過去の雑記 04年 9月

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9月 1日
「トリビアの泉」を途中から観る。「コレラ菌の存在を認めずにコレラ菌を飲んだ学者に付き合わされた弟子がいる」にはつい大笑いしてしまった。直前のトリビア「コレラ菌の存在を認めずにコレラ菌を飲んだ学者がいる」の時点で、「知ってる、知ってる。アシモフが書いてなかったっけ」とか思って知ってるトリビアと油断してたんで、見事に不意を付かれた。ネタ配置の妙。「韓国には北斗の拳の実写版がある」はいまいち。ネタそのものは悪くないけど、そこでハリウッド版に触れないのは片手落ちだろう。

乙木の樹の未来史の話。「アスタウンディング系で「未来史」っつーたら、アシモフより前にハインラインです。ってか、《ファウンデーション》は先行していたハインライン未来史との差別化が最初の課題になってます。ついでに《U.S.ロボット&機械人間社》が、当初から未来史を計画していたかってーと甚だ疑問。スーザン・カルヴィン物の後期には未来史指向が見えるけど」と突っ込みたいと、mixiに書いておいたらu-kiさんが突っ込んでくれた。ありがとうございます(9月3日記)。

ただ、話のポイントは僕が思っていたのと違う様子。「未来史という考え方そのものの起源」ではなくて、「ガイナックスに影響を与えた未来史」がポイントなのか。そっちは興味がないからいいや。

てなわけで自分の興味の戻って。海外SFで最初の未来史指向の作品とはなにか、というのは難しい問題だ。ステープルドンの『最後にして最初の人類』とか『スターメイカー』とかは単独作品として完結していて、今一歩未来史っぽくないしなあ。年表系ではあるけど。

9月 2日
「KURAU Phantom Memory」第7話。クラウとクリスマスが島でのほほん。クラウのウエイトレス姿の似合わなさがすばらしすぎです。

中日・阪神。序盤に小笠原が捕まったので、さしもの中日も一休み、かと思ったら立浪タイムリー&アレックス3ランで逆転ですか。ワンチャンスをものにする集中力はあいかわらず凄い。そこから、一人一回の継投でちゃんと勝ちきるのも驚き。まずは、きちんと福留欠場の不安を払拭した。前半戦打点王の不在が響かないはずはないが、残り30試合弱を5分で乗り切る分には問題なさげ。ペナントに波乱が生じるとしたら、ヤクルトが神懸かった場合のみか。貯金20でビジターは5割というのもすごいね。ホームの好成績だけで首位にいるという。ホームグランドの特性と、チーム構成が完全にマッチした形。自分が横浜ファンであるという一点を譲る気はないけれども、それはそれとして今年の中日は面白い。

クラフト・エヴィング商會『テーブルの上のファーブル』(筑摩書房)。出たときに買ってあったものをいまさら。かっちりとしたコンセプトを中心に作ってきた今までとは異なり、あたかもブレーンストーミングをそのまま本にしたかのようにさまざまな断片が投げ出され、それが不思議な統一感を生んでいる。すごみはないが、居心地の良い本。

冒頭の対談のでたとこ加減(おそらく計算されたでたとこ加減)がまず素敵。たくさんの鉛筆とか、たくさんの電球とか、たくさんのワイシャツとか。一個のグレープフルーツとか。クラフト・エヴィング商會らしい、ゆったりした空気が溢れている。

9月 3日
横浜が、ついに46勝目。去年の勝利数を越えました。長かった……。

勝利を確認したので広島・中日。尾形内野手と緒方外野手を「新人ほうののおがた」と「ベテランのほうのおがた」と呼び分けているのは、ちょっとツボ。9回に「岩瀬を出さずに済むんじゃなければ0点で良いや攻撃」とかやっときながら、危なげなく勝つ中日は、ちょっとかわいげが無いと思う。

間違いメールを装った手間のかかるSPAMが流行ってるのはごぞんじだろう。例の、筒井康隆ファンの平田とかのあれだ。出会い系に出したメールの誤配のふりが基本で、身内の不倫話の誤配もたまに、という感じなんだけど、今日来たのは、性愛どころか色恋の匂いすらさせない代物だったんでちとびっくり。
>この前やっとケーキ作りを始めた訳ですよ!
>ショコラってどうかなと思ったんだけど以外とカンタンにスポンジ上
>
>手に作れたよ♪生クリームもできたし☆
>結構ひとりで嬉しがってたり\(^o^)/
>私ってもしかしてお菓子作りのプロ!?
>
>とか思ってたけど。。。。
>食べてみたらガナッシュにブランデー入れすぎたよ(-_-;)
>次こそちゃんと作ってやる〜o(>_<)o
この内容に対していったいどうしろというのか。ここから、間違い指摘に始まって、徐々に恋愛へと発展、最後は有料出会い系への誘導というストーリーをたどるのか。なんか手間のかかる話である。この文章だと善意の誤配の可能性を完全には捨てきれないけど、メールアドレスでぐぐったら、不倫話系SPAMのひとつと同じものだったのでSPAM認定した。「意外と」を「以外と」とミスタイプしているのはリアリティがあってgood。

