バードストライク

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野鳥が風車のローターなどに衝突する現象をバードストライクと呼んでいます。バードストライクと言うと、以前は、航空機に野鳥などが衝突することで、エンジンに吸い込んだり、操縦席の窓ガラスにぶつかったりして、航空機の運行に障害を与えることがあり、航空機事故の原因になったこともありました。最近は、風車へのバードストライク問題が顕在化してきており、大きな関心を呼んでいます。何れにしても環境に優しい風車と野鳥とは共存することが必要です。
   
      

風力発電と野鳥との共存

風車とバードストライクに関する情報

 

 

  • 環境省、風車へのバードストライク映像を公開(YouTube、2014年4月16日)
    平成25年度海ワシ類における風力発電施設に係るバードストライク防止策検討委託業務­の中で、衝突メカニズムを解明するために撮影されたオジロワシのバードストライクの映像とのことです。詳細はYouTubeを参照してください。


  • 「(財)日本野鳥の会、可能性が期待される浮体式洋上風発を視察」(野鳥、2014年2月、通巻782号)
    2013年11月25日に、長崎県五島市で環境省が開催した浮体式洋上風力発電実証事業検討会に野鳥の会が参加した。野鳥の会は、鳥類の生息地の存在よりも、風況や送電線、道路の利便性で立地が決まることが多い陸上と比べて、立地選択の可能性が広がる洋上の方が風力発電の適地がある可能性があると考えており、浮体式洋上風力発電の技術動向に注目していると述べている。詳細は野鳥の会通巻762号参照のこと。


  • 「(財)日本野鳥の会、『根室フレシマ風力発電所』建設計画、脅かされる北海道の希少生物の生息地」(野鳥、2014年1月、通巻781号)
    2012年春、北海道根室市の渡邊野鳥保護区フレシマの隣接地へ、風力発電所建設計画が発表され、野鳥の会は鳥類が風車に衝突するリスクが高いことから、その設置位置の見直しを訴え、影響を評価するための調査を実施していると報告している。詳細は野鳥の会通巻761号参照のこと。


  • 「(財)日本野鳥の会、鹿島港洋上風力発電所 建設計画への対応」(野鳥、2013年12月、通巻780号)
    茨城県神栖市の鹿島港南海浜地区に最大50基(総出力2万5000kW)の着床式洋上風力発電所を建設する計画に関わり、7月2日と25日の2回にわたり「鹿島港洋上風力発電環境影響調査(鳥類に係る調査計画書案)」の打合せ」が行われました。日本野鳥の会、日本野鳥の会茨城県、波崎愛鳥会と事業者らで建設前の鳥類調査の方法について協議した結果、お互いに合意した内容で、鳥類調査の項目や方法が環境影響評価方法書に記載されることになりました。まずは、方法書を作成する前に、事業者らと調査方法を協議できたことは、「開発」と「保護」を考えるうえで大きな前進であるとしている。


  • 「(財)日本野鳥の会、日本各地の風力発電計画に対して意見書を提出」(野鳥、2013年7月、通巻776号)
    2013年3月25日〜29日にかけて、全国14か所の風力発電施設建設計画が発表され、そのうち、8件について、日本野鳥の会と日本野鳥の会各支部と連名で、また、2件については、
    、日本野鳥の会単独で、5月14日までに、事業者へ意見書を提出した。意見書提出先と事業規模一覧は以下のとおりである。日本野鳥の会では、自然エネルギー導入と野鳥保護が両立するよう、今後も意見を発するとしている。
    ○(仮称)浜中風力発電事業(北海道浜中町)、2,300kW×10基
    ○北檜山ウィンドファーム事業(北海道せたな町)、2,000〜3,000kW級×60基
    ○上北小川原風力発電事業(青森県六ヶ所村)、3,000kW×12基
    ○高森高原風力発電事業(仮称)(岩手県一戸町)、2,300kW×11基
    ○(仮称)住田ウィンドファーム事業(岩手県住田町)、2,000〜3,000kW×55基
    ○(仮称)石巻風力発電事業(宮城県石巻市)、2,000〜2,500kW×8基

