〜ボウリングの理論〜

第一号

(1998年10月11日)


1.レーンと用具 

 ボウリングを楽しむには、必要なものがあります。
それは、
 (1)ボール
 (2)シューズ
 (3)レーン
 (4)ピン
の4つである。
 ボールとシューズは自分で用意してもいいし、ボウリング場で借りてもいいが、レーンとピンは、自分で用意はできませんので、ボウリング場の設備を使わせてもらうことになります。
 それでは、それぞれの用具について説明します。

(1)ボール
 ボールはボウリング場にたくさんのボール(ハウスボールと言う)が用意されています。それぞれのボールは、重さも指を入れる穴の位置も少しずつ異なっています。ボウリングを始めるとき、まず悩むのが、ボール選びでしょう。いかに自分にぴったいくるボールを選ぶかがポイントになります。ちなみに、ボールの直径は21.5センチです。

 ・重さ
 重さは、一番重いのが16ポンドと定められています。ハウスボールの場合は16ポンドから1ポンド刻みで用意されており、一番軽いのは8ポンド位まで用意されています。中には6ポンドや7ポンドといった子供用も用意されているボウリング場もあります。
 ボールは重い方が破壊力(ピンを倒す力)が大きいですが、しかし、それぞれ人の体力にあった物を選ばないと、重くて投げられませんし、何とか投げたとしても、投げるのが精一杯でコントロールが付きません。通常、女性では9〜12ポンド位で、男性では12〜14ポンド位です。力に自信のある人は、15〜16ポンドといった具合でしょう。ボウリングに慣れていない場合は、はじめは軽目のボールを選び、慣れてきたら、少し重いボールにしていくのがいいでしょう。
ちなみに、私の場合は、ハウスボールでは11〜12ポンド位を使用していました。今は、13.5ポンドを使用しています。

 ・グリップ(穴の位置)
 グリップはボールを選ぶ時に一番大事な物です。指の穴がぴったりとくるものであれば、少し重めのボールでもスムーズに投げることができます。ボウリングは親指(サム)と中指と薬指(フィンガー)3本の指でボールを握ります。特殊な場合は、2本指で投げるプロボーラーもいます。しかし、これは本当に特殊で、普通では3本指で投げます。ハウスボールからボールを選ぶのにはいくつかのポイントがあります。まず始めに大事なのが親指の穴の大きさです。この穴が大きすぎると、投げるときにすっぽ抜けてしまい、ボールを落としてしまうこと(ロフトボール)になり、力は入りませんし、コントロールも付きません。逆にきつい場合は、なかなか抜けなく放り投げてしまうような感じになりますし、へたをすると突き指や豆を作るなど親指をけがすることになります。ちょうどいいのは、親指を入れて、くるっと親指を回したととき圧迫感がなく、それでいて穴の周囲に軽くさわっているような位はちょうどいいと思います。
 次にボール選びで大事なのは、親指(サム)から中指・薬指(フィンガー)までの間隔です。標準的な間隔は、親指を一番奥までいれて、中指と薬指を第二間接で握るようにしたとき、手のひら全体がボールに触っているような感じで、ボールと手のひらの間に鉛筆が一本位入る位がちょうどいい穴の位置です。しかし、ハウスボールでは平均的な穴の大きさやスパンでドリル(指の穴をあけること)されてますので、なかなかぴったりとくる物がない場合があります。この場合重さよりも、多少軽い、重いより、穴の位置に重点を置いた方がいいでしょう。
ちなみにプロボーラーのほとんどは、フィンガーは第一関節で握るようにドリルしています。そして中指と薬指の間隔(ブリッジ)も狭くドリルしています。これは、ボールに回転力を付けるには適しているドリルの仕方ですが、穴の大きさやスパンがその人にぴったりでないと、投げるのが難しくなります。ですから、第一関節で握るようなドリルは、マイボールのでないとできません。

(2)シューズ
 ボウリング場では、ボウリング・シューズを履くことが義務つけられています。これは、床材の保護と、ボウリングを行うにもっとも適した機能を持っているからです。
 基本的にボウリング・シューズは普段みなさんがはいている靴と同じ形ですが、作りが異なっているところがあります。基本的には全体が皮で作られております。また、靴の裏にも皮が張り付けてあり、これはボールを投げる時、最後のステップがスライドして、ボールに勢いをつける役目があります。ハウスシューズ(ボウリング場で借りるシューズ)は両足とも皮が張り付けてあります。それは、右利きの人でも左利きの人でも使えるようにしてあるからです。これはあまり良くありません。確かに最後のステップでスライドができるのですが、その前のステップではスライドさせず、逆に踏み込みますので、逆に滑ることが投げにくい原因になってしまします。マイシューズでは、スライドさせる方の靴の裏だけが皮を張ってあり、逆の足はゴムになっています。そのため。スライドさせない足の方はグリップして、力が入り、ボールに勢いをつけることが可能になります。

(3)レーン
 レーンは世界共通の規格で寸法が厳格に決まっているため、どこのボウリング場でも同じ寸法、同じレイアウトです。ファールラインからレーンエンドまで約19メートル、並んだピンの先頭の1番ピンまでは18.26メートル(60フィート)です。また、レーンの表面はボードといわれる細長い板(幅2.54センチ)をガーターからガーターまでの間を横に39枚並べてあります。水平度は1ミリも許されていません。レーンの表面にはレーンコンディションを保つため、オイルが塗られています。このオイルの塗り方によりボールの速度や変化が変わってきます。

 レーンを見るとその他にいろいろなマークが書かれています。書かれているマークには、スタンディング・スパット、リリース・スパット、ファールライン、ガイド、ターゲット・スパットがあります。
 スタンディング・スパットはアプローチの一番手前に2列、丸印で書かれています。一列目はファール・ラインから3.66メートル、2列目は4.27メートルです。リリース・スパットはファールラインの手前5センチの所に丸印で書かれています。これらはアプローチに書かれています。 レーン上には、ファールラインからピン側2.14メートルにガイドが丸印で書かれています。さらに、ガイドから2.14メートルピン側にターゲット・スパットが三角印で書かれています。ボウリングを行うときには、ガイドとターゲット・スパットが非常に重要な目印となります。
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(4)ピン
 ピンも国際規格で決まっています。高さは38センチ(15インチ)、ピンの一番太い胴の部分は直径12センチ(4.75インチ)、底の部分は直径6センチ(2.25インチ)です。重さは1417〜1644グラムとなっており、10本のピンの最低と最高の重さのさは113グラム以内でないといけないことになっています。
 このピンの寸法にはボウリングを楽しい物にする秘密があります。それは、ボールの半径とピンの一番太い部分の差は、1センチほどピンの一番太い部分が上になるようになっています。ですから、ピンにボールがぶつかった時、ピンは上の方向に飛ぶようになっているのです。これが、激しいピンアクションをを起こすのです。


第二号は10月25日ごろ掲載予定です。

[予告号 ・はじめに]
[第二号 ・ストライクを取るために(その1)]

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