9月 4日
殊能レシピを読んで無性にナポリタンが食べたくなった。真っ赤なウインナが入ってるやつ。鉄板の上で湯気を立ててる。あつあつの。もちろん、玉子が敷いてある奴。ナポリタンで検索したら2chのナポリタン大佐スレが引っ掛かったので熟読してみたが、やはり関東で食べるのは難しいようだ。しかし「名古屋ではナポリタンをイタリアンと呼ぶ」説はいまひとつ納得しがたい。ナポリタンだったがなあ。

そんなわけで昼飯は近所の喫茶店のナポリタン。輪切りのピーマンとたまねぎとマッシュルームにベーコン、適度にふにゃふにゃの麺と甘めのケチャップで、かなり良かったが、皿盛だから冷めるのと、玉子がないのが減点。ナポリタン道は険しいのだ。

まんが読み。『DEATH NOTE』3巻、『武装錬金』4巻、『鉄人28号』5,6巻、『鉄腕バーディー』6巻、『よみきりもの』7巻。

バーディーはどんどん面白くなってきている。このゆっくりめの展開にどれだけの人数ついていっているか不安だけど、今度は物語を全うしてくれると信じたい。

鉄人は偽鉄人の話。でも本物は悪役が盗んだ方。珍しいパターンな気がする。しかし、鉄人はサイズが変わりすぎだ。人間を二、三人一度に掴んでたぞ。6m前後じゃなかったのか。近代まんがだと、このフレキシブルなサイズ変化を許してリアルであることは難しいだろうな。

竹本泉は体温の話が良かった。

夕方から元ユタ。参加者は、青井邦夫、SF人妻、添野知生、高橋良平、林、宮崎恵彦、山本和人(あいうえお順敬称略)。主な話題はハリポタ、初オタイベントの率直な感想、「ウルトラ警備隊」、「電車でD」最新巻、ユリイカの最低売上、SF大会、ワールドコンが来てしまったら、ラジコン潜水艦、最近の映画、過去の映画、未来の映画。GBAのゲーム「ウルトラ警備隊」のツボつき具合のすばらしさには感心することしきり。OPだけでも一見の価値がある。

9月 5日
渋谷に朝9時という過酷なスケジュールをものともせず ウォルター少年と、夏の休日を観る。「傷ついた心を再生させ、あったかい涙に包まれる、この夏最高の感動作」というキャッチに加えて、このタイトルなんで、ありがちな感動系だろうとスルーしていたけど、MZTさんの「ビッグ・フィッシュ」系という言葉があったので釣られてみたら、これが正解。元気なじいさんたちの元気な映画でした。
無鉄砲な兄貴の行動に眉をひそめつつフォローしたりフォローしなかったりする(相対的には)常識人の弟が非常に良いキャラ。若い頃の兄貴の活躍の話をする中で、ちょっと自分を活躍させすぎちゃうところとか。つねに眉をゆがめて困っている少年も好演。表情が完璧です。
もう一シーン欲しいところ(ハブ伯父さんの話が暴走するところとか、もう1,2回繰り返しても)もあるけど、総体としては大変に満足。ヒラマドさんとかとりこさんとかは大変に気にいりそうな内容だったので、もし万が一、まだ観てなければ急いで観にいくべきだと思ったことです。
東京近郊だと、金曜までは渋谷シネパレスで9時からのモーニングショー。それ以降(正しくは9/4から)は港南台シネサロン(横浜)でやっているらしい。

つづいて池袋に移動して古代オリエント博物館の「空想動物・神々の世界展」。最終日になんとか間に合った。さほど広くは無い空間に、エジプト、ギリシア・ローマ、西アジア、南アジア、東南アジア、東アジアの怪獣、獣人モチーフの遺物を放り込んでいるので大変忙しい展示になっている。エジプトのアクセサリ、ギリシアのコイン、中近東の印章など、小さな物が多いのも特徴。細部を観るためにはどれもこれも目を凝らす必要があって大変目が疲れたことです。椅子があるたびに座り込んじまいましたよ。獣(鳥)面人身のモチーフは非常に多いのだけど、物によって説明が人だったり、神だったり、怪人だったりしたのは気になるところ。どこで判断したんだろう。もう少し展示を体系化してストーリーをつけてれば興味も増したのになどと思いつつも、会場から予想した範囲内という条件では、面白い展示だった。目録が売切れだったのは残念。

最後に東京駅に移動して真鍋博展@東京ステーションギャラリー。
星新一で育った人間故、真鍋博の絵は見飽きるほど見てると思ってたんだけど、こうしてみると何も観てなかったんだなあと痛感。一つ一つの画の細かさ。美しさ。すみずみまで配慮が行き届いた丁寧な質の高い絵が、量を伴って迫ってくるのは、とんでもない迫力。ひとつの街(たとえば新宿)のすべての建物(1軒の呑み屋にいたるまで!)を鳥瞰で描いた連作など、どうすればここまでの仕事が出来るのかと愕然とすること請け合い。また、すべての行動が分刻みで克明に記録された日記も印象深いというか、鬼気迫る。貴重なものを観たという充実感でいっぱいです。

