明けても暮れてもジャズばっかり聴いてる時期もあれば、
他に浮気してみたくなる時もありますよね。
って事で気楽にジャズ以外の私の好きなアルバムを紹介してみたいと思います。
結構変なモノも紹介する鴨…。
思いついた順なので何のデーターベースにもなりません(笑)。
TASTE OF SWEET LOVE / VARIOUS ARTISTS (TRYCLE) | |
日曜日の夜7時半と云えば、カルピス提供のまんが劇場が 子供たちの定番でした。 まだアニメなんて言葉もなくて、テレビまんがって云ってた時代です。 ムーミンやハイジやフランダースの犬や母をたずねて三千里や…。 その後提供がハウス食品に変わっても名作を沢山残しました。 このアルバムはそんな誰もがノスタルジーを感じる名作まんがの 心に残る主題歌を色んなミュージシャンが演奏したコンピものです。 ジャケット、タイトルを見て甘い郷愁に浸れると思ってたら…。 かなり灰汁の強い濃厚なアルバムでした〜(+_+; 様々なタイプのミュージシャンが参加していて個性を爆発させてます。 あまり詳しくない私が知ってるのは小川美潮とさねよしいさ子くらい。 きっとインディーズやライヴハウスで活動してるミュージシャンなのかな? 中でも強烈だったのがTAMAKI OGAWA & NUNCHAKUによる メタル系"草原のマルコ"(笑)。 そしてあっちの世界にイッちゃってるJONの"ミスターアンデルセン"。 一度聴いたら…うなされます(爆)。 話はそれますが、そんなJONの自己名義アルバムが 「SMOKE/(TZADIK)」です。 全編彼女作詞作曲によるオルガンの弾き語りなのですが、 間違いなく彼女はオルガンが弾けません(木亥火暴)。 ハーモニーなんてお構いなしに子供が鍵盤を叩く様に オルガンとじゃれてるだけです。 しかも作詞作曲とは云ってもその場で思いついた言葉を 外れた音程で唄ってるだけです。 更に録音も彼女自身がこなしていますが、 ラジカセで録音ボタンを押してるだけです。 その証拠に曲の終わりで毎回ブチッってノイズが入ってます(爆笑)。 オソルベシJON! ちなみにレーベルを見てお気づきの方もいはると思いますが、 このアルバムのプロデュースにはジョンゾーンが絡んでいます。 おそるべしJOHN! |
THE MUSICAL CHIMES / 五島良子 (POLYSTAR) | |
五島良子の転身には驚きました。 初期の彼女は、女性らしい感性を表面に出して、 恋愛や日常についてファニーヴォイスで唄ってました。 その中では個人的に「GOSHIMA 4/(SONY)」が好き。 曲調は結構ベタなものも多いのですが、 アレンジと声質が見事にマッチしていて気持ち良いです。 "HONEY COMES & HONEY GOES"などは、その例。 また、スタジオの中でふざけて録ったテイクを採用した "SHOW GIRL"なんかも楽しい。 そして「GOSHIMA 4」の延長線上のアルバム 「FROGGIE/(SONY)」を最後にレコード会社を移籍し、 180度音楽性を変えた「PIERCED/(POLYSTAR)」を発表。 ローファイな音作り、ソウルフルな唄いまわし(声は細いが)、 そして絶望的でダークな歌詞と全てが過去の否定。 髪型もアフロヘアになり、殆ど別人の様な変貌ぶりです。 とにかく怖いくらいに凄いアルバムなのですが、 あまりにもギスギスして穢れたオーラが満ち溢れているので 聴く気力がおきないのです。 しかしこの「PIERCED」で今まで溜まってた毒気を一気に吐き出したのが 良かったのでしょう、次のアルバム「THE MUSICAL CHIMES」では、 彼女の魅力がもっと豊かに表現されています。 とにかく"SWINGIN' THE SWING"が素晴らしい。 "BLUE BIRD"のラストで聴かせる驚異的なファルセットも鳥肌モノ。 ネスカフェのCMで良く似た声の人が歌ってるなぁと思ったら 五島良子さん本人でした。 「OPEN UP/(POLYSTAR)」(右)、もしくは 「OPEN UP*BEST OF GOSHIMA YOSIKO/(POLYSTAR)」 でネスカフェの連呼を聴く事ができます(笑)。 ちなみにネスレの会社の電話の保留の音楽は、今コレらしい。 「THE MUSICAL CHIMES」の後、「シアンの羽根/(POLYSTAR)」、 「DECADE TO DATE/(POLYSTAR)」とアルバムが出ていますが、 更に毒気が抜けてきた感じで、聴き易くなった反面、 少しモノ足りない気がしないでもないです。 けど彼女の新譜が出てくれる事はありがたいです。 |
スペースチャンネル5 ORIGINAL SOUND TRUCK / (SEGA) | |