    ○(仮称)大潟村風力発電所新設事業(秋田県大潟村)、2,500kW×40基
    ○若美風力発電事業(秋田県男鹿村) 、2,000〜3,000kW×7基
    ○(仮称)南越前・敦賀風力発電事業(福井県南越前町) 、2,300kW×9基
    ○横川正木ウィンドファーム(愛媛県宇和島市) 、2,500kW×10基

  • 「バードストライク!」 (YouTube、2013年5月15日)
    風力発電へのバードストライクに関連し、風力発電施設で発生した猛禽類の映像が公開されている。




  • 「(財)日本野鳥の会、シンポジウム・野鳥と風力発電(2013.1.13)の開催報告を掲載」(2013年4月12日情報掲載)
    日本野鳥の会は、2013年1月13日に開催した「シンポジウム・野鳥と風力発電−野鳥保護と自然エネルギーの共存を目指して」について、開催報告(講演内容、講演の詳細等)を日本野鳥の会のホームページに公開した。詳細は、日本野鳥の会のホームページを参照。

  • 「(財)日本野鳥の会、宮崎県串間市「串間風力発電所(仮称)建設計画 環境影響評価方法書」に対して意見書を提出」(2013年3月21日、日本野鳥の会ホームページ、2013年4月3日情報掲載)
    日本野鳥の会宮崎県支部と公益財団法人日本野鳥の会は、宮崎県串間市での風力発電施設の建設計画に関して、特に渡り鳥への影響が懸念されるとし、適切な環境影響評価が行われるための調査手法を提案する観点から、事業者である串間ウインドヒル株式会社(代表取締役社長 久富 洋一 氏)に対して、意見書を提出した。
    詳細は、日本野鳥の会のホームページを参照。

  • 「(財)日本野鳥の会、福島県楢葉町および広野町沖「浮体式超大型風力発電機設置実証事業環境影響評価方法書」に対する意見書を提出」(2013年3月18日、日本野鳥の会ホームページ、2013年4月3日情報掲載)
    福島県日本野鳥の会連携団体連合会と公益財団法人日本野鳥の会は、福島県楢葉町および広野町沖での洋上風力発電施設の建設計画に関して、国内では海鳥への影響が未知であるとして、
    適切な環境影響評価が行われるための調査手法を提案する観点から、事業者である資源エネルギー庁(長官 高橋 一郎 氏)に対して、意見書を提出した。詳細は、日本野鳥の会のホームページを参照。

  • 「(財)日本野鳥の会、石狩湾新港の洋上風力発電計画に対して意見書を提出」(野鳥、2012年9・10月、通巻768号)
    日本野鳥の会は、札幌・小樽支部と連名で、北海道石狩市と小樽市にまたがる石狩湾新港の港湾区域内に計画されている洋上風力発電計画に対して、意見書を提出。洋上風力発電の調査について船舶を用いた海鳥の調査や、渡り経路の調査に関して具体的な調査方法等を提案している。今年6月に環境省と国土交通省が「港湾における風力発電の導入を円滑にするマニュアル」を発表しており、このマニュアルに記載されている協議会の設置による環境影響の検討を求めている。


  • 「(財)日本野鳥の会、三重県度会の風力発電計画に対して意見書を提出」(野鳥、2012年6月、通巻765号)
    日本野鳥の会は、日本野鳥の会三重の意見書提出と歩調を合わせ、三重県度会町での大規模風力発電施設計画に対して、希少鳥類の生息環境への影響を危惧して意見書を提出。計画地周辺に複数のクマタカが生息し、風車の建設がクマタカの繁殖に影響を与えるとの予測から計画変更を求めている。さらに、サシバへの影響予測と事後調査の実施などを要求している。また、調査頻度についても指摘を行っている。


  • 「アメリカ内務省が風力開発事業者向けの野生動物保護ガイドラインを発行」(2012年3月23日)
    アメリカ内務省は、風力発電開発事業者向けに風力発電開発地における野生生物やその生息に与える影響を最小限に押させるよに設計するためのガイドラインを公表した。詳細はhtttp://www.fws.gov/windenergy参照。