9月 6日
特集がSFっぽかったので「ポピュラー・サイエンス 日本版」の最新号を買ってみる。メイン特集は「今そこにある、藤子・F・不二雄の世界」。他「「2001年宇宙の旅」アーサー・C・クラークの予言」「SF小説化が描く驚異の未来像」など。SF系のページ比率は高いが、それほど濃い物ではないので、店頭でざっと目を通してからどうするか決めることをお薦めする。
ところで、いま気づいたんだけど、ポピュラー・サイエンスって科学誌なのに縦組みなのな(*1)。

以前買った温野菜サラダが残っていたので、コンビニで主食と蛋白源を買ってきて夕食。調子に乗って「大盛ミートソース」とか買ったら胸焼けで死にそうになった。腹八分目重要。

*1:先月までは横組みだったらしい。

9月 8日
『象られた力』を買ってきた。とりあえず、かつきさんの解説だけ読む。全篇に愛が溢れているのがなにより良いですね。情報の盛り込み方もほぼ過不足無く。収録作品全作解題は、ちと重い気もするけど、ページ数からいったら妥当かな。「飛浩隆・全作品リスト」とかつけてもしかたがないし。飛作品の特徴として、「バランサー役のキャラクター」の存在を指摘するあたりと、バランスと転倒の構図云々のあたりが面白かった。 eとらんす 10月号で三省堂@神保町で行われた柳下×若島トークショーのレポート記事を読む。Webレポートの類で断片的に読んではいたが、オフィシャルだと情報量が全然違うね。自分の読みがいかに荒かったかがよくわかったので、もう一度精読したいことである。 奇妙愛博士の所長室 04/09/07より、怪獣ビッグバトル(HOTWIRED日本語版の紹介記事)。ようは着ぐるみプロレスなんだけど、妙に面白そう。これは観たいかも。

カフェ&バー!ホビーショップ&ゲームスペース!という新宿のボードゲームが遊べる飲み屋鋼鉄城の存在を知る(via こどものもうそう)。扱っているゲームはこんな。今週末は難しいんだけど、そのうち行ってみないか。> その筋の人々

9月 9日
とても狭い巷で噂の、東芝のスカパー対応DVDレコーダーのCMを観た。池田秀一の声で「東芝のDVDレコーダーは化物か」って奴。予想以上に原典からの引用が多く感心することしきり。それが売上につながるのかという、そこはかとない疑問も感じつつ。最後に部下役が「言うと思ってました」と落とすのは、さりげなく良いと思いました。

ささいな疑問なのだが。ストライキ予定日に雨が降った場合、ストライキによる中止と、雨天中止のどちらを優先するんだろう。球団の考え方によっては、雨天中止扱いにしちゃって、別途試合を設定することも出来そうだけど。

9月10日
今週末のストは回避したらしい。とりあえず、第一歩。

現時点では、思ったより選手会の意向が受け入れられ気味。プロ野球の構造的問題は解決していない以上、間違いなく次はあるわけだけど、その対策の痛みは、今度は選手側が受けるんだろうか。具体的には過剰な年俸の抑制。年俸の削減制限の撤廃かな。

RPGamer最新号にはFighting Fantasyシリーズの新作が付録に付くという話を思い出し、近所のおもちゃ屋に探しにいったら売ってなかったので、再確認。今月末売り号らしい。

技術が高いと体力と運が低くなるシステムとか、バルサスちっくな魔法のネーミングとか、気になる。

9月11日
諸般の事情(笑)で本会には参加できなかったが、ファン交考の後宴会に参加して飲んできた。よもぎとか、人参とか、牛乳とか、かぼちゃとか、変り焼酎ばかり頼む細井威男はいかがなものかと思ったことだ。

今回、気がつくと焼酎(泡盛含む)しか呑んでない気が。それなのに、悪酔いせずに済んだのは奇蹟に近いな。
#普段はぬるい酒飲みなので、焼酎とか日本酒だと覿面に酔うのだった。

芋焼酎の癖にウイスキーのような味がした「天使の誘惑」は要研究。

9月12日
いま書いているいつものあれにも書きましたが。

信じられないことに《デューンへの道》は面白い。というか『公家コリノ』が面白い。登場人物は思ったことをみんな教えてくれるから、例によって深みはかけらもないんだけど、今まで積み重ねてきた伏線とキャラの数のおかげで、その単純さが錯綜し、互いに干渉し、複雑な物語になっている。それは、一個一個は単純な仕掛けなんだけど、全体としては複雑な模様を描くドミノ倒しのよう。いままで懸命に並べてきたドミノが一気に倒れる『公家コリノ』の3巻は、ほんと痛快の一言でした。最近のSFにろくなものがないとか言うのなら、最低限これ読んでからじゃなきゃ駄目でしょう。

