オーリニャック文化(南フランス方面)石刃技法が多用されて、細長い石刃が作られ、スクレーパー、ナイフ、彫刻刀などが工夫された。 多くの石器は、肉を切ったり、骨・角・木を加工するのに用いられた。 骨や角に石刃を強く押しつけて、きわめて小さい破片を剥ぎ落として整形していく「押圧剥離」という高度な技法が用いられた。 骨角器は、槍・銛、装身具らしきものがみつかっている。 極端に大きな乳房と臀部をもつ女性像の彫刻が発見されている。 【主な遺跡】 グリマルディ洞窟 フランス南部西海岸のグリマルディの洞窟で、6体の人骨が出土した。クロマニヨン型と異なり、著しい長頭、足のすねと前腕が非常に長く、鼻が広い。アフリカの黒人的特徴が顕著で、ニグロ型とよばれている。 そのうち2体は、両足を強く折り曲げ、横向きに埋葬されており、赤土がかけられ、貝製の首飾りと腕輪をつけていた。 アレーネ・カンディーデ イタリアのサヴォーナに近いアレーネ・カンディーデで、少年の骨がみつかっている。赤土がかけられ、孔をあけた貝片、エルクシカの角で作った円盤、フリント製石刃を伴っていた。 ラ・フェラシー洞窟 南フランスのラ・フェラシー洞窟では、細い複雑な線を刻んで馬・野牛・アイベックス・サイなどを描いた石が出土した。 ヴィレンドルフ オーストリアのヴィレンドルフでは、有名な「ヴィーナス像」が発見された。高さ約11センチで、石灰岩を加工したもの。 マリティーム・マントン洞窟 フランス南部のマリティーム・マントンでは、高さ5〜6センチで、滑石の女性像彫刻が出土。 【南フランスでの時代区分について】 南フランスでは後期旧石器時代の文化の変遷が比較的よくわかっており、次の4つの時期を設定している。 ペリゴルディアン文化 オーリニャック文化 ソリュートレ文化 マグダレニアン文化(マドレーヌ文化) 【参考ページ】 人類の誕生 参考文献 「ビジュアル版 世界の歴史1 文明の誕生」江坂輝彌・大貫良夫著、講談社、1984年 更新 2003/3/23 |