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 第6章 沖縄県 太平洋上の南大東島(2001年 1月)
     09.那覇06 南大東島から来た男

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☆これまでの旅☆
予定は未定になってしまった沖縄の旅。アクシデントも楽しみのうち。那覇の
元中華街? で三国志で有名な関羽と、論語で有名な孔子に会ったあとは、神
社とお寺をぶらり。そうです、沖縄にも神社とお寺があるのです。
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●寒い夜

 民宿の部屋に戻ると同室の学生がいた。二人きりの部屋なので翌日の1時く
らいまで話し込んでしまった。
 夜中、寒くなってきた。南国で温かい温かいと思っていたが、今は冬。さす
がの沖縄も気圧配置一つで寒くなる。Tシャツの上にジャージを着て、毛布に
くるまっているが寒い。大阪での防寒用、沖縄では着るつもりのなかったフリ
ースを着た。
 着膨れして寝るとからだがごわごわして寝にくいので好きではないがしかた
がない。それに、昔真冬によくキャンプしていたので慣れていないことはない。
真冬には、ジーンズやジャケットを着たまま寝袋にもぐりこんでいたりした。
 とはいえ、久しぶりなのでやっぱり寝にくい。

●朝食

 起きると9時18分だった。寝すぎだ。活動する時間が減ってしまう。
 さて、今日の天気は曇り、風が強い。沖縄の冬は風が強いと聞いていた。到
着した昨日はそれほど風を感じなかったのだが、いよいよ沖縄の冬がやってき
たのだろうか。
 寒いといっても予定はそれなりにこなそう。10時すぎに民宿出発、図書館を
目指す。南大東島について調べることと、以前から知りたかった沖縄について
調べることが目的だ。民宿から歩いて10分もかからない距離にあるので便利だ。
 外に出てみると、気温は23℃。風があるが暖かい。TシャツでOK。ゆうべ
は寒かったがほっとした。やはり温かいほうがいい。
 観光旅行をよくする人はめずらしく思うかもしれないが、ぼくが泊まった民
宿は朝夕食がない。頼めばつくってくれるのかもしれないが、用意してくれる
のは夜の酒盛りのあてくらいだ。
 これは、この民宿が特別と言うわけでも、沖縄の民宿が変わっているわけで
もない。都市にある民宿はそういうところが多い。
 理由の一つには、近所に食堂がいくつもあり、数人の宿泊客のために食事を
つくっても割りが合わないのだろう。宿泊者も高めの民宿の食事よりも、自由
に選べる近所の安い食堂に行くほうがいいわけだ。

●南大東島から来た男

 前日の夜は冷えたが、今日も朝から冷える。天気がいいので放射冷却だろう
か。さすがの沖縄も冬だ。
 朝、南大東島から帰ってきた人が宿にやってきたので、さっそく話を聞く。
 彼は自称25歳のカメラマン。音楽関係の企画もしているという。世界を旅し
ているが、インドは最後にとってあるというのがおもしろい。
 英語ができないのに安宿に長期滞在し、いろいろな国の有力者と友達になっ
たと言う。IRAのボスとも友達だと言っていたが、本当か嘘かはわからない。
 その彼が言うには南大東島は何もないが、役場で地図や各種資料を無料でく
れるので、便利だという。島へ行く船はその日の朝に予定が決まるので、朝一
からすぐに出れるようにしなければならない。ちょっとめんどくさいようにも
感じるが、それだけ小さな島ということだろうか。
 那覇と南大東島を結ぶ船は30人くらい乗れ、船内はベッド。小さいのでよく
ゆれる。大き目の漁船くらいの大きさだろうか。
 小さい船で外洋を行くためか、波の高さ次第では出航を延期することもある
ようだ。その日がダメなら翌日出ることもあるという。彼がやってきた便もよ
くゆれ、眠れなかったらしい。乗客の多くもひどい状態だったと言う。
 だから南大東島にも予定通り来ないときもあるらしい。船がこないと島で売
っているパンは100円が150円に値上げ。だから船が入るとみんな買いだめする
という。南大東島の貴重な情報が手に入った。

●図書館へ行こう

 南大東島の話を聞いていて宿を出るのが遅れた。もう13時。キーホルダーの
温度計では10℃。寒い。今日はシャツの上にフリースを着る。
 すぐに目的地の南大東島へ行く前に那覇に数日間滞在する理由は、図書館で
資料を集めることだ。南大東島の資料は、ぼくが住む大阪の図書館にはほとん
ど無い。だから、ここで集めるのだ。そして、以前から興味のある沖縄のつい
ての資料を集めることも目的だった。
 ただ、資料を読みこむ時間がなかったので、めぼしい資料のめぼしいページ
をコピーすることに専念した。そのために、3日間図書館にこもり、あまり観
光しなかった。
 もちろん沖縄中を見てまわりたいのだが、前回来たときにかなりの部分を観
光したし、今回の目的は南大東島だ。お金もないので我慢だ。
 この県立図書館は観光スポットではないのだが、2階の郷土資料室がおすす
めだ。これがかなり広い。書架が20列くらいあるだろうか。少なくとも、それ
だけの量の沖縄関連書を置いている場所をぼくはほかに知らない。
 それだけの量があるのだから、沖縄のあらゆる関連資料がそろっている。た
とえば、道教関係もあるところがすごい。それに、東京の出版社だけでなく、
沖縄の出版社の本が大量に置いてるところもポイントが高い。沖縄の大学の出
版物や自費出版のような本もある。
 もちろん、県民ではないので借りることはできないが、セルフサービスでコ
ピーがとれる。10円だから、コンビニでするのとかわらない。

●県立図書館と市立図書館

 それから、休館日は少し変わっていて、毎週火曜日になっている。通常は、
月曜日が休みなのだがそれには理由がある。県立図書館に隣接するように那覇
市立中央図書館があるが、そちらが月曜日休館なのだ。つまり、ここにくれば
かならずどちらかの図書館が開いているということになっている。
 開架図書の量は県立図書館に比べると圧倒的に少ないが、基本的な資料はあ
ったので、急場しのぎくらいは大丈夫だ。
 しかし、ノートをとって行くときに細かい用語を調べるためにコンサイスの
国語辞典を持ち込もうとしたら、持ち込まないようにいわれた。自習防止策だ
ろうか。それにしても、自治体の図書館でここまで細かいことを言われたのは
はじめてだ。
 だから図書館のロッカーに預けなければならないのだが、そのための小銭が
無かった。両替ついでにコンビニへ行ってうっちん茶を買う。おつりに二千円
札が混ざっていたので沖縄らしいと勝手に決めつけた。
 資料を読む時間が無いので、めぼしい個所をコピーしていくと言う作業の連
続だ。ひたすらコピーを続ける。

○沖縄県立図書館(旅行当時)
 平日9時〜19時
 土・日9時〜16時
 毎週火曜日・第4・5日曜・祝祭日休み
 ホームページ

○那覇市立図書館(旅行当時)
 火〜金10時〜19時
 土・日10時〜17時
 毎週月・毎月第4木曜・祝祭日休み。
 ホームページ

●つづく●
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