◎ペット飼育と自然保護
  本や雑誌で、「リクガメ飼育はリクガメを絶滅に追いやるのに一役
買っている」という話が言われる事があります。これを読んで「リクガメの
ためには俺がリクガメ飼っている事自体がいけない」と思い悩みます。
  
  この話は真実でしょうし、少なくともリクガメを飼わなければ、
自分が非難される事はないでしょう。

  しかし、「盗人にも三分の理」という事で、屁理屈をこねて、後ろ向きで
なく、少しでも前向きに考えてみたいとも思います。

  まず、なぜ野生動物が絶滅するか考えた時に、ペット用に採られるため
だけかという事を問う必要があります。

  野生動物が絶滅するの理由の多くは開発など、むしろ動物などとは関係ない
理由でしょうね。
  逆に言えば、動物に無関心ならば、どんどん野生動物は絶滅するでしょうね。

  その意味では動物飼育する事は動物に対する興味を高めますし、
購入は野生動物に経済的な価値を与えます。
  そうなると、純経済的発想をする人にも、野生動物の意味が分かる訳です。
野生動物関心がある人より、お金に興味ある人の方が圧倒的に多いでしょうから。
  その結果、保護しようとしたり、現地でブリーディングしたりという
活動につながるかも知れません。
  選挙の投票ではないですが、「私はこのリクガメが好きだ。」という
直接的な意思表示になるという側面があるという事ですね。

  また、紋切り型として「なぜなら動物飼育自体が(種に対して)本質的に
罪なのだ」という説明は相手に罪悪感を持たせ、ともすれば、
「どうせ俺は悪人だから何をしても良いのだ」という開き直りに繋がりやすいと
思います。

  「CB(ブリードもの)の飼育ならば罪はない。」「密輸ものでなければ
買っても良い」などのレベルで止まれるように、より正確な説明が
必要だと思います。
  できればお店には密輸ものなどは並べて欲しくないですね。
それなら、ちゃんとお店で買えば悪い事はしていない事になりますから。
(それは噂であり、実際はないのかも知れませんが...)
  それにアメリカでは店頭にはあまり置かず、ブリーダに注文をいれて、
生まれた子を購入するのが一般的なようです。これなら、貴重な野生個体を
消費してしまう事ないので、日本も早くこのレベルになるといいと思います。



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