メキシコの遺跡(1)


テンプロ・マヨール
テオティワカン
トゥーラ
エル・タヒン
ミトラ
モンテアルバン
ビジャエルモサ
パレンケ
トニナ
ボナンパク
ヤシュチラン
チチェンイツァ
ウシュマル
ズィビルチャルトゥン
エズナ
トゥルム
コバー
シュプヒル
ベカン
チカンナ
バラムクー
カラクムル

メキシコには、とにかくあちこちに遺跡があります。バスの路線網は発達しているので、時間さえあれば自由に安く遺跡巡りが楽しめるでしょう。失われた文明を求めてメキシコへ行きましょう。

テンプロ・マヨール

テンプロ・マヨール

かつてのアステカ王国の首都テノチティトランの双子の神殿の跡がメキシコシティの中心にあります。テノチティトランは湖に囲まれていた美しい都市です。ここに残っているのはわずかにその一部です。残っているとはいっても今ではその美しさの面影はなく、一つの文明を滅ぼして建てられたメキシコの街がうらめしく思えます。
(95年4月)

テオティワカン

太陽のピラミッド

かつて中米最大の宗教都市として栄えた大規模な遺跡です。7世紀ごろ火災によって亡びたといわれます。火災の原因や、都市を造った民族など、この遺跡はまだ謎も多く残されています。主な見所を一通り見るだけでも2時間くらいはかかります。
ケツァルコアトルの神殿

なかでもケツァルコアトルの神殿の装飾は見事で、メキシコシティの国立人類学考古学博物館でも彩色されて復元されたものを見ることが出来ます。また巨大な太陽のピラミッドや月のピラミッドは頂上まで登れますが、標高2000メートルを越える高地にあるため思ったより息が切れます。
テオティワカンへはメキシコシティの北部バスターミナルから15分おきにバスが出ています。1時間ほどで遺跡に着きます。遺跡を訪れる観光客も多いのですが、みやげもの売りもたくさんいるのでちょっと騒がしいかも知れません。
(95年4月)

トゥーラ

アトランテス像

トゥーラは好戦的といわれるトルテカ族の代表的な遺跡です。神殿の上にはかつて屋根を支えていたといわれる戦士の像が並んでいます。この戦士像はアトランテス像と呼ばれていてアトランティスを連想させます。神殿の背後にある壁にはヘビに食べられている人のレリーフがいくつもあります。メキシコシティから75キロくらいの所にあるので日帰りでも行けます。
バスは北部バスターミナルから頻繁に出ています。トゥーラの町のバスターミナルから遺跡までは歩くと30分ほどかかります。わかりづらいですがバスも通っています。
(95年4月)

エル・タヒン

エル・タヒン

エル・タヒンはトトナカ族の遺跡といわれますが、どことなくアジアの遺跡を思わせる遺跡です。テオティワカンの影響を受けているといわながらも、独特なデザインからは、ここにあった独自の文化を感じとることが出来ます。知名度は今一つですが、休日には地元のメキシコ人などもたくさん来て賑わっています。遺跡の入場口の前にある広場では人が柱の上まで登り、ロープで回りながら降りてくるボラドレスも見ることが出来ます。
遺跡へ行くにはポサリカやパパントラの町が拠点となりますが町中にはあまり見るものはありません。
(95年4月)

ミトラ

ミトラの壁面を飾る幾何学模様

遺跡自体の規模はそれほど大きくもなく、町中にあるのでロケーションもいいとはいえないのですが、遺跡の壁面を覆う幾何学模様は一見の価値があります。遺跡は5ヶ所に分散しているのですが、まともに残っているのは北のグループと柱のグループぐらいで他のものは上にキリスト教のほこらが建てられていたり、瓦礫の山になっていたりで、保存状態はよくありません。それでも訪れる人が多いのは、やはりその幾何学模様が美しいということなのでしょう。
遺跡に行くにはオアハカの2等バスターミナルから頻繁にバスが出ているので1時間ほどで簡単に行けます。ただし、2等バスなのでそれなりのバスです。オアハカの街は典型的なスペイン式のコロニアルな街で、ミトラの遺跡やモンテアルバンの遺跡を訪れる人の拠点となっています。
(95年4月)

