過去の雑記 99年 4月

雑記のトップへ

前回へ
4月11日
都知事選に投票。当選の可能性が無いとは言えない候補で、宗教色が薄く、保守系ではなく、共産党じゃない候補…っていないじゃん。選択肢が広そうに見えて実はあんまり広くない。とりあえず、一番我慢できそうな候補に投票。でも、こいつは当選せんだろうな。

久しぶりに中野君とゲーム。
最初は「ラグナロック作戦」(ツクダ)。銀英伝を題材としているにもかかわらず、「謙信上洛」(ツクダ)とシステムがほとんど同じという豪気なゲームだ。謙信と趣が違うのは、同盟の主力ヤン・ウェンリーに特殊能力、「ミラクル・ヤン」がついていること。これは、7種類ある戦術チットのうち、サイコロ1個分を使わないとして公開させるという暴虐な能力だ。帝国側は実質、3、4種類のチットで戦うはめになる。ヤン自身の笑ってしまうほどの能力値を考え合わせると、3対1以下の戦力比で帝国が勝利することは事実上不可能となる。まあ、たまたま帝国対同盟の戦力比は5対1を越えるのだが。
っつーわけで、僕は帝国を担当。序盤はそれなりに優位に展開していたのだが、中盤に差し掛かるあたりでサイの目が腐ってしまい、2Dでは5以下か9以上(嫌な方)、1Dでは1、2しかでなくなってしまう。ここでアッテンボローを取り逃がすとイゼルローン要塞を再奪取されるという場面で、3回続けて行動チェックに失敗したあたりで精神的に切れてしまいゲーム放棄。中野君には本当に申し訳ないことをしました。落とされても、状況は4分6で不利という程度、いくらでも挽回可能だとは思ったんすが、あのサイの目にやる気を削がれてしまいましたね。まあ、でも戦略・戦術ミスも多々あったんで、負けたとしても仕方が無いところではあるんだけど。

少し、「空中庭園」のカードを眺めた後、モンコレ。
1戦目はレベルドレイン・デック対変身コンボ・デック。主力を屠った後の攻撃まで考慮に入れた相手のレベルドレインデックに対して、こちらはあまりにも攻撃力が低く、どんなに有利な状況を作っても倒されていく。再戦を挑むもあっさりと退けられ連敗。変身デックの弱点が浮き彫りにされた形となった。
続いて、レベルドレインデックにいつもの儀式デックで挑む。地形が多すぎるのがネックとなり、今一つ有効打が出ない。相手は特殊進軍デックでもあるため、結構本陣近くに迫られて防戦で忙しくなり本来の破壊力を発揮できないままゲーム終了。なんとか引き分けたが実感としては敗戦に近い。
1日中負け続け、かなり打ちのめされた精神状態で挑んだ第4戦は、「空中庭園」で強化した速攻デック対儀式デック。「遠見の水晶球」による手札破壊と、「アクアマリン・ハーミット」による儀式対策が完璧に機能し、今回もかなり不利な展開。ほとんど山札もつきかけもう駄目だと思ったが、たまたま戦場にユニットがほとんどいなくなっていたことが幸いし、「プライド」で手札を捨てさせて「大砂蟲」が本陣になだれ込むという大技で勝つことができた。とはいうものの、これは偶然の勝利にすぎない。デックの再構成の危急度は日増しに高まっているようだ。

4月12日
縁あって(ありがとうございました)手元にある『アーキペラゴ』の1〜3章を読む。もちろん日本語。
いや面白いは、これ。ラファティの長編なんで、良くわかんないところもいっぱいあるんだけど(ストーリーとか)、断片が実にわかりやすく面白いんでほとんど気にならない。
が、それだけに話が動きはじめた3章で途切れてしまうのが非常に惜しい。ここから先は本当に翻訳が存在しないんだよなあ。こうなったら、原書を見つけてきて読むしかないのかも。ただ、ラテン語だの、ドイツ語だの、タガログ語だのが無造作に挿入される代物を、技術論文すらまともに読めない人間に読むことが出来るかどうかだけが気になるが。

4月13日
気になってしまったのでラファティ『悪魔は死んだ』の再読をはじめる。やっぱり何がなんだかわからないが、初読時より面白く感じるのは読み方がわかってきたからか、何かに騙されているからか。
ああ、でも騙されているとしても面白いぞ。青心社も軽ポルノばっかりだしてないで、そろそろラファティの長編を出してくれないかな。とりあえず、『地球礁』か『アーキペラゴ』を希望。