そしてみんな、第1部『公家アトレイデ』の退屈さに嘆くがいいさ。
#巻き添えを増やすため、絶賛キャンペーン中。『公家コリノ』ほんとに面白いんだけどな。

9月14日
おそるべし中日。相手エースの完璧な投球の前に沈黙、9回3点差まで追い込まれておきながら、同点に追いついて、そのまま勝ちきるか。完全に優勝モードに入ってますな。

しかしヤクルトも勝ったので、マジックは出ないのだった。対象チームと10ゲーム差、残り17試合でマジックが出ないというのは、冗談としか思えない展開。いや、出た瞬間にヒトケタなんだけど。

一方、横浜は50勝から先に進めない状態。夢の60勝はもう無理かなあ。

ところで。まったく気づいてなかったのだが、いつのまにか燃えドラ2004が発売中らしい。そして、山本正之がライブで言っていた通り、本当に、歌詞に落合の名は出てこないらしい。山本正之が、落合を嫌っているから。なんだかなあ。

個人的な好き嫌いはあるだろうけど、「燃えよ!ドラゴンズ」は中日の半公式応援歌なわけで、このふるまいはちょっとどうにも大人げなく感じる。今年の落合采配を気に入っているファンの立場は。過去の振る舞いはどうあれ、監督として一定水準以上の成果をあげている人物なんだから、それなりの敬意を払ってもいいんではないかと思うことだ。

9月15日
やらか堂繁盛記『ディア半島』経由でGNUガンダムは伊達じゃない。いや、語感が気に入っただけで、他意はないです。

9月16日
油断していたら、山下大輔監督退任の報が。がーん。まだ正式に決まったわけではないらしいけど、ねえ。今年の成績だけならやむなしだけど、昨年からどこまで巻き返したかと考えると、やはり残念。「今年は戦力アップしてたのに低迷したから」っても、佐々木は途中で壊れたわけで、トータルで見ると戦力は去年とそれほど変わってないわけだし。正直、この戦力で読売、中日、阪神の三強に割って入れるとは思えない(ヤクルトは割って入っているわけだけどな)わけで、Bクラスであることを低迷と言われてもなあ。今年は去年と違い下がいるのだから、山下監督は彼なりにちゃんとやっていたと思うのだ。問題はむしろ、「とりあえず監督更迭しとけ」なフロントの方ではないか。大洋以来の悪習が何も変わっていない。二年毎にトップの首をすげ替えていてはチームの方針も何も根付くわけがないだろう。せめて、もう一年様子をみたかった。

ところで。後任田淵の噂というのはなんの冗談だ。

帰りにバスを待っている際、目が疲れていたので眼鏡を外していた。どうやら、また乱視が進んでいたらしく、光るものは本当にえらいことになっている。20m先の信号が、十幾つに見えるというのはどうよ。近くのものはそうでもないが、遠くのものはどんどんぼやける(正確には複数の光源が周囲に散ったように見える)ので、光は遠くなれば遠くなるほど大きくなるように感じる。いや、ほんと、遠近感が狂う狂う。これで光のパターン同士が重なると、その瞬間、遠近がはっきりするものだから、そこだけ遠近感が発生したり。世界全体が、なんだか書割のような非現実的な代物になっていた。なんだか楽しかった。

#「目が疲れたから眼鏡を外した」っつーても、僕くらいに強度の近視&乱視だと、裸眼でいる方が目に負担をかけるはずなのだった。でも、なんとなく、裸眼のほうが楽な気がするんだよ。

9月17日
TrashCanExtraを見てたらさりげなくつっこみが。
あとなんだっけな、えーっと、あの話は、北米が舞台ですぅ>林さん
SFM9月号感想の「貴腐」の話ですね。あ、ほんとだ。「南米」とか書いてる。いや、わかってたんですよ。ちょっとした間違いですよ。ついですよ。メキシコっぽいなあと思って、南米って書いちゃったんですよ。南部って書きたかったんですよ……。
言い訳は、どうあがこうと醜いですね。はい。というわけで訂正しました。

そんなこんなでスト決行。意見が完全にすれちがってたんで、これはしかたあるまい。ストで何か改善するとも思えないんだけど、一部ファンと近鉄選手会の手前、一度はストしておかないと収まらないだろうし。現在のセ・パの1位、2位のゲーム差と中止試合数を考えれば、優勝争いとは無関係なんで被害は最低限におさまったというところ(当事者だけは白熱しているプレーオフ争いはどうでもいい)。三連休での野球観戦を楽しみにしてた人はかわいそうだけど、雨でも降ったと思って諦めるしか。

結局、どうなるんだかまったく先は見えませんが、とりあえず田淵じゃないといいなと思うことでした。< それは別の話だ

それはそれとして。そういえば、天下の「いるだけコミッショナー」根来が辞めるらしい。これは今年の野球界には稀にみる慶事。「いるだけコミッショナー」のくせに「言うとおりにしなきゃ辞める」などと言い出す面白おかしい人物をトップに置いておく余裕は、今のNPBにはないでしょう。可及的速やかに消えてしまえ。

