通勤路を検証してみた

(初稿:2007.2.5)
この頁の3D画像は、カシミール3Dで作成しました。



 私の住んでいるところは今でこそ「高山市」ですが、その実は旧上宝村(現高山市上宝町)です。で、会社は高山市街地にありまして、毎日通勤しています。
 上宝町から市街地へのルートは、基本的には1本です。あと2本あることはあるのですが、見通しが悪く、すれ違いすら難儀するような道幅の道路なので、普通の人は使いません。おまけにどのルートを使っても、所要時間がほとんど変わらない。だったらリスクの小さい道を使うってのが道理です。
 そのメインとなるルートは、県道国府-見座線〜国道41号です。途中、「大坂峠」(通称「十三墓峠」)という峠を越します。我が家から会社まで約38km、50分くらいです。しかし、このルートは地図上で定規を当ててみると、自宅〜会社を結んだ直線から少し西へ迂回します。なんだか余分な距離がもったいない。
 そこで、直線に一番近いルートを探してみると、市道が一本ありました(探すまでもなく判っていることなんですけどね)。上宝町在家から「駒鼻峠(こまはなとうげ)」経由で丹生川町折敷地へ抜けるルートです。ちなみにこの道、MapFanやGoogleMapでは表示されません。Mapionには表示されますけど、上宝町側の道の形が若干現地と合っていません。このルートなら会社まで約28km、45分くらいになります。ただし、除雪路線ではないので、雪が積もったら翌年の春に自然に雪が解けるまで通れません。

 さて、ここで実際のルートを画像で表してみましょうか。例によってカシミール3Dで作成。

画像右側が自宅地点、左側が会社のある高山市街地。
赤いルートが大坂峠経由、青いルートが駒鼻峠経由。

 赤いルートでぽっこり大回りをしているところが高山市国府町。この頂点で国道41号に合流。赤い点線は、冬期間雪が降っているときに国道を迂回するルート(雪が舞うだけで国道は大渋滞します)。青い点線は、工事中とかで駒鼻ルートが使えないときの迂回路。バイクで赤いルートを使うときは、国道の対岸の県道を使います。80ccのバイクでは国道(特に高山市街地のバイパス)のペースが怖いので。
 信号機の数は、赤いルート=16+歩行者用2、青いルート=6。交通量も比較にならないほど違います。駒鼻峠を通勤に使う人は限られているので、すれ違いに気を遣う道ですが、「そろそろ来るな」と思った頃にちゃんと対向車がやってきます。

 次に、ルートの高低差を比較してみます。ただし、距離はマピオンの「キョリ測」で、標高は国土地理院の1/25,000地形図から読み取りましたので、あまり正確ではないかもしれません。

標高は水平距離の10倍のスケールでプロット。
表中の数字はフォーゲル改(80cc)で走行したときに使用するギアの段数(5速)。

 こうやって見てみると、大坂峠ルートは非常にフラットであることがわかります(峠なので当然とんがりはありますが)。平面的にも国府町側のくねくね以外はそんなにきついカーブも少なく、走りやすいです。駒鼻峠ルートは、狭い+急勾配+くねくねの三重苦に加えて縦断的にも凸凹です。メジャーなルートになり得ない理由が何となく解りますね。
 自宅の標高が約620m、会社が約570m、大坂峠が約950m、駒鼻峠が約1,160m、国府町の国道交差点で約500m。最大高低差は、大坂峠ルートで約450m、駒鼻峠ルートで約600m。これだけの高低差があると、フォーゲルのキャブセットに難儀します。実際、大坂峠や駒鼻峠でかぶらないようにすると、国府町付近で全開にしたとき、乾いた怪しい音になります。スプロケは駒鼻峠の帰りメインで合わせています。
 燃料消費量は大坂峠経由で2.2〜2.5リットル/日、駒鼻峠経由で2.0〜2.3リットル/日くらい。距離あたりの燃費でいえば、大坂峠経由の方が良好な数字になるのですが、距離が長いので消費量が多くなります。通勤では1リットルで何km走ったか、よりも、1日に何リットル使ったか、の方が大事です。燃料消費量だけを考えれば往路=駒鼻峠/復路=大坂峠という組み合わせが経済的なんですが、事故等にあうリスクを避けるため、残業等で遅くならない限り大坂峠ルートは使いません。
 大坂峠の国府町側下り(往路)ですらフォーゲルのブレーキが厳しいというのに、駒鼻峠の下り(両側)ではブレーキを握りっぱなし/踏みっぱなしにしても速度が落ちません。ちょっと怖い。いくらドラムブレーキの制動力が大きいといっても、しょせん8インチしかありませんから、絶対的なキャパシティが不足しています。下りのペースが上げられないので、距離や交通量の差の割りに所要時間がそんなに変わらなくなっています。

 2007年シーズン以降は、フォーゲルに代えて違う通勤車となります。これなら下りも安心してブレーキが掛けられそう。






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