築基参証 第二篇 健身静坐法の実践
第2章 静坐の時の両足
許進忠 撰述
虞陽子 査定
神坂雲太郎 訳
第2章 静坐の時の両足
- 胡座をかいて坐り、左足を右の太ももの上に乗せ、さらに右足を左の太ももの上に乗せる。このやり方を双盤膝という。初学者は慣れるま
で簡単ではなく、比較的年齢が高くなるとこれを習得するのはさらに困難であるが、ことさらにすることはない。
- 左足を右の太ももの上に乗せるか、右足を左の太ももの上に乗せる。これは、どちらでも好きなほうでよい。このやり方を単盤膝という。
初学者は、双盤膝をすることができないので、自然と単盤膝を好む。ただ、姿勢を正して、真っ直ぐにするよう注意しなくてはならないが、そ
の効果は双盤膝と同じである。
- 右足を左の太ももの下にやり、さらに左足を右の太ももの下へやり、二つの脛は後ろ向きに交差した格好になる。このやり方を下盤膝とい
う。年をとり比較的体が堅く、単盤膝もやりにくい人は下盤膝を用いてもよく、その効果はまた単盤膝と同じである。
- 双盤膝、単盤膝、また下盤膝であろうとも、三つの坐り方はどれもお尻の下に二、三寸の柔らかい敷き布団か座布団を使わなくてはなら
ず、太ももの部分より少し高くして、腰を曲げず重心を安定させる。
- 初めて盤膝を組む時は痺れやすいが、多少我慢する方がよく、練習してしばらく経つと、だんだん自然にできるようになる。
- 痺れて我慢できないときには、足を上下入れかえてもよい。もしまた我慢できないならば、しばらく休み、痺れがなくなるのを待って、も
う一度坐り直す。
- もし十分に我慢して、極限まで痺れるのに任せれば、痺れた後自然と元の様子に戻る。この段階を越えれば、再び坐っても何時までも痺れ
ることはない。以下に三種類の坐法を図にあげる。
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