大白法

平成22年1月1日号


主な記事

<1〜3面>

<4〜8面>


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立宗758年の新春を寿ぎ奉る


総本山第68世御法主日如上人猊下 新年の辞


 立宗758年の新春を迎え、御隠尊日顕上人猊下には御機嫌麗しく新年をお迎えの御事と存じ上げます。また、全国法華講員御一同には、清々しく新春を迎え慶賀の至りに存じます。

 本年、宗門は僧俗一致の盤石なる体勢を構築して、来るベき平成27年・同33年の新たなる目標へ向かって、力強く前進すベき誠に大事な年を迎えました。

 今、国内外を見ると、温暖化による地球規模での異常気象、生態系の変化、飢饉や災害、更に戦争や動乱、至る所で起きているテロや暴動、世界的な経済不況、政治への不満と不信、ますます凶悪化する犯罪など、悲惨で不幸な事件が頻発し、混沌とした世相を映し出しています。

 こうした人心が極度に混乱した濁悪の世の中を救っていく唯一最善の方途こそ、「仏法は体、世間は影」の原理に随って、末法の御本仏・宗祖日蓮大聖人の正法正義を受持する我等一人ひとりが、地涌の使命を自覚して、一切衆生救済の大願に立ち、一人でも多くの人に妙法を下種し、折伏を行じていくことであることを銘記しなければなりません。

 而して、折伏を行ずるに当たって大事なことは種々説かれておりますが、その根本となるものは慈悲であります。

 大聖人は『諌暁八幡抄』に、「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月廿八日より、今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし。只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり。此即ち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり」(御書1539ページ)と仰せであります。

 折伏は、この御本仏の広大深遠なる大慈大悲を我が身に移し、一途に相手の幸せを願う一念に徹して励むことが肝要であります。この一念がないと「慈無くして詐(いつわ)り親しむは彼が怨なり」の譏(そし)りを受けることになります。

 『法華経安楽行品』には、法を説く者の心得として、「嬾惰の意(こころ) 及び懈怠の想(おもい)を除き,諸の憂悩を離れて 慈心をもって法を説け.昼夜に常に 無上道の教を説け.諸の因縁無量の譬喩を以て 衆生に開示して,威(ことごと)く歓喜せしめよ.衣服臥具 飲食医薬 而も其の中に於て 稀望する所無かれ.但一心に 説法の因縁を念じ 仏道を成じて,衆をして 亦爾ならしめんと願うベし」(法華経390ページ)と説かれています。

 即ち、怠慢・横着・無精・懈怠・懶惰の心を除き、憂いと悩みの迷いを離れて、慈悲の心を以て法を説き、昼夜の別なく無上道の教えを説き、諸の因縁と譬喩を限りなく語り聞かせて人々に仏の教えを説き示し、皆を歓喜せしめ、美しい衣服、柔らかな寝具、美味なる飲食、貴重な医薬があってもそれを求めず、ただ一心に法を説く者の因縁をもって、自らも仏道を成じ、人々もまた仏道を成ずるように願うべきである、と仰せられているのであります。この文は四安楽行のうち、口安楽行の一文でありますが、現代においても通用すべき教訓であります。

 就中(なかんずく)、「慈心をもって法を説け」との文意をよくよく拝し、折伏を行ずることが最も肝要であります。今、宗門は僧俗挙げて大折伏戦に臨むべき大事な時を迎え、一人ひとりが慈悲の心を持って折伏に励まれますよう心から願うものであります。

 『報恩抄』には、「日蓮が慈悲曠大(こうだい)ならは南無妙法蓮華経は万年の外、未来までも流るべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超へ、竜樹・迦葉にもすぐれたり」(御書1036ページ)と仰せであります。

 各位には、この御金言を心肝に染め、愈々御精進されますよう心から願い、新年の挨拶といたします。

 以上




御隠尊日顕上人猊下 新年の辞


 宗旨建立第758年、並びに宗祖日蓮大聖人御聖誕第789年、更に第二祖日興上人御生誕765年の輝かしき新春を、宗内信徒皆様と共に迎え奉り心より慶祝申し上げます。おめでとうこざいます。

 末法の現代は、真実の正理に背きながら、永年の宗教上の習慣を盾にして、偽善の宣伝をふり撒き、道理と文証と現証という鉄壁の原理に無知な人々を籠絡(ろうらく)する「似非(えせ)宗教」が何と多い事でありましょう。

 例えば阿弥陀仏への帰依は、先ず第一に道理に背いております。科学上の認識よりするも架空の仏であり、その帰依に真実・確実な実効はありません。しかるに「悪人こそ救われる」などへんな唱(うた)い文句で、宗教の真実性をゴマ化し、善悪の価値観をいよいよ混乱せしめています。

 その他各宗教も同様で、正しい文証に全く欠け、真実の真理と仏法に対する総無知的現象によって、あらゆる好ましからざる事態、則ち政治と国民生活の腐敗堕落、偽善の悪徳、犯罪の増加等々が惹起されております。これまさしく、正しい仏法に背く悪現証であり、「十不善業道・貪瞋癡倍増」の経文の示す処です。

