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「古典派からのメッセージ・2001年〜2002年編」目次へ戻る
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受験、卒業、お礼参り

 

二月一〇日(曇り時々みぞれ雪) 

 きょうは中学三年生の娘の高校受験なので、朝、最寄り駅まで送って行きました。駅には大勢の中学生があふれていました。小生は、勉強というのは本人が自覚して努力すべきものと考えていますので、あまり娘の勉強を見たりあれこれ言ったりしませんが、きょうは、駅への道すがら、昔の自分の経験から若干のアドバイスをしておきました。最初は緊張していた娘でしたが、駅で友達に会うと途端にリラックスして、いつもと変わらぬ様子で友達と楽しそうに話しながら電車に乗って行きました。

 

二月二三日(晴れのち曇り) 

 結局、娘の高校受験は、第一志望校を除いてすべて合格という結果でした。第一志望校に受からなかったのはかなりショックだったようですが、彼女にとって初めての人生の小さな挫折を前向きにとらえるように娘とじっくり話し合いました。小生にとってうれしかったのは、彼女なりにこの経験をのみ込んですぐに気持ちが立ち直ったこと、そしてそれ以来、娘が積極的に小生に話しかけてくるようになったことです。この小さな挫折が父娘の和を深めるきっかけになったことに感謝しています。

 

三月一七日(春日好天) 

 先週は娘の中学校の卒業式があり、彼女が卒業生を代表して答辞を読みました。前日の我が家でのリハーサルは今一つで家内もカリカリしていましたし、小生は仕事の都合で当日式には行けませんでしたが、娘の友達から「答辞感動したよ」とのメールが来ていましたので、きっとうまくできたのでしょう。

 

三月二四日(花曇り) 

 桜が満開です。いつもより二週間くらい早い開花です。九段下にある小生の勤務先からは千鳥が淵の桜がきれいに眺められます。四月になると武道館で入学式も数多く催され、この季節、九段下界隈は華やかな春の賑わいを見せてくれます。

 さて、この週末は愛知県の小生の実家へ娘と帰省してきました。娘の高校入試合格祈願に実家の父母にお参りに行ってもらっていた岩津天満宮へお礼参りするためです。娘も四月から高校生なので小生の通っていた母校、岡崎高校へ連れて行ったり、岡崎城へ立ち寄ったりしながら帰りました。岡崎城下を流れる菅生(すごう)川の岸辺では土筆(つくし)採りをしている人がいました。岡崎は今でも城下町の面影を色濃く残した落ち着いた町なのです。

 翌日は家族で岩津天満宮へ行きました。名鉄バスに揺られて三〇分くらいでしたが、久しぶりに矢作川河畔の桜並木の風景や、若い頃の徳川家康が一向一揆に追われて逃げ込んだという大樹寺の近くにある名鉄電車のローカル線廃駅の懐かしい景色を楽しみました。岩津天満宮は菅原道真没後千百年の大祭で賑わっていました。娘もこの小旅行で岡崎の古い街並みが好きになった様子でした。  

平成一四(二〇〇二)年二月〜三月