さ)まして喜んで信心をしていけるようにしていこうということです。それは、信心の尊い意義をお話し、「御報恩のためにまたとない『立正安国論』正義顕揚750年は、今年しかないんです。この意義ある年に登山をさせていただいたことが、一生の中において大きな金字塔であり、信心の大きな励みになる。そういう大事な登山なのです」と、御住職と一緒に計画を練りながら家庭訪問を徹底して、年末には「支部総登山の目標を達成した」と言える活動をしていっていただきたいと思います。

それから、記念局の特別御供養が平成18年・19年・20年と3回にわたって行われました。皆さん方が真心からの御供養をお供えされ、そのお陰で立派に総本山総合整備事業等が進み、塔中も19ヵ坊が2年半の間に全部立て替えが出来、立派になりました。お正月に登山された方は、その目でご覧になったことと思います。快適で安全性のある立派な宿坊が、皆さん方の真心の御供養によって建ったわけであります。

また、総本山では記念展を開催しております。当初は大講堂で行う予定でしたが、タイミング良く美術館が返還され、これをリニューアルして宝物殿と命名され、すばらしい展示会ができるようになりました。ことに不思議な因縁であります。皆さん方の支部の活動が、「地涌倍増のあゆみ」のコーナーで、、私が写ってる。あの人も写ってるという写真があると思います。総本山に代々伝えられてきております重要な御宝物も展示されております。それらの展示を拝見して、我々はその後を継いで様々な活動を展開していく決意を固めなければならないと思います。


実践三項目の第二項目は、「7万5千名大結集総会で広布へ出陣」です。本年の7月26日午前10時、総本山におきまして精鋭7万5千名の大結集総会が行われることになっております。

真夏のたいへん暑い時期であり、非常にスケジュールも混み合ったものになっております。また、一度に全国から7万5千名の方が総本山に集合するということは、未だかつてないことであります。いろいろな面でたいへんなことは予想されますけれども、今から準備をし、体調を調え、勇躍して決意も新たに、さらなる広布への出陣の大儀式に参加せられることを心から願うわけであります。


そして第三項目は、「全講員が勤行唱題と折伏の実践」であります。これは、我が日蓮正宗の僧俗の基本であります。勤行唱題は自行という、自らが行う修行であります。どんなことがあっても必ず行うこと、早起きをし法華講員としての誇りを持って行うことが大切であり、生活習慣を正していくことも大事だと思います。そして折伏は化他の行、他人を教化していくこと、地涌倍増の要(かなめ)であります。自行と化他、この二つの修行が車の両輪のごとく、どちらか片一方でもいけない。両方必ず実践して我々は仏道修行に精進していくことが大事なことであります。

本年度の折伏誓願目標を必ず達成しようと、誰の問題ではない自分自身が主体者となってやっていくこと。かつて日顕上人猊下は「一年に一人が一人の折伏をしていこう」と御指南くださいました。なかなか喜んで話を聞いてくれる人はいませんが、下種をすれば必ずその人の心の中に、仏種が植わるのです。その種は必ず芽を出し、いつか信心をするようになります。

大聖人様の御理想は、一閻浮提のすべての人々がこの妙法の功徳に浴する、そういう時を作らなければならない。必ず来るのであります。しかし、我々が座していてその時が来るわけではありません。足で歩き、汗を流して破邪顕正の折伏弘教をしていかなければ、その時を招来することはできないわけであります。この勤行唱題と折伏実践をもって、本年「正義顕揚の年」の有終の美を飾っていただきたい。

本年は、この実践三項目をただ覚えるだけではなく、実際に自分自身が、御住職と共に僧俗一体となって行じ、周りの人を巻き込んで大折伏戦を起こして進んでいっていただきたいと思います。


本宗はこの七百年来、本門戒壇の大御本尊様が信仰の主体であり、私共は御本尊様を信じ、御題目を唱えていくところに一番の根本があります。もう一つは、宗祖大聖人様以来、日興上人、日目上人、日道上人、日行上人と代々の御法主上人が、御内証を大御本尊と共に今日までお伝えあそばされている、ここが根本であります。