 この悪世の根元的救済を、あらゆる大難を忍んでお示し下さったのが、末法出現の本仏日蓮大聖人であり、唯我与我本門弘通の大導師たる二祖日興上人であります。

 そして此の大仏法を血脈付法の上に、今日の現代社会に広宣流布し民衆を救うべく、宗内を統率し折伏大前進を教導し給う方が第68世法主日如上人猊下であられます。昨年の7月26日、総本山にて7万8423名の地涌精鋭の大結集と不思議な当日の悪天候を打ち破る大晴天の現証こそ、まさに濁悪世に正法の広布する瑞相と確信いたします。

 日如上人猊下は、来る平成27年、二祖日興上人御生誕770年の年までに地涌五割の増加、そして平成33年宗祖大聖人御聖誕800年の意義深き年に80万の地涌の輩出を御指南下さいました。

 柳沢総講頭始め法華講員の皆様には唱題・折伏の意義が現当二世の大福運を得ると共に国家社会を清浄ならしめ、貧窮(びんぐ)・下賤・孤露(ころ)の境界と無益の闘諍を救う大法なるを更に確信され、御指南にお応えすべく一層御精進せられますよう祈念申し上げ、一言新年の挨拶といたします。



○ 総監・八木日照御尊能化

平成22年・立宗758年の新春、明けましておめでとうございます。

御法主日如上人猊下、並びに御隠尊日顕上人猊下におかせられましては、ますます御健勝にて新年をお迎えあそばされ心からお慶び申し上げます。法華講総講頭・柳沢喜惣次氏、大講頭各位をはじめ、全国の法華講員各位には「広布前進の年」の新春を、新たなる決意を胸に勇躍出陣されたことと存じます。

昨年の「正義顕揚の年」は、年間実践テーマの、全講員が勤行・唱題と折伏の実践を徹底し、50万総登山の達成、そして7万5千名大結集総会を見事に勝利し、宗門史に輝く金字塔を打ち立てることができました。まことにご苦労様でした。

あの7万5千名大結集総会の歓喜の躍動を以て、新たなる御命題である平成27年までに全支部が講員数を50%増加することと、平成33年までに法華講員80万人の体勢を築くことの達成に向けて、大前進を開始いたしました。

御法主上人猊下は、「法華講は今まで、結集の戦いはすべて勝ってきました。しかし、次は折伏の戦いを完全勝利することであります。折伏なくして広宣流布は達成できないからであります」(大白法771号)と本年からの闘いは折伏の一点に尽きることを強く御指南あそばされています。一人ひとりが広布の戦士として実証を示していかなければなりません。

宗門といたしましては新出発に当たり、宗務院に布教部を新設し、強力に布教推進を図る体制を整えました。全国の法華講支部においては指導教師のもと、僧俗一体となって大折伏戦を展開してまいりましょう。本年からの折伏は80万体勢を見据えて講員数の増加を図ることにあります。新入信者の育成を着実に図り、登山の推進をしっかり行い、名実共の法華講員の増加でなければなりません。勤行・唱題を根本にして不断の折伏実践と、総本山参詣による大功徳を全講員が享受できるよう、具体的な計画による組織戦が大切であります。

新たなる御命題を確実に達成すべく、最初の今年、「広布前進の年」を勇猛精進して堂々たる出発をいたしましょう。


○ 重役・藤本日潤御尊能化

平成22年・「広布前進の年」の新春、明けましておめでとうございます。

御法主日如上人猊下におかせられましては、いよいよ御壮健にわたらせられ、宗内をみそなわせ給うこと、この上ない喜びであります。また、御隠尊日顕上人猊下におかせられましても、ますますお健やかにおわせられますこと心よりお慶び申し上げます。法華講総講頭・柳沢喜惣次殿をはじめ、全国法華講員ご一同様にもお元気にて新年をお迎えのことと、慶賀申し上げます。

昨年、「立正安国論」正義顕揚750年は、記念大法要並びに7万5千名大結集総会、さらに年間50万総登山が行われ、御報恩の誠を尽くすことができましたことは、まことに喜びに堪えません。

本年は、この大総会の砌に御法主日如上人猊下より賜った新たな御命題たる、5年後の二祖日輿上人御生誕770年までに全法華講支部が50%増を達成し、さらに平成33年の宗祖大聖人御聖誕800年までに法華講員数80万人の体勢を築くことを大目標に、異体同心・僧俗一致して新たな大前進を開始すべき、まことに重要な年であります。

大聖人様は、「一H(いってい)あつまりて大海となる。微塵つもりて須弥山となれり。日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一H一微塵のごとし。法華経を二人・三人・十人・百千万億人唱え伝うるほどならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるべし。仏になる道は此よりほかに又もとむる事なかれ」(御書868ページ)と仰せであります。