しかし、あれだ。こいつも含め、おのれの分というものがわかってない爺の言動は面白いなあ。

9月18日
昼過ぎからアンサンブル例会に参加。ベスト話や、更新記録界隈の話は良いとして、隙を見つけてはプロ野球の話をしていたのは、われながらいかがなものか。だから海外SFの会なんだってば。たしか。

例会終了後、元ユタに行くかどうかしばし迷ったが、細井さんと飲む機会はそうない(という割に多いが)ということで、ハイチで西インド諸島料理。ほそいたけおの作り方とか、yama-gatの作り方とか色々聞けたので収獲。

帰りがけ、日暮里駅で電車を待っていると、突然、ホームの反対側から争いあうような怒号が聞こえてきた。さらに、つづいて驚愕の声が。そこにちょうど逆側の電車が到着。驚愕の声は悲鳴に変り、「動かしちゃ駄目だってば」だの「駅員さーん」だの「はやく救急車呼ばないと」だの剣呑な言葉が次々飛び交う。電車の扉も開かず、なんだか大変なことが起きたようだ。気にはなったのだが、なんせホームの反対側で並んでいる身である。疑問ばかりが募る中、身動きとれずにいるうちに、待っている電車がきてしまったので、そのまま乗ってしまった。いったい反対側のホームでどんな惨劇が起きたのか。確認したいような、したくないような。

9月19日
ユーロスペースで『トッポ・ジージョのボタン戦争』を観てきた。あるいは観にいってきた。途中、なぜか記憶にない場面がいくつかあるので、観たと言い切るだけの勇気はない。トッポ・ジージョの演技も、銀行強盗たちが繰り広げるギャグも、トッポ・ジージョが惚れる赤い風船の演技もみなハイレベルで、作品の質に問題はなかっただけに残念。もう一度挑戦しようか。ところで(ネタバラシにつき一部同色フォント)ラスト、恋人の死体を丁寧に洗い、その皮をカーテンとして吊るした部屋で、楽しげに歌うトッポ・ジージョはいかがなものかと思ったことだ。

9月21日
Yahoo!ニュースというか西日本新聞より、パリに広がる地下世界の記事。
パリ中心部の下を迷路のように走っているといわれるトンネルで、何者かがつくった秘密の映画館が発見され、パリ市警察は、文字通りの“地下社会”が数年前からできているのではないかとみて調べている。(略)“地下社会”の住人たちはマンホールなどから出入りしているとみられるが、警察は、崩壊したり迷ったりする危険があるため、決して立ち入らないよう、市民や観光客に呼びかけている。
ニール・ゲイマンかミエヴィルか。詳細が知りたいので、続報を期待する。しかしあれだ。これで現代物のシナリオが出来たと思ってるロープレのマスターは多いだろうな。特にクトゥルフ系。

ANIMAXをぼーっと見ていて知ったのだが、『カッパの飼い方』がアニメ化されるんですね。まったく気づかなかった。しかしANIMAXだけの放送ってのは、どれくらい需要があるんだ。

アッチェレランド:伊)accelerando。音楽用語で「だんだん速度を速めて」。アッチェレとも。

ストロス(と世徒ゆうき)の《アッチェレランド》ってなんだろうというのが常々疑問だったので重い腰をあげて調べてみたら、あっさりふつうの用語だとわかってしまった。調べてみるものだなあ。ストロスのほうから、てっきりアッチェレ・ランド(=land)だと思い込んでいたので、まさかそんな落ちが来るとは予想外。だんだん世界のテンポが速くなる(そしてオメガ・ポイントになだれ込む?)わけですね。たぶん、どこかに日本語での解説文もあったんだろうけど、すっかり見落としたか、忘れたかしていた。オフィシャルな文章で恥をかく前に気づいてよかった。

林家志弦『ULTRA SWORD』(コアマガジン ホットミルクコミックス・シリーズ)。復活した淫魔から「花嫁」を守るため、この世をエロマンガのような世界にしない為、四人の剣の巫女が戦うエロ入りコメディ。コメディ要素が前面に出ていて“実用性”は皆無。実に健全な世界で安心して読める。ので、僕には向かないようだ。

9月22日
つくばの大雨はなんとかやり過ごし、柏に戻っても降る直前と、どうにかうまく切り抜けたぜ、と思ったら、本屋によってる間にどしゃぶり。すっかりずぶ濡れになってしまった。修行が足りない。書店では、デカレンジャーのジャスミン&ウメコ写真集を立ち読み。女性型異星人特集のおまけもついて悪かないけど、必要ないと確認できたので買わずに帰る。無事、憑き物が落ちた。買ったのは竹本泉『トランジスタにヴィーナス』7巻と、漆原友紀『フィラメント』。『トランジスタにヴィーナス』が最終巻だったのにはちとびっくり。

今週末のスト回避につながる(かもしれない)譲歩案が出る中、行われた今日の試合。このところもたついていた中日は、投手力頼みの強引な試合運びながらなんとか勝利をものにし73勝目。次の試合に勝てばマジック点灯というところまで持ってきた(スト分の再試合の有無は関係なし)。対象チームに7.5差、残り13or11試合でまだというのが驚異的なんだが。

