第6日目:ソウルの一日


1998年8月6日(木)
乗車記録
列車名/路線名乗車駅 下車駅
2号線乙支路入口  市庁
首都圏電鉄線1号線市庁  龍山
国鉄線龍山  往十里
5号線往十里  鐘路3街
3号線鐘路3街  京福寺
5号線光化門  鐘路3街
5号線鐘路3街  新吉
国鉄線新吉  ソウル
6号線ソウル  舎堂
2号線舎堂  教育大学
4号線教育大学  乙支路3街
2号線乙支路3街  乙支路入口

宗廟

 昨夜は、夜中に結構激しい雨が降っていた。「今日の様子は?」と窓の外を見ると目の前に南山公園のソウルタワーが霞んでいるが、幸い雨は降っていない。TVをつけると、ソウルの各地で冠水した市街地が映し出されていた。交通機関への影響が心配だが、今日はソウル市内を見て歩くことにしているので、影響は少ないだろう

 ホテル近くの2号線・乙支路入口(ウルチロイプク)駅に行く。結構激しく雨が降ったようで地下入口には土嚢が積んであった。切符売場に運休区間らしい掲示があるが、解読する元気はない。これから、宗廟(チョンミョ)へ向かうつもりだが、まっすぐ行ったのでは、鉄チャンの名が廃る
 韓国でも、地下鉄の片道切符大回り乗りが認められていると思い、大回り乗車で、鐘路3街へ向かう。漢江の様子も気になる・・・
 市庁(シチョン)で1号線に乗り換え。構内の路線図が目に点になる

 この路線図、開業線区も工事区間も同じ色なので見分けがつかないが、よく見ると片隅に今後の開業計画が載っている。これによると、今後2年以内に4線も開業が予定されている。経済危機が叫ばれているけど、地下鉄建設は活気があるように見える。計画通りに開業できるかどうかはわからないが・・・・

 ホームに降り、仁川行き電車を待つ間、議政府方面へ向かう列車が3本走っていった。通常だと、議政府行きであるべきなのだが、いずれの電車も、清涼里行きの表示になっている。清涼里以北は、昨夜の大雨で不通になったようだ。
仁川方面も列車が間引かれているようだが、しばらくして仁川行きがやってきた。仁川方面は無事なようだ。ソウル駅を過ぎると交直セクションを過ぎると地上に出て、国鉄京釜線と平行する。「セマウル号」や「ムグンファ号」はほぼ時刻通りに走っており、鉄道の被害はほとんどないようだ。龍山(ヨンサン)で国鉄「京元電鉄線」に乗り換えて漢江の様子を見学する
 漢江沿いを走る路線なので運転しているのかどうか不安であったが、間引き運転ながらも運転されていた。普段だと、乗客も多いはずだが、この天気のせいか、車内はガラガラである。車内から眺める漢江は濁流と化しており、河原には取り残されて水没した車も多数見かけた。この大雨による増水で流木も多いが、河原にうち捨てられていたと思われるゴミが異常に多い
 往十里(ワンシャム)で5号線に乗り換え、鐘路3街(チョンノサムガ)で下車。96年に世界文化遺産に指定された宗廟(チョンミョ)を見学。 都会の中の静寂といった感じで、観光客の姿も少なく、落ち着いた雰囲気であった。まわりを見渡すと高層ビルばかりなので、余計にそう感じた

国立中央博物館/景福宮

 続いて、3号線で景福宮(キョンボックン)へ。地下鉄駅からの連絡通路は警察の警戒が物々しく、約20mおきに立っており緊張する。出口を出ると、そこは、景福宮の敷地内であった
 まず、国立中央博物館を見学。2003年には龍山へ建設中の新しい博物館へ移動するらしい。この博物館、構造が面白く入口が2Fで見学するフロアーは、1F,B1Fと地下へ潜っていく形式である。フロアーは時代毎に分かれていて、非常に見やすい。日本の歴史より長い韓国の歴史の一端をかいま見て過ごす
 1Fのフロアには、日韓併合前と朝鮮総督府があったころの景福宮のジオラマが展示されている。旧日本は、随分と手荒く景福宮を壊し、勝手なことをしていたことを思い知らされた。でも、当時は景福宮周辺には路面電車も随分と走っていたことがわかった
 博物館を出て、元朝鮮総督府があったあたりを見渡すと、跡形もなく取り壊され、景福宮の復元工事が行われている。でも、しばらく前までは朝鮮総督府が国立博物館として使われていたそうである
 続いて、景福宮を見学。こちらは随分と日本人の姿も目に付く。多くの日本人観光客はガイド付きで豪勢である。時折、説明に耳を傾けたのは言うまでもない
 景福宮を出ると、もう午後2時をまわっている。光化門を出て、日本大使館裏にある食堂で、昼食とする。この店、外のメニューは日本語も併記されていた。随分と日本の利用客も多いのだろう
 昼食は、ビビンバップ。本場のビビンバップはなかなか美味しい。ビールも飲みたかったが、ここはグッと我慢
 警戒厳重なアメリカ大使館の横を通り、地下鉄光化門駅へ。光化門駅の自動券売機は、日本と同じようにお金を先に入れてから、金額を押すタイプで、自動改札は日本でお馴染みの扉タイプであった
 駅によって、自動券売機の使い方が違うとは・・・!
 しかし、日本のタイプと同じなので、親しみは湧いた。光化門からも大回りしながらソウル駅へ向かう

鉄道博物館

ソウル駅

ソウル駅

鉄道博物館

韓国の新幹線

 昨日は、慌ただしくソウル駅を駆け抜けたが、今日はゆっくりと見学できる。昨日はチケット売場がわからなかった鉄道博物館だが、あたりを見渡すと入口前の売店で売っていた。一体どこを見ていたのやら・・
 この売店には、韓国の鉄道の絵葉書やグッツも売っているので、ソウルを訪れたときは、寄ることをお勧めします

 博物館の展示物は、書いてある事はわからなくても、日本が建設した施設なので仕組みは同じだから、非常に親近感がわく。ふと見ると、私の会社で造っていた通信機器が目に入った。こんなところでも、使われているとは・・・(^^;;
 2Fへ上がると、建設中の韓国新幹線の展示がある。列車の形はスペインのAVEと非常に似ている。現在建設が頓挫しているけど、走り出す日が来るといいですね。この鉄道博物館、小さいながらも、充分堪能できるものであった

 まっすぐ戻るとホテルまでは15分程度なのだが、乗り鉄の血が騒ぎ、ぐるっと回って1時間30分かかって、ホテルに戻る
 韓国の地下鉄の運賃体系がどうなっているかよく知らないが、市内の均一料金区間でもあり、営団と同じように片道切符大回りルートが選べるモノと思われる。と思っていたが、帰国後、本で3時間以上経過すると扉が廻らない(閉まる)事を知った。大回り乗車し放題かと思ったが、時間制なのね(^^;;
 ちなみにこの場合、駅員に基本運賃(450W)を払うと出られるそうである

 今夜は、昨夜大雨で断念した明洞へ出る。何を食べるか迷ったあげく、やっぱりカルビを食べに行ってしまった

 今回入った店は、多数のガイドブックに掲載されている有名店であった。ANAの機内誌でも紹介されたらしく、日本語の解説入りメニューがあった。出てきたカルビは牛のプレートにのっているのが、お茶目であるが味はなかなか美味しかった


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