Good-bye My Loneliness

1991.2.10 BGDH-1010

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Good-bye My Loneliness
  1. Good-bye My Loneliness
  2. 愛は暗闇の中で

全体的な印象

 デビュー作。アルバム「Single Collection」の第一次特典として付いてきたアーティストファイルに、フジテレビ亀山プロデューサーによるZARDデビューの経緯が書かれているので、読んでおこう。ひょっとしたらこの曲はZARD以外が歌うことになったかもしれない。タイアップ先(この場合フジテレビ)がデモテープの中から曲を選び、作詞はヴォーカリスト自作で決まっていて、次にヴォーカリストをデモテープから選ぶという順番だったらしいからだ。そしてこの時点で泉水さんはヴォーカリスト予備軍の一人だった。

 タイアップ先はフジテレビ「結婚の理想と現実」だったが、多くの人はこのドラマのタイアップよりもクラリオンのCMで大河内志保が歌っていたことでこの曲を知ったのではないだろうか。

 アナログからCDシングルへの移行直後で、まだ表題曲+カップリング+カラオケというフォーマットが定着していなかった。そのためこのシングルにはカラオケがない。

 この頃のZARDのシングルには結構詳細なクレジットが付いているのだが、プロデューサーはビーイングの総帥長戸大幸になっている。この後しばらく、はっきり長戸名義のプロデュースが続く。

 

Good-bye My Loneliness

 作詞:坂井泉水 作曲:織田哲郎 編曲:明石昌夫

 フジテレビ亀山プロデューサーは「ポリスの『見つめていたい』のようなベースラインで」と注文を出したらしいが、編曲を担当した明石昌夫は何のひねりもなく「見つめていたい」のベースラインをパクッた。まあ、明石昌夫はこのような「洋楽イントロ丸ごとパクリ」をZARDに限らず良くやるので、「またやってるぜ、しょーがねーなー」位に思っておけばいいだろう。

 作詞坂井泉水、作曲織田哲郎、編曲明石昌夫であり、ZARDの人気のある曲は殆どこのトリオが作ることになる。しかし、この曲自体はこの後に出てくる数々の名曲に比べるとそれほど魅力がある曲には思えない。

 歌詞を読むと、随分とうまくまとまった詞であり、この後の泉水さんの詞と比べるとやたら玄人っぽい。ビーイング内の作詞のコーチ役のアドバイスがかなり効いているのではないだろうか。(そういう人がいればの話だが、おそらく居る。)泉水さんの歌詞は年々子供っぽさを増すような気がする。この頃の歌詞が一番大人っぽい。

 泉水さんのヴォーカルもまだやや平板で、いまいちだ。

収録アルバム
「Good-bye My Loneliness」
「ZARD BLEND 〜SUN & STONE〜」(別テイク)
「Golden Best」

 

愛は暗闇の中で

 作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:ZARD、寺尾広

 ZARDはジャケット写真のイメージのようにややダークなイメージで売り出されたが、この曲はその路線に忠実に作られている。ZARD楽曲の中では最もロック色が濃い曲になっている。ややヒステリックに感じられる女性コーラスがこの頃のZARDの曲の特徴となっている。

 作曲は栗林誠一郎、このころBBクイーンズのベーシストとして「踊るポンポコリン」を演奏していたはずだ。それはさておき、ZARDの作曲といえば織田哲郎、そしてこの栗林誠一郎の名前が挙がるだろう。この後ZARDとはシングル「サヨナラは今もこの胸に居ます」やバルビエ(栗林誠一郎の覆面プロジェクト)で密接なところを見せる。ただし、本人同士は会ったことはないという情報もある。

 なんと編曲がZARD名義だ。しかし、まったくもって信用できないクレジットであり、連名で名前が挙がってる寺尾広とスタッフが共同して編曲した、程度に解釈しておくべきだろう。

 歌詞を読むと日本語+英語、日本語+英語、日本語+英語で延々と構成されており、後の長嶋茂雄とのコラボレートを予感させる仕上がりになっている。

 この曲、実はカバーであって、オリジナルはBLIZARDの6thアルバム「Show Me The Way」収録の「EMPTY DAYS」だ。BLIZARDはZARDの名前の元となった(関係者証言あり)美形ヘビメタバンドであり、そのメンバー松川敏也はこの後「汗の中でCRY」の作曲を担当している。 

 詳しくはブリザードのファンサイトShow Me The Way http://www.ba.wakwak.com/~piccolina/index.htm を参照。

収録アルバム
「Good-bye My Loneliness」

 

ジャケット・ブックレット

 スタジオでの写真。ジャケット裏の写真ではカメラ目線をくれているが、泉水さんのカメラ目線の写真は極めて少なく貴重だ。ただ、化粧も濃いめでちょっと怖いイメージも漂わせている。

 

セールス

  • オリコン最高位9位
  • 登場週数15週
  • 総売上20.9万枚

 デビュー作にしてトップ10入り。しかし、アルバムの最高位が34位であることを考えると、ZARD自体が人気があったというよりこの曲が支持されての結果といえるだろう。私もこの頃はZARDの存在すら知らなかった。しかし、この曲は聴いたことがあった。大河内志保のヴォーカルで。

 

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