帰りがけに「空中庭園の降臨」をもう1箱購入。総枚数20枚の超レアが、2箱目でもう2組ダブるってのも悲しいが、それが「眠れる森の美女」ってのはとても悲しいぞ。使えねえよ、こんな危ないカード。

横浜は、佐々木の今期初登板で、阪神に勝利。無敵中日と当るのはGWに入ってからなんで、それまでになんとか星を5分に持っていきたいところ。そのためには、今週から来週にかけての阪神・広島・阪神の7試合は絶対に負け越すわけにはいかない。ローズの爆発に期待しよう。

4月14日
いつのまにかBINGOが休刊になったらしい。これで『石神伝説』が中途半端に終ることになるかと思うと残念でならない。とりあえず、他誌での復活を期待。

オリジナル宇宙SFアンソロジー、『宇宙への帰還』(KSS出版)購入。なんで、突然こんな物が出たのかは分からないが、とりあえずその意気や良しだ。この調子で、今度は海外SFのアンソロジーを出してしまう豪気な出版社とか増えないかな。

4月15日
権藤が宣言したとおりに佐々木が3連投して4連勝。なんとか体制は整ってきたようだ。中日の状態を考えれば優勝は当然ありえないが、この調子なら、夏までに1度くらいは優勝争いに絡むことが出来ないとも限らない。「1回優勝争いをして昨年がフロックでないことを見せ付けながらも、結果的には3位」という今年の大目標のため、選手たちにはぜひとも奮起していただきたいところである。
とりあえず、想定Bクラス2チーム相手の7連戦、残り2勝2敗が目標だ。

4月16日
大学内の組織変更で存続が危ぶまれていた名大SF研ページがなんとか復活。一時は現役SF研ページ多分最強と謳われたページも昔の光今何処、すっかりただの更新しないページに成り下がってはいるが、これを機会に立ち直りを見せてくれ…たりはしないかなあ。誰かその手のマニアが一人いればなんとかなることではあるだけに、新人の活躍が望まれるところである。…あるが、説明会に来た新入生が一人きりだった等という噂を聞く度に、辛い現実というものが圧し掛かってくる名大SF研の、明日はどっちだ。

この1週間のんびり読んでいた『悪魔は死んだ』を読了。再読のはずではあるのだが、細部どころかテーマもキャラもほとんど忘れていたという事実に気づき愕然としてしまった。そうか、こんな話だったのか。
ジャンルフィクションに求められることなんて煎じ詰めれば「面白い」ことだけなんだから、できるだけ深みに踏み込まず表層のエピソード、いやいっそのこと語り口だけを楽しむのが「正しい」読み方なんだとは思う。が、そうやって読んでいるとストーリーの方は右から左に抜けていき、あとにはなんとなく面白かったという印象程度しか残らない。だからといって、ストーリーを追っていくと語りの暴走でストーリーがぶった切られる場所が気になって結局わけがわからなくなる。どうにも、読み方が難しい。
そりゃ、さすがに頭から注意して読み続ければ粗筋くらいは読み取れる。地の文はミス・リードが多いから参考程度にして、ミスターXの言葉だけに注意を払うようにすれば「何が起きたか」くらいはわかるだろう。ラファティの短篇を読み慣れているのなら、それと同時に語りを楽しむなんてことも可能だ。しかし、その方法では意味のわからない言葉が残りすぎる。その程度では「本当に何が起きたか」はわからない。
「本当に何が起きたか」は、細部のフレーズを丹念に追っていかないと理解しづらい。誰が「善人」で誰が「悪人」なのか。そもそも「善悪」とは何か。本当は何と何の争いなのか。注意を払うべき場所さえわかれば、「本当に何が起きたか」を把握するのも難しいことではなくなる。ただ、語りを楽しむのを少し抑えて細部に気を払えば良いだけだ。そうすれば、とりあえずわかったつもりにだけはなることが出来る。問題は、そんな読み方で面白いかどうか、だ。
いや、面白いんだけどね。

4月17日
モンコレのエキスパンション第3弾、「空中庭園の降臨」の4箱目を購入。3箱目を買った時点で、20種類の超レアが10種類手に入っていたのだが、4箱目を開けてびっくり。1種類も増えないんでやんの。1箱に入っている超レアは平均5枚なので、こういった事態が起きる確率は32分の1…、なんだ結構起きるのか。

久しぶりに新作も読もうという気になり山本弘「ミラーガール」(SF-online)を読む。誕生日に貰った人工無能マシンと少女の奇妙な友情の物語。50年代風、良い話系アイデアストーリーとして始まるこの短篇、ある意味ではとんでもなく意外な結末を迎えてしまう。いやあ、まさかそうやって終るなんてことがありうるとは予想だにしなかった。
文章の安定感はさすがで過去のonline掲載の短篇の中では最も普通のSF短篇になっているこの小説、それだけにあれで終ってしまうというのが予想外だったのだが。普通、もう少し毒があるよなあ。

