月斗筆跡集

その九 

 

松本正氣宛て句葉書集 その五

(昭和21)

 

 

初午の佐多山雪の飛びにけり  月斗



 

煎薬の匂ひ親しく春めきぬ  月斗

 

 

人こまぬ夜汽車なれども凍てにけり  月斗

 

 

南座は誰来てゐるや床涼み  月斗

 

 

梅雨夕枸杞茶喫して甦る  斗

 

 

むつ五郎やうやく食へる入歯かな  月斗

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