やっぱ2ストでしょ!
TDR80(3GA)



手に入れた日:2006.11.26/初稿:2007.9.4

 さすがにフォーゲルでの通勤が(自分やバイクに対する負担が)辛く感じるようになった今日この頃、もう少しゆとりのあるバイクのほうがいいなぁ、と、次のシーズンに向けて新たな通勤車両を物色することに。
 条件はそんなに多くなかったのですが、一つ一つのハードルが高い。

 ここまでの条件を、私なりにクリアできたな、と思った車種は3つ。最後の条件により、当然のように中古車しか該当しませんが。

です。

 で、悩みに悩んだ末に導き出した答えが「TDR80」だったわけで。選ばれなかった2車種を選ばなかった理由は、

です。

 そんなこんなで、このバイク、ちゃんとお店で買いました。私のバイク歴にはなかなか出てきませんよ、「バイク屋で購入」なんて。
 色は何でもよかった(色まで選んでいたら、中古バイクは買えませんね)ので、走行距離(信用できませんけど)が少なくてオプションのリアキャリアが付いていた黒いのに決定。

ヤマハさんごめんなさい。
ヤマハのwebサイトより画像を拝借。

 当時の資料(といっても雑誌ですけど)を読み返してみました。
 まず、1988年7月15日にTDR50が発売開始となりました。それに遅れること約2ヶ月の9月9日にTDR80が発売開始となっています。さらに、20日遅れの9月29日よりTDR80にヤマハブラックという新色が追加されています。この黒色が私の購入したモデルです。

営業呼称TDR80
通称名ヤマハTDR80
車名・形式ヤマハ・3GA
工場呼称TDR80AJ8
機種コード3GA1
認定番号II−1560(※IIはローマ数字の"2")
原動機形式3GA
車台打刻開始番号3GA-000101
全長1720mm
全幅720mm
全高1045mm
総排気量79cm3
車両重量92kg
カラーリング・ホワイト・ソフィアイエロー
発売年・月昭和63年9月

※1988年8月発行(なので黒色の記述がない)のサービスマニュアルより

 50cc版との違いについては、おいおい記載して行こうかと思っていますが、サービスマニュアルの内容をそのまま転記するという行為が果たして正しいことなのか、という疑問を今さらながら抱いておりますので、やらないかもしれません。

 さて、TDR80は、先行発売されたTDR50の車体に水冷2サイクル80ccのエンジンを搭載したものです。(と言い切っていいのかどうかはわかりませんが、少なくとも見た目には、そう。)
 で、自分の記憶を遡っても、ヤマハの水冷2サイクル80cc搭載車は他に思い浮かびません。そこでwebで調べてみたところ、どうやら輸出仕様のRD80LCのエンジンが同じボア×ストロークのようなので、これを持ってきたのかなあと思っています。

 オフシーズンの冬の間に色々手を入れてみようかな、と思いつつ、結局何もせずに(エンジンすらかけることなく)2007年の春を迎えました。
 まずはナンバーの取得。自賠責にも入って(任意保険はフレンディが家族原付特約を付けているのでOKなのですよ)、試走です。

 エンジンはキック一発で始動。そのキックがやたら軽い。お店の方には「この頃のヤマハ車はキックが頼りないけど、こんなもんだよ。」と言われていましたので、そのように心づもりはしていたのですが、想像以上に軽かった。スターターギアが噛んでいないんじゃないかと思うくらい。あまり勢いよくキックを踏みおろすとレバーが折れるんじゃないかと思い、それなりの力でキックしてみたんですが、かえってエンジンがかかりづらい。まあ、ケッチン喰らうよりはいいでしょう、軽い方が。
 暖気のためにしばらくレーシング。む、煙が多いな。まだ冷えてるせいかな。吹け上がりも鈍いぞ。かぶってるのかな。
 それでは出発。

 ・・・あ、だめだ。上が回らない。

 パワーバンドはおよそ6,500rpmからのようですが、5速6速で巡航できません。平地でも失速します。4速以下なら8,500rpmまで回るんですけどね。
 おまけに下の付きも悪い。コーナーの進入でスロットルを閉じて、立ち上がりで開けてもエンジンが反応しません。

 明らかに濃いです。参ったなあ、フォーゲルでさんざんやらかした事をまたやるのか・・・。ノーマルなら何とかなると思ったんだけどなあ。まあ、小排気量2stの宿命だと割り切って付き合いますか。

 そうそう、このTDRは電装が6Vなんですよ。フォーゲルと一緒。でも、ヘッドライトは普通に走る分にはそれなりの明るさがあり、一安心です。普通に走る分には。
 問題は峠の下り。コーナー進入でブレーキ掛けてスロットルを閉じると、真っ暗になります。しゃれにならないくらい暗い。フォーゲル以下の暗さになります。犯人はストップランプ。こいつが電気を食ってしまって、ヘッドライトまで回らない。回転数を落とさずにコーナーを回れって? 幅3m以下で10%近い勾配の、路肩と真中に砂が浮きまくりの、落ちたらひとたまりもない谷が待ち受ける夜道で、私にはそんな腕と度胸はありません。
 へたれな私は帰りのルートを変更しました。距離より燃費より時間より安全。

 濃い状態で通勤に使ったところ、2往復目の復路でリザーブに入ってしまいました。燃料タンク容量は8Lで、残りおよそ1.3Lでリザーブです。ということは、1往復あたり3.4L以上の燃料が必要だということです。フォーゲルの1.5倍以上の消費量だ。パワーバンドに入れば確かに速いですけど、低速がスカスカなのでシフトの回数が多くなる。そこで高回転を保つため、どうしても燃料消費量が多くなる。会社までの所要時間はフォーゲルと比べても5分と違わないので、この大食いは何とかしないと。

 これではあまり良い所が無いように思えてしまうのですが、ポジションと乗り心地には満足しています。ストロークがあって柔らかい足は、継ぎはぎだらけの舗装も上手にいなしてくれます。ただ、取り付け剛性が低いのか、経年劣化によるものなのか、フロントフォークやスイングアーム付け根の捩れは感じます。私の腕なので大したスピードが出ていないにもかかわらず、です。でも、それは私にとって問題になることではありません。ただ、シートが硬い。乗り始めて30分を超えるとお尻が痛くなってきます。これだけがちょっと辛い。

 そんなこんなでネタには事欠かないTDRなのでした。それはそれで考え物なのですけど。全体的な評価は、不具合箇所を私なりに修正してからにします。








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