  • 「あわや バードストライク!」 (YouTube、2011年12月)
    風力発電へのバードストライクに関連し、風力発電施設近傍を飛翔し、異常に接近している猛禽類の映像が公開されている。


  • 「風力発電のバードストライク問題に関する一考察(3)」 (第33回風力エネルギー利用シンポジウム予稿集、2011年11月、日本風力エネルギー学会)
    科学技術館にて開催された第33回風力エネルギー利用シンポジウムにおいて、「風力発電のバードストライク問題に関する一考察(3)」の論文ポスター発表があった。既存風力発電施設における約1年半にわたる猛禽類観察結果を基に、猛禽類のバードストライクに関して鳥の飛翔の観点や気象条件、風車運転条件に対する分析を行い、バードストライク問題に関する考察を行っている。飛翔と気象との関連ではパターン分類できること、風車運転条件に関数る分析では、バードストライク減少のため、仮にカットイン風速を上昇させた場合の年間発電量変化を試算し、その総発電量への影響は大きくないことを示している。
    なお、本論文は日本風力エネルギー学会から「論文ポスター賞」を受賞している。

  • 「3000kW大型風車周辺の野鳥行動の観察研究」、(第33回風力エネルギー利用シンポジウム予稿集、2011年11月、日本風力エネルギー学会)
    大型風車周辺の野鳥の行動について、2009年から2011年の春秋2回計4回のカメラによる観察研究を行った結果を報告している。観察のなかでは風車のブレードに衝突や接触する野鳥は見られなかったとしている。

  • 「オジロワシの傷病原因の第2位に『風車衝突』」、環境省環境影響審査室、第33回風力エネルギー利用シンポジウム予稿集、2011年11月、日本風力エネルギー学会)
    環境省環境影響審査室が、2011年11月29日、科学技術館にて行われた第33回風力エネルギー利用シンポジウムの講演において、北海道内のデータとして、判明している限り、オジロワシの傷病原因の第1位が交通事故、第2位が風力発電衝突であることを明らかにした。2011年1月に公表した「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引きでは、第3位であったが、最新のデータでは第2位となった模様である。

  • 「日本野鳥の会小樽支部、日本野鳥の会札幌支部、(財)日本野鳥の会が銭函海岸の風力発電について要望書を提出」(野鳥、2011年11月、通巻759号)
    日本野鳥の会小樽支部、日本野鳥の会札幌支部との連名で財団法人 日本野鳥の会は、北海道小樽市銭函の海岸における風力発電施設を建設しないように、小樽市、北海道、環境省北海道地方環境事務所、事業者の日本風力開発株式会社、銭函風力開発株式会社に要望書を提出。シマアオジ、アカモズ、オジロワシ、マガンなどの保護の観点から提出。

  • 「日本野鳥の会山口県支部、(財)日本野鳥の会が下関市安岡沖の洋上風力発電所について要望書を提出」(野鳥、2011年11月、通巻759号)
    日本野鳥の会山口県支部と連名で財団法人 日本野鳥の会は、山口県下関市安岡地区の1〜1.5km沖の3MW級風車10基の洋上風力発電所の建設計画について、2年間以上の環境影響評価の実施、回避できない影響があると考えられる場合は事業の見直し、評価の方法の協議、結果の報告方法等に関して要望書を提出。アビ類を中心とした周辺海域の海鳥の保護の観点から提出。。

  • 「野鳥と洋上風力発電 −影響とその評価」 (日本野鳥の会野鳥保護資料集 第28集、2011年10月)
    日本野鳥の会で、洋上風力発電と鳥類について海外から知見を学び、洋上風力発電が鳥類に与える影響の知識が一般市民や研究者、行政関係者や事業者などに普及することを目的に制作している。洋上風力発電と鳥の関係、影響の評価に必要な調査内容、調査方法の妥当性、実際の調査結果、累積的影響の評価という5つのテーマに基づき、有用と思われる文献を選び、翻訳が行われている。詳細は日本野鳥の会のホームページをご覧下さい。