我々の日常における朝夕の勤行・唱題と真剣な祈り、そして弛(たゆ)まぬ地道な折伏の小さな積み重ねが大切であります。そして、こうした一人ひとりの一H・一微塵の努力こそが、ついには大きな広宣流布への大河となって怒濤(どとう)の前進を続けていくことを確信して、いよいよのご精進を心より念願いたしまして一言以て新年のこ挨拶とさせていただきます。



□ 法華講連合会委員長・柳沢喜惣次総講頭

清々しく明ける平成22年「広布前進の年」の新年、おめでとうございます。 御法主日如上人猊下には、昨年は『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節の年、総ての行事を恙(つつが)なく行じ奉り新年をお迎えあそばされ、ここに御宗門の弥栄(いやさか)を謹んで寿ぎ奉ります。また御隠尊日顕上人猊下におかせられましても、ますます御壮健にて新年をお迎えあそばされ、謹んで寿(ことほ)ぎ奉ります。また総監・八木日照御尊能化をはじめ、各御尊能化・御尊師方・寺族の皆様にも、謹んで新年のお祝いを申し上げます。

さて、本年は「広布前進の年」として、法華講は御法主上人猊下の御もと、全国一斉に5年後の御命題達成に向かって僧俗が一体となってスタートしました。昨年は御宗門未曽有の7万5千名大結集総会も見事に成し遂げ、さらに50万総登山も立派に成就し、その節、宝物殿における忍難弘通の記念展、そして布教講演会と、ご参詣の皆様方には生涯にわたって忘れられない思い出となったことと存じ上げます。私も記念展を3回見学いたすも尚、心残りいたしておるものであります。

新年に当たって、私の胸中は『十字御書』の御意であります。正月に対しての考えは幼稚な信心で、今はたいへん恥ずかしく思っております。日淳上人の御著述の『聖訓講話』には、「御文の後段に、正月に法華経を供養せられし功徳を讃嘆遊ばされておりますが、法華経は久遠元初を説き明かされ、無始の境に立ち返ることを教えてあるのであります。恐らく正月を大事に祝うことは、法華経より出たことと思われます。正月において法華経を供養することは、これも意義のあることで、正月の行事に魂を入れることになります。功徳、その心構えこそ、一切の幸を招きよせる根元であります。(中略)凡夫はそうと知りながらも、なかなかそうはまいりません。そのため、日蓮大聖人は久遠元初の三大秘法を建立し、私共の頸にかけてくださったのであります。私共は御本尊を信じ奉って、365日、新年の心持ちで暮らしたいものであります」(聖訓講話6ページ)と御述べくださっております。

私は自らの信心に慙愧(ざんき)の念を深くし、5年後の御命題に向かって勇猛精進してまいる決意でおります。それには折伏の勢い即ち、僧俗の団結・異体同心の信心が大事であります。

新年に当たり皆様のご健勝と各支部のご活躍を御祈念申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。


□ 法華講連合会副委員長・石毛寅松大講頭

御法主日如上人猊下並びに御隠尊日顕上人猊下におかせられましては、ますます御健勝にわたらせられ新年をお迎えあそばされましたことを、衷心より謹んでお祝い申し上げます。また日蓮正宗総監・八木日照御尊能化、日蓮正宗重役・富士学林長・藤本日潤御尊能化をはじめ、各御尊能化、各御尊師方にも、ますますご健勝にて「広布前進の年」の新年をお迎えなされましたことを、心よりお祝い申し上げます。

御宗門におかれましては、「広布前進の年」の意義を体し、新たな御命題の達成を期して本年の「年間実践テーマ」として、

@勤行・唱題で広布へ前進
A折伏実践で講員増加
B全講員で支部総登山

の三項目をお示しくださいました。この三項目を単なる「スローガン」で終わらせることのないよう組織を活かし、二人、三人と組んで家庭訪問をし、また一緒に勤行し、一緒に下種・折伏に歩き、全講員が支部総登山に参加していくという「地道な実践」が大事であり、この一つ一つが「広布前進の年」の私たち法華講員の信行であります。

諺(ことわざ)に「羊頭狗肉(ようとうくにく)」とありますが、「羊の頭の看板を出しながら実際には狗(いぬ)の肉を売る」という意味で、見せかけだけ立派で実質が伴わないことです。本年、我々法華講は、御宗門より示された実践テーマの一つ一つを着実に実践し、「羊頭狗肉」とならないよう、堂々と実証を示していこうではありませんか。

御隠尊日顕上人猊下はかつて、「一切を開く鍵は唱題行にある」(大日蓮635号)と仰せくださり「造次顛沛の唱題」の大事について、御指南を賜れました。

また御法主日如上人猊下は、「広宣流布というのは折伏であります。唱題をしっかり行って、広宣流布のために折伏をしていきなさい。ただ唱題が唱題だけに終わってしまったのでは、日顕上人猊下の御指南に反することになってしまうのであります」(趣意、大白法735号)と御指南を賜れております。

さあ「広布前進の年」を、みんなで元気一杯、大歓喜して下種・折伏に歩き、唱題行の功徳を実証して大前進をしていこうではありませんか。



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