われらが横浜はおっかなびっくり読売戦連勝で53勝目。再試合がなくても7勝9敗なら60勝に到達できる。去年からするとえらい進歩だな。夢はでっかく、めざせ阪神を抜いての4位。

yahooが『きまぐれロボット』のアニメ配信だそうです。故星新一の原作の雰囲気をそのままに、1話2分×10話のショートショートアニメを制作・提供ねえ。STUDIO4℃と「すべての登場キャラクターを二人が演じるという「まんが日本昔話」風の演出」ってのは食い合わせが悪くなかろうか。

横浜・読売と中日・ヤクルトの2本立てから、「トリビアの泉」、各種ニュースのスポーツコーナーなどを挟み、「ギャラクシー・エンジェル」「鉄人28号」、空き時間で「特捜戦隊デカレンジャー」を観て、「サムライ・チャンプルー」まで。
「鉄人28号」はしばらく観ないうちに、面白くなってきていたようで。テーマ性はともかく、話で勝負できるようになっていたのは喜ばしい。その分、画の楽しさは減じていたが、そこで勝負する回ではないということで納得すべきか。次回の、最終回は観なけりゃという気になってきた。
「特捜戦隊デカレンジャー」は「プリンセス・トレーニング」。メンバーの一人が警護のためにお姫様と入れ替わるという黄金パターン。無意味な儀式の数々がチープながらもよく練られている。東映スーパー戦隊がここまでテンションを保ち続けるのは偉大なことだ。脚本と演出と演技とアクション。基礎の充実を感じさせる。
「サムライ・チャンプルー」はフジ放映分としては最後になるのかな。第二話でこんなものかと思って以来だったのだけど、画の力だけで幸せになれる作品になっていて驚いた。レンタルが始まったら、借りなきゃ。

竹本泉『トランジスタにヴィーナス』7巻(メディアファクトリー MFコミックス)。シリーズ最終巻。コピー地球物の設定がどんどん広がりを増している中の完結は惜しい。主人公がイーナスであることには拘らないので、この世界設定の作品がどんどん読みたいことだ。とある登場人物の一部設定があおいちゃんみたいだったのは、大変懐かしいことでした。

9月23日
経営側の大幅譲歩を引き出して、スト回避。約束は約束でしかないわけで、どうなるかはわかったもんじゃないし、バファローズというチームが(名前はともかく)無くなることにかわりはないけど、それでもまあめでたい。構造的な問題が解決したわけじゃないという自覚は球界全体にあるはず。あってほしい。そこが解決しないのなら、次の近鉄(候補はオリ鉄か)が出てくるだけだろう。来シーズンをかけてそこを改革できるか。それはそれとして、ペナントにとって最小限の被害で済んだのは不幸中の幸い。代替試合を行うのも容易だし、行わなくてもシーズン結果が確定するには問題ない数字(2ゲーム差あれば確定)。あとは、今後の行方に気を配りつつ、ペナントを楽しもう。9回2死からの逆転勝利万歳!

トッポ・ジージョに再挑戦。どうやらすぐ眠くなるのは体調とは関係ないらしく、今日も苦労した。スーパーミントなガムの投入でなんとか勝利。映画も、ちょっとだけたるかったかな。
銀行の金庫に納められた5大国の全核兵器の発射ボタンを盗もうとする一団と、トッポ・ジージョ&恋人の赤い風船の大奮闘。わけがわからないあらすじだと思うだろうが、ほんとにこんな話だ。カラフルな靴下だけで識別されるギャングのパートはなかなかにスタイリッシュでかっこよい。義肢から組み立て式のドリルを取り出したり、通信機がただのバナナだったりナンセンスな場面も多いのに、それがギャング物の雰囲気をこわすことなく溶け込んでいる。 トッポ・ジージョの自然な演技も驚異的。流水など共演しづらそうなものがいっぱいあるのに、なんということもなくこなしている。お見事。

全体としては、やや長いながらも面白かった。どの客層を狙っているのかはいまいちわからなかったけど。

9月24日
オリックスの新球団の名称などが発表された。球団名はオリックス・バファローズ。ホームは大阪ドーム。フランチャイズは大阪、兵庫。選手は現近鉄、オリックスの選手からプロテクトした25名が中心。オリックスがバファローズを買収しただけちゃうんかと。こんなことなら、ブルーウェーブを楽天に売っぱらって、バファローズを買っとけば最初から丸く収まったのに。
#それではだめなんだろう、きっと。

クトゥルフ系パロディサイトに久しぶりに行ってみたら新作が出来てた。題して、ふたぐんクトゥぴったん
いあ ふんぐるい むなふ
ちょっと としょかんで どくしょ
こころ ころり いかれたら
きっと えいぞくてききょうき
「いっあ!(いっあ)ふんぐるい むっなふぅ」と声を出して歌ってみると、出来のよさに感心します。「永続的狂気」のところはちょっとゴロが悪いかな。

