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「古典派からのメッセージ・2009年〜2010年」目次へ戻る
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ドヴォルザークの名演を縁に

 

昨日、名古屋市民会館で催された小泉和裕さん指揮による名古屋フィルの演奏会に行きました。小生の大好きなドヴォルザークの名曲が二曲(ヴァイオリン協奏曲、交響曲第七番)演奏されました。なかなか引き締まったいい演奏だったと思います。金管楽器もよく鳴っていました。ソロヴァイオリン奏者の金川真弓さんは、まだお若いですが、海外の名だたるオケとの共演で場数を踏んでいるだけあって、実に堂々たる弾きっぷりで、強い感銘を受けました。

 

 この二曲は、いずれも、日本人には(少なくとも小生には)なかなかリズムのとりにくいボヘミアの舞曲が取り入れられており、それがまた、ショパンなぞのサロン音楽とは全く異質な自然児ドヴォルザークの面目躍如といったところです。

 小生は、交響曲第七番の第二楽章冒頭で、クラリネットが郷愁溢れる旋律を吹く場面がとりわけ好きで、これが出てくると目頭が熱くなるのを止められません。ウィルス騒動の影響か、客足が今一つの名古屋市民会館の中ほどの席で、ドヴォルザークの心を包み込むような旋律に、一人涙を止められずむせんでいる男がいました(笑)。

 

 

 この感想文をフェイスブックに投稿したところ、何人かの「友人」がメッセージを寄せてくれ、思いのほか盛り上がりました。ご紹介しましょう!

 

T先輩曰く】

内側に溢れてくる静かな熱情とそれを包み込む秋のボヘミア……という情緒ですかね……

 

【小生応えて曰く】

ドヴォルザークほど豊かで人間味あふれる旋律を書いた人はいないのではないか、と小生は感じます。故郷ボヘミアに根差した音楽であり、祖国への誇りが何のけれんみもなく堂々と歌われています。彼の音楽は、ブラームスから学んだ構築性も立派ですが、何と言っても野生児、自然児の音楽であり、そこには都市型インテリの不健全な自意識のようなものは微塵も感じられません。だいぶ以前に、「新世界交響曲」について、こんなことを書いていました。ご参考までに。http://www2s.biglobe.ne.jp/~ubukata/20030525.html

 

【後輩のI君曰く】

真弓ちゃんは、私の大学のオーケストラで同期の男のお嬢さんなんです。同じ時期にロサンゼルスで一緒だったので、彼の家でも演奏を聴かせてくれました。チャイコフスキー・コンクールで四位になったビデオは見ましたが、ドイツへ留学して磨きがかかった演奏を生で聴きたいです。

 

【小生応えて曰く】

そうだったんですね! この子(などと呼ぶのは失礼ですが、若いので)は、ソリストとしての実力もさることながら、オケと「語り合う」ことを知悉していて、ドヴォルザークがあちこちに散りばめた宝石のようなオケとソロの「対話」や「掛け合い」を見事に造形していたのが印象的でした。名古屋フィルとも初共演ですし、これからしばらく日本のオケと共演するようなことがチラシに書いてありましたので、見られる機会があるのでは?

 

【I君また曰く】

そうですか。金川君が聞いたら喜ぶようなコメントですので伝えさせていただきます。先週でしたか、家内が東京芸術劇場での演奏会に行きましたが、音色に艶がかかったと言ってました。これからの活躍が益々楽しみです。

 

【I君またまた曰く】

金川君夫妻も昨日は名古屋にいたそうです。銀行の先輩と近藤さんのコメントをお伝えしたところ、真弓ちゃんが嬉しそうに「どうして銀行員の人が、そんな中味の濃いコメントができるのか?」と驚いていたので、金川君は「その方は只の銀行員じゃないんだよ❗」と答えたとのことでした(笑)。ステージに上がると堂々としていますが、素顔は子供っぽいんですよ。ホールが大きくて、最初バランス的に真弓ちゃんの音が埋もれるのではと危惧したそうですが、名古屋フィルのメンバーにも気に入ってもらえたようで、オケの責任者にも又是非と言ってもらえたそうです。小泉さんの指揮が見事だったそうですね。二月ベートーベン、三月札幌でシベリウス。四月兵庫でメンコン、七月広島でブラームス、九月福岡でブリテンだそうです。

 

【小生応えて曰く】

金川さん親子にご紹介をしていただき、ありがとうございます。そうですか、早くも引っ張りだこですね✨ 将来が楽しみなヴァイオリニストです。

 

【九谷焼陶芸家のYさん曰く】

近藤さん、羨ましいです(笑)ドヴォルザークは僕も好きです。稀代のメロディメーカーだと思います。

 

【小生応えて曰く】

Yさん、そのとおりですね! また演奏会ご一緒したいですね!!

 

【放送大学時代の学友Hさん曰く】

ドボ七と言いますと、どうしても第三楽章スケルツォのメインテーマが「顔」かと思いますが、緩徐楽章の主題を挙げられるとは、僭越ながら、なかなかの「通」ですね。(そもそも、九番でも八番でもなく、七番ということ自体がシブいですが^^;) 改めて聞いてみましたが、やはり通向き。()

 

【小生応えて曰く】

Hさん、確かに第七番で一番特徴的なのは第三楽章ですね。多声的な扱いもとてもよくできています。緩徐楽章の冒頭の主題は素朴ですが、小生の心にはじわっと響きます。ドヴォルザークの交響曲は、第一から第四までは、習作といっていい水準ですが、第五からは傑作群だと小生は思います。近年は、七番、八番も演奏会のプログラムに載るようになりましたが、大傑作(と小生は確信する)第六は、滅多に出ません。日本の指揮者では、下野竜也さんが、数年前にドヴォルザーク交響曲全曲演奏を敢行し、特に第六を知られざる名曲として高く評価しておられました。他のジャンルで小生が好きなのは、弦楽セレナード、管楽セレナード、ピアノ五重奏、弦楽六重奏、同五重奏、ピアノ三重奏などの室内楽(弦楽四重奏曲は、数は多いですが面白いものは少ないです)、それに宗教音楽(特にスターバトマーテル)です。

 

【Hさん、また曰く】

そうですね彼の室内楽も珠玉ですね。ちなみに、私が以前から愛聴してご紹介している「あくまでYouTube上の名演奏」はコレです。(チェロのマイスキーが何とも上手いですね)

https://youtu.be/dnarQ7fh1w4

交響曲第六番とは、ますます通の領域ですね。これも改めて聴かせていただきます。👍

 

【小生応えて曰く】

この映像、私も大好きです。奏者たちの気迫が恐ろしいほど伝わって来ますね✨👍✨

 

【Hさん、またまた曰く】

確かに。

【もう一人の放送大学時代の学友Kさん曰く】

うーん、レコードが聴きたくなりました。

 

【小生応えて曰く】

いいね!

令和三(二〇二一)年一月十六日