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第10回(平成10年 5月 9日)
キムタクCF不評に思う
 5/ 9 1998.

ま、いまさらこの話題っつーのも時期を逸した感があるが。キムタクのCFって、ものすごく不評じゃないっすか。その不評の根拠みたいなものも各種競馬誌やネットで見てきたのだが、どうも私はその流れに乗れそうにない。

あんなの要するに単なるイメージCFじゃん、で終わってしまう私は間違っているのだろうか? なんでしょう、「よりによってカメラマン役なんて、影響されてパドックにマナー悪いヤツが増えるじゃないかJRAはなに考えてんだムキー!」とか言って怒らなきゃならんのでしょうか。いや、ま、そういうJRA批判を御趣味とする方々の行く道をふさぐ気はないが、ともに歩む気もない。

広告を出稿する意味というのは、ホントは私のような素人が語ってはいかんほど複雑なものだと思うのである。語るけど。で、今回のキムタクの場合は、

  1. 競馬マニア層には不評かも
  2. でも、キムタク使っちゃうってことで天下にJRAの力を示すことはできる
  3. キムタクのファン層に対し、競馬に好意的な感情を植え付けることができればさらに成功
といった考えがあったのではないかと勝手に推測する。

とりあえず1.については十分不評のようだ(笑)。ただ、じゃあマニアが喜ぶようなCFがいいかというと、そうは言い切れない部分もある。我々マニア層ってのは、馬券の購買者の中でもホントに一部にすぎないのであり、現在のブームを支えているのは浮動票的な人たち。そういう人たちをつなぎ止めるには、確かにイメージ戦略が効果的なのである。理想としてはイメージ戦略の一方でマニア向きのも出稿する(U局でもいい)ことだが、それは別途の議論としたい。

2.については十分話題になったし、効果のほどについては説明の必要がないだろう。また3.については、ジャニーズ系の掲示板とかを見るに、思いのほか「キムタクJRA」は好意的に受け止められているようである。ま、ネットなんて狭い世界だから参考にならんかもしれないが、もしそれがホントなら、広告効果は思ったより大きかったと言えるだろう。なんだかんだ言って競馬(公営競技)に負のイメージを持っているのは今でも女性であり、それをこんな力技で打ち消すことができるなら、将来へ向けて大きなメリットがある。

もっとも、3.については効きすぎても逆にナンギなことで、例えばそれこそ競馬場にわんさかギャル(死語)が来たら邪魔だったりするわけだ。ただ、JRAもその辺は認識しているようである。ダービーにも呼ばないらしいし(4月時点での情報)。いきなり福島記念とかに呼んでみたら面白いかも(笑)。あくまで将来へ向けての伏線として効果を発揮してくれるのが理想的だろう。

さて、一方でCFそのものの内容だが、はっきり言ってどうでもいい内容ではある。キムタクのスケジュールの都合もあるし(なんで雪のシーンがあったか分かりますか?)、今後も凝ったものは作れないと思う。
 アンチキムタクの人はその、「内容がどうでもいい」という点に怒っているのだと思うが、私はちょっと違って、変になんかやられるよりも、毒にも薬にもならないものの方がマシだと思うのである。むしろ私が腹立つのは、中途半端に競馬寄りにしたコマーシャル。具体的には本木・鶴田コンビがビワハヤヒデ、ナリタブライアンの写真の前で「今度は2頭の子供の戦いが……」とかいうやつとか。あの心の入ってなさ加減(笑)、見るたび突っ込みたくなる。

みんながキムタクCFにやたら怒ってるんで「うわ、みんなちゃんとコマーシャル見てんだなあ」と驚いたりもしたのだが、今さらイメージ戦略にどうこう言うのも不毛だと思う(「こんな競馬やめてやる!」といって退出する手はあるが)。それはそれ、マニアの世界はマニアの世界。むしろ目を向けるべきは「優駿」を筆頭とする各種印刷物や、あるいはイベントの類ではないだろうか。ああいうものはマニア向けの度合いが高いものだし、またファンの側からのリクエストが通る余地がある。不毛なキムタク叩きより、チャンスあるごとにJRAなりピーアールセンターなりに希望を出した方が、楽しい競馬ライフのためにはメリットがあることだろう。

ところで、いかりや長介はいつから出てくるんだっけ? そこだけは久々に期待したくなっているのだが。



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