ここからちょっとでも踏み外したならば、これはもう日蓮正宗ではない。過去にもそういう者たちがいろいろ出てきました。近くは、池田創価学会もそうであります。増上慢によって「俺が、俺が」というその気持ちが、創価学会が主体で宗門が従であるという思いになってしまう。創価学会という信仰団体がどこから出てきたのか、大御本尊様を信ずるところから始まったのではないですか。根本はこの御本尊様にあります。それを、もう戒壇の大御本尊様はいらないみたいなことを言い、全く信仰の道を外し地獄への道を真っ逆さまに転げ落ちている。そういった人たちが皆さんの周りにもいらっしゃるのではないですか。どうか池田に洗脳されている人たちを迷いから目を醒まさせ、勧誡を受けさせ、元の清らかな信心に戻って、共々に広布へ向かっていこうという、折伏の輪を拡げていただきたいと思います。

御戒壇様と血脈法水が本宗の根本であるということを胸に、さらにまた大事なことは、子々孫々にこの仏法を伝えていくことであります。縦には令法久住で、皆さん方のお子様、お孫さんたちに、この仏法の尊さを身をもって示し、伝え、法統相続をしていくこと。そして横には、ご親戚、さらにまた友人・知人・会社の同僚、様々な知り合いの方にこの妙法を、御本尊様の功徳を伝えていくことで、この活動によって私共の罪障消滅と一生成仏が、必ず叶えられるわけであります。

どうか元気で、本年の実践三項目をもとにして十分なお働きをしていただきたい、このように思います。




◇7万5千名大結集推進の方途 記念局副委員長・柳沢喜惣次

皆さん、こんにちは。私に与えられた課題は「7万5千名大結集総会推進の方途」であります。

大結集の意義

今年は、具体的に実現する年であります。そこで皆さん方の頭の中に、7月26日午前10時・7万5千名の大結集がイメージとして頭に描けるかどうかであります。大半の方が地涌六万大総会のことを思い出すでしょうが、それでは1万5千名足りないですね。このプラス1万5千名が頭に描けなければだめです。六万の前に三万名総会が行われ、そのときは以前の大客殿の前の広場に、1万5千名が入りました。その分が今回はプラスということですね。会場のことは記念局で十二分に勘案されていますが、そうやって考えていきますと、自分自身の頭の中にイメージが涌いてくると思います。今は「ああ、そんなものか」ぐらいで終わっていては本気になれませんからね。もっと現実的に、具体的に考えていただきたいというのが、私の願いであります。

この総会について御法主日如上人猊下は、“広布の歴史を築く新たな地涌の菩薩の大出陣式である”との仰せです。広布の歴史を築くということは、世界広布です。法華講は昔から、広宣流布ということをやかましく教えられています。自分だけでは広宣流布はできませんし、そこに、法統相続がやかましく言われるのです。さらに折伏をして、折伏された者もまた法統相続していく。それがずっと続いて来たのが広布の歴史です。これが御法主上人猊下の御指南と私は拝するものであります。

このイメージが涌かないのは、今日、ここにいるほとんどの方は昭和に入ってきてからの信心でしょう。また、かつてのあの組織では広宣流布の歴史は教えません。広宣流布という言葉だけを振り回して使っているが、その体がどういうことかは、判らないから触れていないのです。

また地涌の菩薩の出陣式というのには、地涌の菩薩と自分たちとどういう関係があるのかをよく理解しなければだめです。地涌の菩薩が末法に出てくるということと、それが、あなた方一人ひとりだということ。「我々はそんな立派な菩薩ではない」と思われるかも知れませんが、そんなことは判っています、また立派だとは申していません。その義は何かと言うと、末法において戒壇の大御本尊様に南無妙法蓮華経を唱えているということが大事なんです。『涌出品』で、お釈迦様の本に出てくる地涌の菩薩は、南無妙法蓮華経を唱えながら出てきたのではありません。しかし、釈尊滅後の末法の弘教には密接な関係があります。予証のごとく末法に、南無妙法蓮華経を唱える者が一杯出てくるということ。それがみんな日蓮大聖人様からの血脈嗣法の御法主上人猊下の流類(るるい)なんです。だから、今まで自分の頭の中に描いてきたイメージは、全部捨てなければだめです。


世の中の変化と安国論

次に50万総登山の問題です。今、世界は御法主上人猊下の御指南の通り、謗法の害毒により混乱しています。餓鬼道によって極度に混乱しているということ。そういう現状を思えば、折伏を急がなければだめです。