モンテアルバン

モンテアルバン

モンテアルバンはオアハカ盆地を見下ろす見晴らしのいい丘の上にある遺跡です。遺跡群の北側にある地下墳墓では中の壁画も見ることができます。中央の大神殿の東側には地下トンネルもあってなかなか楽しめます。ここにも天文台といわれる建物があります。この建物だけ斜め方角を向いているのが意味あり気です。
モンテアルバンの遺跡へはオアハカのメソン・デ・アンヘルというホテルから30分おきにバスが出ています。
(95年4月)

ビジャエルモサ

アフリカンな人頭像

街の中心から3キロほど北にラベンタ遺跡を復元した野外公園博物館があります。湖のほとりにある気持ちのいい公園でピューマやクモザル、ワニ、クジャク、トウカンなどが飼われています。遊歩道を歩いて行くとオルメカの巨石人頭像が現れてきます。どことなくアフリカの黒人のような風貌があるといわれているものです。オルメカ人についてはわからないことが多く、この人頭像から古代にもアフリカとの交流があったという人もいます。
四角い目の人頭像

しかし、人頭像の中には他にも四角い目をした変わったものもあり、そのモデルが何だったのかは謎です。
オアハカからのバスは夜行で早朝にビジャエルモサに着きます。バスターミナルから公園まで歩いて行くと30分くらいはかかります。
(95年4月)



パレンケ

宮殿

マヤ遺跡の中でも穏やかで美しいパレンケの遺跡はチアパス州の外れのジャングルの中にあります。宮殿といわれる建物には東洋的な4階建ての塔があります。建物の中も複雑で、いくつも部屋があり、迷路のようになっています。
碑銘の神殿

パレンケの象徴的な建物として有名な碑銘の神殿では、1952年にパカル王と思われる人物が内部に埋葬されていたのが発見されています。この発見でマヤの神殿が墓としても使われていたことがわかりました。石棺の蓋に描かれていたレリーフも美しく、その図柄が人が宇宙船に乗っているようだと話題になったこともあります。(02年7月現在、残念な事に碑銘の神殿は登頂や内部に入る事は出来ません。)
遺跡の発掘作業は現在も続けられていて、1994年には、となりの13号神殿からも紅色の石棺に埋葬された女王が発見されています。現在はその内部も公開され、ここで発見されたヒスイの仮面は遺跡近くの博物館に展示されています。
遺跡から博物館へ続く森の中の道は人気の無い時は注意が必要ですが、それぞれのポイントに係員がいるので、日中の観光客が多い時間帯なら歩いて行っても問題なさそうです。途中で涼しげな滝を見ることが出来ます。
パレンケは、どの建物も造りが細かく密度の濃い遺跡です。ジャングルの中には修復されずに放置されたままの遺跡も眠っていて、全体像は、かなり大規模です。訪れる度に古いガイドブックには載っていない遺跡も公開されていたりで、これからもまだまだ新しい発見がありそうです。
(02年6月)

