米国連邦議会下院報告書の概要


このページでは、前クリントン政権のジャネット・リノ司法長官の公務に関して、米国連邦議会下院の政府改革委員会(ダン・バートン委員長)が行った調査の報告書:『司法省に対するジャネット・リノの管理責任』(Janet Reno's Stewardship of the Juctice Department : A Failure to Serve the End of Justice)に記述された創価学会の違法行為―クロウ裁判の為の違法な情報工作について紹介したい。


現在、日本の東京高等裁判所で審理されている『クロウ裁判』は、三つの要素から構成されている。すなわち、(A)猊下がシアトルで売春婦とトラブルを起こしたとする創価学会の報道に対する宗門側の提訴、(B)その決定的証拠が発見されたとする創価学会の報道に対する宗門側の提訴、(C)決定的証拠など存在せず仮に存在したとするならば創価学会の違法な情報工作によって捏造されたものであるとの宗門の報道に対する創価学会側の提訴の三つである。

本裁判では、(A)を『H4事件』、(B)・(C)を『H7事件』と通称しているが、このうち『H7事件』は創価学会の陰謀を突き崩す鍵になると思われるため、本サイトでは、以前より『もう一つのクロウ裁判 〜学会敗北への序曲〜』の特集を組んで“ハッフ文書”を紹介し、また筆者、本件の東京地裁における証人尋問を傍聴してそのレポートを『平成11年10月26日の裁判の情報』に掲載してきた。

件の、下院報告書はインターネットで誰でも閲覧することが可能であり、

などが公開されている。

要旨は、仮に『アベ』がそのような事件に巻き込まれたとしても、そのような情報が記録としてデータ―ベースに残ることは事実上あり得ない、仮にそのような情報が存在ししかもそののち『削除』されたのであれば、BOP(刑務所局)内の創価学会員が仕込んだ(planted)したものであるとの見解を、フィル・マニュエル氏(創価学会のポストン弁護士に雇われた調査員)の供述を通じて記述し、NCIC(全国犯罪情報センター)の深刻な問題が引き起こされたと指摘している。また、創価学会のポストン弁護士が友人の立場を利用して司法省の高官(ジョン・ホーガン司法長官主席補佐官)に圧力をかけ違法に情報を引き出したことが明かされている。


これらは、上記(C)において創価学会が問題にしている宗門側の報道と軌を一にするものであるから、この下院報告書を証拠文献として提出することで、(B)・(C)に関する宗門側の勝利が常識的に確定すると考えてよい。また、このような創価学会の違法な情報工作が米国正負当局の公式な調査によって明らかにされたことによって、(A)に関しても東京地裁の判決(“迫真性”云々)も再検討の必要に迫られることは明らかである。特に、元警官・スプリンクル氏が創価学会から毎月4000ドルもの大金を受け取っていた事実などは、事実上の買収行為と認定してもさしつかえないのではないだろうか。

東京地方裁判所が、具体的な証拠の数々と、法の正義に照らして順当な判決を下すことを切望するものである。なお、参考資料として『赤旗』の関連記事を転載し第一報とする。

2001/02/16


しんぶん赤旗 2001年2月5日 月曜日
日刊第18059号


シアトル事件

1991年に日蓮正宗(宗門)を破門された創価学会による宗門と阿部日顕法主攻撃のひとつ。92年6月17日付「創価新報」が「これが邪淫僧・日顕の正体だ!」という記事を掲載。当時学会シアトル支部長の女性信者の証言を唯一の根拠に、阿部氏が29年前の63年に渡米した際、セックス・スキャンダルを起こしていたとの攻撃を開始しました。宗門側が機関紙で「事実無根」と反論すると、同女性支部長が“私をうそつき呼ばわりした”と、米法廷に提訴。しかし創価学会側の敗訴となりました。日本国内では宗門側が名誉毀損による損書賠償を求めて提訴。一審(昨年3月)が賠償請求を退けたため、宗門側が控訴しています。


報告書表紙 創価学会 宗門攻撃の材料 米で違法入手
下院委報告で明るみに

【ワシントン3日坂口明記者】対立する日蓮正宗の阿部日顕法主の“不祥事”を暴く目的で創価学会関係者が違法に情報を入手しようとしたことが米国下院委報告書で明るみに出ました。また同関係者が犯罪記録を改ざんした疑惑も浮上しています。

これは、クリントン前政権のジャネット・リノ司法長官に、長官として不適格な行為があったとする、下院政府改革委員会(ダン・バートン委員長)の昨年12月発表の長文の報告書「司法省に対するジャネット・リノの管理責任」で明らかにされています。