ドリームキャストの傑作ゲームのサウンドトラックです。 もう70年代のサイケなムードがぎゅんぎゅんします(笑)。 こんな気持ちイイアルバムには、そう滅多に出会えるものではありません。 純粋な音楽CDとしてお薦め致します。 更にゲームをやってれば、音楽に合わせてうららちゃんの いかしたダンスが頭に浮かんでくるので楽しさ倍増です。 中に収められた"スペース日本語講座"も秀逸! もしドリキャスを持っててこのゲームをしてない人がいたら 今からでも近所のコンビニに行って即購入だっ!(笑) |
交響三章 / 三善晃 | |
クラシックの現代音楽の作曲家の中で三善晃が別格に好きです。 彼の作品は語弊を恐れずに云えばキャッチーなんですよね。 退屈だったりグチャグチャだったりする現代音楽とは一線を隔してます。 色彩感のあるオーケストレーションから感じる体温みたいなモノ。 これが彼のキモの部分ではないかと思うのです。 この"交響三章"は1960年の作品です。 もう40年も前だから現代音楽と云うのもおかしいかな(笑)。 タイトルに「交響」とついていますが 交響曲の様なガッチリした形式はありません。 派手な第二楽章もカッコイイのですが、 私は特に第一楽章の美しさに惹かれました。 ずっと沈んだ緩調な曲なのに決して飽きる事がありません。 このアルバムでは続いて武満徹の"樹の曲"が収められていますが、 その比較をしてみるとかなり面白いです。 感覚的な違いを一言で云うと有機的と無機的。 彼の初期の作品、1954年の"ヴァイオリンソナタ"を聴いて 「え?これラヴェルの作品?」と思ってしまいました。 メロディアスでテンションのある音の集積なのですね。 「理論的原理よりも感覚的な手触りを捜せ」と云うのが 彼の作曲の基本姿勢なのだとライナーに書いてあります。 なるほど。だから三善晃の音楽は美しいのかぁ…。 現代音楽的なオーケストラ作品にしても、合唱曲にしても テレビアニメ赤毛のアンの主題歌にしても(笑)。 最後に私のお薦めをもう一枚。 "ピアノ協奏曲""ヴァイオリン協奏曲"のカップリングLP。 特にピアノ協奏曲のカデンツァは無茶苦茶カッコイイ! ジャズファンにも是非聴いてもらいたい作品です。 |
CINEMANIA REEL 1〜6 / OMNIBUS ALBUM (EAST WEST) | |
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◆REEL 1 PUNCH THE GUY ◆REEL 2 YOUNG TURKS ◆REEL 3 TAKE A WALK ON THE PSYCHEDELIC SIDE ◆REEL 4 COVER ROCKS ◆REEL 5 SCREAMING A GO GO ◆REEL 6 EROTIC CAPROCCIO |
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CINEMANIA REEL 6〜9 / OMNIBUS ALBUM (POLYSTAR) |
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◆REEL 6 THE NEW TASTEMENT OF G.S.SOURCE ◆REEL 7 LE BANDE CINEMA GRAND CRU ◆REEL 8 STLYLE TO KILL ◆REEL 9 MERA...MERA MERA |
GOOD EVENING TOKYO / 矢野顕子 (MIDI INC.) | |
今から20年くらい前、山下洋輔のコンサートにゲスト出演して "あしたこそ、あなた"と"サッちゃん"を唄うのをFMで聴いて、 「この人は天才だ。」と思いました。 童謡をピアノ一本でこんなに表情豊かに唄える人がいたのかと とっても感動したのを憶えています。 それですぐにファンになる筈だったのですが、 その後、これまたFMで矢野顕子特集を聴いたのがいけなかった(^^ゞ デビューアルバム「JAPANESE GIRL/(MIDI INC.)」から "くま"、"へこりぷた〜"あたりの曲を聴いたのですが 天才を超えてキ●チガイの匂いすらする怖さを感じ、 少年しほたつは暫く彼女を避けてしまったのです(笑)。 そんなこんなで(?)彼女の作品の中で一番好きなのが ここで挙げた1987年のライヴ盤です。 彼女の最高傑作だと私が思う"電話線"から始まり、 もっとも彼女が輝いていたMIDIレーベル時代の名曲がズラリ。 しかもバックには、坂本龍一、高橋幸宏らが参加。 ライブならではの熱や閃きや乱れが興奮とスリルを生んでます。 あとスタジオ盤で好きなのは「愛がなくちゃね。/(MIDI INC.)」。 曲の魅力で云えばこのアルバムが一番かもしれません。 "愛がなくちゃね""おいしい生活""SLEEP ON MY BABY" "どんなときもどんなときもどんなときも"等名曲揃い。 また、オリジナル曲以外にも自分の好きな曲を新旧問わず 積極的に取り上げるのは今に至る彼女のスタンスですね。 ここでもサトウハチローの"悲しくてやりきれない"が秀逸。 演奏をYMOとJAPANが受け持つと云う凄まじさ。 補足になりますが、最初に挙げた童謡の"サッちゃん"ですけど、 ライブアルバム「東京は夜の7時/(MIDI INC.)」でも聴けますが、 CDシングル「春咲小紅・ひとつだけ/(SONY)」の演奏の方が より自然に表現できてる様に思います。 |
