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Mさんとのメール交信

 

 

 このホームページを見ていただいたMさんからメールをいただきました。若いに似合わず(というと失礼かも知れませんが)、なかなかしっかりしたことを書いてこられました。ご本人の了解をいただきましたので、小生の返信共々ご紹介します。

 

Mさんからのメール>

 

Mと申します。まだほんのちょっとですがホームページ拝見しました。いつも学校から与えられる課題にあくせくしているので、頻繁にサイトに伺うことはできないかと思いますが、読み進められた際には、また感想を送らせて頂きますね。

 

去年「武士道」が再発刊された時、二冊買いました。親友と私の分です。親友は今月帰国しますが、二年ほど海外にいます。彼女と私は日本が大好きで、「武士道」をずっと読みたかったのです。私は海外に行ったことがないのですが、それは日本全国をまわってから海外に行きたいと思っているからです。海外から日本を見ることも必要だと言われますが、私の中ではなかなか譲れません。ドイツに行きたいというお話になりましたが、私は医学とか法学にも興味があって、日本はドイツの影響を強く受けているというのも一つの理由です。

 

今年になって、司馬遼太郎さんの「日本人を考える」という古い本を読みました。中でも、陳舜臣との対談が一番興味深かったです。空海の行は特に、その通りなのではないかと思いました。生方さんもこの本を読まれたことがありますか?司馬さんの本は私にとっては教科書のような感じです。司馬さんがご健在なら、今の日本の情勢や外交姿勢を嘆かれるでしょうね。私はいつも思います。教科書検定の時に毎回騒動が起きますが、その国それぞれの考え方があって然るべきではないでしょうか?なぜ歴史観まで押しつけられなければいけないのでしょうか?私には全く理解できません。この考え方は間違いでしょうか?

平成二〇(二〇〇八)年某月某日

 

 

<Mさんへ 生方より>

 

メールありがとうございます。HPを訪問してくれてありがとうございました。そうですか、新渡戸稲造の「武士道」新訳を読まれましたか。英語版は当時のアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領も感動して、知人や部下たちに買い与えたほどだそうです。それだけ普遍的な内容だということですね。僕も愛読書の一つです。

 

 司馬遼太郎も好きですが、「日本人を考える」は読んだかどうか、定かではありません。日韓関係は(日中関係にも応用できると思いますが)司馬さんと陳舜臣さんの対談のような、お互いに古代を共有しているという信頼をベースにしたつきあいができるといいと思います。戦前の一時期だけで日韓、日中関係をイメージするのはやめたいものです。学校も忙しいと思います。体調には気をつけて、将来必要な知識・技能を身につけて下さい。

 

生方史郎 拝

 

平成二〇(二〇〇八)年某月某日