□□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□

No.230 中国山東省2003―59.天津1 変り行く天津の町

◇◇◇◇▼旅のフィールド〈メモ〉▲◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇
――――◇――――◇――――◇―――――◇――――◇――――◇――――

●天津への深夜バス

 帰国する日がやってきた。帰国するためには、烟台から天津まで移動しなけ
ればならない。
 烟台駅のターミナルの北京行きのバスが天津を経由するということで、それ
に乗ることにした。
 しかし、天津行きではなく北京行きなので途中下車。少々いやな予感がした
が、まあ、何とかなるだろうとそれに乗った。
 バスは2段ベッドの寝台。といっても、以前新疆ウイグル自治区で乗ったも
のとは大違い。日本の大型バス同様荷物は車体の下へ入れる。
 そして、なんと、バスに乗ると袋を渡され、靴をそこに入れる。つまり、車
内は土禁なのだ。このようなバスに中国で乗ろうとは思わなかった。
 3列並ぶ2段ベッドの群れの中を自分の席まで行く。すると、足元のところ
に小さな蓋があり、そこを開けて中に靴を入れる。そしてなんとトイレもある。
中国も変わったものだ。
 さて、夜の8時をすぎてバスは出発。高速か一般道か分からないところをバ
スは走っていく。
 適当なときにトイレに行くが、ほかの人が使ったあとで汚れていて、さらに
水が出なかった。ちょっと不潔だ。
 こういうわけで、途中休憩することもなく、まだ暗いうちに起こされた。5
時前だ。そこは高架道路の下。着くと聞いていた天津西駅でないのはあきらか
だ。
 まあ、仕方ないととりあえず降りたら、そこに小型バンの白タクが待ってい
た。こんな時間だから、使わないわけには行かない。
 結局、天津駅まで、30元(約400円)。まあ、それほどひどいボッタクリでは
ないようだ。

●早朝のホテル探し

 天津駅前に着いたのが朝の5時。ほとんどのホテルは、フロント係りの人が
寝ているかいないという状況で、なかなか空いてる部屋が見つからない。
 まあ、最初から大体こんなことだと思ってたし、中国の都会の駅は24時間だ
から、人はいるし、なんとかなると思っていた。
 結局は、駅前にいる客引きに連れられて駅前の招待所行脚をしてやっと見つ
かった。
 実は、客引きのおばちゃんにつかまって、最初は無視したのだが、最後は見
つけてくれたから、まあ、よかった。
 最初は招待所に連れて行かれて断られたりしたけが、階段いっぱい登らされ
てしんどかったよ。

●天津の街

 天津は2年ぶりだが、たった2年でかなり変った。これからもどんどん変っ
ていくだろう。
 ちょうど天津の有名観光スポットである古文化街が改装中で、小さな屋台で
の営業という状態だ。道も通り抜けできず、客も少なく、もちろん店頭には目
新しいものはない。
 その証拠に、本来ならばかき入れ時であるはずの夜を待たず、夕方には早々
に閉める店もある。古文化街は活気を取り戻すのにはもう少し時間が必要なよ
うだ。
 そのかわり、鼓楼を中心とした地域に土産物街ができていた。見た目はとて
もきれいで店の数も多いが、いくつか見た中では言値は古文化外よりも高いよ
うだ。ただし、どこまで値切れるかはわからない。
 いろいろと種類があるが、結局はどの店も品揃えは変らず、全体での種類は
店の数ほどはないように感じた。
 天津名物の泥人形については種類が多いですが、それ以外ではまだまだ北京
からわざわざ足を伸ばすほどではないように感じる。といっても、北京は王府
井しか行ってないのでよくわからないが。
 以前滞在した北京と比べると、本当に観光地が少なく、店も生活に関係する
ものばかり、唯一の繁華街と思われるところでも、土産物は海産物農産物ばか
り。

○聳え立つ鼓楼
聳え立つ鼓楼

●瓦礫の山

 天津の観光スポットの一つでもある古文化街がある東西南北の馬路に囲まれ
たところ広大な更地が現れていた。建物があるのは、古文化街の一部と、鼓楼
の周辺、文廟とカルフールのある一角くらい。
 更地といっても一面に瓦礫が転がっているので、大阪に住んでいるぼくにと
ってはいやな風景だった。せめて、瓦礫だけでも片付けてくれていれば、また
違ったイメージになったと思うのだが。
 それから、地図に載っている城皇廟が見当たらなかった。行きたかったのだ
が。地図がいい加減なのか、つぶされてしまったのか。
 このように天津市街のあちこちで観光地かのための開発が進んでいるらしい。
そのため昔の面影がどんどんなくなっているのだが、天津の町はぼくのような
日本人の旅行者のためにあるのではないので、必要な開発は進めていってもら
いたいのだが。
 天津の街は、このように古代の歴史とか、秘境とか、文化遺産とか、そうい
うイメージで中国を見ている人にとってはあまり面白いところではないだろう。
 実際、歴史系の博物館が今ひとつなのは上海と同じだ(除く上海博物館)。
しかし、細かいとこを見ていると、いろいろと面白そうなネタは転がっていそ
うだ。

○転がる瓦礫
転がる瓦礫

●京劇の博物館

 天津には京劇の博物館がある。天津戯劇博物館。行ってみたが、なんかおも
しろかった。実際に元気譲渡して使われていた建物をそのまま解放しているだ
けだが、それがおもしろい。
 中は意外と狭く、手の届きそうなところに舞台がある。今は博物館となって
いるが、今度は京劇を生で見てみたいものだ。最初に見たいのは、やはり西遊
記だ。
 博物館には京劇衣装を着た人形があった。もちろん聖天大斉も。中国でも西
遊記は人気があるが、定番となるのは「大閙天宮」、孫悟空が天界で大暴れす
る話だ。三蔵法師と出会う前の話。
 日本では金閣銀閣とか、火焔山の話など三蔵と出会い、白馬に猪八戒に沙悟
浄と一行ができかがってからが有名だ。
 日本では、どういうわけか、山に閉じ込められてからのほうが印象が強くド
ラマでも、三蔵との出会いがすぐだが、中国では展開で大あばれする孫悟空が
人気のようだ。

○天津戯劇博物館
天津戯劇博物館

※中国の通貨「元」の日本円への換算は、旅行中の私の両替率の平均から概算
しています。                      1元=約13.3円

●つづく●
                   Copyright(C), Fieldnotes. 2004
□□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□
前へ▲■中国山東省2003■▲次へ