トニナ

山の斜面を利用した巨大な遺跡

パレンケから150Kmほど離れた山間の高地にトニナ遺跡はあります。この遺跡は山の斜面を利用して建てられているので、下から見ると一つの巨大なピラミッドのように見えます。見た目の大きさでは、マヤ遺跡の中でも最大級の、なかなか迫力のある遺跡です。
遺跡にはトンネルや、見事なレリーフがいくつか残っていて、これらを見ながら、遺跡の頂上まで登って行く事が出来ます。途中に急な階段もありますが、頂上から下を見下ろすと、のどかな田舎の風景が広がっていて、ジャングルの中のマヤ遺跡とは違った印象を受けます。
また、遺跡の入り口にある博物館には、ここで発見された円盤状の美しい石碑も展示されているので、こちらも忘れずに見ておきましょう。
トニナ遺跡の観光の拠点となる町は遺跡から15Kmほどのところにあるオコシンゴの町です。オコシンゴの町から遺跡までは市場のとなりからコンビ(乗り合いのミニバン:10ペソ)が出ています。
この周辺はサパティスタの活動の中心地ともなっていた場所ですが、02年6月の時点ではオコシンゴの町の近くには軍の駐留地があって、町も平和な様子で活気がありました。ただし、念のため、ここを訪れる際は最新の治安状況を確認しておく事をお薦めします。パレンケからは車で2.5時間程(バス:51ペソやコレクティーボ:40ペソで行けます。)なので日帰りも可能ですが、遺跡は16時で閉められてしまうので、早めに出発しましょう。パレンケ-オコシンゴ間の峠道は昼間は交通量も多いのですが、夜間は強盗に襲われると言う事件も発生しています。
(02年6月)
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ボナンパク

遺跡内部の壁画

密林に眠るマヤ遺跡のほとんどは、熱帯の気候や植物に侵食され、発見された時には半壊しているものも少なくありません。そんな中で奇跡的に内部の美しい壁画を残していたのがボナンパク遺跡です。
遺跡の規模はそれほど大きなものではありませんが、神殿にある3つの部屋の壁には他のマヤ遺跡では見ることの出来ない王の即位、戦、楽隊の様子などが描かれています。ここで発見された壁画の一部に戦や捕虜などの残虐な様子が描かれていた事で、それまで平和な文明であったと考えられていたマヤ文明の世界観を大きく変えた遺跡でもあります。壁画は部屋の内部の壁の天井部分まで全面に描かれているので、じっくりと隅々まで見ておきたいところです。
ボナンパク遺跡へ行くには、パレンケから現地の旅行会社のツアーに参加して行くのが便利です。ツアーではボナンパクの他にヤシュチランの遺跡を訪れ、途中のボートや朝食と昼食、水とコーラなどが付いているのが一般的です。値段は旅行会社や時期によっても異なりますが370ペソ位からあります。
(02年6月)
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ヤシュチラン

40号神殿と41号神殿

メキシコの遺跡の中でも、そこにたどり着く道のりから楽しい探検気分を味わえるのがヤシュチラン遺跡です。
ヤシュチラン遺跡はジャングルの奥深くにあり、遺跡まで続く道が無いので、ここを訪れるには茶色くにごったウスマシンタ川を小さなボートで40分ほど下って行く事になります。 遺跡を取り巻くジャングルからはホエザルの声が聞こえてきたりして、他のメキシコの遺跡よりもジャングルの生命力を感じることが出来ます 。
遺跡はジャングルの中に神殿が散在していて見どころも多いので、最深部の41号神殿を含め、じっくり見て廻ろうとすると、見学には2時間あっても慌ただしい感じです。
遺跡を効率的に見るには、最初に山を登り西のアクロポリスを訪れ、次に最深部の39,40,41号神殿、続いて33号神殿を見て廻った後で大広場まで降りて行き、石碑や神殿のレリーフを見たり、神殿の迷路探検をするのがお薦めです。
蒸し暑く、蚊の多いジャングルですが、神殿の鴨居には美しいレリーフが多く残っているので頑張って見て歩きましょう。
ヤシュチラン遺跡へは、ボナンパク遺跡と合わせたパレンケからのツアーで訪れるのが便利ですが、遺跡を見て歩くと汗もたくさんかくので、飲料水を余分に用意しておく必要があります。
また、神殿内の迷路探検するためには懐中電灯も用意しておきましょう。天井にぶら下がったコウモリさん達にも出会えます。
(02年6月)
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