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第11回(平成10年 7月21日)
セレクトセール見学記
 7/21 1998.

ま、2日とも最後まではいられなかったんで偉そうなことは書けないが、一応見てきた印象と、結果を見ての感想をアップしておきたい。

高額馬についてはくどいほど新聞報道されたので皆さんよくご存じかと思うが、採算性というよりは、金持ち同士の番手争いみたいな面もあるのだと思う。合理主義者のガイジンでは立ち入れない世界と言えよう。

その他の馬も含め、社台系の馬はクラブで提供される際の1〜2割増しという印象(当歳と2歳の差があるから実際にはもっと高い)。クラブが安いということ、セリそのものの活発さ、両方によるものだと思うのだが、とりあえず貧乏人の私は一口でいっぱいいっぱい。安いんだからいいか。

外国人馬主の購買は1頭にとどまった。公正なセリで日本人が勝っちゃったんだから仕方ないが、日本の血統レベルを確認するためにも海外流出はもっとあった方が面白かったのではないかと、とりあえず野次馬的観点からは思う。

兄・姉を所有しているオーナーが今回上場された弟・妹を購買したケースがけっこう多かったように思う。それだけ欲しかったということなのか、暗黙の内に了解ができてしまっているのか、あるいはたまたまなのか、そのうち複数が入り交じったものなのか、来年以降も観察してみたい。

高額馬ばかりが注目を浴びているが、1000〜3000万円クラスの上場馬もけっこう充実していたということを書いておきたい。目玉も大切だが、セールの充実は中堅馬にかかっているという面もある。採算性という点ではむしろ高額馬より期待できる中堅馬の数年後にも注目したい。また、今回は2歳馬の部が低調だったが、来年以降も当歳中心でいくのか、海外のように2歳中心にシフトしていくのか、その点も気になる。

最後に競馬ブック「北の国から」にも書かれていた「ある競馬雑誌にある新人調教師が」の件について。セリに関わる不正の類は昔からゴマンと言われてきたことで、その意味では特殊な例でもなんでもないのだが、今回のセレクトセールが「公正」ということを強調していただけに、残念としか言いようがない。また、これがこのままうやむやになるようでは、結局日本のセリはそういうもん、という誤った納得が広がってしまい、来年以降の公正にも支障をきたす恐れがあるだろう。今回の件はマル市を不正取得したものではなく、また日本競走馬協会の業務規定に明確に違反したわけではないが、なにぶん明らかな証拠が残ってしまったことだけに、なんらかの処置が必要なのではないだろうか(今後、業務規定12条に不正欠場時の罰則規定を盛るなど)。

それにしても、セリにおける出来レースや不正欠場の噂(かつてはトウショウボーイの大物産駒が出てくるたびにそんな話があったものだ)は昔から数多くあるが、当事者がわざわざ証拠を残したというのは初めてのケースではないだろうか。ま、購買した側としては「セール上場馬とは知らなかった」と言い張ることも可能なわけだが、上場者(販売申込者)は言い逃れのしようが無くなってしまう。診断書が出ていたのだとすれば獣医にも影響が及ぶのだろうか。逆に、誰にも何も及ばないということなら結局のところ「やったもん勝ち」なのだとしか言いようがない。

公正といえばもうひとつ、リザーブ価格についてだが、馬見の時に観察していたら「漏れたり漏れなかったり」という状況だった。オープンな市場と言っておきながら主催者・上場者と個人的関係のある人間だけがアドバンテージを受けるというのではいずれ不公平感も広がろう。それならいっそお台制にした方がすっきりしていいと思うのだが。

高額馬・血統注目馬の写真とプロフィールについては、下のリンクからどうぞ。

 
第1日目 1−40
第1日目41−80
第1日目81−123
第2日目(工事中)

3歳馬の評価だって自信のない私が当歳馬なんて分かりようがない(可愛い、ということは分かる)ので、評価はしてません。
   一応の須田の推奨馬(あくまで一応っす)。誰に対してどう推奨しているかは不明。1億以上の有名馬は除きました。


当歳:父フジキセキ・母ハイエストエスティメイトの牡馬(2700万円)
 父ノーザンテースト・母クラフティワイフの牡馬(4600万円)
 父サンデーサイレンス・母ロッタレースの牡馬(9500万円)
2歳:父アフリート・母スイートソフィアの牡馬(2000万円)
 父カーリアン・母フォーミドの牡馬(4000万円)


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