やっぱ2ストでしょ!
TZM50R(4KJ)



手に入れた日:2005.7.3/初稿:2006.11.5/最終稿:2006.11.27

 CARAやVIVIOでは何度かサーキット走行をしてみましたが、私は未だかつて2輪車でサーキットを走ったことがありません。自分で自分が下手なのがわかっていますから。いや、4輪でだって上手に走れないんですけどね。
 RG250Γに乗っていた頃に革つなぎは買いましたけど、バンクセンサーはぴかぴかのままでしたし。その頃茶臼山や鈴鹿スカイラインでブイブイいわしていた弟が私の走りを見て「中の上」とのたまうものですから、向上心のない私は「あ〜、2輪には向いてないな」と、それ以降公道をのんびり走ることに徹したのでした。
 で、最近になってレースの手伝いをする機会が幾度となくあり、サーキットを走る姿に触発されて遅まきながら自分でも走ってみようかな、と、思うようになったわけです。

 前述のようにへたれな私ですから、まず第一に走りの基本ができていない。フルサイズのサーキットをフルサイズのバイクで走るほど度胸がない。そこで目をつけたのがミニバイク。
 ノーマルのGAGじゃ動力性能がサーキットスペックから程遠いですし、チューニングするつもりもありませんし、同じお金をかけるんだったら出来合いの車両を手に入れたほうが手っ取り早いだろうと、某オークションを徘徊。定期的に出てくるもんですね、ミニバイクのレース車両。
 17インチの車両は車高が高くて、フルバンクさせるのが怖い。12インチなら頭の位置が最初から地面に近いのでそんなにプレッシャーを感じずにバンクさせることができる。で、ホンダ嫌いの私に残された選択肢はひとつ。TZM50Rのみ。

 丁度その頃、チームでおわらの里スポーツランドへ走りに行くということで、チーム員の所有するTZMをライディングさせてもらったんですよ。サーキット初走行。
 いや〜、楽しいですね。タイヤのグリップが高いこともあって、ヘタレな私でも簡単に膝すりながら曲がれる。もうこれは手に入れるしかないってんで、丁度その翌日終了日がくる物件を落札してしまいました。出品地も県内でしたし。

 この歳になってレースをやろうというつもりは全くなく(第一、体重が重くて端から勝負になりませんし)、遅まきながらライディングの勉強と、メカに対する自分自身のスキルアップが目的です。

※なぜか手に入れた当時の画像を残していませんでした。

ヤマハさんごめんなさい。
ヤマハのwebサイトより画像を拝借。

 TZM50Rというバイクは1994年に発売が開始され(4KJ1)、同年に原田選手のWGP250ccチャンピオン記念のTelkorカラーが追加(4KJ2)、1997年にはマイナーチェンジ(4KJ3)されています。私のTZMはフレーム番号から4KJ1型であることが判明。
 さて、このTZM、基本的な箇所は改造済みのレース仕様車です。ただし、他人が手を入れたものは一体どこまで改造してあるのか皆目見当もつかないわけで、ひとたびトラブルが発生すると原因の究明や修理用の部品の判別に手間隙がかかりがちです。

 手を入れてあるところは次のとおり

 おおよそこんなところです。すでにフロントフォークの中がどうなっているかわかりませんし、エンジン本体だってノーマルである保証がない。これだから中古車両はリスクが高い。
 出品者はショップだったのですが、その前のオーナーはつま恋カートコース等で走っていたらしく、そのショップへ来てからは、ほぼノーメンテでたまに津保川カートランドを走っていた程度で、改造範囲等は全くわからないということでした。
 とりあえずミッションオイルと冷却水、ブレーキフルードを交換し、チェーンに給油して走れる状態にしました。

 手に入れて2週間後(2005.7.17)、おわらの里スポーツランドでシェイクダウンです。

 あれ?

 前回の初走行時とはどうも勝手が違います。まず、なぜかギアを3速までしか使わなくても済んでしまう。ストレートで頭打ちが早い。デジタルタコは見づらい。
 よくよく見てみると、スプロケットがとんでもないサイズになってます。F16/R41。ノーマルがF13/R45ですから、1速がおよそ2.5速相当というハイギアード状態。どうりでシフトしなくていいわけだ。フレームにSUGOの車検ステッカーが貼ってありましたから、どうやら6時間耐久か何かに出た模様。でなければ、こんなにロングなギア比にする必要がないですからね。でも、オートマチックみたいで楽に走れましたよ。コースにも慣れてきたせいか、初回より速いくらいのタイムも出ていましたし(ってことは、どんだけ遅いんだよ)。
 回転の頭打ちが早いのは、単にギア比のせいかもしれないし、キャブのセッティングかもしれないし、チャンバーかもしれないし、エンジンがいかれてるのかもしれないし、タコメーターの表示が間違っているのかもしれないし。素人の私が考えただけでもこのくらいは思いつきます。

 次回走行までになるべくノーマル仕様に近づけよう。と、パーツ漁りの日々が始まりました。
 で、次回走行(2005.8.7)が思ったよりも早くて、とりあえずできたのがキャブのセッティングのみ。相変わらずのギア比でとにかく走り込み。この時、ヘアピン後の右直角コーナーでリアがズルッときて、ちょっとドキドキ。いつのタイヤかわからないのはやっぱりだめでした。タイヤも新品にしなくちゃ。また出費だ。

 パーツが揃わないのでなかなか思うとおりの仕様にはならないのですが、レースに出るわけでもなし、とにかくどんな仕様でもいいから走り込んで身体にライディングを覚え込ませなければ。というわけで、タイヤ交換とスプロケ交換程度の仕様でもう一度(2005.9.18)走行。

 ようやくパーツが揃ってきたので、標準仕様に戻す改造(?)に着手(2005.10.2)。その前に部品取り兼実験用中古エンジンを入手してリハーサルをしました。
 ここでやったこと

 これで普通のM仕様になったはず。

 さて、シェイクダウン(2005.11.3)は雨。私はまだ雨の日に走れるだけのスキルがないので、バイク屋の社長が代わりに走行。見事にこけました。ステップが曲がり、フロントフェンダーが割れ、装着したてのチャンバーが凹んだ。私も凹んだ。

 この仕様で私が走ったのは今年の走り納め会となる日(2005.11.20)でした。ようやく思いどおりのエンジンになりました。タコメーターも見やすいし。で、引出しを増やそうとラインを変えながら走行中、ヘアピンのアプローチでいきなりスリップダウン。どうやらオイルに乗ったらしいです。純正のアッパーカウルとシートカウルが粉々になってしまいました。いったいどんなこけ方をしたんでしょう。

 というわけで、一年目が終了。春までにFRPのカウルを手に入れよう。








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