9月25日
いまさらなまんがをいくつか。

漆原友紀『フィラメント』(講談社 アフタヌーンKC)。『バイオ・ルミネッセンス』と収録作がかなり被るけど、『バイオ』は持ってるだけで読んでないから問題なし、って、あれ?『バイオ』収録作がひとつ載ってない。というわけで両方読む必要があったのだった。最近の2作はやはり段違いの出来。特に構成に圧倒的な差がある。幻想の魅力の面でも、より地に足ついた(地に足ついた幻想って)近作の方が上。作者の成長が見える作品集だった。とりあえず「迷宮猫」。

岡崎二郎『大平面の小さな罪』(小学館 ビッグコミックス)。なにをかいまさらシリーズ。この世の平面すべてを管理する管理機構の女性が平凡な男の前にあらわれる不思議な居候物。かと思ったら、平面人の犯罪捜査物になるのだから世の中という奴は油断ならない。がさつで悪賢くにくめないヒロインが印象的。

とつぜん誘いのメールが入ったので突発的飲み会に行ってきた。池袋のもつ系串焼き屋で2時間くらいとパセラで2時間。メンバーは割といつもの風味。尾山さんが、「超人ロック」を実家から見つけてきたそうなので、そのうちゲーム会やりましょう。 > 向井くんとか、その辺の人たち

9月26日
まんがを読んだり。高橋葉介『街童子』(朝日ソノラマ)はネムキ連載作の単行本。A5版形は久しぶりかな。家ではなく街に憑く、座敷童子ならぬ街童子を主人公にした連作。設定を固める段階の前半はいまひとつだが、後半はなかなか。予知をうまく使ったトリッキーなエピソード「霧の中の子供」、異形コレクションあたりに入ってそうな爽やかな悲劇「私的街童子」が良かった。

《夢路行全集》7〜9巻(一賽舎/スタジオDNA)。閉店間際の書店に駆け込んで買ってきた。7,8巻は『荻の原日記』(上・下)だが、それぞれ巻末は別作品。8巻のうち「町立氷川中学分校」は既刊単行本には未収録っぽい。9巻にはデビュー作が。あまりにも昔の少女漫画風のタッチで笑ってしまった。『荻の原日記』は良質のファンタジーなので、単行本未入手ならば是非。あと、『春の回線』掲載作(7人のお姫様が王宮を抜け出し密林の中を冒険する、ということになっている『密林天国』とか)は全般によいですね。

ポチチャリポラパ経由で、「フェラ語変換スクリプト」 。なんのことかと思ったら。バカすぎです。

9月27日
こぼれ話より、 戦闘妖精少女 たすけて!メイヴちゃん OVA化。「初回限定版はフィギュアとシングルCD付き!」だ、そうです。本気だったのかバンダイビジュアル。世の中には冗談に留めておくべきものが……。

※後日出た、コンプティークの記事も読んだ。あらすじを読んでるだけで頭が痛くなったんだけど、帰って良いですか?(10月2日 追記)

9月28日
若島正の読書日記9月22日より、若島先生のSF講義取り扱い作品(邦題にしてみた)。
  1. ウェルズ「妖星」
  2. ワインボウム「火星のオデッセイ」
  3. アシモフ「嘘つき!」(連作『わたしはロボット』)
  4. ハインライン「輪廻の蛇」
  5. ブラッドベリ「イラ」(連作『火星年代記』)
  6. スタージョン「海を失った男」
  7. ベスター「ピー・アイ・マン」
  8. ディック「にせもの」
  9. バラード「終着の浜辺」
  10. ディレイニー「コロナ」
  11. ディッシュ「リスの檻」
  12. スラデック「古カスタードの秘密」
  13. ラファティ「町かどの穴」
  14. ウルフ、ジーン「デス博士の島、その他の物語」
  15. ル・グィン「オメラスから歩み去る人々」
  16. シェルドン、ラクーナ(ディプトリー)「ラセンウジバエ解決法」
  17. ヴァーリー「空襲」
  18. ギブスン「ガーンズバック連続体」
なんというか、「ちゃんとした」ラインナップだ。受けてみたかったな、これ。
#90年代以降として、イーガン「貸金庫」あたりが欲しい気もする。いや、チャン「あなたの人生の物語」の方がいいか。

中日はエース川上の粘りでついにマジック1。明日にも優勝しようかという状況なわけだが、なんと地元、愛知エリアではこの3連戦(M3で2位と首位攻防戦、3連戦中に優勝が決まる可能性の高いカード)の地上波中継がないようだ。はてなの中日応援系日記で見たときには信じられなかったが、Yahoo!のテレビガイドで確認してみたところ、どうやら事実らしい。それどころか、金曜日からのナゴヤドームの試合も中継予定がない。いくら、秋の改変期で特番ばかりとはいえ……。こんなに地元で嫌われていて大丈夫なのか。 > 中日