4to3 / 小川美潮 (EPIC) | |
小川美潮さんの最高傑作アルバム。 …と私が確信してる訳なんですけど、ファンの方に聞いても 恐らく十遍舎一九が東海道中膝栗毛でしょう(全然意味不明)。 聴き所は全てです。 彼女の美しく可愛く優しくファニーなヴォーカルの魅力を 余すところなく引き出していると思うのです。 美潮さん、板倉文さん、近藤達郎さんetc. 今でもずっと一緒に活動してるメンバーの様々な部分 (曲、歌詞、アレンジ、演奏、個性など)が、 切り離せない一つのモノとなっています。 |
さてこそ / CHAKRA (VICTOR) | |
小川美潮さんが音楽家活動を始めるきっかけになったバンド。 板倉文さんとの出会いもこの時です。 このアルバムは、そのチャクラの歴史的名盤と云いきりましょう。 プロデュースは、なんと細野晴臣さんだったりします。 最初の頃の美潮ちゃんは、かなり壊れてました(笑)。 お調子者な部分が前面に出てます。 「ウレシイノモト」以降から聴き始めた人は面食らうかも〜。 でも前にJIROKICHIのライヴで 「今でもお調子者な唄も好き。」ってな事を云ってはりました。 中でも"いとほに"の完成度は無茶苦茶高いです。 |
クープランの墓 / MAURICE RAVEL | |
今まで聴いたあらゆる曲の中で一番素晴らしいと思うのが モーリスラヴェルのピアノ組曲"クープランの墓"の3曲目、 "フォルラーヌ"です。 これだけは言葉で表現のしようがありません。 組曲全体としてもラヴェルらしさが良く出た素晴らしい作品。 左に挙げたアルバムは、ウェルナーハースによる ラヴェルのピアノ全曲集。 しかも2つのピアノコンチェルトを含めてCD2枚に! こんなんで聴いたら味気ないかなー(笑)。 但し、この人の演奏が一番良いと云う訳ではありません。 ちょっとリバーブのかかった様な録音音質なので 音の粒立ちがぼやけてしまっています。 表情付けも少し煌びやか過ぎるのが気になります。 でも全体としての印象はそこそこ。 昔FMでエアチェックした演奏が一番好きなんですけど 誰が弾いたのかわからない…。 |
ロデオ / COPLAND | |
個人的な好みなんですけど、「エラソー」な曲が苦手なんです。 デデデーッと盛り上げて、最後、トニックでジャンと終わる様なのは 気恥ずかしくてサブイボ(関西弁で鳥肌の意)がでます。 そこで、このコープランドの"ロデオ"。 西部の俗謡をモチーフに用い、とにかく明るい明るい。 さすがアメリカって感じです。 しかもこのバーンスタイン盤は派手にやらかしてくれてます。 ちょっとストラヴィンスキーの"ペトルーシカ"をパクッた感じですが 開けっぴろげな明解さで気持ち良さはこちらが数段上(笑)。 |
JOAO / JOAO GILBERTO (PHILIPS) | |
ボサノヴァ=ジョアン+ジョビンと云えば云い過ぎかもしれませんが、 この2人がいなければボサノヴァは一つのジャンルにまでなり得たか 疑わしいものです。 ジョアンのスタイルは初期のアルバムから 最新の「声とギター」に至るまでそんなに大きく変化していません。 40年以上の年月を経てもボサノヴァでありつづけている訳です。 ボサノヴァと云えば爽やかな夏の音楽と云うイメージが強いですが その気持ち良いサウンドの裏には、凄く高度な音楽理論が 爪を隠しているのですね。 |
DURANGO KID 2 / TONINHO HORTA (BIG WORLD) | |
ボサノヴァから派生したブラジルの多彩な音楽を総称して MPB(MUSICA POPULAR BRASILEIRA)と云うのだそうです。 このトニーニョオルタは、ミナスジェライス州の音楽性を色濃く出した人。 ジャズファンの間ではパットメセニーに影響を与えた人として有名。 このアルバムは全編弾き語りで演奏した第二弾ですが、 一作目よりも更に出来が良いと思います。 確かにギターが凄い。でもヴォーカルの個性も際立っています。 ジョアンがギターとヴォーカルが1:1のバランスだとしたら トニーニョオルタはギター6.5、ヴォーカル3.5の比率でしょうか? 力強くつま弾かれるギターのアルペジオに乗って ゆったりとしたヴォーカルが漂っている様な感じが気持ち良い。 |