アメリカに端を発した金融不況、経済恐慌の問題でありますが、アジアよりもヨーロッパの被害がひどいのです。なぜかというと、あちらの国々の人は、金がさらにまた金を生むような考え方や生活をしているようです。つまり株です。アジアはかつては、利殖のために株などやって来ませんでしたが、近年は日経新聞の株の欄をOLまでが見ている。その辺からおかしくなってしまったんですが、これはごくごく最近の問題です。ところが欧米は筋金入りの資本主義で、昔から金が金を生むと。そのためには、日本が最も大事にする義理、人情よりはやはり金だと。そういうところから、世の中は混乱しています。

最近の報道を見ていますと、日本も3年ぐらい先になったら景気が回復すると言っている人もいますが、本当だろうか。信心の目で見ていますと、あれをまともに聞いていたらだめですよということです。なぜかと言うと、謗法にはこの大変化が判らないのです。我々は既に750年も前から、『立正安国論』によって教わるごとく、現状は謗法の報(むく)いですから、3年やそこらで立ち直れるような安易な問題ではありません。そこに折伏をし、題目を唱えさせる。そうすれば現状が正しく判るようになる、ということですね。そこに、大御本尊様の功徳力を今、世界の人々がみんな待っているんです。

ところが、信心していながら、そうは思えない人もいる。それは、自分も謗法と変わらないような考えで、困ったときには行政が面倒を見ていくんだと思っている。行政は面倒を見切れないのに、それでも行政に何とかしろという考えです。いつからこんなに愚(おろ)かになってしまったのかというと、敗戦後からの邪説です。このことは、一人ひとりが真剣に考えていかなければだめですよ。

そこで折伏は、今までのような考え方をまず捨てること。大聖人様は、臆病な心、また欲深い心、疑い深い心、さらにまた物を憶えようとしない心の4つを挙げておられます。そこに臆病故に最終的な責任を怖くてとらないで、他人(ひと)にやらせて上手に立ち回ろうとするその心を捨てて、真剣に御題目を唱えて折伏に励み、信心の強盛な人々と力を合わせて、支部の中を一変させていくことが大事です。


若手の育成

そうなっていくところに、若い方々がまた、出てこなければだめです。今の中学生・高校生を、まだ子供ぐらいに思っているかもしれませんが、彼らは3年もすれば青年になって、戦力です。見ていますと、今一番折伏しているのは昔からの60代、70代の方々です。入信してくるのも、その因縁ですから60代か70代。なぜ若い人たちがもっと出てこないかというと、私は年輩者に信心の魅力がないからではないかと思えるのです。

そこで、具体的に何をすべきかというと、一つ目には、支部内の組織と人間関係を総点検してみることですね。支部の一人ひとりに至るまで総点検をして、御法主上人猊下の御心を「こういうことを仰せられているんだよ」と伝えていくことが大事ですね。

二つ目には、利益を感ずる信心に励ませることです。拝んでいて利益を感じない、これは問題ですね。これだから子供にも言えないんですよ。ましてや他人に言えない。

そして三つ目には、御報恩の御講に連れ出す、また折伏に一緒に連れて行く。仏様はただ歩かせません。いろいろな姿が目に入ります。このことを『白米一俵御書』には、「まことの道は世間の事法にて候」(御書1545ページ)と仰せです。それを10年も20年もやってご覧なさい、びっくりするほど利口になります。昔から、旅すること、歩くことでいろいろな姿を目にし、それによって因果関係がだんだん、自分なりに判ってきます。

そうして、「50万総登山の達成」、「7万5千名大結集総会で広布への出陣」、「全講員が勤行唱題と折伏の実践」この三項目を毎日の朝の勤行のときに御祈念していくと、知らず知らずの間に信心のイメージが正しく涌いてきます。みんなは何かしら頭の中に、信心以外のものを自分なりに持っているんです。だけど、信心の上のイメージを正しく描けなければだめです。自分の頭の中に描いている形の中に、他人を傷つけたり、自分も愚癡(ぐち)の中に落ち込んでいたり、みんな頭の中で考えているだけだからです。考えというより、自然とそれが身体から離れない。折伏をしていきますと、そういうものをいつの間にやら捨てられて、慈念の心になっていくということであります。

以上。がんばってまいりましょう。



back      index      next