大塚国際美術館

大塚国際美術館は、大塚グループが創立75周年記念事業として、
平成10年、徳島県鳴門市に開館した日本最大級の常設展示スペース持つ陶板名画美術館です。

館内には、6名の選定委員によって厳選された古代壁画から、世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する現代絵画まで
西洋名画1,000余点をオリジナル作品と同じ大きさに複製している。

陶板名画美術館という通り、「陶器の大きな板」に作品に忠実な色彩、大きさで再現されているため、
紙やキャンバス、土壁に比べ色が経年劣化せず実際の名画を見るがごとくの迫力や臨場感を味わうことができる。

館内は自由に撮影できるが、作品のみの撮影や商業目的の利用、ストロボ、フラッシュ、三脚等のカメラ固定具の使用は禁じられている。

鳴門の美しい環境や景観を守るために、山をくりぬいて建設された地下5階、地上3階(延床面積 29,412u)という変わった構造の為
地下3階にある美術館のエントランスホールには正面玄関からエスカレータで上がる。

正面玄関

上りエスカレータ

地下3階エントランスホールからの正面玄関俯瞰

bi美術館スタッフによる約1時間のギャラリートークのあと自由鑑賞。

エスカレーターを上がると、まず目に飛び込んで来るのが、システィーナ・ホールです。

ミケランジェロの「天地創造」(フレスコ/3255×670cm)、「最後の審判」(フレスコ/1463×1338cm)

複雑な曲面で構成された「スパンドレル」と呼ばれる天井と壁を結ぶ部分や微妙な反りを示す曲面を、
大塚オーミ陶業株式会社の特殊技術で陶板に再現している。

ジョットのスクロヴェーニ礼拝堂壁画(間口841×奥行2029×高1265cm)はホール全体に画かれています。

システィーナ・

ホール

スクロヴェ

ーニ礼拝堂

地下2階のギャラリーCには最近話題となった映画「ダ・ヴィンチ・コード」で紹介された
レオナルド・ダ・ヴィンチの「
最後の晩餐」(テンペラ 壁画/420×910cm)があり、修復前と修復後が向かい合わせの壁に再現されている。

損傷の理由は、レオナルドが漆喰の壁にはふさわしくないテンペラ (顔料に亜麻仁油と卵 を混ぜたもの) で描いたこと、
教会の食堂の壁に描かれたために湿気をたえず吸収してしまったこと、
1943 年に連合軍の空爆によって建物が破壊されて構造 体が大打撃を受けたことなどです。
そのうえ、18 世紀以降、繰り返し描き直しや描き加えが行われてきました。

1977 年に、ミラーノの文化財保存監督局が女性の修復士ピニン・ブランビッラさんに依頼して 、 科学的検査をもとに、
画面に堆積した塵や加筆を細い筆で 取り除いてゆくという綿密細心な気の遠くなるような修復作業が20年も続きました。

修復前

座って比較観賞できます

修復後

1ka地上1階の庭園に面した廊下に展示されているピカソのゲルニカ。縦3.5m、横7.8mの大きさには圧倒される。

内戦下のスペイン、ナチスによって空爆を受けた都市ゲルニカを主題に描かれた、ピカソの代表作の一つ。
オリジナルは、1937年、パリの万国博覧会のスペイン館の壁画として描かれ、絵の具ではなく、キャンパスに工業用のペンキが使われている。



全体にモノトーンで描かれているが、真ん中下あたりにある一輪の花に色をつけるかどうか、ピカソが最後まで迷ったと、学芸員の方が説明してくださった。
現在は、スペインのマドリッド、ソフィア王妃芸術センターに展示されている。門外不出で、版権をとるのがたいへん難しかったそうだ。

美術館正面玄関前にある大塚グループの保養施設「潮騒荘」