  • 「風力発電のバードストライク問題に関する一考察(2)」 (日本鳥学会2011年度大会講演要旨集、2011年9月、日本鳥学会)
    大阪市立大学杉本キャンパスにて開催された日本鳥学会2011年度大会において、「風力発電のバードストライク問題に関する一考察(2)」の論文ポスター発表があった。既存風力発電施設における約1年間にわたる猛禽類観察結果を基に、猛禽類のバードストライクに関して鳥の飛翔の観点や気象条件、風車運転状況に対する分析を行い、バードストライク問題に関する考察を行っている。

  • 「日本鳥学会、風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書(案) に対する意見書提出」(日本鳥学会web、2011年6月9日)
    日本鳥学会鳥類保護委員会は、「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書(案)」 に対して、2011年6月9日(木)に委員会がとりまとめた意見書を環境省に提出しました。 詳細は日本鳥学会のホームページをご覧下さい。

  • 「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書(案))」(環境省、2011年5月16日)
    環境省は、2011年5月12日(木)に開催した風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会(第8回)において、「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書(案)」を取りまとめ、公表した。
    風力発電施設における鳥類等の衝突(バードストライク)についても言及されている。 詳細は環境省のホームページをご覧下さい。

  • 「日本野鳥の会小樽支部、日本野鳥の会札幌支部、(財)日本野鳥の会は銭函海岸の風力発電計画の中止を要望」(日本野鳥の会web、2011年1月13日)
    日本野鳥の会小樽支部、日本野鳥の会札幌支部と財団法人 日本野鳥の会は2011年1月13日、北海道小樽市銭函の海岸における風力発電施設建設計画について、絶滅のおそれのある鳥類の生息に対する悪影響を回避するため、事業者である日本風力開発(株)、銭函風力開発(株)に対して、計画の中止を求める要望書を提出。また、北海道庁、環境省北海道地方環境事務所、小樽市に対しても、文書で適切な対応を求めた。 詳細は日本野鳥の会のホームページをご覧下さい。

  • 「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引きの公表」 (環境省、2011年1月7日)
    環境省は、風力発電施設における鳥類等の衝突(バードストライク)について、施設の計画段階から鳥類等に与える影響を軽減できるよう、配慮すべき各種知見・資料、防止策等を「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」として取りまとめ、公表した。 詳細は環境省のホームページをご覧下さい。

  • 「風力発電のバードストライク問題に関する一考察」 (第32回風力エネルギー利用シンポジウム予稿集、2010年11月、日本風力エネルギー協会)
    東京都内にて開催された第32回風力エネルギー利用シンポジウムにおいて、「風力発電のバードストライク問題に関する一考察」の論文発表、ポスター発表があった。既存風力発電施設における猛禽類バードストライク映像や飛翔映像等を撮影し、猛禽類のバードストライク発生時の映像等を鳥の飛翔の観点から解析した結果の報告があった。シンポジウムではバードストライク実写ビデオが公開された。なお、本論文は日本風力エネルギー協会から「論文ポスター賞」を受賞している。

  • 「風力発電の適正なアセスメント実施に向けて、勉強会を開催」 (野鳥、2010年12月、通巻750号)
    東京都内にて、環境省が意見募集していた「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」についての勉強会を、日本風力発電協会、日本猛禽類研究フォーラム、イヌワシの森倶楽部と日本野鳥の会が共同で開催した。環境省が「風力発電施設に係る適正整備推進事業」の成果から手引き案をとりまとめたもので、この成果から、鳥類・コウモリ類への環境影響評価を実施するうえでのポイントと資料をまとめたものである。勉強会には100名以上が参加し質疑が行われたと報告されている。

  • 「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引きに関する意見の募集(パブリックコメント)について 」 (環境省、2010年9月16日)
    環環境省が、風力発電施設における鳥類等の衝突(バードストライク等)について対処するため、施設の計画段階から、鳥類等に与える影響を軽減できるよう、鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引きを取りまとめました。手引き案について、意見募集(パブリックコメント)しています。募集期間は、平成22年9月16日(木)から平成22年10月15日(金)です。
    詳細は環境省のホームページをご覧下さい。

