【 金刀比羅宮
】
金刀比羅宮は明治以降の呼称で、昔は金毘羅大権現。この「こんぴらさん」は海の守り神。
海のない琴平でなんで海の神様?
昔、塩飽水軍や瀬戸の漁民らが海難を救われた霊験話が広まってからと言われている。
十返舎一九の「金毘羅道中続膝栗毛」、滝沢馬琴の「金毘羅船利生記」、浪花節の「石松代参」などで
庶民的に宣伝され、海に関係のない老若男女の信仰が厚い。
象頭山の中腹、高所 250mの山中にある。本宮までの石段が
785段、奥社までだと 1368段。
幸い、適当に長く平らな「おどり場」があり、息を整えてはまた登る。
大門までは店が並んでいて、「荷物を預かる」とか「杖を貸す」とか呼びかけるが
これにのってしまうと帰りも石段を下りることになり、裏参道への回避ができなくなってしまうので要注意。
石段は登りも辛いが、下りはもっときつい。
大門をくぐると本当の神域にはいる。昔から特別に営業を許可された五人百姓とよばれる露店が
赤い大傘を広げて、名物の神代飴を売っている。
杉木立のなかをひと登りすると旭社、神仏習合時代は金堂だったという立派な社で、本宮と間違える人が多い。
あとひと踏んばりで本宮にでる。台地状になっていて、書院、絵馬堂、神楽殿などの建物が多い。
絵馬堂には、宇宙旅行した毛利さんや空き缶で作ったヨットで太平洋横断をした堀江さんの絵馬があります。
本宮の社殿は大社関棟造りで、穏やかな雰囲気を漂わせており、「海の守護神」ながら
つい家内安全や合格祈願など、あれもこれも御願いしたくなる。
社殿前の広場は標高 250mにあり、展望が良く讃岐平野のなかに盛り上がっている讃岐富士が見られる。
本宮の上に奥社があるが、たいていの人はここで念願のこんぴら参りを果たし、帰りは原生林をぬける裏参道がいい。