※その後、毎朝毎に予定が変わり中継された。さすがにそうだよな。毎朝、放映予定を変更するはめになったテレビ局の中の人はお疲れ様である(10月2日 追記)。

SFマガジン10月号

「アメリカの七夜」をちゃんと読み解く精神力はありませんでした。思わず攻略サイト読んじゃったよ。七日間が主の復活の七日間に対応しているとか、(自力で気づいてしかるべき)目鱗な示唆をたくさん読んだのでとりあえずの憑き物は落ちた気分。本気でちゃんと読むのは読書会とかなんらかの必要が出来た時かな。

肝心の「七夜」をその程度の読み方しかできずに言うのもおこがましいが、ウルフ特集全体としては大満足。「ライバーか君は」と素直な話に驚いた「ラファイエット飛行中隊よ、今日は休戦だ」が(「一匹狼」以外では)ベストというのは邪道に過ぎるか。

「ショウガパンの館にて」はわりとわかりやすいホラー。ティナが「家」に取り込まれる理由がもう一押し欲しい。

「名犬クランキー」はぼんくら発明家が自分の発明品に翻弄される話。俗物の脇キャラ含め、ラファティが書いててもおかしくない話なんだけど、なんだかいまひとつノリが悪い。のほほんとした空気にこちらが馴染めなかったのか。

「メムノン」はあと一歩わからなくて、ていうか隔靴掻痒?アガメムノンの話として読み返すとなにかあるんだろうか。あるいは、他の何か?出生の理由や最後の対決など表層のイメージは絶賛系。

「カツブシ岩」はまあ、ちょぼちょぼ。落ちはきれいに決まった。

小説外では高千穂・安彦対談が面白かった。ただ、これ含め、3本のインタビュー/対談がページまたぎというのはどうしたもんか。色ページに冒頭を起きたいという意図はわかるけど、結果として何度もページを行ったり来たりせにゃならんというのは明らかに可読性を落としている。どうにかならんもんか。

9月29日
先日、渋谷で映画を見た際に、三省堂コミックステーション渋谷に寄ろうと思って探したが見つからなかった。どこかに移転したのかと思っていたのだが、どうやら閉店していたらしい。東急文化会館の取り壊しに伴う移転後は、立地の悪さもあって客が入ってなかったからしかたがないか。渋谷界隈では最強のまんが屋だったし、一般向けの1階とボーイズラブ&男性向けエロマンガに強い2階のギャップや、2階を「エロ+男の子向けラノベ」と「BL+女の子向けラノベ」にコーナー分けして、男女が混ざらないようにした棚配置など、変で好きだったのに、残念。しかし、こうなると、アニメイトの空気が苦手な僕はどこでまんがを買えばいいのだろう。帰りに池袋に寄れば良いのか。

9月30日
晩飯に、バーボン(たぶんトリプルくらい)を飲んでたら、そのまま寝入ってしまい、鉄人28号の最終回を見逃した。きっと、抜群のアクションと華麗な謎解きと社会に対する痛烈な批判と感情を揺さぶるドラマがたっぷりなすばらしい最終回だったのだろうに。くやしいなあ。と、言ってみるテスト。

SFM考課表10月号分をアップ。「アメリカの七夜」大人気だなあ。作品の空気だけでも十分勝負できる作品なので、+1は当然として、+2、+3も多数あるあたりが興味深い。ぼくはロジックの部分で十分に理解できなかったので「+2をつける勇気はないなあ」とひよりました。逆に評価が低いのが「ショウガパン〜」。超自然の介入があったのかどうか曖昧なあたり含め「オーソドックスな技巧的ホラー」で面白かったのだけどどうやら人気がない模様。意外だ。

ファイティング・ファンタジー復活な、別冊付録『凶兆の九星座』に惹かれてRPGamer vol.7を買う。いまさらRPGをやる気なんてかけらもないんで雑誌本体は無駄かと思ってたのだけど、意外と楽しめた。いまどきのRPGシーンは、すっかりシステム主導になってるんですね。「システムは前面に出ないことを善しとする」という旧弊な概念に縛られがちな旧世代(『ソードワールド』ドロップアウト組)からすると新鮮。「ルール・ザ・ワールド:新撰組」なんて、こんながちがちのシステムでロールプレイになるのかと不思議なほどだけど、きっとなるのだろう。思い返せば、『クトゥルフの呼び声』なんて、恋愛ルール(TACTICSに載ったオプション・ルール:恋に落ちるかどうか判定、恋愛状態シフトチェックなど)まであったわけだから、それと似たようなものか。こういうシステムお任せなノリでハック&スラッシュ上等のゲームをするのは、お気楽に楽しいだろうなあ。
一般記事でも、新城カズマの架空世界設計講座など興味深い読み物があり、予想以上に楽しめたのだけど、やはり3000円は高いね。これが1500円なら毎号買うのに。< 無理です

目当ての『凶兆の九星座』は未プレイ。パッケージは正調FFで悪くない。訳者あとがきには、「作者に執筆意図を尋ねたら『ファファード&グレイマウザー』の一節が引用されていた」だの「冒頭はゼラズニイの未訳作品のオマージュ」だのあったんで、期待大。

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