  • 「希少猛禽類・渡り鳥と風力発電の共存を目指して」(日本猛禽類研究フォーラム・イヌワシの森倶楽部、2010年9月19日)
    日本猛禽類研究フォーラム・イヌワシの森倶楽部は、風力発電と鳥類保護の共存を目指した解決策を模索する自由集会を東邦大学にて開催した。パネリストは日本猛禽類研究フォーラム、環境省野生生物課、日本風力発電協会、日本野鳥の会などである。

  • 「渡り鳥の渡りルート上に巨大風車群が建ったらどうなるか? −天竜川河口部における建設前・後の渡り状況の調査結果の比較から−」(私たちの自然、2010年8・9月)
    能登半島において建設された風車や建設予定の風車について、渡り鳥への影響や希少猛禽類の営巣地確保に対してコメントされている。

  • 「北陸の風車ゾーン ”能登半島”」(私たちの自然、2010年8・9月)
    天竜川の河口部に建設された風車5基の建設前と後の渡り鳥の渡りルート変化について調査した事例の報告です。

  • 「今後の環境影響評価制度の在り方について」に関するヒアリングについて、意見発表」 (日本野鳥の会、2009年12月)
    環境省により東京の三田共用会議所で開催された“「今後の環境影響評価制度の在り方について」に関するヒアリング”において、風力発電事業を環境影響評価法の対象事業とするよう、日本野鳥の会が意見を述べました。
    詳細は日本野鳥の会のホームページをご覧下さい。

  • 「野鳥保護資料集 第26集「風力発電が鳥類に及ぼす影響の調査マニュアル」 (日本野鳥の会、2009年3月)
    米国スモールウッド博士らによる、バードコリジョン(鳥の衝突)の被害実態と衝突率の調査方法について、日本国内で使用する際に課題になると考えられる環境要因を挙げ、その課題をどのように克服できるかについていくつか案を示し、調査方法のマニュアルとして構成している書籍です。詳細は日本野鳥の会のホームページをご覧下さい。

  • 「野鳥保護資料集 第25集「再生可能エネルギーの利用が生物の多様性に及ぼす影響−鳥類とコウモリ類の事例」 (日本野鳥の会、2009年3月)
    ドイツ自然保護連合(NABU)のミヒャエル・オットー研究所が、ヨーロッパとアメリカで発表された風力発電施設が鳥類およびコウモリ類に与える影響についての論文や報告書を概観した書籍、「Impacts on biodiversity of exploitation of renewable energy sources :example of birds and bats」(英文)について、日本野鳥の会が和訳して発行したものです。詳細は日本野鳥の会のホームページをご覧下さい。

  • 「野鳥保護資料集 第24集「野鳥と風力発電・ワークショップ資料集」 (日本野鳥の会、2008年3月)
    日本野鳥の会が、2007年8月に「野鳥と風力発電・ワークショップ」を開催しました。このワークショップの資料から風力発電が野鳥に与える影響の調査と評価方法について、海外の調査研究の実例や国内で行われてきた調査事例、また環境影響評価を行うための制度についてとりまとめたものです。詳細は日本野鳥の会のホームページをご覧下さい。

  • 「「風力発電施設が鳥類に与える影響とその調査方法の検討会」を開催」(野鳥、2009年3月、通巻731号)
    日本野鳥の会は、風力発電施設への野鳥の衝突しについて、影響評価のための標準的な調査方法が国内では確立されてい現状から、2008年10月11〜13日に、エコパワー株式会社らと共催し、米国での調査方法を学び、国内における適用等を図るための検討会を行ったとの報告がされている。検討会では、米国での調査方法を国内で適用する際のポイントの検討、建設場所での自然環境、行政や事業者との調整等、調査を困難にする要因が確認されたと紹介している。

