若妻くすぐり痴獄 2/5
<2> 油絵教室
由美子は、募集欄にあった住所をたどって、
郊外にある屋敷の前に来ていた。
京都で見られるような、古風な感じの屋敷であった。
どうやら、油絵教室は、この屋敷で行われているらしい。
由美子の目の前には、立派な木造の観音開きの門があった。
その扉は開いていた。
「ここが書いてあった場所かしら。」
由美子はそうつぶやくと、長くサラサラした髪を色っぽくかき上げた。
(それにしても、ちょっと露出が激しかったかしら・・・)
由美子は自分の服装を見て、少しだけ後悔した。
彼女の服装はというと、上半身は露出度の激しい、へそ出しのタンクトップに、
その上から、薄手のジャケットを羽織っている姿であった。
普通の女性がそんな姿をしていても、それほど気にはならないが、由美子の場合は違った。
彼女は胸が大きいため、タンクトップが窮屈かと思えるほど、
左右の乳房の膨らみが、その薄い生地をはち切れんばかりに押し上げていた。
それにタンクトップの露出度が激しく、おまけに裾が短いため、
豊満で柔らかそうな乳房の谷間と、悩ましいへそとお腹が丸見えであった。
本当は肩紐なしのブラジャーを着けているのだが、
タンクトップの上からは見ることはできなかった。
下半身はと言うと、上半身と同じ色のミニのフレアスカートをはいていた。
このミニスカートは、彼女の長く悩ましい脚を強調し、
さらに、ストッキングをはいていない彼女のむちむちした色っぽい太ももや、
スラリと伸びたふくらはぎを、一層美しく見せていた。
恐らく軽く身体を一回転させるだけで、ミニスカートがまくり上がり、
悩ましげなスキャンティを見ることが出来るだろう。
ちなみに足は暑いため、素足にサンダルを履いていた。
そんな自分の姿に、由美子は少しだけ自己嫌悪に陥ったが、
(いい男がいれば、この姿なら、誘惑できるわね。)
そう思うと、この姿もまんざらでもなくなった。
(いい男はいないかしら・・・)
そんなことを考えながら、由美子は屋敷の門の中へと足を踏み入れた。
由美子は木造の門をくぐり、玄関まで歩いた。
門から玄関までは、ちょっとした庭園になっており、
この屋敷の主人の趣味が伺えた。
由美子は玄関まで来ると、呼び鈴を押した。
「はい。何かご用ですか?」
ドアがカチャリと開き、中から中年の男が出てきた。
「さっきお電話しました柏木と申しますが・・・」
「ああ、さっきお電話を下さった奥さんですね。」
「どうぞお入り下さい。もう準備が整っていますので。」
そう言うと中年の男性は、由美子を中に招き入れた。
その部屋は、10畳ほどの和風の座敷であった。
正面には掛け軸が飾られており、
その下には、数え切れないほどの絵筆が入った、木の箱が置いてあった。
そして、部屋の中央には、大きな木造のテーブルが置かれていた。
その周りには、10人もの男性が陣取っていた。
「どうです?良い部屋でしょう?」
中年の男が由美子に問いかける。
「そうですね。本格的な日本建築なのですね。」
由美子は部屋の中を見回しながら言った。
古風な日本建築らしく、天井には何本かの太い梁が張り巡らされていた。
「あの・・・この方達は・・・?」
由美子は、テーブルに周りに陣取っている男達が気にかかったので、
そのことを中年の男に聞いた。
「ああ、この者達は皆私の弟子です。」
「そうですか。」
由美子は安堵の溜息をもらした。
なぜなら、男達は無言で、由美子の豊満な身体を、舐めるように見ていたからである。
「あの・・・キャンパスと絵の具は貸していただけるのですか?」
何も持参しなかった由美子は、少し不安になった。
「大丈夫ですよ。絵の具は使いませんし、キャンパスは(あなた)ですから。」
「・・・・・・?」
中年の男の言葉に、由美子が不思議そうに首を傾けた瞬間、
数人の男達が由美子の身体を抱きかかえ、大きなテーブルの上に乗せた。
「ち、ちょっと、な、何をするんですか!?」
由美子は何が起こったか理解できず、男達をはねのけようと暴れた。
しかし、男達の力に敵うはずもなく、男達はどこからともなくロープを取り出すと、
由美子の両手首だけを、両手をそろえた状態で縛り、
脚の方はと言うと、両足をそろえた状態で、両足首だけをテーブルの端に縛り付けた。
「放して!!放して下さい!!」
由美子は身を揉むが、両手首は前の手で縛られ、
両足首はテーブルの端にしっかり縛り付けられているため、
どうすることもできなかった。
「何故?何故こんな事をするの?」
「さっきも言ったでしょう。あなたをキャンパスにするためですよ。」
「あなたの身体を絵筆や指でくすぐって、笑い悶える姿が私達の作品になるのです。」
由美子は我が耳を疑った。
「そ、そんな・・・ここは油絵教室ではないのですか?」
「それは表向きのことです。」
「本当は、あなたのような美しい女性をくすぐるための、「女体くすぐり教室」なのですよ。」
「こんなのいやぁーーーー!!誰か助けてぇーーーー!!」
由美子は大声で叫んだが、男達はただニヤニヤ笑うだけだった。
「いくら叫んでも誰も来ませんよ。」
「さあ、観念してもらいましょうか。」
中年の男はそう言うと、楽しそうに笑った。
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