築基参証 第二篇 健身静坐法の実践
第5章 静坐時の顔、耳、目、口、舌、唾液

許進忠     撰述
虞陽子     査定
神坂雲太郎    訳

 

第5章 静坐時の顔、耳、目、口、舌、唾液

 

  1. 頭は真っ直ぐにして、顔は前に向けなくてはならない。
  2. 両耳は聞こえなくなったようでなくてはならないが、聞こえてくる音をわざと聞こえないようにしようとする必要はない。もし無意識に聞 こえてきても、その音が何を意味するか分析してはならない。
  3. 目は軽く閉じなければならない。目を閉じてこそ脳は容易に寛げるのであり、妄想が少なくなる。静坐する前には必ず十分眠らねばなら ず、普通の人で大体八時間でよい。睡眠が足りないと精力は不十分で、坐るとすぐさま眠ってしまうようでは静坐といえない。睡眠はある面で は十分でなくてはならないが、他方ではあまり多すぎるとは駄目だということを考慮せねばならない。寝過ぎると、頭がぼうっとして睡眠不足 と同じとなって、かえって静坐することができないのである。
  4. 口は軽く閉じ、舌を上顎につけなくてはならない。
  5. 口の中に唾液が出てきたら、飲み込まねばならない。もしも唾液が出なくても、気にする必要はない。
  6. 呼吸する時は、鼻のかわりに口を使ってはならない。

 

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