  • 「イヌワシの風車衝突死で現地調査と要望書提出」(野鳥、2009年3月、通巻731号)
    国の天然記念物で絶滅危惧種のイヌワシが、岩手県の釜石広域ウィンドファームの風力発電施設で衝突死したのではないかとみられる問題で、日本野鳥の会北上・宮古・盛岡3支部で岩手県連絡協議会と日本野鳥の会自然保護室が11月26日、事故現場を調査したこと。現状は、イヌワシの餌場になっている可能性が高いことが判明したとの報告がされている。また、12月19日に岩手県、環境省、事業者に対して衝突事故再発防止対策実施、事故再発防止委員会の設置、対策効果の実証ができない場合の風力発電機の運転停止などを求める要望書を提出したと報告している。

  • 「釜石広域ウィンドファームのイヌワシの衝突死の対策について県知事に要望」(日本野鳥の会、2008年12月19日、日本野鳥の会プレスリリース、http://www.wbsj.org/press/081219.html)
    日本野鳥の会岩手県連絡協議会、日本野鳥の会の代表らは、岩手県知事に、釜石広域ウィンドファームのイヌワシの衝突死について現地調査し、事故の再発防止のため早急な対策が必要であるとの要望を行った。

  • 「安全な自然エネルギーの導入を−風力発電による野鳥の衝突事故防止に向けて−」(野鳥、2008年2月、通巻719号)
    日本野鳥の会では、温暖化対策を実現する前に風力発電施設が特定の野鳥に大きなダメージが生じてしまうおそれに注目し、海外の事例を参考に政策的に整備すべき事項を提案している。その内容と、環境省と資源エネルギー庁が設置した「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会」の紹介を行っている。
    上記資料に以下のwebsiteの紹介もある。
    風力発電施設と自然環境保全に関する研究会の議事録と資料
    日本野鳥の会の風力発電に関する活動紹介

  • 「風力発電と環境問題について」(第29回30周年記念風力エネルギー利用シンポジウム予稿集、日本風力エネルギー協会、2007年11月28日〜29日)
    松田裕之教授(横浜国立大学環境情報研究院)は、2007年11月28日、日本風力エネルギー協会が主催した第29回30周年記念風力エネルギー利用シンポジウムにおいて、「風力発電と環境問題について」を講演した。風力発電と鳥の共存をテーマとして、風力発電と環境問題に関するリスクトレードオフやリスクコミュニケーションの観点から講演した。広い視野での総合的な環境政策、オジロワシ順応的リスク管理、マガンの衝突リスク、透明性の高い環境保全策、インセンティブのある行政施策、提案(数値目標、鳥衝突対策、合意形成)を語った。詳細は上記予稿集を参照してください。

  • 「日本の風力発電のあり方を考える」(BIRDER、2007年5月、Vol.21, No.5)
    2007年3月16日、神奈川県・横浜国立大学にて行われた公開講演会「生物・生態環境リスクマネジメントシンポジウム、日本における風力資源エネルギーの可能性」での講演概要とBIRDERのコメントが掲載されており、「地球温暖化抑制のため、風力発電が環境負荷の少ないエネルギーとして注目されるなか、さまざまな問題も浮き彫りになってきた。」とし、いくつかのコメントが示されている。

  • 「野鳥と風力発電」(野鳥、2007年4月、通巻709号)
    特集として、「野鳥と風力発電」を取り上げている。以下の記事が掲載されている。
    • 「風力発電施設が鳥類に及ぼす影響」、R.ラングストン
    • 「鳥類と風車の衝突事故からの教訓」、S.スモールウッド
    • 「日本各地の事例から」
    • 「地球温暖化と風力発電の現状」、大林ミカ
    • 「国内の現状と共存までの課題」、古南幸弘

