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| なんかの本に出ていた「杜甫像」より。似てるかどうか以前に唐代の肖像画ってみんなこんな感じなんですよね。 |
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| 中国で発行された詩人シリーズ切手の「杜甫(左)と「李白」(右)。 |
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ところが…彼の死後、「杜甫は食い過ぎ飲み過ぎで死んだ」という奇妙な伝説が生まれます。耒陽の地にやって来た杜甫が洪水に足止めされ飢えに苦しんでいると、見かねた現地の県令が牛肉と白酒(どぶろく)をたくさん贈ってくれ(これ自体は杜甫も詩に詠んでいる事実)、これを無我夢中で食らい飲んだ杜甫は一夜にして急死してしまった、というお話です。一方の李白(762年没)に「酔っ払って水に映った月をとろうとして溺れ死んだ」という伝説(もちろん事実ではない)があるのと同じようなもんですが、生涯飢えに苦しんだ杜甫らしい逸話だということで、いつの間にやら「事実認定」されてしまい、新旧『唐書』の杜甫伝など、れっきとした正史のたぐいにもこうした急死ばなしが載せられることになりました。