4箱目の屈辱を晴らすため、買う予定の無かった5箱目を購入し、ユタで1袋づつ開けていると、小浜さん、三村さんが到着。一人、喫茶店でトレカを開けるのは恥ずかしい行為であるという指摘を受けてしまった。いや、それくらいの自覚はあったんすけどね。
例会参加者は大森さん、柏崎さん、小浜さん御夫妻、雑破さん、添野さん、高橋さん、林、藤元さん、柳下さん、山本さん御夫妻。話題は星雲賞のノミネートとか、スターウォーズの新作とか、SFセミナーの合宿企画とか。春の新作アニメの話がいまいちできなかったのが若干心残りかな?あ、DASACONの話も幾つか出ましたが、例によって他人事のように答えておきましたんで。> 他のスタッフの方
しかし、DASACON賞で「ノミネートされたのに0票だったサイトリスト」ってのは僕が担当者でも掲載する勇気はないと思います。 > 山本さん

夕食を食って、ルノアールに移ってからほどなく。突然「たんぽぽ娘」の作者がヤングだということを思い出す。「ミラーガール」を読みながら「「たんぽぽ娘」の500倍は甘い話だよな」と思った瞬間から約5時間。たったこれだけの事を思い出すのに、こうまで苦労するとは。「メリルの2巻に載ってた」とか「テヴィスは「ふるさと遠く」だから別人」とか「フィニイは「レベル3」だからもっと似てない」とか「ストーリーを知ったのは石川喬司のエッセイ」とか、いらないことは幾らでも出てくるんだけど肝心の作者名だけが出てこない。いやはや歳は取りたくないものですね。

4月18日
某MLで盛り上がっていた「沈黙のフライバイ」に星雲賞を掲示板が出来ていたので、見に行ってみる。
僕は「昨年の国内短篇のベストは小林泰三「海を見る人」だ」という立場なので、積極的に運動を応援する気はないが、「沈黙のフライバイ」が星雲賞を取ることの意義は理解出来るし、運動の価値は高いと思う。関連サイトも含め、盛り上がりを期待しよう。

そろそろ新作アニメは落ち穂拾い。第1話を見損ねた「コレクターユイ」を見る。
設定だけなら並の作品にはかろうじて出来そうなのに、わざわざこうまでつまらなくするか。時間枠から「恐竜惑星」や「ジーンダイバー」並の作品を期待したこっちが悪かったのか。とりあえずあまりの間の悪さに辟易したので二度と見ないことに決定。アニメは間だよなあ。
夜中に油断して「To Heart」を見てしまう。丁寧な作りは好感が持てるが興味の対象外。千葉テレビの映りの悪さを我慢してまで見るほどの魅力は感じない。

4月19日
さすがに溜まってる未読のSFマガジンを何とかしようという気分になり、とりあえず、恩田陸「ロミオとロミオは永遠に」の第1回を読む。

…おい。

「そこまでしますか、恩田陸。」としか言いようが無いぞ。ディティールは充分に面白いんで、このまんま突き進んでくれることを期待。どうせ、全体の構成には期待してないし。

4月20日
fj.booksを読んでいたら楽しい記述が。
目録があればいいだけのことでしょう。整理が出来ていればすぐ検索できる。1000の蔵書なんて個人で持つ人は稀。図書館、博物館であれば目録作成の専門家は必ずいるはず。
たかだか1000冊なんて、普通のことだと思うがなあ。

昨日に引き続きSFM3月号を読む。マコーリイ「プロテウスの皮膚」と牧野修「我ハ一塊ノ肉塊ナリ」を読了。
マコーリイの短篇は意外なことにごく真っ当なSF。ちゃんと起承転結があるだけならともかく、驚いたことに間が滑らかに繋がっているという。過去に読んだのが「遺伝子戦争」と『フェアリイ・ランド』だけなんで、断片しか書けない作家だと思ってたんですけど、違うんですね。話の方は予想通りの展開とは言え、オチに皮肉も効いて、まあまあの出来。とっとと次の紹介がなされることを希望。

牧野の短篇は例によってグロテスクもの。SFになってしまっていることで、やや幻想性が薄れているのが難点か。ラストのおぞましい美しさはさすが。量産されるとついていけなくなりそうだが、年数回ペースで掲載される分には実に気持ちが良い。

次回へ

このページのトップへ