  • 「根室半島での風力発電計画に関し要望書を提出」(野鳥、2007年3月、通巻708号より、以下要約)
    北海道根室半島の半島東部歯舞地区における15基の風車建設計画など複数の風力発電施設計画に関して、財団法人日本野鳥の会及び根室支部連名で、2006年12月7日〜13日、北海道電力、北海道、根室市、環境省、文化庁の5者に、希少鳥類の調査の実施等を求める要望書を提出した。風連湖一帯を含む根室半島は希少鳥類の重要な生息地であり、このような地域での風力発電施設建設は、これら希少鳥類の飛行経路・繁殖行動・越冬の阻害、衝突事故の発生を引き起こすことが懸念される。
    要望書では懸念事項の指摘、風力発電施設建設が希少鳥類への影響を与えないかを把握するための十分な調査と、影響が生じると判断された場合、計画中止の措置をとるよう求めた。
    詳細は、「野鳥」(2007年3月、通巻708号)をご覧ください。


  • 「風力発電施設の立地と鳥の生息環境について」(市野和夫、大羽康利、環境アセスメント学会誌、第5巻、第1号、2007年2月20日)
    中部電力が計画している愛知・静岡県境地域の遠州灘に面した風力発電施設について、渡りの回廊上との関連や季節的な渡りとの関連を記述し、風車設置の影響が懸念されるとしている。風力発電計画の早い段階での公開、専門家や市民等の意見が計画に反映される体制作りが必要である。また、風力発電施設設置は鳥の重要な生息地や主要な渡りの回廊を避けて計画すべきと述べている。

  • 「野鳥と風車 −風力発電施設が鳥類に与える影響評価に関する資料集−(野鳥保護資料集第21集)」(財団法人日本野鳥の会、2007年2月)
    2004年3月に作成されている「風力発電の鳥類に与える影響に関する評価」の資料集出版から3年を経て、その後の新たな概説や論文が出されたことを機会に、風力発電施設が鳥類に与える影響について、最新かつ包括的な海外の文献を新たに選んで訳出し、新しく資料集としてまとめられたもので、大変貴重な資料集となっています。
    収録されている翻訳資料の目次は以下のとおりです。

    • 風力発電が鳥類に及ぼす影響の評価:A. L. Drewitt & R. H. W. Langston
    • 風力発電と鳥類 − 風力発電施設が鳥類に与える影響の分析、ならびに環境影響評価基準および立地選定問題に関する指針:R. H. W. Langston & J. D. Pullan
    • 風力発電 − 野生生物に及ぼす影響および開発規制と野生生物保護に対する政府の責務:米国会計検査院 GAO ( United States Government Accountability Office )
    • アルタモント峠風活域における風車交換事業 − 電力生産の大きな低下を招かない鳥類の死亡事故の予測と最小化:K. S. Smallwood & L. Neher
    • 鳥類の渡りと風力発電 渡りの時期、飛行行動、衝突の危険性:W. J. Richardson
    • 高地地方の猛禽類と風力発電の影響評価:M. Madders & D. P. Whitefield
    • 鳥モーション・スミアの最小化 − 風車と鳥類の衝突事故防止策として:W. Hodos
    • 鳥類の聴覚およびタービンからの回避:D. Dooling
    さらに、報告編として以下の資料が収録されています。
    • 国内の風力発電と野鳥への影響、環境影響対策の概要
    • シンポジウム開催報告:「風力発電施設が鳥類に与える影響に関する国際シンポジウム(2006年11月4日)」
    • 現地視察報告:日本で風力発電開発が野生生物に及ぼす影響に関する提言、K. S. Smallwood、2007年2月4日

  • 「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会」の開催、経済産業省資源エネルギー庁、平成19年2月5日
    経済産業省は、風力発電の必要性と自然環境保全に関する課題・問題点等について、一体として議論・把握するため環境省とともに研究会を開催との公表がありました。趣旨、研究会の位置づけ等、スケジュール、研究会メンバーが公表資料に示されている。

    公表資料は、「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会の開催について」で、経済産業省の以下の web site に掲示されています。
    http://www.meti.go.jp/press/20070205005/20070205005.html

