築基参証 第二篇 健身静坐法の実践
第7章 静坐の時間

許進忠     撰述
虞陽子     査定
神坂雲太郎    訳

 

第7章 静坐の時間

 

  1. 静坐の修行は、第一に根気がなくてはならない。晴れていようが雨だろうが、暑かろうが寒かろうが、毎日ずっと静坐して、睡眠や食事の ように考え、日々の変わらない生活様式といえるようでなくてはならない。
  2. 初めて静坐をする人は、毎日二回静坐しなくてはならない。一回目は朝起きた後、二回目は夜寝る前である。
  3. 毎回の静坐する時間は、三十分以上にしたほうがよい。元来静坐の時間は、長ければ長いほどよいが、それでも自分の能力に合わせるべき であって、無理に長く坐ってはならない。もし坐っていていやになったり、あるいは体がしびれてもう坐れないなら、やめるべきである。
  4. 仕事が忙しくて、毎日長い時間坐れない場合、決して明日できると考えずに、一回何分であれ争うように静坐をしなくてはならない。何分 であっても坐れば坐るだけの成果があるということを理解するべきで、年月を越え頑張って坐るならば、その積もった効果はやはり非常に見る べきものになる。
  5. 静坐の時間は、毎日決まっていなくてはならない。昼夜を分かたず、心を決めさえすれば、昼でも夜でも静坐の効果は同じである。
  6. 静坐の時間は、修行が深まるにつれ、坐る時間が長くなっていく。非常に深まると、一日中ずっと静坐していても意識は外に向かわず、一 挙一動について真意はいささかも離れない。それと同時に、凡俗を越えた生命の実現を目指して努力し、無為にして為さざる無しという聖なる 成就を成し遂げようという、さらに一歩進む決心をしなくてはならない。

 

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