中米の遺跡


グアテマラ ティカル
キリグア
ホンジュラス コパン
コスタリカ 石の球体

中米の密林に眠るマヤの遺跡は未開のジャングルとは対照的に高度な文明を感じさせる美しさがあります。マヤの人々はどこへ行ってしまったのでしょう。

ティカル

ティカル第1号神殿
ティカル第1号神殿

マヤの遺跡巡りをするならティカルはなるべく最後にしましょう。他の遺跡が色あせてしまいます。他の遺跡もそれぞれ個性があっていいのですが、ティカルのロケーションと規模においては他にかなうマヤ遺跡は無いくらい、密林と巨大遺跡が楽しめる所です。ティカルの中でも第4神殿は最も高く、遺跡群の西にあるのでこの上に登って朝日を見るのがお薦めです。明け方には怪物のような吠えザルの泣き声があちこちで聞こえます。カラフルな鳥もたくさんいます。周りは一面ジャングルの樹海です。
ティカル第4号神殿
ティカル第4号神殿

巨大な魔人のような形をした神殿は1号神殿から5号神殿までありますが、1号神殿は、いたみが激しいのと階段の傾斜が急で転落する人が後を絶たないため登頂禁止になっていました。3号神殿は樹木に覆われていますが、神殿の入口まで登っていけます。神殿の中の屋根の梁にはまだ当時使われた木がそのまま残っていてが浮き彫りの跡も確認できます。6番目の神殿に数えられる碑文の神殿は他の神殿群からちょっと離れていますが、この上に登ると1号神殿から5号神殿までの5つの神殿が密林から頭を出した姿を見ることが出来ます。マヤの神殿はどれも急な階段のため登頂が許されているものであっても危険が伴います。新たな生け贄とならないように自己責任で慎重に登りましょう。無理は禁物です。
ティカルの遺跡の近くには宿が3軒とキャンプ場もありますが、ミラ・フローレスあたりに宿をとって来る人が多いようです。ミラ・フローレスではティカルの日の出を見に行くためのミニバスを宿で手配してくれます。前もって予約しておくと4時ごろ迎えの車が来てくれます。帰りは午後2時ごろで遺跡を見る時間はたっぷりあります。
(96年4月)

キリグア

マヤで最も高い石碑

キリグアには高さが11.70メートルあるマヤの石碑の中で最も高い石碑があります。砂岩で出来ている石碑には今でもはっきり読み取れる神聖文字が刻まれています。石碑は保護のため茅葺きの屋根がつけられています。
彫刻で埋め尽くされた巨大な岩

ここでもうひとつ面白いものが全面が彫刻でおおわれた巨大な岩です。まるでSFに出てくる宇宙船のような形をしています。
グアテマラシティからキリグアへ行くにはプエルトバリオス行きのバスで4時間ほどかかります。この辺にはあまり宿泊施設がないので日帰りで行くか、チキムラに宿をとるようにしたほうが便利です。バスは途中のキリグア遺跡への分岐点で降ろしてもらいます。運転手や周りの人に言っておかないとそのまま通過されてしまうこともあるので注意しましょう。ここから3キロ歩くか、ボロバスに乗り換えて行くことになります。遺跡までの道は両側にバナナ園の広がるのどかな道です。
(96年5月)

コパン

神聖文字の階段

コパンの遺跡はグアテマラの国境に程近いホンジュラスの北の外れにあります。遺跡にはたくさんの石像やピラミッドがあり、今でもあちこちで発掘が続けられています。ここで一番有名なのが神聖文字の刻まれた階段のあるピラミッドです。
階段に刻まれた神聖文字

神聖文字は風化して読めなくなっている部分も多いのですが、今では階段が雨ざらしにならないように屋根を付けて保護されています。階段を登ることは出来ませんが下から見上げるだけでも迫力があります。ここにある石像も重厚な感じでまるで鎧をまとった戦国武将のようです。更にここにはもう一つ面白いものがあります。どこかで見たような顔なのですが・・・。
肉

グアテマラから国境を越えてコパンへ行く場合はちょとワイルドな道を通る事になります。チキムラの町を朝6時ごろの始発のバスに乗って行けば国境のエル・フロリドには10時ごろに着きます。国境を歩いて越えたらコパンルイナスの町まで乗合いトラックで40分ほどかかります。この乗合いトラックがくせもので観光客と見ると値段をかなりふっかけてきます。仲間を見つけて一緒に値切りましょう。
(96年5月)

石の球体

国立博物館にある石の球体

コスタリカにも不思議なものがあります。それが石の球体です。石の球体はコスタリカのプレコロンビア時代の階級と領土の境界の象徴だったとか、直列や曲がった列、三角の配列が農耕のサイクルに関係ある天体の運行を現していたなどといわれています。発見された石はあちこちに持って行かれてしまったため今となってはそれが何を意味していたのかは謎です。
最初に造られたも石の球体は西暦500年頃のものですが、800年から1500年頃の間に盛んに作られました。大きさは数センチメートルのものから2.5メートルのものまで、重いものは30トンにもなります。石が発見されたのは切り出された場所から20キロ以上もはなれたところだったというから運ぶのにもかなりの労力が必要だったと思われます。加工には石の工具や加熱、おそらく木の枠組みなどを使ったと考えられていますが、どのようにしてあのような球体を造り上げたかはわかっていません。
今ではこの石の球体は家の庭石になっていたり、玄関の柱の台座に使われたりしているものもあります。ちゃんとしたオリジナルのものはサンホセの国立博物館で見ることができます。
(96年6月)


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