  • 「風車への鳥の衝突(バードストライク)の現状」(小川巌、私たちの自然、第48巻、No.523、2007年1・2月号)
    クリーンなエネルギーである風力発電と同じ空間を飛ぶ野鳥への影響について、「環境内対立」としてとりあげている。「鳥はいつどこで風車にぶつかるのか」、「海外でのバードストライク事情」、「風力発電を推進する側の倫理」、「我々に出来ること−任意検討委員会のすすめ−」などについて述べている。
    自然エネルギー事業の推進と鳥の生息環境とのすみ分けをどのように図るのか問われている。鳥の接近を避ける工夫が必要であり、風車の規模、配列に対する課題を提起をしている。
    また、事故が起きたら少なくとも事故が起きた風車は、渡りの期間だけ停止させるといった緊急措置が必要ではないかとしている。


  • 「風力発電と野鳥保護」(牛山泉、私たちの自然、第48巻、No.523、2007年1・2月号)
    足利工業大学副学長の牛山泉先生が、最近話題になっているバードストライク問題に関連し、風力発電の現状と将来、野鳥保護の問題について述べている。主な項目は、「国内外の風力発電システムの導入状況」、「風力発電の環境貢献と将来」、「環境の課題と野鳥保護」、「スペインでの野鳥被害の経験から」である。
    風力などの再生可能エネルギー導入の必要性を述べ、また、風車サイトの慎重な選定、風車の新型大型化による低速回転化等の具体的な方法による野鳥への影響軽減の方向性を示している。最後に、「きちんとした環境アセスメントに基づいて風力開発を進める必要がある」とまとめている。

  • 「オオワシ、オジロワシに迫る危機−国内編@ オジロワシが切断される悲惨! 風力発電用風車の問題」(faura、2006年12月、14号)
    東京農業大学講師の白木彩子さんが北海道のオジロワシの風車への衝突死(バードストライク)の事例を基に、衝突の原因や海外事故事例を取り上げ、風力発電の問題についてコメントしている。また、「もうひとつの問題」として、羅臼のワシ見の観光客むけに行われている遊覧船からのワシへの餌付けについても問題提起している。

  • 「風車と野鳥」(由井正敏、私たちの自然、第47巻、No.521、2006年12月号)
    岩手県立大学総合政策研究科大学院の由井正敏教授が、随筆として、「野鳥は文明と衝突する」、「代わりの電力手段」、「これからの風力発電」について記述している。風力発電推進にあたり、野鳥衝突防止のため@渡りルートや希少種生息地の回避、Aアセス制度の改善、B衝突防止技術の開発の3項目の対策をとる必要があると述べている。
 

 ■なぜ風車に鳥は衝突してしまうのか?
高速運動している物体を見ている場合、早い運動速度になると、対象物体は不鮮明になります。この現象を「
モーション・スミア(動体のにじみ現象)」と呼んでいます。他にも「モーション・ブラー(動体のぼやけ現象)」、「モーション・トランスペアレント(動体の透明化現象)」と呼ぶ場合もあるようです。一時的な刺激に対して視覚系の反応が鈍いことに起因しているとされています。
ここで、この現象が起こる重要な要素は、網膜に映る回転翼等の像の絶対速度になります。風車に近づくほど、さらに、回転翼の先端になるほど、像の絶対速度が速くなるためモーション・スミア現象が起こりやすくなってしまうことになります。
モーション・スミア現象が起きてしまうと鳥は恐らく通過しても安全と解釈してしまい、バードストライクへとなってしまうのではないかと考えられています。
・・・参考文献:「モーション・スミアの最小化」(野鳥保護資料第21集、pp.155-186)



 ■航空機のバードストライク対策の例
財団法人日本航空協会の web site 「バードパトロール」によると日本国内だけで年間数100件発生しているとのことです。このバードストライクを防ぐため「バードパトロール」と呼ばれるチームが結成されており、空港内をパトロールして鳥たちが滑走路に近づかないようにしているとのことです。その方法は、散弾銃の空砲や競技用ピストルを使って大きな音を出すのが普通で、他にも、火と煙を出す花火みたいなものを使ったり、鳥の嫌いな音を出す装置を使ったりと様々な工夫をしているとのことです。


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