創価学会は1992年以降、阿部法主が米シアトルでセックス・スキャンダル(通称「シアトル事件」)を起こしたとする非難キャンペーンをしていますが、違法行為はこれに関連して行われたもの。

同報告書によると、創価学会ば米国内の学会主任弁護士らを動員。学会に依頼された弁護士が、合衆国法典違反を承知しながら、阿部氏に関する情報を入手しようとしました。また、学会に近い人物が「阿部氏に不利な証拠をねつ造」しようとした可能性も指摘しています。


創価学会の違法行為
米高官に工作 司法省決定覆させる

1991年に日蓮正宗から破門された創価学会は、宗門と阿部法主を激しく攻撃。92年6月には、・阿部氏が29年前に米国シアトルでセックススキャンダルを起こしていたという記事を「創価新報」に載せました。日蓮正宗側は、これに全面反論。そのため創価学会は、スキャンダルの“証拠”探しに力を入れました。創価学会側の違法行為は、この時期に行われています。

報告書によれば、米国での創価学会の主任弁護士バリー・ラングバーグ氏に依頼された私立探偵は94年末、刑務所局(BOP)の情報源とみられる人物を通じて、阿部氏と思われる人物がシアトル警察で一時「拘留」されたとの全国犯罪情報センター(NCIC)の情報を入手しました。(同情報はその後「削除」されたことが判明=別項)

報告書 創価学会はまた、リノ司法長官の友人であるマイアミのレベッカ・ポストン弁護士らにも調査を要請。ポストン弁護士は情報公開法に基づき、阿部氏に関する情報の開示を要求しました。しかし司法省は、「当事者の許可なしには刑事事件件にかかわる情報は公開しない」、「そのような記録有無について否定も肯定もしない」という同省の方針に基づいて、95年4月、この要求を却下しました。

ところがボストン氏は、友人であるジョン・ホーガン司法長官首席補佐官を通じて、この決定を覆すため司法省高官と面会させるよう強く迫り、同年6月にジョン・シュミット司法次官補と会見しました。その結果、「記録の有無について否定も肯定もしない」方針に反して、阿部氏に関する記録の有無が明らかにされました。その結論は「記録は存在しない」というものでした。

創価学会はこの時期、「聖教新聞」などで「日顕の『シアトル事件』に決定的証拠」(95年1月8日)などのキャンペーンを張りました。しかし、その“情報源”は明らかにされませんでした。

下院政府改革委員会がこの問題を重視するのは、ポストン弁護士らの行動が、「権限なしに、どのような記録をも横領、窃盗した者を重罪とする」と定めた合衆国法典18・641に違反している点です。この規定は、これまで、政府情報を売却した個人を起訴するために用いられてきたものです。

同委員会はその上で、この違法行為を知りながら、司法省がそれを調査せず、刑事情報に関する同省の政策の適用除外にしたことを重視。リノ長官の責任を指摘しています。


公文書改ざんの疑いも

米下院政府改革委報告書はまた、阿部氏に関するNCICの情報とされるものが、一度は入手したとされながら後に「削除」された問題を重視し、創価学会関係者が米公文書を改ざんし、事件をでっち上げようとした疑いを指摘しています。

報告書 報告書は、▽「もし阿部氏が63年に小さな事件で拘留、釈放されたとしても、それについてのコンピューター記録が存在していることはありそうにない」▽ポストン弁護士に調査を依頼されたフィル・マニュエル氏が下院政府改革委員会スタッフに「BOPの情報源は創価学会員であリ、また(「シアトル事件」について最初に語った創価学会員の)ヒロエ・クローの友人または仲間だと信じる」とのぺたが、「もしそうなら、この人物は阿部氏に不利な証拠をねつ造する動機を持っていただろう」▽「ポストン弁護士の弁護士の調査要求に基づき司法省が調査しても、阿部氏に関する何らの記録も見つけられなかった」−−ことなどを指摘。

「阿部氏に関するNCIC情報は、BOPの最初の情報源によって仕込まれた(planted)と関係者は推測している」とし、もしそうであれば「NCICのデータベースの管理責任に関し深刻な問題が引き起こされ、司法省がこの問題を調査しなかったのは一層面倒なことになる」と指摘しています。これは米刑務所内の創価学会につながる人物が、公文書(NCIC記録)を改ざんしようとした疑いを指摘するものとして注目されています。

同報告は創価学会について「一千億ドル以上の資産をもち、公明党をコントロールしている」と紹介。米国でもマイアミの120エーカー(49ヘクタール)の施設など「相当の不動産」を有しているとしています。