不思議ね…

1991.6.25 BGDH-1011

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不思議ね…
  1. 不思議ね…
  2. 素直に言えなくて

全体的な印象

 デビュー2作目。デビュー作を上々の結果で終え、ZARDの将来はかなり明るく開けた。しかし、ZARDのイメージをどうするかはまだはっきり固まっていなかったような印象がある。曲調とジャケットは明るくかわいらしく、今のZARDのイメージに近い。プロモーションビデオも泉水さんのグッドルッキングなところをはっきり前面に打ち出している。しかし、カップリング曲はロック風で、ジャケットの裏の写真もファーストシングルのジャケット裏と同じセッションの写真でややダークなイメージになるなど、路線に迷いがある。

 タイアップが弱かった(マジカル頭脳パワー、番組は人気があったが、クイズ番組のエンディングなんて誰も聴かない)こともあって、セールスは低調だった。TV出演もしておらず、露出無しで売るのはまだ難しかった。ビデオクリップもあったが、ビデオクリップなんて作ってもフルサイズで放送されない。上位にチャートインしないとサビ部分すらTVでは放送されない。カウントダウン100(カウントダウンTVの前身)もまだ放送されていなかったから、ビデオクリップが流れる機会は殆ど無かった。どんなに岩井俊二が泉水さんのグッドルッキングなところを引き出しても、それはCSでひっそり流れるだけだった。

 

不思議ね…

 作詞:坂井泉水 作曲:織田哲郎 編曲:明石昌夫

 えらくソフトなイメージの曲だ。この曲だけ聴くと路線変更したように思えるだろう。

 歌詞を読むと、印象的なフレーズを断片的につなぎ合わせたような仕上がりで、後の泉水さんのスタイルに近い。「少年の瞳を ずっと忘れないでね」なんてところはまさに泉水流だ。

 ヴォーカルも包み込むような優しさが漂っていて、現在のZARDスタイルに近い。ただ、サビの所などはまだ声に棘があって、後の柔らかいヴォーカルには及ばない。

収録アルバム
「もう探さない」

 

素直に言えなくて

 作詞:坂井泉水 作曲:坂井泉水 編曲:明石昌夫

 一転ロック調。歌詞も大人の恋愛を描いていて、現在のZARDとはかなり趣が違う。歌詞のセンスは職業作家的で、泉水さんが最初から最後まで全部作っていないような印象がある。

 なんと作曲坂井泉水だ。しかし、これは最近で言えば浜崎あゆみが作曲までやっていることになっているのと同じで、あまり信用できない。作曲テンプレートのようなものが存在していて、それを組み替えることによって作曲名義を付けているのかもしれない。まあ、その辺の事情は内部の人間にしか分からないので、実際に泉水さんが作曲したのかもしれない。でも、これが作れるんなら後の作品にもっと自作名義が増えても良いような気がする。

収録アルバム
「もう探さない」

 

ジャケット・ブックレット

 スタジオでの写真。大変かわいらしい仕上がりで、私が好きなジャケットの一つ。セピア色の色使いもこの後のZARDの路線の先駆けと言える。

 細かいことだが、ZARDの表記がカタカナだ。また、英語表記も全て大文字ではなくZardになっている。「Good-bye My Loneliness」はアルバムで帯にカタカナ表記があったが、(現在は中古屋でしか見ることができないが)この作品以降カタカナ表記はない。また全て大文字ではないZardもこの作品が最後だ。

 

セールス

  • オリコン最高位30位
  • 登場週数5週
  • 総売上3.1万枚

 現時点で最低のセールス。登場週数5週も最低。最高位もシングルとしては下から2番目。

 

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