嫁坂

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嫁坂は、石引にある坂で、大乗寺坂の南になる。
小立野台地は、この嫁坂よりも兼六園側は非常に急な崖になっているが、嫁坂よりも南側、白山坂に掛けてはやや緩くなり、崖の途中にも家が建っていたりする。嫁坂は丁度境目になる。

嫁坂は、比較的急な崖をやや曲がりながらも直線的に小立野台地から降りてゆく。それゆえ、坂は急であり、階段となっている。坂は石が敷いてあり、また未知の両端に手すりもある。手すりは無骨な感じではなく、落ち着いた感じになっている。街灯もどこか優しい感じで気持ちが良い。坂の両側に手すりがあるのは、坂に沿って水が流れるようになっているからである。
整備されて美しい坂であるが、その一方で、歴史ある坂なのに古さを感じるところがないのもどこか寂しい。とはいえ、道には木々も多く、また見晴らしがよいので、是非散策したい坂の一つである。
坂の上り口近くでは、途中の家にではいりするため、坂が緩くなり、自転車も通りやすいように坂も併用となる。そして、坂の終わりは新坂と合流する。
嫁坂の降り口は、新坂よりも兼六園よりであるが、上り口は新坂の途中になる。嫁坂が崖をほぼ真っ直ぐに降りるが、新坂は崖を斜めに降りるためである。それだけ新坂が緩やかになっていることになる。

嫁坂の由来であるが、小立野の坂の上に住んでいた藩の重臣・篠原出羽守が、娘を坂の下に住む本庄主馬へ嫁がせるときに坂道を整備したことによるという。
だが、一説にはここから嫁を蹴落としたとか・・・。ちょっと怖い話である。
やはり、婚礼に際して整備した、というのが優雅だと思う・・・

坂の上からは町並みや寺町、野田山なども見える
雪の嫁坂

色彩が消え、夏などとはまた違った雰囲気となる。



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