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第20回(平成10年10月20日) |
PRIDE−4観戦記(10月11日) |
10/20 1998. |
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やや時期を逸した感はあるものの、行ったからには書かねばなるまいPRIDE−4観戦記。今年こそ高田に期待して……なんてのは嘘ですが。ま、私もヤキの回った大人なもんで。でも、「分かっちゃいるけど一応見とかんと」となってしまうところが高田のバリュー、そしてヒクソンのバリューということだろう。 前売りを買っていなかった私は当日券かダフ屋を利用するつもりでドームに向かったのだが、ここで当日現場にいた方は御存知の不可解な事態が。まず、ダフ屋が券をほとんど持っていない。そんなに満員なのかと言えば、そんなことは全くない。13000円の席は山のようにあるけど5000円と8000円の席は売り切れ。この不思議な状況の種明かしは……。 最初に嫌な話はまとめてしておくが、この日は主催者側の仕切りはなにからなにまで最悪だった。分かりやすい表面上の演出にしても、
……バブルはもう終わったんだからさ。「なんか演出してないと」という心理も「小室と組んでるんだし」っていうのも分かるが、それにしてもRing、2曲歌うなってんだよ。許して1曲まで(しかもワンコーラス)! 2曲目のイントロが流れた時のブーイングが聞こえんかったか!!! あれ、3曲目歌ったら暴動起きてたね。主催する側の事情優先でやってたら長くはもたないよ。ま、PRIDEシリーズ自体長持ちさせる気はないって言われりゃそれまでだが。 というわけで、なにかと不愉快な局面の多かった今回の興行だが、やっと観戦記の方を。 1.○イゴール・ボブチャンチン(1RTKO)ゲーリーグッドリッジ● PRIDE−1でタクタロフをKOしたグッドリッジが、今度は殴り倒されるハメに。しかし、ストップが早めだった上、レフェリーの説明が「(ボブチャンチンが)ハードパンチャーだからここで止める」というものだったために場内Tが不満の空気でいっぱいに。ハードパンチャーを理由にしたら、タイソン試合する前から勝ちだしね。 2.○小路晃(2RTKO)ヴァリッジ・イズマイウ● かつてパンクラスの高橋がイズマイウに判定勝ちして喜んでたのはなんだったんでしょう。1Rはポジションのもっていき方にさすがと思わせるものがあったイズマイウも、2Rになったらただのブラジルのおっさん。タコ殴りでTKO負け。ファイト的には100点だった小路も、マイクパフォーマンスは完全にインディーのそれで0点。恒例とかいうことになってるらしいが、恒例にするならちゃんと誰か台本とか書いてやれ。 3.△菊田早苗(引き分け)松井駿介△ どうしても松井というとUインターの時のイメージで見てしまうだけに、「菊田ってこんなもんだったんか」という印象の引き分け。テクニック的に菊田の方が上なのは分かったが、菊田もイメージ先行だったのかな。試合そのものは退屈の一言。爆睡。 4.△桜庭和志(引き分け)アラン・ゴエス△ 期待はずれの引き分けという感想が多いようだが、落ち着いて考えれば、ゴエスと引き分けて文句言うなんぞ、日本人も偉くなったものである。桜庭は不利な体勢から強引に抜け出す上手さがあり「負けない」印象はあったが、勝てる印象もなし。今回の日本人が全てパンチで活路を開いただけに、桜庭は打撃が課題でしょう。それも技術的に難しい話ではなく、単にぶん殴る精神みたいなもんが。 5.○本間聡(1RTKO)佐野友飛● 佐野はグラウンドに持ち込まれたら不利なので打撃で戦おうとするが、打撃もダメなので(笑)、結局おもしろいように殴られてのTKO負け。今回のカードの中で最も実力差があった印象で、しかも本間の手柄というよりは佐野の落ち度。うーん、佐野、チャボ・ゲレロとかとやってる方がよかったんじゃないの? 今からでも遅くない、もう一度ライガーとやるのもよし。 6.○アレクサンダー大塚(2R終了戦意喪失)マルコ・ファス● 文句なくこの興行のMVPでしょう、アレク。正直なところラウンド制じゃなかったら負けてたわけだし、もう一度やったら勝てるかどうか怪しいけど、ファスに勝っちゃったというのは紛れもない事実。あのスリーパー耐えたあたりとか、とにかく殴っていったあたりとか、いわゆる「技術」以外の部分でこれからブラジル人と戦う者には教訓になるのでは。 7.○マーク・ケァー(3R戦意喪失)ウゴ・デュアルチ● PRIDEルールは柔術系の選手には不利だが、それにしてもだらしないブラジル人続出。そして、ウゴはブラジル人の汚さ丸出し。ヘッドバット喰らったところで試合終わらせようとしたり、3回にわたって寝たくだり……分かりやすい悪役になったね。そして、ケァーは分かりやすい善玉に。ケァーは技術的には隙があるのだろうが、あの殴っていく時のスピリットがいい。中途半端な技術よりああいった方向性の方が、打倒グレイシーには早道ではないだろうか。でも、ホイスは結局ケァーとはやらないだろうね。だって負けるもん。 8.○ヒクソン・グレイシー(1R腕ひしぎ逆十字)高田延彦● ま、善戦したっていやあ善戦したんだろうけど、結局弱いんだよね……高田。あんながっぽり腕関節取られるなんて、よほどの実力差があるんだろうし。ただ、ヒクソンでさえあんなにスタミナ無いということを明らかにした点では、高田はかなりのお手柄だろう。ヒクソンの商品価値でもってるPRIDEとしては、勝ったは勝ったにしても痛い内容では。 とりあえず、アレクが勝ったからプロレスが強いだとか、高田が負けたからプロレスが弱いだとか、そういう短絡的な話はやめにしましょうや。 ま、高田だけの興行ではないので全体の印象を。 ◎もうやんない ○高田と3回目 ▲安生 △佐野 ★ヤーブロー って感じでしょうか。個人的には小路がマイパフォで(尾崎の歌詞なんかじゃなく)、「ブラジル最弱じゃ! 出てこいヒクソン! てめえなんざ5分でカタつけてやる!」とか吠えることを希望。出てこない相手を利用するのもプロレスですよ。ま、「小路晃」はプロレスラーじゃないけどさ。 |
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